サマリー
間下直晃氏:みなさんこんにちは。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ただいまより、2017年12月期第3四半期の決算説明会を開始させていただきたいと思います。私、株式会社ブイキューブ代表取締役社長の間下でございます。
私から、各ステップに沿ってご説明をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今日のテーマとして、ここに書いてあるものがサマリーとなりますけれども、まずひとつみなさまにお詫びしなければならない点がございます。「決算発表日の変更について」ということで、本当は先週、決算発表を行う予定でございました。
しかし、監査法人等と、とくに今回発表しておりますパイオニアVCの減損を中心としたところで精査が必要であるということで、決算発表の延期を要請されました。こちらに従って、今日(2017年11月14日)に発表させていただいたというところでございます。申し訳ございませんでした。
1. 2017年12月期第3四半期決算 <連結P/L>
まず、第3四半期の決算のご報告にまいりたいと思います。こちらの現状を表しているのが、5ページでございます。まず、基本的に大きく影響してきておりますのが、パイオニアVCの電子黒板事業になります。ならびに、中国のサービス業の(顧客向けプロジェクトの)展開の遅れが、今期の第3四半期以降、大きく響いてきているということが現状でございます。
今回、先ほどお話ししました監査法人と協議を進めてきたところに関して、ご説明します。パイオニアVCの買収によって持っていたのれんを、第3四半期におけるパイオニアVCの電子黒板の販売の状況を鑑みて、のれんを減損処理しようということで、この第3四半期に3億8,400万円、特別損失として計上しております。
これによって、第4四半期以降、のれんの償却という営業利益にヒットするコストはなくなったということになります。
また、(スライドにある)「中国のサービス業の顧客向けプロジェクトの遅れ」とは、中国では上海GMの案件が、昨年(2016年)まで非常に収益を生んだものです。これが一度止まって、今年(2017年)の上期中に始まる予定が今遅れてきていますが、これを年末に開始することになりました。
もう1つ、中国のディーラー向けのサービスの準備をしていましたけれども、こちらもサービス開始の予定が昨年だったにも関わらず、足元でもまだ始まっていないということです。
現状で見ますと、来年の第2四半期に開始の予定ではありますけれども、「不透明感は残る」ということで、こちらの事業に関しては、もともと計上していた前払費用に関しては全額、6,900万円ほど減損処理をさせていただくということをしております。こちらについては、すでに償却をしてきておりましたので、償却費負担はこの第4四半期以降になくなるということが、これからは言えるかなと思います。
今お話しした上海GMが、いちばん大きな項目でございますけれども、こちらについては10月末に契約を締結完了しまして、年末から開始するということが確定しました。今年の段階では遅れてしまいましたけれども、なんとか開始にこぎつけたということを、ご報告させていただきたいと思います。
また、構造改革については、順調に推移してきております。これも詳細はあとでご説明してまいりますけれども、下の表に1Q・2Q・3Qの数字を四半期ごとに書かせていただいています。まず販管費が、構造改革のメインの1つでございます。第2四半期までは、昨年からの採用等も含めて伸びてしまっていますけれども、第2四半期でピークアウトして、第2四半期から第3四半期に下がり、第4四半期にはさらに低減していくと見込んでおります。
売上原価についても、第3四半期は電子黒板の販売が、ほかの四半期に比べると大きく入っていますので、少し大きく見えますけれども、原価の低減についても順調に今進んでいるというところです。営業利益についても、第1四半期は2億6,700万円のマイナス、第2四半期は1億6,000万円のマイナス、第3四半期は1億2,500万円のマイナスということで、第4四半期は黒字化を目指しているところでございます。
本当は、第3四半期から黒字化する見込みを持っていましたけれども、残念ながら先ほどの、中国事業の遅れ。とくに、年末に開始が決まったとはいえ、もともとこの下期から始まる予定だったものが遅れてしまったということと、第3四半期のパイオニアVCの売上が振るわず、昨年と同程度となってしまったというところが、第3四半期に影響を与えているというところでございます。
これらについての対策等については、このあとでまた、ご説明をしてまいりたいと思います。
1. 2017年12月期第3四半期決算 <販売形態別×地域別売上高>
次に、販売形態と販売地域ごとにマトリックスにしたものが、この6ページの表になります。
日本国内に関しては、働き方改革の分野。この中でいうと日本とクラウドが中心になりますけれども、ここは今、堅調に推移しております。
選挙も終わりましたけれども、11月が「テレワーク月間」ということで、これからテレワークを活用した働き方改革がしっかりと伸びていくと、我々も思っています。ここをいちばんの注力分野として多くの資源を集中して、ほかのところを下げていく動きをさせていただいているところでございます。
オンプレミスについては、昨年(2016年)と比べて、横ばい傾向かなと見ています。比較的お客さまが、クラウドに対しての障害というか、問題がなくなってきたということから、多くのお客さまがクラウドを選ぶようになってきています。
一部の銀行系・金融機関を中心としたオンプレミスの売上はまだまだ残りますし、これから金融の伸びが期待されていますので、伸びる可能性はありますけれども、基本はクラウドを中心に考えていくことになろうかと思います。
アプライアンスに関しては電子黒板が中心ですけれども、非常にていたらくで申し訳ございませんが、昨年とほぼ同様程度という着地でございます。
その他は、機器の販売等が中心でございますが、こちらもPVCの機器の販売を中心に振るわなかったというところです。こちらは、あまり大きな粗利がない分野でもありますので、影響はそんなに大きくなかったかなと思います。
海外にまいります。(シンガポールの)Wizlearnについては、非常に順調に推移をしています。昨年からも、企業向けの研修インフラが成長していますので、昨年に比べても伸長することができています。
半面、中国に関しては、クラウドが昨年の6億2,700万円が(今年は)1,100万円ということで、非常に厳しい状況が続いています。これは、主力の上海GMが下期から始まるところが(実際は)始まっていなかったところが、主たる原因になります。こちらの影響が、第3四半期に大きく出たということかと思います。こちらについては、年末から開始と考えていただければと思います。
1. 2017年12月期第3四半期決算 <電子黒板事業>
今問題として挙げております、電子黒板関連の事業・パイオニアVCの事業と中国についても、このあとご説明してまいりたいと思いますけれども、ここに「決算発表日延期の理由」と書かせていただいています。
夏休みがあるということもあって、電子黒板の納入のピークとなるのが、第3四半期になるわけです。一部第4四半期に動いたことも含めて、第3四半期の繁忙期があまり振るわず、計画未達に終わっているということから、「第3四半期の段階でのれんを減損するべきではないか」と、監査法人と議論していたことで、今回の発表が遅れてしまいました。この点は、誠に申し訳ございません。
電子黒板事業の不透明感というところと、実際にパイオニアVCが抱えている業績関連の精度の低さとPMIの遅れの2点を背景に、3億8,400万円を減損するということになりました。
我々の対応としては、ブイキューブとのオペレーションを完全に統合していくことによって、コストダウンをしっかりと図っていくということ。また、今我々の「VJP」というブイキューブの本体の日本の部隊に関しては、業績管理能力がだいぶ向上してまいりまして、改善ができてきておりますので、この基準でしっかりと業績管理をしていけるような体制を、目指してまいりたいというところでございます。
過去の電子黒板ならびにディスカッションテーブルの実績に関しては、下の表のとおりでございますので、ご覧いただければと思います。残念ながら、非常に厳しい状況にあるというところです。前々からご説明しておりますように、お客さまが全部、地方自治体の教育委員会等になりますので、予算がどう執行されるかということになります。
全40万教室に電子黒板を入れるということは、文部科学省からの指針としては出ておりますけれども、残念ながら、まだ普及率は20数パーセントしかいかないということです。もともとの4年間の予定は、来年(2018年)の3月までですから、かなり大幅な導入未達というかたちで、一度区切りがきます。
継続して導入を続けていくということですので、我々としても継続してやっていきますけれども、来年以降はかなり厳しいかたちと見るしかないということです。我々としては、厳しいながらもしっかりと利益ができる体質を、パイオニアVCを中心にやっていくということで、今進めているとご理解いただければと思います。
1. 2017年12月期第3四半期決算 <構造改革の進捗>
コストダウンのところですけれども、構造改革の進捗について、ご報告を申し上げたいと思います。もともと、原価の低減(①)と販管費の削減(②)。これが大きな2つのトピックとしてありまして、それぞれの中には、細かい項目がございます。
データセンターの合理化・商品数の削減による管理開発工数の削減・役員報酬カット・人員削減等も含め、それぞれの項目にわたって取り組んでまいりました。
こちらについては、一言で言えば順調に推移をしております。通期目標で見ますと、1億7,800万円の原価の低減。そして、販管費の2億1,000万円の削減については、通期で見ると上振れて達成できるのではないかと見込んでおります。
また、第3四半期の状況で見ますと、原価の低減で1億1,200万円・販管費の削減で1億4,200万円の合計2億5,400万円が、第3四半期までで削減できたのではないかと考えております。
今期は削減といっても、どうしても期初から全部が削減できるわけではないので、(2017年)6月からやったものは、半年分しか今年には影響がないわけですけれども、来年(2018年)は、これがフルに効いてくるということ。これと、さらに構造改革を進めていくということを目標にしております。
原価固定部分(グラフの青色部分)として発生しているもので見ると、24億円弱。そして、販管費としては34億円程度と見込んでおります。こちらの実現についてはかたくなってきたというところと、いわゆる損益分岐点をしっかり下げた状態で、来年に売上も上げていくといったかたちを実現すべく、取り組みを続けているところでございます。
1. 2017年12月期第3四半期決算 <連結BS>
BS面については、(2017年)8月に、子会社であるアイスタディの増資・9月にブイキューブの増資を行っておりますので、現預金・純資産・総資産ともに、増加しております。
構造改革は、従前から持っているソフトウェアについてはしっかりと見直し・取捨選択をして、今年中に落とせるものは落としていき、来年以降の償却費負担を下げることによって、業績改革を早めるというお話をさせていただいております。このソフトウェアならびにのれんの減損を、今年の第2四半期、第3四半期ともにかけてきたことによって、固定資産は減少しております。
また、昨年(2016年)末の段階で、買収時に借入を行った銀行からの借入の財務制限条項に抵触がありました。こちらについても、銀行の方々にも現状の状況をしっかりご理解いただきまして、借入条件に変更なく継続しているというところでございますので、その点はご安心いただければと思います。
2. 2017年12月期連結業績予想 <修正あり>
それでは、2017年12月期の連結業績予想についてご報告申し上げたいと思います。
まずこちらについても、申し訳ありません。先ほどの中国事業と電子黒板の事業、こちらの第3四半期までの状況を受けまして、こちらの通期予想についても、下方修正をさせていただいております。
実際、これを受けますと、売上は77億円の見込みを持っていたものが、69億円程度。営業利益は、下期が上期の赤字をすべて補って、通期でも黒字化できると見込んでおりました。しかし、この中国と電子黒板の事業による営業利益の低下がありまして、ほかのところで補いが多少ありますけれども、残念ながら通期としては、2億9,400万円程度の赤字に留まるということになります。
現状では、先ほどから申し上げております、この構造改革をしっかり進めていくことによって、今期中にしっかり膿を出して、来期は良いかたちで向かえていく。とくに第4四半期からの黒字化を目指して、今年(2017年)の第4四半期からの黒字化を目指して、今進めているというところでございます。
また、経常利益と純利益に関しては、今回は予想を未定とさせていただいております。これはなぜかと言いますと、期末に向けてこれ以外にも、構造改革をもっとできることがないかということで、いろいろな検討を進めさせていただいております。
その中で、この経常利益もしくは純利益に与える影響の度合いが、はっきりとしない状況がまだまだございます。そのため、ここのところは、現段階では未定と開示させていただいております。
基本的な考え方は、先ほどから申し上げていますように、今年中に出せる膿はすべて出すということ。みなさまのご理解やステークホルダーのご理解をいただきながら、できる範囲のものをしっかりやって、来年(2018年)以降は、業績回復を急速に行う。
このV字回復のかたちをしっかり作るべく、年内はしっかりと進めてまいりたいと思います。これらの影響具合等による、経常利益と純利益の額が見えてまいりましたら、適時開示してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。また、下方修正の件は、誠に申し訳ございませんでした。
2. 2017年12月期連結業績予想 <販売形態別×地域別売上高>
今発表しました通期のところについて、各地域別・販売形態別のことについても、詳細をご説明してまいりたいと思います。
今回(業績予想を)下げた主なポイントに関しましては、日本におけるパイオニアVCの電子黒板の事業で、売上が約5億円。中国におけるクラウドの売上減が、約4億円程度。この合計の9億円程度のダウンが中心になってまいりますけども、Wizlearnについてはプラス7,000万円程度ということで、差引の8億3,800万円程度、売上高を下方修正させていただくということになっております。
このうち利益率が大きいのは、中国のクラウドでございます。ここは直接的に、かなり大きなインパクトを与えております。
通期では4億円程度、営業利益に対するダメージを与えているわけです。これについては、構造改革によるコストダウンが予定より進捗していることと、ほかの利益率の改善によって補うことができているものが一部あるということから、差引としては先ほどご説明したようなかたちの着地を、見込んでいるというところでございます。
2017年12月期連結業績予想 <中国事業の現状>
中国の件でございますけれども、この中国の背景・歴史を少しご説明します。2013年に、我々が中国市場に本格参入するということで、BRAV International Limited、ならびに当社の子会社であるウェイリーファン(威立方)。これは、中国のブイキューブ読みの名前です。こちらの会社を含めたところを連結子会社化して、グループに参加しているという会社でございます。
我々が立ち上げたというよりは、現地で立ち上がった会社を我々が、2013年の頭に買収しているということになります。
売上高の大半を、上海GM向けの車載用ウェブ会議システムが占めています。前から「一本足打法はこわい」ということで、ほかの2本目・3本目を探しておりましたが、結果的には、まだ一本足打法の状態が続いておりました。
この下の表を見ていたいただいてもわかるとおり、昨年(2016年)まで非常に、いいかたちでの利益でした。ここには経常利益として1億円台の数字が書いておりますけれど、VGSというブイキューブのグローバルサービスという、シンガポールにある会社がロイヤリティを受け取っています。ここが数億円規模あるということで、非常にグループの利益にも貢献してきたというのが、2016年までの位置付けでございます。
ただ、2016年の末の段階で、サービス切り替えということで、今まで企業向けにやっていたものを、コンシューマー向けにしようというものが決まりました。企業向けを停止して、コンシューマー向けのものが今年(2017年)開始予定でありましたけれども、こちらが大幅に遅れました。今年の10月に契約が全部完了して、年内の販売開始が確定したというところが、今足元の現状でございます。
今後の顧客拡大ということで、このSGM以外の一般企業向けのところは、なかなか価格競争が厳しいということで、あまり力を入れておりません。この1年はとくに、政府機関向けのオンプレミスに絞った展開をしてきております。
今は少し、日本企業による政府向けのソフトウェアの提供に対する難点も出てきておりますので、この対策をこれから講じていかなければいけないと思っております。
この政府向けのオンプレミスについては、やはりそれなりに規模感があるということと、お金を払っていただけるというところから、引き続きここについては、もう1つの力として動かしていくべく、今年は活動しているというものでございます。
こういった中国の現状でございますので、今期の影響については、一応ネガティブな影響を与えてしまいましたけれども、上海GMについては年内開始が確定しましたので、来期はそれなりに貢献してくると思っております。
また、今お話ししました政府向けをしっかり育てていくということで、複数の足を持ったかたちで展開をしていくということを、見込んでいきたいと考えております。
2017年12月期連結業績予想 <その他の子会社>
その他の子会社のところでございます。アイスタディは、東証2部に上場している会社ですが、こちらについては(2017年)3月に社長交代を行い、「第2の創業期」ということを掲げました。成長分野に軸足を移すべく、フィスコグループとの資本提携を経て、ビジネスの拡大に取り組んでおります。
さまざまなところでのビジネス展開を狙っておりますし、根本的には働き方改革の研修分野を担う会社ということで、一緒に展開をしていくということで、やらせていただいております。
海外については、「海外の不採算拠点を閉鎖しますよ」というお話をしてまいりました。こちらについて、タイならびにU.S.は、もともと黒字化が済んでおりますので、このまま継続をしてまいります。
マレーシア・インドネシア・シンガポールについては、足元では、通期で黒字化できるかできないかのギリギリのところにおります。今のところ通期で、下期に関しては黒字化が見えてきたというところです。来期に関しては、黒字化が見込めるのではないかというところになってきております。
これを今後どうしていくかについては、社内でまた議論しておりますけども、状況を見ながら判断してまいりたいと思います。
その他、台湾・インドについては、少し先送りしている状態ではありますけれども、これらは構造改革をある程度のかたちを作ったあとで、どうするかについては、また検討してまいりたいと考えております。