2018年3月期第2四半期決算説明会
内藤裕紀氏(以下、内藤):みなさん、こんにちは。ドリコムの内藤です。それでは今から2018年3月期第2四半期の決算説明を行いたいと思います。
その後に、ネットでいただいている質問をいくつかピックアップしてお答えしていきたいと思います。よろしくお願いします。
第2四半期 業績概要
まず、決算説明会資料の補足をしていきたいと思います。第2四半期の業績概要でございます。
売上に関しましては、すでにリリースで修正を出させていただいていますが、36億2,900万円で四半期の売上高としては過去最高になっております。営業利益は1億3,200万円。経常利益4,200万円。当期利益が4,000万円になっております。
第2四半期業績概要(続き)
今期に関しては、売上拡大重視で進めている最中でございます。第2四半期に関しては、7月に新規のIPゲームアプリ2本をリリースと、すでに配信している他社配信アニメIPに関しては、引き続き好調に推移している状況でございます。
下期で3〜5本のリリースを目指すと書かせていただいております。こちらは後ほどもう少し詳しくご説明したいと思います。
予想比較した着地の差分としては、大きくは固定費の下振れ(主に広告宣伝費)部分になっているのですが、わかりにくいので右側にグラフをもう1つ付けております。
他社配信アニメ版権のゲームに関しては、プラスと書かせていただいているのですけれども、今期リリースをしているタイトルに関して、予想よりもプラス影響になっております。
前四半期比営業利益増減分析
費用が多くかさんでいる状況になっているのですが、こちらに関しましても後ほど、新規タイトルをリリースしたときにどのように費用が増えるか。それが今後どのように減っていくかを補足したいと思います。
第1四半期との比較としましては、労務費はほぼ社員の給料になっています。外注加工費に関しては、弊社に来ている業務委託の方々などの人件費の部分が大きくなっております。
このうちの一部は、棚に上がって納品時に相殺されるかたちになるのですけれども、残りは運用費というかたちで増えています。原材料仕入高は、絵などの素材です。
こちらに関しても、リリースに向けて開発が進めば進むほど、いったん原材料仕入高として増えてきて、リリース時に棚に上がったものと相殺されて消えるかたちをとっています。
セグメント別営業利益の推移
こちらは改めてではございますが、今期は売上拡大を重視して、今、進んでいる状況です。
第2四半期 ポジティブとネガティブ
ポジティブ(なトピック)としましては、既存タイトルが順調に推移しております。すでに3年以上経っている状況ですが、引き続き多くの方々に遊んでいただいております。
一方のタイトルに関して、第1四半期ではありませんが、10月に大型のバージョンアップをしている状況です。過去のタイトルでも大型のバージョンアップをすると、また多くのユーザーさんが戻ってきて、遊んでいただいているということが見えております。
既存タイトルでもきちんとバージョンアップしていくことによって、また結果が出てくることを手応えとして感じている状況です。
今開発しているタイトルに関しまして、今年マーケットに出ているタイトルなどを比較したとき、全般のタイトルのレベルが上がってきているなと感じていますので、従来想定していたレベルより、もう一段クオリティを上げてリリースすることを重視しています。
結果として、それによって本数が少し増えているという状況と、全体のリリースが少し後ろ倒しになっているというところがございます。
リリースタイトル数とし、下期は3〜5本と少しバッファを持ったかたちとさせていただいているのは、期がズレることも想定しているためです。
『ダービースタリオン マスターズ』に関しましては、「ユーザー満足の維持・向上における課題を認識」と書いているのですけれども、どのようなユーザーさんが、どのようなことを求めているかを再検証・再定義して、それに向けて施策などの見直しを図っている最中でございます。
今期4月より、新規開発タイトルの体制と、運用タイトルの体制を大きく2つに分けました。運用タイトルのチームに関しては、運用ノウハウをためていく。新規タイトルのチームに関しては新しく作るとか、ノウハウをためていくことをやっています。
リリースしたタイトルを、どこまで新規タイトルチームにおいておくかというところで、『ダービースタリオン マスターズ』に関しては、下期に運用チームに移管をしたところです。
もう少し早い段階から運用チームに移管していくことによって、よりスムーズに運用体制に持っていけるのではないかということで、今後は新規タイトルに関しましても、早い段階から運用チームの連携を図って、スムーズに運用体制に持っていきたいと考えています。
今期リリースしたIPタイトルに関しましても、まだまだ改善すべき部分が多いだろうと認識していますので、こちらも運用体制の中で、より改善を進めていきたいと考えています。
2018年3月期の経営方針
2018年3月期の経営方針です。こちらはずっと変わりなく載せておりますが、常時10本のIPゲームアプリの運用を目指している状況です。
期初段階で(新規IPゲームアプリを)6〜7本のリリースということで、上期に2本リリースをしていて、残り3〜5本ということで、最大7本になってくると思いますけれども、少ない場合ですと、5〜7本ぐらいになるかなと思います。
こちらに関しては、マーケットに出ているヒットタイトルのクオリティが上がってきていることから、全体のリリース版のクオリティ自体が引き上げをしているというところが、一番の要因になっています。
「ドリコム中長期の成功を担う新規事業領域へも投資」と書かせていただいているのは、このタイミングで発表になかったのですけれども、バンダイナムコエンターテインメントさんと一緒に会社をつくらせていただいて、ブラウザーのゲームプラットフォームを立ち上げているところに投資していることを書かせていただいています。
IP戦略:IP戦略の進捗(開発面)
IP戦略の進捗状況でございます。開発面から言いますと、第3四半期中に2〜3本のリリースを想定しています。
こちらも最終的に、クオリティがリリースするに値するかをギリギリまで判断しながら、スケジュールを決めていきたいと思っていますので、2〜3本と併記しています。そのうち1本はまだ世間に未発表のタイトルになっています。
基本的にはリリースから1ヵ月から2ヵ月のタイミングで、事前登録をしていきますので、そのタイミングでの発表が基本路線となっていきます。
第4四半期中に関しましても1、2本ということで、さらに2本あるのですけれども、こちらもリリースタイミングが来期にまたぐ可能性もあるので、1、2本と書かせていただいています。
なので合計して3〜5本になりますけれども、その5本中発表されているタイトルが2本で、残り3本はまだ未発表となっています。こちらも順次発表していきたいと思います。
IP戦略:IP戦略の進捗(運用面)
1本1本確実にヒットを出すために、全体の工数を増やしてでも、クオリティレベルを上げようというところで、今、全体として工数が増えて、リリース時期を優先するよりかは、クオリティを優先するかたちに見直しをして、開発を進めています。
運用チームは中段階で出すとやっていたのですけれども、もう少しリリース前段階から連携して、スムーズに運用体制に入っていく体制に変更をかけているところです。
マーケティングチームの連携に関しましても、より一層の連携の中で、タイトル自体を伸ばしていきたいと考えています。
あとは運用コストの最適化というところがポイントなのですけれども、たぶん今回の決算、前回の決算で、売上は伸びているけれども、利益はそんなに出ていないという所感を持たれている方も多いのではないかなと思います。
リリースタイトルが増えるときに、費用が増えやすい要因は大きく2つございます。1つはとくにIPタイトルに関して、リリース時に大きく集客したほうがいいだろうという仮説の中で、『ダービースタリオン』なども初期の集客を重視していましたが、やはりその後のタイトルを見ても、リリース時の初期に集客を大きくしたほうがいいだろうというところから、考え方としては変わっていませんので、まずリリース時に広告宣伝費が集中して増える状況があります。
もう1つは、運用にかかる人員体制なのですが、リリース後も機能開発が引き続き多く続くので、運用チームと新規機能開発チームで、体制としては簡単にいうと2倍ぐらいになっている状況がしばらく続きます。
リリースから3ヵ月から半年ぐらいは、そのような体制が続きますので、最初のリリース半年が、どうしても広告宣伝費と運用の人員が多い状況が続いているため、リリースがかさむ時期は、どうしても費用が先行する状況になっています。
これに関して、「運用コストの最適化」と書かせていただいているのは、リリースしてある程度時間が経って、新規の大きなバージョンアップなどの部分の機能開発がなくなってくるタイトルに関しては、もう少しスリムな運用体制に移していくことによって、運用効率自体を上げていくことができると考えています。
『ダービースタリオン マスターズ』
次に『ダービースタリオン マスターズ』に関しては、8月に大きく数字がへこむかたちになっていたのですが、運用施策などの見直しを行って、9月に盛り返しをしていく状況で、来月11月が1周年ですので、1周年に向けて再度挽回を図っていくことを計画しています。
『レイヤードストーリーズ ゼロ』
『レイヤードストーリーズ ゼロ』に関しましては、バンダイナムコエンターテインメントさんのメディアミックスプロジェクトの中の、ゲーム開発チームとして参加させていただいてまして、事前登録受付中という状況です。
『みんゴル』
『みんゴル』に関しましては、ダウンロード数400万突破で、順調に推移しています。あと「みんなでゴルフ」というメインの機能のところが、やっとリリースできた状況でグランドオープンしました。
大変多くのユーザーさんに遊んでいただいている状況で、どちらかというと課金売上というよりかは、遊んでいただく方に長く遊んでもらうことを重視した設計になってきて、多くのユーザーさんに『みんゴル』というIPの『みんゴル』らしさを楽しんでいただくことができたのではないのかなと思っています。
ここからもう一段、主な売上の部分も含めて立てていくことを重視した機能改善にシフトしていきたいと考えています。
『週刊少年ジャンプ オレコレクション!』
『週刊少年ジャンプ オレコレクション!』に関しては、リリースの開発担当をさせていただいてますが、こちらもまだまだ改善をしていく部分があるなと感じていますので、80年代のタイトルが好きな方、90年代のタイトルが好きな方、2000年代のタイトルが好きな方といろんなユーザーさんが入っている状況ですので、どのようなユーザーさんをターゲットにしてサービスを改善していくかを模索しながらやっている最中でございます。
『きららファンタジア』
『きららファンタジア』は事前登録開始して、約2ヵ月で50万を突破、10月頭の段階で50万人を突破しまして、Twitterのフォロワーも今、21万を超えている状況です。
大変想定以上に多くの方に事前登録なりフォローをしていただけている状況で、期待値が高い状況になっています。
こちらのタイトルも、先ほどの方針と一緒で、従前想定していたクオリティよりも、もう一段上げて作っていくことをやっているので、想定よりも時間がかかっている状況になっており、事前登録開始から2ヵ月経ってしまっている状況です。
こちらも今、本当にリリース版としては最終的なところにきていると思っていますので、もう少しお待ちいただけたらと思います。
すでに発表しているブラウザーのゲームタイトルですが、今リリースタイミングで3タイトルをローンチタイトルとして、想定をして進んでおりまして、ゲームショウでも1本新しく『金色のガッシュベル!!』の発表をしています。
株式会社BXD
「プラットフォーム」と書かせていただいているように、弊社とバンダイナムコエンターテインメントさんだけが作っていくプラットフォームではなくて、サードパーティの方々にも参加をしていただくことを想定していますので、今、複数の会社さんとこのプラットフォームにタイトルを出してもらう協議をしている最中でございます。
ただ、年間に何十本、何百本出るプラットフォームというよりかは、厳選した少ない数のタイトルが出ていって、1本1本ちゃんと楽しんでもらうようなプラットフォームにしたいと考えています。
今、タイトルを含め、プラットフォーム部分も含め、来春のローンチに向けて、鋭意開発をしている最中でございます。
プラットフォーム部分はチャットのようなコミュニケーション機能から、課金の機能まで含めて、全般の機能開発が進んでいる状況です。
IP戦略:IP戦略の進捗
振り返りまして、IP戦略の進捗状況としまして、この下期に3〜5本のタイトルのリリースを想定して進んでいます。
減ったかたちに見えているのは、期がズレる可能性があることを加味して、このような体裁にしています。すでに出ている5本と、3本か5本が足されて、10本になっていくことを想定しています。
来期に関しましては、リリースしたタイトルを運用にのせていくというところと、あとはBXDを通したブラウザゲームプラットフォームの立ち上げに注力したこともあり、今期のリリース6、7本から比較すると、来期のネイティヴのゲームリリースの本数は減るだろうと想定しています。
2018年3月期 第3四半期の見通し
第3四半期の見通しです。すでにリリースしているタイトルに関しましては、全般保守的に数字としては見込むと想定しています。
もちろん、タイトル数が増えてきているので、1本1本で見れば、その数字を超えるものもあれば、その数字にいかないものも出てくるのを含めて、トータルこれぐらいの数字だろうと想定しています。
新規に第3四半期にリリースする2本、3本のタイトルの影響としましては、売上を少し若干見込んでおりますけども、どちらかというと、利益としてマイナスを想定しています。
先ほどの、広告宣伝費が未開発体制の人員が多いという状況から、利益に対してマイナス影響を想定しています。
2018年3月期 第3四半期の見通し(続き)
今期に関しましては、利益を重視するというよりかは、売上を重視して進んでいます。過去の弊社の決算を見ていただいてもわかるのですけれども、収益性の改善に向けて動いたときには、だいたい3ヵ月ぐらいで数字の結果としては出ている状況です。
今のフェーズとしましては、利益を出すことと、売上を伸ばすことと、両方いっぺんにはどうしても売上の成長率が下がってくるだろうという想定から、まず売上を先に上げるということを重視して、その次に利益の改善をやっていきたいと思います。
利益の改善タイミングとしましては、順次リリースされたタイトルが3ヵ月とか半年とか経ってきたタイミングから、順次1個1個タイトルで見えたとき、利益改善されてきますけども、トータルで見てくると、来年の第1四半期から第2四半期ぐらいが、利益水準が上がってくる1つのタイミングだろうと考えて、それまで売上重視で伸ばしていくということを想定して進みたいと思っています。
結果としまして、第3四半期が第2四半期プラス1億7,000万円の37億9,900万円で、累計100億円ぐらいの売上。営業利益は第3四半期、1億か5,000万円かみたいな数字にあまり意味がないなと思っておりますが、ほぼトントンという予想を立てています。
結果として、第2四半期のように、終わってみたときに利益が変わってくることも十分ありますが、意思としましては、利益を出すというか売上重視ということの意思として、こういった予想にさせていただいています。
結果として、第2四半期までの累計がほぼ横ばいで、1億7,000万円。それにともなって経常利益が0円。純利益がマイナス3,000万円という見通しになっております。