2018年2月期第2四半期決算説明会

岡本晴彦氏:おはようございます。今日は雨の中ありがとうございます。さっそくですが、業績についてのご説明をさせていただきます。まずは業績ハイライト、続いて通期業績予想および中期経営計画についてご説明させていただきます。

業績予想との比較

まず3ページです。売上高が593億2,200万円、経常利益が39億4,400万円と第2四半期としては過去最高を更新いたしました。

売上高に関しては、予想より若干よかったということで、既存店前年比96.5パーセントに加えて、業態変更を中心とした新店が好調でした。

去年までと少し違うところは、(今年の)上半期は少しスローダウンをして、出店ペースを抑えて、既存の立地の生産性を上げていこうということに関して注力しております。

経常利益に関しては、原価・人件費をうまくコントロールして、想定どおりに推移いたしました。その結果、経常利益もよかったということです。

とくに我々の事業体の中の、クリエイト・レストランツカテゴリー、SFPカテゴリー、専門カテゴリーの3つが横串で、いろんな経費減やシナジーについてディスカッションしている「クロスファンクショナルチーム」の取り組みにより、本社経費率に対しても生産性が上がってきました。

当期純利益に関しては、上半期は業態変更、撤退等の前倒しにより、特別損失が増加しております。また、前期と比べて大幅に下がっておりますが、こちらは去年の法人税が一時的に少なかったことによるものでございます。今期が巡航速度の純利益でございます。

出退店および店舗数について

続いて、出退店および店舗数についてご説明申し上げます。上半期の新規出店数は40店舗、計画比8店舗減ということで若干抑えめでやったということでございます。

撤退35店舗、業態変更21店舗、改装34店舗と、今上半期の特徴は、業態変更と改装が大変多いということでございます。

業態変更21店舗の中、一番多いのはクリエイト・レストランツカテゴリーでございます。その中でも「BEEF RUSH」という新業態への変更が大変多かったということでございます。

改装に関しては、SFPカテゴリーにおいて、磯丸水産の既存店の改装を積極的に行いまして、そちらが25店舗ありました。既存の立地の生産性を上げるということで、業態変更および改装に積極的に注力いたしました。

それ以外のトピックスとしては、クリエイト・レストランツカテゴリーのフードコート業態の中で、「ローストビーフ星」というローストビーフ丼専門店の引き合いが大変多いということで、郊外のショッピングセンターに積極的に出店しております。

郊外のショッピングセンターは、長期的に少し苦しい立地になりつつあるということで、レストラン業態からフードコート業態に少しシフトしていくという動きがあります。その一環として、クリエイト・レストランツカテゴリーで「ローストビーフ星」の出店を強化しているということでございます。SFPカテゴリーの中では、磯丸水産以外に、鳥良商店という新しい業態の出店を進めました。

専門カテゴリーにおいては、量よりインプレッシブな立地で、駒沢公園の中であったり、GINZA SIXの中であったりと話題の場所に出店しております。

一方で、郊外ロードサイド立地のファミレス「かごの屋」ですけれども、昨今の工事費の上昇があり、全体として少し生産性が悪いということで、出店速度を少し引き締めております。

全体としては、繰り返しになりますけれども、既存立地の全体の生産性を上げていくということで、生産性の悪いところは少しスローダウンしていきます。

それから磯丸水産のように、一回既存店の生産性が落ちてきたものに関しては、改装により復活していこうという取り組みをしております。

撤退が35店舗ございますが、商業立地の中の一括フードコート(6店舗)の退店は、定期借家の満了により打ち切ったということ、あるいは郊外のビュッフェ業態で採算に乗ってこないものに関してはセーブしていくということで、契約満了とともに退店しております。

その結果、8月末の店舗数はグループ全体で862店舗ということで、出店と退店、業態変更といろいろありましたけれども、総量としては少し増えたということで、中身の業態の変更および改装により効率を上げていくという話でございます。

カテゴリー別売上高・利益(対前年)

続いて、カテゴリーごとの売上・利益に関して、対前年との比較でご説明を申し上げます。

クリエイト・レストランツカテゴリーは我々が従来からやっている、商業施設を中心としたレストラン・フードコート等のカテゴリーでございます。こちらに関しては、増収増益でよかったということです。

前年の既存店前年比が97.1パーセントのところ、今期は97.7パーセントと少し上昇しました。繰り返しになりますが「BEEF RUSH」への業態変更が大変好調です。あるいは「しゃぶ菜」というしゃぶしゃぶの業態も好調です。

「BEEF RUSH」への業態変更等もあるのですが、今、原価と人件費を足したFLコストが有利な方向への業態変更を図っているということでございます。「BEEF RUSH」はステーキの食べ放題なので、原価が少し上がりますけれども、それ以外は全部セルフ業態にしております。

それ以外のトピックスとして、ロサンゼルス発祥のハンバーガーブランド「THE COUNTER®」を六本木に出店いたしました。

郊外でビュッフェやしゃぶしゃぶ、フードコートをやっていくのと同時に、都心部では少し目立ったブランドをやっていくと。今、そのような取り組みをしております。

続いて、SFPカテゴリーでは既存店前年比が大きく向上いたしました。それはなぜかいうと「磯丸水産」の改装を積極的に実施したためでございます。それから新しい業態で、まだ数はありませんけれども、新業態の餃子屋3店舗がスタートしております。「磯丸水産」以外の出店の話として「鳥良商店」も展開のステージに入ってきました。

SFPに関しては、出店速度を意図的にスローダウンしております。去年もSFP全体で40店程度の出店をしておりましたけれども、労働市場が大変厳しいということもありますので、効率的な出店という意味で、(今年は)年間20店ぐらいの(出店)スピードに変えていきます。

これにより、去年まではかなり無駄があった採用関連費に無駄のないかたちで出店ができつつあります。SFPカテゴリーに関しては、増収増益で大変よかったということです。

一方、専門ブランドカテゴリーと海外カテゴリーに関しては、非常に苦しんでおります。

専門ブランドカテゴリーはベーカリーの業態であったり、つけ麺の業態であったり、いろんな会社があり、いくつかの会社の合計値になっておりますけれども、全体としてマジョリティを占めるのが「かごの屋」という和食のファミリーレストランをやっているKRフードサービスになります。

ここが生産性を上げるという中で、営業時間を少し短縮したり、少人数でできるようなフォーマットで脱皮していこうということで今やっております。

KRフードサービスの「かごの屋」の良さというのは、調理人を中心としたチームで、ある程度質の担保された和食を提供するというところにありますので、そこの塩梅が大変難しく、売上を上げながら、コストをいかに下げていくかという課題がまだ完全に解決できておりません。

部分的に物流費を下げたり、メニューを少し絞り込んだりということをやって、「かごの屋」の収益のフォーマット、1人あたりの生産性を上げていくということを、今やっております。

専門ブランドカテゴリー全体としては、既存店前年比94.4パーセントということで、増収減益となりました。

もう1つ足を引っ張っているのが、海外カテゴリーでございます。

我々のお店があるのは主にシンガポールと香港でございますけれども、シンガポールは少し回復してきておりますが、一時期造船会社の倒産など、いくつか経済のマイナス要因がありました。香港はまだ小売りに関して、かなり苦しい状態が続いております。全体の市況の影響を受けているということでございます。

それから、我々の特別な問題として、香港のビジネスの中で、かなりの稼ぎ頭だったお店が撤退いたしましたので、そちらの影響も大きく受けております。

香港もシンガポールもそうですけれども、定期借家契約3年というのが基本ベースで、常に撤退のリスクに晒されているということでございます。

デベロッパーはどんどん賃料を上げてくるわけですけれども、経済の減少局面は1回撤退して、また新しく有利な賃料でリセットするという機会でもありますので、今後、全体として下がってきたところで、また新たな立地で盛り返していくというところでございます。海外カテゴリーに関しては、残念ながら上半期はマイナス、赤字決算となりました。

一方、まだ連結していませんけれども、北米で事業をスタートしたということで、ニューヨークのチェルシー地区に和食の店舗を出店いたしました。

長期的には北米でのポーションを上げて、北米でのリース契約は10年くらいありますから、ある程度安定したビジネスを作っていきたいと思いますし、日本と比べるとかなり物価が高いので、和食のカテゴリーである程度マージン取れる業態を確立して展開していきたいと思います。

課題と対応状況

続いて、課題と対応状況に関して申し上げます。昨年はグループ全体で取り組む課題として、3つの柱がございました。

1つ目は、既存店の売上高をいかに上げていくかということ。

2つ目は、今までよりも投資効率のいい、コアコンセプトブランドを展開していくこと。そのために、それを作り上げて実験してということです。

3つ目は、グループ連邦経営として、全体のシナジーを追求していくこと。その3つでございます。

1つ目の課題、既存店の売上高を上げていくことに関しては、上半期に注力した改装と業態変更を実施して、売上高を回復していくことをやっています。それからタブレット端末を入れて、人件費も少し低下しております。また、ポイント会員へのアプローチ施策を拡充することにより、客数を増やすことをやっております。

結果として「BEEF RUSH」等への業態変更前においては売上高120パーセント前後の効果がありました。磯丸水産の改装においては、改装前に比べて7.7ポイント程度の売上高の上昇ありました。また、タブレット端末の導入により、客単価が43円アップいたしました。ポイント会員に関しても、客数の戻りが大きくあり、売上高は対前年113パーセントで推移しております。

2つ目の課題、投資効率のいいコアコンセプトブランドを開発・展開していこうという点に関しては、SFPカテゴリーの中でやっている餃子居酒屋があります。

売上もそうですけれども、磯丸水産に比べて、全体として客単価も少し抑えて展開できるというところで、大変期待しております。

それからKRフードサービスがやっている会社で、新しいコーヒーブランドの「上高地あずさ珈琲」をスタートしております。西日本は兵庫県の加古川、東日本は八王子に出店しております。

かごの屋と比べてオペレーションも軽く、人の採用も大変やりやすいので、会社全体としてこのような業態の展開をやっております。

3つ目の課題、グループを横断した課題解決への取り組みですが、グループ全体でクロスファンクショナルチームを立ち上げました。課題はいくつかあります。

グループ全体で人材の採用費をいかに下げていくか、店舗設計の費用をいかに下げていくか、それから購買の中で部分的にいい仕組みを相乗りできないかを検討・実行するチーム等があります。

それ以外にも、販売促進に関するベストプラクティスを出し合って、無駄のあるものはやめていく取り組みだったり、新しいコンセプトをつくっていくところにおいても、それぞれの会社が今までやってきた文化は大切にしながらも、お互いに情報を出し合うことで、新たなアイデアを創発することをやっております。

実はM&Aをやると、普通は実行したほうがされたほう(の会社)を自分流に変えていくというオペレーションをやるのですが、我々のグループ連邦経営は、それぞれの会社のよさを残したいということで、M&A後の2、3年はできるだけ独立して、今までやっていたやり方を尊重してやっております。

そこである程度お互いのよさをよく理解した上で、クロスファンクショナルチームで、共通してコストメリットを追求できるものは変えていこうと。ちょうどそのような段階にあるということです。

トピックス

それ以外のトピックスでございます。先ほど冒頭でも述べましたが、和食業態の「NAOKI」をニューヨークのチェルシー地区へ出店しております。「NAOKI」というのは北米(出店プロジェクト)の立ち上げの担当責任者(高橋直樹)の名前です。

コンセプトは隠れ家的な日本レストランで、中に入ると日本庭園がございます。今は客単価が安いかなと思いますけれども、1人当たり100ドルぐらいのイメージで、徐々に人気を高めて、もう少しで採算が合ってくるという考えでございます。

2つ目は、海外からの逆輸入ということで、升入り「宇治抹茶ティラミス」が関東に初上陸いたしました。香港で抹茶の専門業態「MACCHA HOUSE 抹茶館」を展開しているんですけれども、それを日本に逆輸入するということで、まずは京都の四条河原町に出店しました。

そこで大変人気に火がついて、関東にも同じような業態を展開していこうということで、入間のアウトレットモールに「抹茶館 MOP入間店」。鎌倉に「もみじ茶屋 鎌倉御成通店」を出店しました。

インバウンドに関しては、専門のインバウンドチームをつくって、海外の旅行代理店と直接契約をして送客をするという取り組みを3年程度しております。

(インバウンド売上高)前期比112.3パーセントと徐々に伸びています。最近の傾向としては、台湾以外でいうと、ベトナムやタイから送客するケースが増えております。

4つ目は、子会社のSFPホールディングスにおいて、自己株式取得を実行しております。7月からスタートして約3ヶ月間、30万株6億円という額で実行しております。

その期限が先週末で終わりましたけれども、引き続き12月末まで、自己株式取得をあらたに30万株6億円実行いたします。一部買えなかった分もありましたので、その数字も足したものを12月28日までにやるという発表をしております。

SFPホールディングスに関しては、大変高収益なフォーマットでございますけども、我々が期待する株価にはまだいっていないという認識でおりました。SFPホールディングスも、全体として資本効率の改善をしたかったという要望があり、我々も「いいのではないか」ということで応援しております。

それから、これはまだ決定事項ではないのですが、IFRS(国際財務報告基準)への会計方針の変更を検討しております。

やはりIFRSになっていたほうがやりやすく、説明もしやすい部分が出てきておりますので、どのように移行するのか、今、検討を開始しております。

2018年2月期業績予想の概要

続きまして、2018年2月期の業績予想についてでございます。通期の業績予想に関しては、変更しておりません。

売上高で1,180億円、経常利益68億円、親会社株主に帰属する当期純利益は33億円でございます。少しプラスにきていますけれども、国際情勢や選挙等の影響もどうなるかわからないということで、今のところは据え置きでございます。

中期経営計画

中期経営計画に関しては、「VISION2020」の中で、売上高2,000億円を目指すM&Aを積極的にやっているという発表をしておりますけども、M&Aがない場合の計画を、こちらに示しております。2020年の2月期に、売上高1,500億円、経常利益100億円を目指すということでございます。

今年度の前半、実は若干ペースダウンをしておりますけれども、また来期以降、状況に応じて前後するとは思いますけれども、十分な環境を整えた出店を狙っていき、年間90店から100店ぐらいの出店をしていく計画でございます。

株主還元

株主還元についてでございます。昨今、株主優待が欲しいというリクエストも増えておりまして、2017年8月末の株主数が9万1,661名に増加しております。

我々はいろんなブランドをやっておりますので、株主さまの立場からすると、株主優待のお食事券をいろんなシーンで使えることを評価いただいていると思います。

配当に関しては、我々は連結配当性向30パーセント程度を1つの目安にしてやっております。今期においては、先期と比べても減配の予定でおります。

去年は13円だったのですが、配当性向を1回リセットして、もう1回水準を再設定したいということで10円になります。こちらに関してもとくに変更なく、期初からずっとそのような予定でやっております。

株主優待制度について

最後に、株主優待制度についてです。優待は所有株式数100株以上からで、100株の人は年間6,000円分のお食事券をいただけます。最大(4,500株以上)で年間6万円のお食事券を贈呈しております。

右に優待利用店舗ランキングがありますけれども、銀座の「雛鮨」が第1位。それから、「かごの屋」の店がベスト10に5つ入っています。

あとは「きづなすし」など、これは桐谷(広人)さんという株主優待で有名な方がよく使っていらっしゃって、メディアでも人気になっています。

以上でございます。ありがとうございました。