連結損益計算書
伊達英文氏:三菱ケミカルホールディングスの伊達です。今晩は7時15分という遅い時間で、みなさま大変お付き合いいただきまして、ありがとうございます。
それでは、さっそく説明を開始させていただきます。
まず、4ページの連結損益計算書でございます。
為替レートにつきましては、当期111円40銭ということで、3円50銭ほどの対前期円安でございました。
ナフサの単価につきましては3万9,100円パーキロリットルということで、対前期7,500円ほどナフサ高になっております。
売上収益につきましては、8,980億円ということで、対前期1,034億円の増収となりました。この中に、円安に伴います換算に伴っての売上の増加が71億円ございます。
また、ナフサ高、ないしはMMAの市況の高騰ないしは炭素製品の原料炭の高騰等によります売上収益の増加でございます。
コア営業利益につきましては、955億円ということで249億円の増益となりました。こちらの中にも為替による影響が13億円ほどプラスで入っております。
非経常項目につきましては、45億円の費用側ということで、対前期11億円ほど改善をいたしました。こちらは後ほど申し述べます。
IFRS営業利益につきましては、910億円ということで260億円の増益となりました。
金融収益・費用につきましては、14億円の費用側ということで、対前期36億円改善しております。為替差が、為替差損の縮小に伴いますものが主な要因でございます。
税引前利益につきましては、896億円ということで296億円の増益となりました。
所得税を引きまして、継続事業型の四半期利益が633億円ということで、ボトムラインでございます親会社の所有者に帰属する四半期利益は477億円となり、対前期216億円の増益となりました。
なお、欄外に書いてございます持分法投資損益でございますが、こちらも56億円ということで、コア営業利益の中に含まれておりますが、16億円ほど増益となりました。
こちらは韓国のMMAの関連会社での10億の増益等によるものでございます。
事業セグメントの内訳別 売上収益及びコア営業利益
続きまして、5ページ目に移ります。事業セグメント別の内訳を示しております。
売上収益・コア営業利益を指示しておりますが、ご覧いただいておわかりになりますように、ヘルスケアでコア営業利益が減益になったもの以外は、すべてのサブセグメントにおきまして売上収益・コア営業利益とも増収増益となっております。
こちらにつきましては、後ほど各セグメント別の内訳と、詳細ということで、別のページで細かくご説明をいたします。欄外に受払差が記載されております。
今期よりセグメントを見直しました関係で、機能化学に従来はポリマーズということで分類しておりましたフェノール・ポリカチェーンの在庫の影響を示しております。
こちら当期マイナス、前期はプラスになっております。
こちら、ベンゼンが主原料でございまして、ベンゼンが前期はベンゼン高、当期は前期に比べてベンゼン安といったところで動いたというところであります。
それから、石化につきましては、こちらは旧ケミカルズ及びポリマーズの、ポリオレフィン・その他合成樹脂のうちのポリオレフィンがこの石化に入ってございますが、当期10億円のマイナス、前期は29億円のマイナスでございました。
こちらも当期につきましてはその前の1-3月期から比べますと、2,600円のナフサの下落でございました。
前期も実は3万4,300円から3万1,600円ということで、2,700円の下落でございまして、こちら非常に金額が違っておりますのはその前でございまして。
例えば前期でございますと、その前の年の、10-12月期が4万900円だったということで、大幅に下落を継続しておりました。
一方、当期につきましては、去年の10-12月期が3万4,000円、それが4万1,700円になって、また3万9,100円に下落したというところで、在庫の影響が縮小しております。
炭素につきましては、原料炭の高騰によるものであります。
コア営業利益 (全社) 増減要因
6ページ目にまいりまして、増減要因、コア営業利益の増減要因を示しておりますが、こちらも詳細はセグメントごとに説明をいたしますが、全体249億円の増益に対して、売買差が147億円。
こちらはMMA等を中心としております。
数量差につきましては、機能商品・ケミカルズでほぼ半分ずつといったところ、また、産業ガスについてはM&Aの効果等もございまして、プラスがございました。
コスト削減につきましては、期初200億円強を目指しますということで申し上げておりました。
ファーストクォーターということで、ちょっと進捗は落ちておりますが、36億のコスト削減を達成しております。欄外に為替影響を示しております。
売買差は換算差を含むものでございますが、数量差につきましては、こちらロイヤリティの為替の影響、それからその他差につきましては経費でドル建て等の支払いの影響というところでございます。
機能商品セグメントの業績概要
7ページ目にまいりまして、機能商品セグメントの業績概要についてご説明をいたします。
まず機能部材、サブセグメントにつきましては、売上収益1,887億円ということで、67億円の増収となりました。
こちら右側にございますように、高機能エンジニアリングプラスチック成形、クオドラントで実施しておりますが、こういったもの、それとあとアルミナ繊維等の販売が堅調に推移をしております。
増販になりました。
また、ディスプレイ向けフィルムというのは、ポリエステルフィルムの光学用及びクリアフィットの販売が、こちらも増収となっております。
コア営業利益につきましては、167億円ということで対前期6億円ほどの増益となりました。
こちら1部の製品、期初、前期末決算の時にご説明いたしましたが、食品包装ないしは工業用のフィルム等で、原料価格が上昇したものについては、なかなか売価に転嫁できないものがございますということをご説明しておりましたが、これが対前期でも若干ながら出ております。
また、日本合成の方で販売しておりますOPLフィルム等につきましても、原料の価格が上昇しております関係で、マイナスがございました。
一方で、先ほど申し上げました高機能エンジニアリングプラスチックスないしはアルミナ繊維、またはディスプレイ向けのフィルム等の販売数量が増加したこと等によりまして、増益を確保しております。
機能化学につきましては885億円ということで、対前期85億円の売上収益増となりました。
コア営業利益は98億円ということで、16億円の増益となっております。
こちら、売上収益につきましては、昨年度鹿島が定修でございました。
こちら今期は水島の定修ということで、フェノール・ポリカーボネートチェーンにつきましては、鹿島と黒崎で作っております関係で、前年同期から比べますと数量が増加しております。
また、新エネルギー関連で自動車用の電池材料の、前回期を中心として販売数量が増加をいたしております。
コア営業利益につきましても同様の理由でございますが、電池材料の増販、また、ポリカーボネートチェーンの販売数量増加等によって、増益となっております。
こちら、コア営業利益の増減要因を左下に示しておりますが、売買差が33億円のマイナスがございます。
ただ、こちらにつきましては、前期まではエレクトロニクスアプリケーションズで表現をしておりましたセグメントのものがこちらに移ってきておりまして、エレクトロニクスアプリケーションズというのは非常に値下がりの激しいセグメントでございました。
こちら今期も、旧エレクトロニクスアプリケーションズのセグメントのものの影響が12億円ほどマイナスで、売買差の中に入っております。
一方、同じぐらいの金額の数量差でエレクトロニクスアプリケーションズ部分でプラスがございました。
それ以外に売買差は先ほど申し上げましたように、日合の原料、ないしはフェノール・ポリカーボネートチェーンでの売買差の縮小といったところが入っております。
数量については先ほど申し上げたような品目でございます。
また、その他差で21億円ほどのマイナスがございますが、これは期初の、期初というか、前期末決算の時にご説明いたしました通り、機能商品セグメントにつきましては、三菱ケミカルの統合に伴いまして、固定費の負担の方法を統一化いたしました。
共通費の負担の方法を統一化いたしました。
その関係で、ケミカルズの方から、負担がこちらの機能商品の方に共通費の負担で40億円ほど年間で負担増になっていると。
全社で見れば特にプラスマイナスはないわけでございますが、そういったものの影響がファーストクォーターでやはり10億円ほどマイナス出ております。
また、先ほど申し上げましたように、受払の差によるものがマイナス10億円ほどこちらに入っております。
ケミカルズセグメントの業績概要
続きまして、8ページでございます。ケミカルズセグメントでございますが、MMAにつきましては売上収益923億円ということで、対前期234億円の大幅増収となりました。
こちらは市況の上昇に伴うものでございます。
この前クォーターにつきましては、IFRSベースでございますと、1,458ドルの市況であったものが、当期につきましては2,180ドルというところでございまして、大幅に市況が上昇しております。
コア営業利益につきましても243億円ということで176億円の増益となりました。
こちら、先ほど価格について申し上げましたが、一方で原料につきましては、製品化学ほどは上がっておりませんで、アセトンにつきましては前クォーターが640ドル、当クォーターは810ドル。
また、メタノールにつきましては前クォーター230ドルだったものが当クォーターは290ドルといったところでございまして、こちら、その前のフォースクォーターに比べますと若干下がってはおりますけども、前ファーストクォーターに比べますと、原料高になっております。
一方、スプレッドという観点で言いますと、拡大をしたといったところであります。
石化につきましては1,275億円ということで、144億円の売上収益増となりました。
こちら、ナフサの価格の上昇で、販売価格が上昇しております。
また、定期修理の影響が、縮小と書いておりますが、去年は鹿島で1期分、今年は水島、ほぼ同じ能力ではございますが、旭化成さんと半々の能力といったところで影響が縮小しております。
コア営業利益につきましては58億円ということで、54億円の増益となりました。
こちらも定期修繕の影響が縮小したことによるもの、ないしは先ほど申し上げましたように、受払差の向上といったところが増益要因となっております。
炭素につきましては681億円の売上収益ということで、284億円の増収となりました。
こちら、原料炭価格の上昇に伴いまして、販売価格も上昇しております。
コア営業利益につきましては、前クォーターマイナスでございましたが、40億円ということで41億円の増益となりました。
こちら市況の上昇に加えまして、ニードルコークスの販売数量の増加等もございまして、増益となっております。
なお、トピックスに書いてございますが、MMAのモノマー及びPMMAのプラントにつきましても8月から営業運転を開始する予定でございます。
また、日本ポリプロの方で、ポリプロピレンの製造設備の新設を決定をしておりまして、こちら19年10月に営業運転を開始いたしますが、こちら基本的にはビルドアンドスクラップでコスト削減といった観点が主たる目的でございます。
産業ガスセグメントに移ります。
産業ガスセグメントの業績概要
売上収益1,491億円ということで、174億円の増収となりました。
こちらはアメリカ及びヨーロッパ、オーストラリアで昨年度買収をいたしました。
去年のファーストクォーターにはまだ買収をしておりませんでした関係で、アメリカで74億円、オーストラリア部分で24億円の増収効果がございました。
また、国内のガス事業を半導体分野等を中心に販売が堅調でございました。
コア営業利益につきましては134億円ということで、19億円ほどの増益となりました。
こちらも米国の買収効果が10億円、また、オーストラリアの買収効果が4億円といったところのプラスに加えまして、国内のガス事業におきまして、先ほど申し上げましたようにエレクトロニクス向けのガスないしは機器・工事の堅調に推移したものによるものでございます。
ヘルスケアセグメントの業績概要
続きまして、10ページでございます。
ヘルスケアセグメントについてご説明をいたします。
売上収益1,381億円ということで、前クォーターから、前年のファーストクォーターから比べますと、32億円の増収となりました。
こちら国内の医療用医薬品の販売が伸長いたしました。
また、ロイヤリティ収入が概ね堅調に推移しております。
そういった関係で32億円の増収を確保することができました。
一方で、コア営業利益につきましては220億円ということで、対前年71億円悪化しております。
こちらは今年の8月、今月、アメリカで販売を開始いたします筋萎縮性側索硬化症の薬でございます『ラジカヴァ』の増資の準備費用ということで、前年から12億円ほど費用の増加がございました。
また、RD費につきましても、前年から比べますと35億円の増加といったところでございまして、こういったところで対前期という意味では減益となっております。
また、トピックス2点目に書いてございますように、ニューロダームという会社の買収について、手続きの開始について合意が取れております。
こちらの会社、田辺三菱製薬のホームページには開示されておりますけれども、ちなみにではございますが、昨年度の営業損失が、33.1ミリオンの開発ステージの会社でございますので、そういった営業損失の会社を買っております。
非経常項目
非経常項目でございますが、当期につきましては45億円の費用となりました。
統合関連費用で22億円のマイナスがありました。システム対応の費用等でございます。
一方、特別退職金については11億円のマイナスということで、こちらにつきましては、すでに発表しておりますが、人血清アルブミン製剤を製造しております会社が、田辺三菱製薬の子会社がございますが、そちらから外部製造委託へ切り替えるといったところで、早期退職加算金の支払いと、支払いというか、の決定等がございました。
固定資産除売却損失・その他を含めまして、トータル45億円でございます。
一方前期につきましては、ご記憶にございますか、熊本の地震がございまして、23億円の損失を含めまして、前期は56億円でございました。
連結キャッシュ・フロー計算書
続きまして12ページ、連結キャッシュ・フロー計算書についてご説明いたします。
こちら、真ん中に示しておりますように、手元の運用資金の増減を除いた実質ベースでご説明をいたします。
当期の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては882億円ということで、対前期から比べますと100億円強縮小しております。
こちらにつきましては、営業債権債務の方で、この国内の医薬につきまして1-3月はちょっとスローだというところもございまして、そういったところの債権の増加ないしは医薬の方で債務の支払いがファーストクォーターよりちょっと集中したといったところもございまして、162億円のマイナスとなっております。
棚卸資産につきましては144億円の増加で、支出サイドになっております。
こちら原料炭の高騰と、あとは入着のタイミングでちょっと6月末に入ってきたといったところもございまして、当期ちょっと増えた形になっております。
そういったところを主因といたしまして、前期から比べますと営業キャッシュ・フローが少し落ちております。
一方、投資活動によりますキャッシュ・フローにつきましては、設備投資で567億円がございます。また、資産売却につきましては遊休土地の売却等も進めております。
また、投融資の42億円のマイナスにつきましては、こちらもカーボンファイバーの、米国のプラントを買収するといったところで20億円弱の支出等ございました。
そういったものを含めまして、42億円の支出サイドとなっております。
フリーキャッシュ・フローにつきましては297億円ということで、期初の目標でございます1,000億円というところからいたしますと、順調に推移をしております。
連結キャッシュ・フロー計算書
13ページに移りまして、連結財政状態計算書でございます。
当期の総資産につきましては4兆5,511億円ということで、876億円ほど増加いたしております。
現金及び現金同等物につきましては、こちら3月末に転換社債の発行等がございまして、そちらキャッシュが残っていたというところもございまして、縮小しております。
営業債権につきましては先ほど申し上げたような単価アップの影響等によるものであります。また、棚卸資産につきましても入着の関係ないしは単価アップによるものであります。
固定資産につきましても、先ほどキャッシュ・フローで申し上げた通り194億円ほどの増加となりました。なお、総資産の増加876億円のうち、為替の影響につきましては90億円程度のプラス要因となっております。
右下にまいりまして、ネット有利子負債につきましては1兆1,634億円ということで、75億円の対前期増加となりました。
一方、収益の計上もございます関係で、ネットD/Eレシオにつきましては1.02倍ということで0.04ほど改善をしております。
また、自己資本比率につきましても24.9パーセントということで、0.4パーセントほどの改善をしております。あと、参考資料にいきます前に、操業の状況についてご説明を簡単にさせていただきます。
国内の石化につきましてはオレフィン・ポリオレフィンないしはモノマーの誘導品等フルの稼働でございます。
また、機能化学に分類されておりますフェノールチェーンにつきましてもフル稼働。
MMAにつきましては足下95パーセント程度の稼働でございます。
なお、サウジの25万トンのプラントの立ち上がりが8月、今月ございますので、下期につきましては、85パーセント程度ということで、稼働は若干下がってきて、現在非常にタイトでございますがウェルバランスになるものというふうに見込んでございます。
アメリカも2,000トンの増強をやっております関係で、こちらも下期フルにもちこんで、下期については95パーセント程度の稼働になるといったところを見込んでございます。
事業セグメント別 売上収益及びコア営業利益 四半期別推移
四半期ごとの推移を簡単に動きをご説明いたします。
機能部材につきまして、サードクォーター176億円のコア営業利益がフォースクォーター125億円に落ち、それがまた167億円になったといったところでございます。
こちらフォースクォーターには、光学用のポリエステルないしはクリアフィットで春節の影響が出ますといったところを申し上げました。
だいたい20億円前後のフォースクォーターでのマイナス影響がございます。こちらがファーストクォーターにはまた回復しているといったところであります。
また、日本合成機能部材に今期入れておりますが、こちら前回ご説明した通り、サードクォーターの時に、おそらく前どりがあったんだろうというようなことを申し上げました。
で、フォースクォーターで日本合成は春定修、1-3月の定修でございまして、その影響で20億円弱マイナスがあって、それがファーストクォーターまた復帰しているといったところでございます。
また、包装用フィルムにつきましても、フォースクォーターにつきましてはお歳暮の需要が一服して、基本的には1-3月というのは非常に低調なシーズンですということで申し上げておりました。
こちら10億円程度のサードクォーターからのマイナスがあったわけですが、こちらはまたファーストクォーターには旧に復しているといったところでございます。
また、機能科学につきましては、こちらもサードクォーター、フォースクォーター、フォースクォーターの時に申し上げたと思いますが、サードクォーターの時に、電池もちょっと前どりがあったのではなかろうかというようなことも申し上げておりました。
10億円弱の影響がフォースクォーターには出ております。そういったところがまたファーストクォーター旧に復しているといったところであります。
MMAにつきましては、こちら市況がほぼ大きな要因でございます。
石化につきましては、フォースクォーター125億円ということで、こちらが58億円に落ちておりますが、こちら定修の影響及びモノマーの、モノマー及びオレフィンでの、ナフサの受払がプラスからマイナスに転じているといったところもございまして、58億円というところで、フォースクォーター比減益となっております。
また、ヘルスケアにつきまして、1番下の方でございますが、フォースクォーター164億円、こちら1-3月はもともと低調なわけでございますが、国内の数量増及び、1-3月につきましては期末にかけてやはり固定費の検収が集中するといったところございまして、ファーストクォーターにかけてはR&D費や一般管理費を中心に、固定的な経費という意味で50億円弱ほど経費が縮小しているといったところでございます。
以上でご説明を終わります。