主要決算数値
藤本隆氏:こちらが、当第1四半期の主要決算数値です。
業績ハイライト
こちらが業績ハイライトです。資料にコメントがあり、そちらをご覧いただいたとおりなのですが、第1四半期は対前年同期で大幅な増収増益です。
通期ガイダンスに対しても、高い進捗となっています。
石油化学系事業は大幅に増収増益で、とくにエラストマー事業が好調でございました。前年度の後半より合成ゴム市況が改善する中で、販売価格の維持改定に努めまして、売買スプレッドが大きく改善いたしました。それにより、利益を大きく増やしております。合成樹脂事業も、海外を中心に販売を拡大しまして、前年同期比で増収増益でございました。
多角化事業も、増収増益でございました。半導体材料事業は、半導体業界の好調を受け、また主要な顧客での先端材料の採用が進みまして、販売を大きく増やしております。ディスプレイ材料事業は主要製品の販売が伸びまして、順調に推移いたしました。ライフサイエンス事業は、抗体医薬関連分野での事業立ち上げと成長投資を継続いたしております。
事業別の損益については、のちほどご説明いたします。
業績予想の修正は、今回は第1四半期ということで、行っておりません。
連結損益計算書
当第1四半期の全社の連結損益でございます。売上収益は1,011億円で、対前年同期プラス13パーセントの増収でございました。とくに、エラストマー事業と合成樹脂事業を含む石油化学事業が、売上高を増やしております。
売上原価は、国産ナフサ価格の上昇3万9,000円や、円安があり増加しておりますが、対前年同期プラス9パーセントと、売上収益より低い増加率に留まりました。
売上原価率は、3パーセント低下して67パーセントとなっております。
その結果、売上総利益が329億円になりました。前年同期プラス61億円、プラス23パーセントに増加しております。
販売費・一般管理費は204億円でございまして、前年同期並みの金額でございました。
その他の営業収益・費用は、持分法による投資損益を足し引きしまして、IFRSベースの営業利益は127億円となっております。対前年同期プラス58億円、増減率はプラス85パーセントと、大幅な増益でございました。
売上高営業利益率は12.6パーセントになっております。
営業利益の下の金融収益の費用は、当第1四半期に為替差益の計上がありまして、為替差損を計上した前年同期と比べて12億円、収支が改善しております。
法人所得税34億円を差し引いた四半期利益は100億円で、そこからさらに非支配持分を引いた親会社の株主の純利益が、94億円となっております。
対前年同期プラス約44億円、プラス87パーセントの大幅増益でございました。
売上高純利益率は、9.3パーセントになっております。
為替レート以下は、資料下部に記載の数値でございました。
連結貸借対照表
貸借対照表でございます。(前期)2017年3月末と(当期)2017年6月末の対比となりまして、どちらもIFRSベースの数字でございます。
資産合計は5,711億円となりまして、3月末から約74億円の減少でした。前期末から、ほぼ変わらない金額でございます。
流動資産を見ていただきますと、3月末から約276億円の減少でございました。
現金及び現金同等物は投資を行いまして、それにより減少。営業債権及びその他の債権は、返還額価格の下落などがありまして、減少しております。
非流動資産は、3月末から202億円増加しております。有形固定資産の増加は、主にハンガリーに建設中のS-SBR(低燃費タイヤ向け溶液重合)工場による増加でございます。のれんの増加は、6月に行った細胞株構築受託会社Selexisの買収によるものです。
次に、負債のご説明です。負債は1,871億円となりまして、3月末から150億円減少しております。流動負債は174億円減少しております。原料価格の低下によりまして、営業債務・その他の債務が減少しております。
非流動負債は、借入金の増加により、少しだけ増加しております。
資本の方は、約77億円の増加でございました。
親会社の所有者に帰属する持分は、当四半期の純利益による増加・有価証券評価差額金の増加がございました。それに、配当による減少を足し引きしまして、プラス約68億円でございました。
6月末の自己資本比率は、3月末よりやや上昇して、64.5パーセントになっています。
セグメント別損益:石化系事業
セグメント別の損益、石油化学系事業でございます。このページの右下に、利益の増減要因を数量要因・価格要因・その他に分けて、提示しております。
まず、エラストマー事業でございます。エラストマー事業の業界の状況は、世界のタイヤ販売が堅調に推移しております。国内タイヤの生産も4・5月で、前年同月比プラスで、堅調に推移しております。
第1四半期のエラストマー販売数量は、約15万7,000トンになりまして、対前年同期比で約1,500トンの増加でございました。
国内向けは、自動車生産・タイヤ生産の回復により増加しているのですが、その一方で国外向けが減少しております。
また、S-SBRは販売好調だった前四半期、またはその前の反動がございました。前年同期と比べますと、販売数量をやや減らした状況でございました。そのような状況で、第1四半期の売上収益は約479億円になっております。
販売数量は微増でしたが、販売価格が上昇して対前年同期プラス18パーセント。73億円の増収でございます。
営業利益が58億円になりまして、対前年同期プラス45億円の、大幅増益でございました。売上高・営業利益率は、エラストマーも12パーセントに上昇しております。
利益の増加は価格によるものと、利益幅の改善によるものが41億円でございました。前四半期、3月の原料価格を反映した販売価格改定が、想定以上に進みました。その一方で原料コストも下がりまして、収益を大きく押し上げております。
エラストマーの前四半期比をご覧いただきますと、販売数量は減少しておりますが、増益になりました。
販売数量は前四半期の高水準の販売の反動が大きく、タイヤ向けを中心に、数量を少し減らしました。それにともない、売上収益も減少しております。対前四半期は、マイナス11パーセントの減収でございました。
しかし、営業利益は対前四半期でプラス24億円となり、増益でございました。売買スプレッド改善の影響が大きく、販売数量減によるマイナスを打ち消して、大きな増益となっております。
数量効果ではマイナスだったのですが、価格効果でプラスが大きく、全体で増益となりました。
次に、合成樹脂事業でございます。事業業界の状況としては、4・5月の日本国内の自動車生産が前年同期から増加しました。国外は4月までですが、生産も堅調だった模様でございます。
第1四半期の売上収益は124億円になり販売数量が増加して、対前年同期プラス12億円となりました。国内外で、車両向けの販売が拡大しております。
営業利益は、14億円となりました。数量効果・価格効果を加えて、9億円増。大幅な増益となっております。
合成樹脂の対前期比は、販売数量がやや減り、売上収益はほぼ前期並みでございました。
営業利益は、数量効果の減少分を価格効果がカバーして、3億円の増益となっております。
以上が、石油化学系事業です。
セグメント別損益:多角化事業
多角化事業も、増収増益でございました。とくに、半導体材料事業は好調でした。
まず、半導体材料です。第1四半期のウエハー(半導体素子製造の材料)の出荷面積は、前年同期比でプラス10パーセント程度で、非常に好調だった模様です。
当社グループ製品もユーザー業界が好調でした。それに加えて、主要顧客の先端品の対応が進み、売上高がプラス29億円・比率ではプラス20パーセントと、収益を大きく伸ばしました。
主要製品の売上成長率は、資料の下にあるとおりです。左下をご覧いただきますように、ArFレジスト・KrFレジストなど、その他リソグラフィ材料が好調。また、CMP材料も好調でございました。
次に、ディスプレイ材料です。第1四半期のパネルメーカーの稼働率は、約90パーセントと推測されます。また、大型液晶パネル面積は、年度でプラス6パーセント増加の予想でございます。
当社は、液晶パネルの生産拡大が続く中国市場向けなので、販売数量を伸ばしました。しかし、やはり販売価格下落の影響がありまして、売上収益は137億円となりました。対前年同期で、微減となっております。
品種別では、配向膜材料・保護膜等のその他LCD材料が成長して、プラスになりました。一方、着色レジストは減少しております。
そして、その他事業でございます。その他は主に、ライフサイエンス等です。日本基準では前年度に、アメリカの子会社KBI Biopharma(バイオ医薬品開発・製造受託会社)に、15ヶ月分の数字を入れておりました。それを、今回のIFRSベースでは12ヶ月に修正しております。
その他事業の売上収益は、当四半期で約96億円になりました。対前四半期では、ライフサイエンスが横ばい。アートン材料(耐熱透明樹脂)は光学材料を中心に増加しました。全体ではプラス約8億円。比率ではプラス9パーセントで、増収でございました。
ここで、営業利益のご説明でございます。多角化事業の営業利益はプラス約4億円。対前年同期比プラス7パーセントでございます。半導体材料が、数量拡大効果で増益しております。
ディスプレイ材料は、配向膜とその他LCD材料で利益を維持。ライフサイエンスは先行投資によるコスト増等で、減益になっております。
前四半期比は資料にあるように、半導体材料が数量を伸ばして増益でした。一方、ディスプレイ材料・ライフサイエンス材料は収益を若干減らしまして、全体で前四半期並み、やや微減の売上収益となりました。
営業利益では、多角化事業全体で、3億円の減益となっております。半導体材料は好調だったのですが、前四半期に創薬材料であるAmsphereの、まとまった売上利益がありました。
ライフサイエンス事業が、この四半期では利益をちょっと減らしまして、多角化事業全体ではやや減益でございました。
以上が、多角化事業の利益の内容でございます。
連結決算 2018年3月期業績予想<変更なし>
業績予想とその他の数値でございます。
先ほども述べましたように、今回は第1四半期でございますので、ガイダンスの数字は上期・年度とも見直しておりません。4月に公表した数字と同じになっております。
減価償却費以下、第1四半期までの数字を申し上げます。第1四半期で、減価償却費は39億円、資本的支出は92億、研究開発費は48億円。ここに挙げている上期予想と、ほぼ同じか若干半分より少ない、想定線上という数字でございました。
こちらの資料のいちばん左には、前年度数値のIFRSベースのものを付けております。営業利益は日本基準の数値に比べて、組み換え等がありまして、微増の350億円でございます。
【参考】セグメント別損益:四半期推移
こちらは参考資料として、損益をセグメント別・四半期推移で並べたもの。
【参考】営業利益 日本基準からIFRSの偏差説明
こちらは、IFRSの組み換え等の簡単な説明です。
IRカレンダー
そしてこちらは、第2四半期・第3四半期の予定でございます。
簡単ではございますが、よろしくお願いいたします。