2018年3月期 第1四半期(2017年6月期) 連結決算発表総合表(国際会計基準)

田中精一氏:まず、当社の経営を取り巻く環境について簡単にご説明いたします。各国の政治リスク、あるいは一定の地域における地政学リスクの増大といった不安要素はございます。しかし、資源価格の安定推移、それから米国の金融政策の転換もモデレートに進められていることで、新興国経済の回復も進み、世界経済はおおむね堅調に推移していると認識しております。

このような環境下、当社の2017年度第1四半期決算は、資源価格の安定に下支えされた石炭・金属本部、海外自動車販売が好調に推移している自動車本部。またメタノール、ナフサの前年同期比での価格上昇や、アジアでの合成樹脂取引の増大によって好調である化学本部などが寄与し、好調な滑り出しとなったと考えております。

要約連結純損益計算書

それでは、総合表の中ほどにございます、要約連結純損益計算書。こちらのほうからご説明いたします。

まず、トップラインの日本基準でお示ししている売上高でございますが、前年同期比1,044億円増収の、1兆7億円でございました。

(要約連結純損益計算書の)右側に、セグメント別の増収の内訳を記載しております。冒頭にご説明申し上げましたとおり、石炭価格の上昇によりまして、石炭・金属セグメントでは400億円を超える増収となっております。

また、化学セグメントにおきましても、アジアにおける合成樹脂取引数量の増加。あるいは、昨年末に買収した欧州の化学販売会社の貢献により、332億円の増収(となりました)。

リテール・生活産業セグメントも引き続き、加熱式煙草の販売が好調であり、300億円を超える増収となっております。

自動車セグメントについても、海外自動車販売が好調に推移をしております。

その下の、売上総利益のご説明です。前年同期比48億円増益の、516億円でございました。このセグメント別の売上総利益の増益要因については、先ほど売上高のところで申し上げたとおりでございます。リテール・生活産業セグメントにつきましては、前年同期に国内商業施設の売却益を行っておりますので、その反動により減益となっております。

その下の、販売費および一般管理費でございます。前年同期比で8億円の費用の増加(となり)、マイナス385億円を計上しております。こちらは、欧州化学品販売会社の新規連結子会社化による費用の増加でございます。

その下の、その他の収益費用です。こちらも、いわゆる非経常損益が含まれるところになります。この第1四半期につきましては、大きな動きはございません。

(要約連結純損益計算書の)中ほどに丸印でお示ししておりますが、関係会社売却益として11億円を計上しております。この中には、海外の自動車部品事業の保有意義変更による、評価益の計上が含まれています。前年同期比で15億円の増加、NETして10億円の収益計上となっております。

以上の結果として、営業活動にかかる利益は、前年同期比で55億円増益の141億円でございました。

金融収益・費用は、金利収支の改善、あるいは受取配当金の微増。こうしたことから、前年同期比で7億円の費用減少となり、マイナス9億円を費用計上しております。

持分法による投資損益につきましては、前年同期比で33億円の増加して、59億円を計上しております。こちらは、鉄鋼製品の市場の回復による鉄鋼製品販売事業会社の増益、あるいはエルエヌジージャパン株式会社を始めとした、資源関連の持分法会社の収益貢献。こういったところが寄与しております。

これらの結果といたしまして、税引前利益は前年同期比で95億円の増益、191億円でございました。こちらから法人所得税費用を差し引きました当期純利益は、159億円。

その下にお示ししている当社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比74パーセント増益の146億円という結果でございました。

さらにその下に、基礎的収益力を示しております。こちらも、売上総利益の増加あるいは持分法投資損益の増加によって、前年同期比で77億円増加の、179億円を計上しております。

要約連結財政状態計算書

続きまして、資料右側の、要約連結財政状態計算書をご説明いたします。2017年6月末の総資産は2兆1,906億円。2017年3月末と比較して、521億円の増加でございました。

(その要因の)主だったところに、丸印を2つ付けております。

まず、棚卸資産として241億円の増加。こちらは煙草・海外自動車販売会社の販売増加にともない、在庫が増加したということでございます。

また、流動資産のその他のところにも、航空機関連取引の増加にともなう資産の増加がございました。

一方、負債についてお話しします。負債合計としては、1兆5,981億円。2017年3月末比で376億円の増加でございます。

これは、流動負債・非流動負債を合わせました(GROSS)有利子負債。資料下にもお示ししておりますが、グロスとして383億円の増加。これが要因となっております。

資本の部のご説明でございます。資本合計欄の2行上に括弧でお示ししております、当社株主に帰属する持ち分。こちらをご覧いただきたいと思います。2017年3月末と比較して、145億円増加の5,650億円でございました。

この増加の内訳といたしましては、利益剰余金として当期純利益から配当支払を差し引きまして、100億円程度の増加。それからその1行上の、その他の資本の構成要素としても、株価の上昇による評価差額。こちらが計上されたということでございます。

バランスシートの下に、いくつかの財務指標をお示ししております。上から3行目のNET負債倍率も、2017年3月末と比較して0.05ポイント上昇し、1.16倍にとどまっております。

キャッシュ・フローの状況

資料下部の、キャッシュ・フロー(以下、CF)の状況でございます。

営業活動によるCFは、マイナス299億円の支出でございました。

投資活動によるCFは、マイナス102億円。フリーCF合計として、401億円のキャッシュアウトとなっております。

補足をさせていただきます。営業CFの中に含まれております投資性資金、こちらを投資CFに振り替えた場合に、営業CF・投資CFはそれぞれどうなるか。営業CFがプラス70億円、投資CFがマイナス470億円になると考えております。

この中の振り替えたものとしては、航空機のパーツアウト、あるいはその他の流動資産のところに計上しております、航空機関連取引の資金拠出。あるいは、国内商業施設の買収。こういったところが含まれております。

また、営業CFの中に含まれる運転資本増減を除く基礎的営業CFは、181億円のプラスという数字になっております。

セグメントの状況【売上総利益】

セグメント別の状況について、ご説明申し上げたいと思います。

まず、自動車本部でございます。28億円の当期純利益で、通期見通しに対する進捗率は70パーセントと、高いものになっております。

この中から、先ほど非経常のところでご説明した、海外自動車部品事業会社の一過性の部分を除いたとしても、その進捗率は50パーセントとなっております。新興国での自動車販売動向は慎重に見ておくべきと考えておりますので、通期見通しは据え置きとさせていただいております。

航空産業・情報は、前期に船舶の減損があったため、この反動によって6億円の増益となっております。一方、通期見通しに対する進捗率は6パーセントと低いものになっておりますけれど、防衛あるいは情報産業関連の引き渡しが下期に集中しているためです。通期では見通しどおりになると見込んでおります。

環境・産業インフラは、第1四半期は7億円。通期見通しの50億円に対する進捗率は14パーセントと、低いところにとどまっております。ただこちらは、現在取り組み中のプロジェクトの契約締結の時期、あるいはクロージング(のスケジュール)。こういったところに、収益が左右されます。

現状のスケジュールはおおむね予定どおりに進んでおりまして、年間収益予定額の多くは、第2四半期以降に認識されると見込んでおります。

エネルギーは、油価・ガス価の上昇、あるいは不採算の権益の処分。こういうところでプラス11億円の改善となっておりますが、前年同期と比べますと、引き続き4億円の赤字となっております。ただこちらも、持分会社の収益貢献が下期に偏重しておりますので、通期見通しの10億円の達成は問題ないと見込んでおります。

石炭・金属は、通期見通しに対する進捗率が32パーセント。非常に高い数値を示しております。(この要因は)先ほどご説明したとおり、石炭価格の上昇等でございます。こちらも、石炭の需給あるいは市況の見通しが難しいこともございまして、通期見通しの130億円は据え置きにしております。

化学も、通期見通しに対する進捗率はおおむね30パーセントと、高い結果となっております。足元ではメタノール・ナフサ等の価格も若干含んでおりますので、こちらも通期見通しは据え置きとさせていただいております。

食料・アグリ(ビジネス)のご説明です。こちらはご案内のとおり、第1四半期に海外化成肥料の製造販売事業が、施肥シーズンによる販売が順調に進みました。その結果、通期見通しに対する進捗率が42パーセントと、非常に高いものになっております。

また、前期に比べて7億円の増益となっております。これは、前期に損失の一括処理をしております、ブラジルの穀物集荷事業の要因が剥落したことによるものでございます。

リテール・生活産業のご説明です。こちらは前年同期に比べますと、23億円の減益となっております。この要因は、冒頭でもご説明申し上げた、前年同期に国内商業施設の売却益を計上したことによる反動でございます。

一方で、通期見通しに対する進捗率は32パーセントと、標準進捗率よりも高い状況になっております。先日発動された、牛肉のセーフガードの影響等がはっきりしておりませんので、これを勘案しております。こういう要因も、通期見通しは据え置きとさせていただいております。

最後に、産業基盤・都市開発本部のご説明です。こちらも前期に比べて、12億円の減益となっております。前年同期に不動産の売却益を計上した反動で、減益となっております。

また、通期見通しの20億円に対して、第1四半期の結果としては、マイナス4億円にとどまっております。主力である海外工業団地、あるいは国内の分譲マンションの引き渡しが、今期は下期に集中しております。(そのため)こちらのほうも、通期見通しの達成には問題ないと考えております。

私からのご説明は、以上とさせていただきたいと思います。