2016年度 第4四半期 決算説明資料

小松幹太氏(以下、小松):大和証券グループ本社の小松でございます。本日は、お忙しい中、当社テレフォン・コンファレンスにご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、本日公表しました2016年度第4四半期決算につきまして、当社ホームページに掲載しております決算説明資料に沿って説明します。

決算サマリー (2016年度第4四半期)

それではまず、4ページをご覧ください。最初に、連結決算のサマリーについてご説明します。数値の増減率は2016年度第3四半期比で申し上げます。

2016年度第4四半期の純営業収益は1,216億円、マイナス0.3パーセントとなりました。市場の売買代金が横ばいとなる中、リテール部門では商品募集・販売額が増加しました。

ホールセール部門では、顧客フローの減少によりグローバル・マーケッツで減収となりましたが、グローバル・インベストメント・バンキングは、デット引受けやM&Aビジネスが伸長し、収益に貢献しました。

販売費・一般管理費は、広告宣伝費が増加したことなどから、プラス1.3パーセントの915億円となり、経常利益は343億円、マイナス2.9パーセントの経常減益となりました。

親会社株主に帰属する純利益は223億円、マイナス16.2パーセントの減益となり、ROEは年換算で7.1パーセント、BPS、1株あたり純資産は745円80銭となっています。

なお、期末配当は1株当たり13円を予定しています。中間配当13円と合わせると年間配当金は26円となり、配当性向は42.3パーセントとなります。

また、資本政策の一環として、自己株式取得を2月から4月にかけて実施しており、償却前発行済株式総数の2.86パーセントにあたる5,000万株の自己株式の償却も行いました。

損益計算書の概要

6ページをご覧ください。損益計算書についてご説明します。受入手数料は765億円、プラス8.1パーセントとなりました。

受入手数料の内訳については、22ページにありますが、株式取引および引受案件が減少したことにより、委託手数料は166億円、マイナス3パーセント、引受け・売出し手数料は79億円、マイナス2.9パーセントとなりました。

一方、募集・売出しの取扱手数料は、個人向け国債の販売が拡大したことにより、109億円、プラス8.9パーセントとなりました。また、M&A手数料は、国内外で多数の案件をクロージングしたことが寄与し、70億円、2倍以上となっています。

株券および債券トレーディング損益は、顧客フローの減少により、マイナス16.7パーセントとなりました。なお、第4四半期において、特別損失として訴訟損失引当金112億円を計上しています。

販売費・一般管理費の内訳

続いて、7ページをご覧ください。販売費・一般管理費の状況についてご説明します。取引関係費は、主に広告宣伝費が増加したことにより、188億円、プラス7.9パーセントとなりました。

人件費は、日の出証券の譲渡による非連結子会社化により、443億円、マイナス1.0パーセントの微減となっています。

またシステム関連以外の保守管理料や備品費の増加により、不動産関係費は91億円、プラス3.6パーセントとなり、事務費は、第3四半期に計上した特殊要因の影響もあり、69億円、マイナス11.2パーセントとなりました。

減価償却費は、システム関連費用の増加などにより、59億円、プラス1.8パーセントとなっています。この結果、販売費・一般管理費の合計915億円、プラス1.3パーセントの増加となっています。

海外部門の経常収益

続いて、11ページをご覧ください。次に海外部門の経常収支についてご説明します。海外部門合計の経常利益は56億円、前四半期比2倍以上の大幅な増益となり、全地域において黒字回復を果たしています。

この結果、年度ベースでは、2009年度以来7年ぶりの通期経常黒字を達成しました。地域別でみると、欧州はすべてのビジネスラインが増収となるなか、とくに欧州のM&A子会社であるDCアドバイザリーにおけるM&Aによる実績が積み上がり、28億円となりました。

アジア・オセアニアでは、引き続き好調なウェルスマネジメントビジネスやM&Aビジネスによる収益も貢献し、黒字を確保しています。また米州では、主力の債券部門が堅調に推移したことに加え、エクイティにおいては米国株の取引が増加したことなどが寄与し、増益となりました。

リテール部門

続きまして、セグメント別の業績についてご説明をいます。13ページをご覧ください。まず、リテール部門の収支についてご説明します。純営業収益は496億円で横ばい。経常利益87億円、マイナス8.5パーセントとなりました。

エクイティ収益は、日本株・外国株ともに取引が減少したほか、大型PO案件があった前四半期からエクイティ引受けに係る販売手数料が減少したことなどにより、減収となっています。

一方、債券収益は、国内債・外債の販売額が増加したことから増収となりました。投資信託については、前四半期比で販売額が減少したものの、ブル・ベア型ファンドなどのスイッチングを除く販売額が微増であったことから、投信募集手数料がプラス2.3パーセントの増収となっております。

リテール部門 大和証券

続いて、14ページをご覧ください。こちらは大和証券のリテール部門における商品募集・販売額の状況について示しているページです。

左側をご覧ください。ラップ口座サービスにおいては、昨年10月の「ダイワファンドラップ プレミアム」に続いて、本年1月より、ロボ・アドバイザーを活用した、低コストで少額投資が可能な「ダイワファンドラップ オンライン」の取扱いを開始いたしました。

商品ラインナップの拡充やプロモーションを強化したこれらの取り組みにより、契約額は大幅に増加し、前四半期比プラス42.1パーセントとなりました。

ホールセール部門 グローバル・マーケッツ

続いて、15ページをご覧ください。ホールセール部門についてご説明します。まず、グローバル・マーケッツですが、純営業収益は336億円、マイナス8.6パーセント。経常利益は107億円、マイナス24.0パーセントとなりました。

エクイティ収益においては、1月に英国のメイ首相によるEU脱退表明もあり、リスク回避の動きも見られましたが、2月以降は米国のトランプ政権への期待が継続し、堅調な株価推移となったことで、顧客フローも好調となり、微増となっています。

一方、フィックスインカム収益は、株価上昇に伴い仕組債販売が増加した一方で、2月に日銀による10年国債金利の安定化を促す姿勢が打ち出され、長期金利のボラティリティが低下したことから、JGB・クレジットで顧客フローが減少し、減収となりました。

ホールセール部門グローバル・インベストメント・バンキング

次に17ページをご覧ください。グローバル・インベストメント・バンキングについてご説明します。純営業収益は134億円、前四半期比プラス40.2パーセント。経常利益は56億円、2倍以上となりました。

エクイティ引受けでは、IPOや複数のREIT案件を多数手がけています。デット引受けにおいては、当四半期最大規模となるソフトバンクグループを含む複数の大型案件を着実に積み上げたほか、ベンチマーク債やサムライ債で主幹事案件を獲得した結果、増収となりました。

またM&Aでは、国内案件に加え、海外拠点やアライアンスパートナーとの共同案件を遂行し、前四半期比では大幅増益となっています。

アセット・マネジメント部門

18ページをご覧ください。アセット・マネジメント部門についてご説明します。純営業収益は117億円、プラス1.8パーセント。経常利益は66億円、プラス1.6パーセントとなりました。大和投資信託では、運用資産残高は期末にかけて増加し、純営業収益、経常利益ともに増加をしています。

不動産投資法人を運用する大和リアル・エステート・アセット・マネジメントやミカサ・アセット・マネジメントにおいては、運用資産残高が拡大しており、運用報酬は堅調に推移をしております。

投資部門

20ページをご覧ください。投資部門についてご説明します。純営業収益は24億円、マイナス3.3パーセント。経常利益は15億円、マイナス17.9パーセントとなりました。以上、2016年度第4四半期決算についてご説明を申し上げました。

本日は、お忙しい中、当社のテレフォン・コンファレンスにご参加をいただきまして、誠にありがとうございました。平成28年度は、日経平均が2,000円以上上昇しましたが、残念ながら個人資産の貯蓄から投資の動きは顕著に現れませんでした。

足元も、北朝鮮問題やEUの混迷など、地政学的リスクが継続しており、個人のお客様の投資への動きもまだスローです。しかし、経済に目を向けると、全体として堅調な米国経済を背景として、企業業績は好調を維持しています。

当社としましては、短期的に一喜一憂することなく、中長期の資産形成に向けて、お客様にクオリティの高いコンサルティングサービスを提供すべく努力してまいります。引き続き、みなさまのご支援をよろしくお願いいたします。