個人投資家向けIRセミナー
アズ企画設計、都心5区を中心に収益不動産を富裕層等に販売 1Q売上高・営業利益・純利益は全て前年同期比2倍以上
アズ企画設計の将来目標

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):個人投資家の1UP投資部屋Kenです。今回は、ふだんのログミーのプレゼンテーションをメインとしたセミナー形式ではなく、松本さまと私の対談形式で進めていければと思います。
今回注目したい点は、現在スライドに表示されているとおり、まず中期経営計画が発表されていることです。また、近い将来の営業利益目標として30億円、時価総額目標として100億円が掲げられています。
足元の株価を含めて見ていくと、時価総額が現在約46億円で、PERはおおよそ8倍から8.6倍といった水準にある状況です。どれくらいの期間で達成するかは課題ではありますが、営業利益30億円、当期純利益20億円程度を実現した場合、時価総額100億円は十分にターゲットになり得ます。
そこで、この目標をどのように達成していくのかについて、投資家を代表して率直におうかがいしたいと思います。よろしくお願いします。
さっそくですが、まずビジネスモデルについておうかがいします。不動産をどのように仕入れ、どのようにバリューアップして、誰に販売されているのかといった一連の商流について教えていただけますか?
松本俊人氏(以下、松本):代表取締役の松本です。本日はよろしくお願いします。
当社は東京都丸の内に本社を構えており、都心5区のビルやレジデンスなどを購入、あるいは土地を取得して建築し、それを主に10億円から30億円程度で販売しています。顧客は全国の事業承継対策を必要とする富裕層の方々が中心で、販売後の物件管理も行っています。
ですので、案件は都心であるものの、対象となるお客さまは全国にいらっしゃいます。
Ken:最近では建築費の高騰などの影響もある中で、中古物件を仕入れてバリューアップするケースが増えているのでしょうか?
松本:建築費の高騰は販売価格に大きく影響しますが、現在は経済がインフレ下にあるため、賃料が大幅に上昇しています。そのため、都心の不動産の仕入価格や販売価格も上昇しますが、賃料の上昇があることで、利回りが逆に向上する場合もあります。
Ken:賃料の転嫁についてですが、例えば一昔前、私が小さい頃には、どれだけ賃料を下げるかが注目されていたテレビ番組をよく見た記憶があります。しかし、最近では仲介会社の話を聞いてもそのようなことはほとんど聞かれず、むしろ都内の物件であれば賃料が上がるケースのほうが多いという話を聞きます。
このように、私たち消費者側も、インフレやマクロ環境の変化を受け入れざるを得ない状況になっているということですよね?
松本:おっしゃるとおりです。当社も高額な事務所の賃料を支払っていますが、その賃料も非常に大きな勢いで上昇しています。
2027年2月期1Qの業績

Ken:直近の決算についてうかがいます。2027年2月期第1四半期の発表をすでにされており、営業利益の進捗率が42.5パーセントと比較的高い水準で進んでいます。また、営業利益が5億3,000万円まで達していると思いますが、これは想定どおりだったのか、あるいは上振れ要因があったのかを教えていただきたいです。
松本:2027年2月期第1四半期については、売上や営業利益、当期純利益が前年同期の2倍以上という好調な結果となっています。その原因については、すでにIRで発表していますが、前期からずれ込んだ売上を今期に計上しました。ただし、それを除いても好調に推移していると考えています。
Ken:好調の要因についてですが、マクロ環境の変化の影響もあると思いますが、今回の場合、例えば物件が想定以上に高く売れたなど、具体的な要因はありますか?
松本:好調の要因としては、販売商品が挙げられます。近年、販売在庫を確実に質・量ともに確保できるようになってきており、特に期首時点で在庫が安定してそろい始めたのが大きい要因です。
Ken:以前から見ていただいている方にはわかるかと思いますが、2025年2月期やその前の期間などは利益が下期に偏る傾向があったかと思います。例えば2024年2月期では第4四半期に9億円程度を計上していたことがありました。それが今では、在庫の確保が安定してきたことで、B/Sの規模も大きくなり、売上の計上がよりスムーズになったということでしょうか?
松本:そのとおりです。年間を通じて数字を作り上げる必要がある中で、これまでは期首にある在庫を販売してしまうと在庫が不足してしまう状況でした。しかし、現在では在庫を蓄積できる体制が整い、結果的に前期の売上は期ずれしてしまいましたが、一定の販売在庫をストックした状態でスタートできています。その結果、売上が作りやすい環境になっています。
1Qの進捗率

Ken:私の想像で恐縮ですが、第1四半期や第2四半期でがんばって仕入れ、それを第4四半期で販売して業績を達成するという流れが、これまでの状況だったと思います。しかし、現在では、第1四半期や第2四半期でもある程度売上を作れるようになり、バランスよく業績を達成できるようになってきたということですね。
松本:そうですね。
在庫残高推移

松本:在庫残高のグラフをご覧いただくとお分かりのとおり、今では安定的に在庫を確保できるようになりました。在庫については、期首に少ない段階から、当期では一定の在庫を持つことが可能になった点が、下期偏重の解消につながったと考えています。
Ken:業績の作り方が少しずつ良い意味で変化してきているということですね?
松本:おっしゃるとおりです。ある程度、情報が集まり、商品の質と量がそろってきています。完全ではありませんが、以前に比べてだいぶ良くなってきていると思います。
Ken:イメージとして、半年先、もしくはそれより先の状況もある程度見えているということでしょうか? もちろん、期ずれやマクロ環境の変化、金利の変動などがありますが、そのような状況が少しずつ明確になりつつあるということですか?
松本:半年先くらいまでは社内でもある程度の見通しが立つようになっています。本来であれば、1年先までしっかりと売上を想定して、翌期の決算まで見通せる状況が理想ですが、以前と比べて見通しはだいぶ改善してきました。
Ken:先を見通せるようになりつつあることで、利益の最大化も可能になっているのではないかと思います。例えば、どうしてもここで売らなければいけない場合と、ある程度自分たちで自由に売却を判断できる場合では、かなり差が出てくるものなのでしょうか?
松本: 1年間で売上を作っていく中で、商品を売る時期に関しては計画を立てています。ただ、一定の在庫があると、Aという物件が売れなくてもBという物件を販売できるということで、選択肢が増えています。
そのため、多少売上の時期が前後することはありますが、商品の選択肢が常に手元にあることで、売上を作りやすくなり、業績が安定しつつあります。
当期1Q・2Q主要取扱物件

Ken:差し支えない範囲で教えていただきたいのですが、仮に大型物件の場合、高値で売る場合と、期末に間に合わせるために売却する場合では、どれくらい利益や粗利に差が出るものなのでしょうか?
松本:やはり、急いで売却する場合、例えば20億円程度のビルを販売する時に、売上ベースで1億円は軽く差がついてしまいます。
Ken:粗利にすると5パーセントぐらい変わってくるということですか?
松本:おっしゃるとおりです。10パーセントから15パーセントぐらいの利益を確保しようと思っているため、20億円で1億円となると、5パーセントぐらい変わってきますね。
Ken:直近では、ある程度自由に販売の判断ができるようになり、利益もしっかり確保できるようになってきているということでしょうか?
松本:当社で時期をしっかり選び、最適なお客さまに販売していきます。そのようなかたちになりつつあります。
Ken:販売を翌期に持ち越す場合の考え方や、ある意味P/Lの作り方の考え方についてですが、そのあたり、例えばどの物件をいつ売るかなど、どのように組み立てているのでしょうか?
松本:所有物件の平均販売期間は、以前は半年でしたが、現在は9ヶ月ほどになっています。それは物件が大型化し、大規模修繕にかかる時間が長くなっているためです。購入から販売までを9ヶ月程度で行おうとしていますが、昨今のさまざまな外的要因により遅れが生じたり、取引や決済が遅れたりする場合があります。
そのため、9ヶ月が場合によっては10ヶ月、11ヶ月となり、その期に計上できないこともあります。このような状況下では、焦らずに期をずらしながら、利益を優先してしっかり営業を進めていく方針です。
Ken:やはりイラン情勢の影響もあるのでしょうか? 足元でもホルムズ海峡で船の炎上などがあり、マーケット全体が下がっていますが、このような影響はありますか?
松本:影響は大きいです。すべての物件、新築のみならず小規模なリフォームでも影響を受けています。これは当社だけでなく、建築会社や大規模修繕、デベロッパーも同様の状況だと思います。
Ken:私たち投資家からすると、第1四半期や第2四半期である程度余裕をもって利益を確保していただいたほうが、第4四半期でずれが生じた場合でも目標を達成できなくなる可能性を回避できるのではないかと思います。昨今の情勢もありますし、そのあたりは意識されているのでしょうか?
松本:はい、もちろんです。
2029年2月期の目標概要

Ken:中期経営計画についておうかがいします。今期の予想営業利益が12億5,000万円であるのに対し、中期経営計画では2029年2月期で18億円を目標とされています。この差額である5億5,000万円をどのように積み上げていくのかについてお聞かせください。
松本: 5億5,000万円の差額については、主に商品の量と質を向上させることで達成しようと考えています。この点については、年々成果を上げてきていますので、そこがメインの取組みとなります。
また、2025年M&Aにより子会社化した富士ホームは、浅草にある70年以上の歴史を持つ会社です。賃貸管理に加えてアズ企画設計のビジネスモデルを取り入れ、買取再販や建築なども展開し始めています。
これにより、富士ホームの売上と利益がグループ全体に貢献することになると思います。すでに子会社として機能しているため、グループ全体の商品の質と量が増加することが期待されます。
また今後も、新たな企業をグループに加えたいと思っており、このような取組みがグループ全体の成長につながると考えています。
Ken:質と量を向上させる上で、仕入や営業力といった部分が重要になってくるのでしょうか?
松本:おっしゃるとおりです。一番重視しているのは、行動量の多い営業担当です。当社には多くの「スター社員」が在籍しており、特に30歳前後までの社員が中心となっています。また、20代の社員も多数おり、彼らの層が厚くなることで、自然と商品の質と量が向上し、それに伴い売上や利益も上がっていくと考えています。
Ken:質と量に関連して、物件の規模やターゲットについて、どの程度の規模の物件を仕入れ、それに対して15パーセントから20パーセントの利益を上乗せして販売するイメージでしょうか?
松本:前期は約20億円の物件を2件販売しましたが、今後も10億円から30億円規模のオフィス物件を主に取り扱いたいと考えています。ただし、それに限らず、1棟のレジデンスや区分オフィスなども対象としています。とはいえ、メインはオフィスとなります。家賃が上昇していますので、そのような物件を中心に扱いたいと考えています。
Ken:やはり都心5区でいうと、オフィスのほうが賃料の上昇が顕著ということでしょうか?
松本:そうですね。オフィスはテナント数が少ないため、交渉が比較的しやすく、BtoBでの取引が行いやすいです。
一方、レジデンスの場合はテナント数が多く、BtoCとなるため交渉や取引に時間がかかる傾向があります。そのため、オフィスやBtoBの商業ビルのほうが取り扱いやすいです。
Ken:市況感についてですが、再開発が遅れた結果そのままになっている物件や、開発を予定していたもののコストの高騰で実現が難しくなり、解体予定のビルがまだ残っているといった状況が多いように見受けられます。このようなある程度築年数の経過した物件もターゲットになるのでしょうか?
松本:都心には大規模修繕を適切に行えば、まだまだ利用可能な物件が多いと考えています。一方で、建築費の上昇により新築工事の発注が難しい状態が続いているのも現実です。そのため、需要のある古い建物を丁寧に修繕して活用するという選択肢は十分にあり得ます。
Ken:さまざまなKPIがあるかと思いますが、仕入件数や1物件当たりの単価、在庫量、回転率、粗利率のうち、特に重視したい成長ドライバーはどれでしょうか?
松本:先ほどもお話ししましたが、物件の量です。つまり一定の量の商品を確保しておくことが一番重要です。一定の量を確保しておくことで、焦らずに高い利益率を確保することができます。
量がないと、時間的にも焦ることになります。したがって、最も理想的なのは、当期分の売上が常に期首にそろっている状態を維持することです。
Ken:現状、B/Sの規模もかなり大きくなっていて、足元(2026年2月期末時点)で145億円程度になっています。2021年や2022年頃はおそらく50億円程度だったかと思います。ここまで大きくなってくると、運営がだいぶ楽になったと感じられる部分や変化はありますか?
松本:総資産が倍近くになっていると感じています。現在、今期の売上予想は155億円で、営業利益は12億5,000万円です。総資産に関しては2026年2月期末時点で145億円程度ですが、今後は200億円や250億円といった規模を目指していきたいと考えています。
Ken:第1四半期末時点で総資産が173億円程度まで増加していますので、数期経過すれば200億円という目標もある程度射程圏内に入ってくるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
松本:そうですね。
Ken:B/Sの拡大が利益成長に大きくつながり、それは不動産業界を見ている方々にもわかりやすいと思います。物件の数をさらに抱えられるようになることで、P/Lのコントロールもしやすくなるということですね?
松本:おっしゃるとおりです。
最大12.7億円の資金調達に向けた新株予約権発行

Ken:資金調達についてですが、今回調達された金額がどの程度営業利益に貢献するのかについて教えていただけますか?
松本:IRに出しているTIP型の新株予約権ですが、現在行使が始まっており、第7回、第8回、第9回で12億7,000万円規模を調達予定です。この12億7,000万円の使い道としては、不動産の購入資金やM&Aの資金に充てる予定です。また、純利益を上げて内部留保を高めるだけでなく、先ほど述べた在庫を170億円から200億円、さらに250億円へと増加させることを計画しています。
そのためには、エクイティによって自己資本を厚くしておかないと、金融機関が迅速に融資を行えません。ですので、利益拡大による内部留保の蓄積とあわせて、定期的な資本調達が、借り入れを拡大し成長スピードを加速する上で必要となります。
金融機関は自己資本を重視しており、例えば前期決算では自己資本比率が約27パーセントでしたが、これを常に3割前後に維持することが重要です。そうすることで、金融機関に対してB/S上の安全性を示し、安心感を提供する必要があります。
Ken:つまり、自己資本比率を30パーセント程度に維持するという意味では、スライドに記載の不動産仕入資金に9億7,000万円ほどと、これに借り入れを加えることで、20億円強の買付余力が生まれるというイメージで合っていますか?
松本:そのとおりです。金融機関は自己資本比率を重視します。その比率を一定水準までエクイティで高めることで、金融機関によるその期の物件仕入に関する融資も前向きに進む傾向があります。この新株予約権のエクイティ調達は、借り入れを強化し、拡大することを目的にしています。
ですので、この12億7,000万円だけでなく、自己資本比率が上がったことによる借入可能額は正確に計算してみないとわかりませんが、相当増えると思います。
Ken:そうなりますと、仮にですが、「これによって15億円ぐらいの物件が新たに買えるようになりました」といった場合、在庫の回転率などにもよりますが、1年間で回転すると仮定した場合、「粗利15パーセントだと2億円ぐらいの利益につながってくる」といった計算ができるということですね。
松本:それ以上の利益が確保できると思います。
Ken:続いてですが、足元のマーケット環境についてもう一度うかがいます。
建築費の上昇により、新築の価格がかなり高くなっています。この環境は、既存の収益不動産の仕入やバリューアップを行い販売する御社にとって、追い風と向かい風の両面があると思いますが、もう一度整理して教えていただけますか?
松本:建築費やその他のコスト、人件費などが、現在インフレの影響で上昇している点は確かにマイナスです。
要するに、原価が上昇している状況です。そのため、その分を売価に反映させるしかありません。収益不動産は収益還元、つまり利回りをもとに富裕層が購入していきます。富裕層は一定のキャッシュを保有しているので、利回りを上げることが重要なポイントとなります。
冒頭にもお話ししたように、現在家賃が上昇しており、特に当社は都心5区で事業を展開しているため、この家賃上昇エリアの物件にある程度コストをかけて価値を向上させるのであれば、逆風だったものが追い風に変わる可能性があります。
ただ、郊外では家賃があまり上昇していないため、これが課題になります。
Ken:金利は一定程度借り入れに反映されるため上昇しますし、それに伴い投資家の要求利回りも上がるという話ですね。
家賃の上昇幅には「こっちは9パーセント上がっているが、こっちは4パーセントだね」といった差がありますが、全体としては大きく上がっている部分がありますよね。
また、「賃料が大きく上がっているところでないと、金利上昇局面だと厳しいよね」や「非常に上がっているところなので、金利が上がっていても利益が取れるよね」といった状況が生まれてくるということですよね。
松本:おっしゃるとおりです。特に都心の3区では家賃の上昇が非常に激しいため、あまり大きな影響は受けません。
Ken:なるほど、承知しました。
続いて、足元の事業環境やその変化についておうかがいしたいと思います。御社は、数億円から十数億円規模の物件を扱っていますが、現在の富裕層や投資家の需要はどのように変化していますか?
松本:当社のお客さまは日本全国の富裕層です。これらの富裕層の方々は事業を営んでおり、株式保有会社や資産管理会社を運営されています。現在インフレの影響もありますが、本業の事業が非常に好調です。
株価についても、上場会社だけでなく、本業が好調な場合、資産管理会社の株価も上昇しています。そのため、対象となる富裕層は、事業承継対策としてファミリー企業の株価を一定の水準に維持することを目的として、都心の収益不動産を購入しています。
したがって、足元では特に影響はありません。むしろ本業の業績が好調なため、当社が提供している商品が価格上昇しても十分購入可能です。さらに、そのような層が逆に増加する可能性もあり、減少よりも増加する可能性のほうが高いと考えています。
また、もう1つ現在の状況として円安があります。昨年も40億円程度を海外の富裕層に販売しましたが、円安の影響で多くの海外富裕層が日本で買い物をしたり旅行に来たりしています。そのため、都心の不動産に対する富裕層の需要は年々増加しています。国内外の富裕層に対して都心の不動産を提供するチャンスは、今後もどんどん増えると思います。
Ken:海外の富裕層というと、タワーマンションの1室がアジア圏の方を中心に売れているということをよく聞きますが、オフィスやレジデンスなどの一棟物を購入する方も増えているということでしょうか?
松本:そうですね。最近では『日本経済新聞』の経済面や一面にも、カナダ、オーストラリア、シンガポールなどの海外ファンドが日本の不動産を購入し、何百億円にも上る投資を行っているというニュースが取り上げられています。その小さいバージョンがたくさんあるのです。
あれは本当にファンドですが、小さいファミリー企業が日本の不動産をポートフォリオの1つとして投資しています。
今、Kenさんがおっしゃったタワーマンションのセカンドハウスに10億円や20億円を投資されることもありますが、それは個人的な利用のためであることが多いです。ファミリー企業のポートフォリオとして日本の不動産を保有するという目的でも大・中・小があるのです。
Ken:そうなりますと、やはり株高は大事だと思います。ファミリー企業では資産管理会社やファミリーオフィスのようなものを設立し、そこでファミリーの資産をいろいろと運用するようですね。
現在は株高であることに加え、隣国に半導体関連の国が多いことが要因となり、そうした需要も間接的に受けているということですね?
松本:そのとおりです。
Ken:続いて、また金利の話になって恐縮ですが、この融資姿勢について、あらためて足元ではどのような状況なのか、金融機関の仕入や販売などにも影響があると思いますが、そのあたりをどのようにお考えですか?
松本:やはり金融機関は金利上昇により非常に大きな利益を上げています。ただし、融資姿勢そのものは衰えておらず、変化が見られるのはLTV(ローン・トゥ・バリュー)が下がっている点です。
例えば、10億円の物件を購入する際、以前は10億円近くまで融資してくれる金融機関もありました。しかし現在では、どの金融機関も多少保守的になっており、融資額が10億円に対して8億円や7億5,000万円にまで抑えられているのが現状です。
ですので、シニアローンについては引き続き従来の銀行に依頼しつつ、セカンドローンとしてメザニンファイナンスをノンバンクから借りるなど、工夫が求められるようになっています。
Ken:つまり、これまでよりは厳しくはないけれども、少しだけ変化してきているということでしょうか?
松本:そうですね。保守的な傾向が強まっています。
Ken:近々この金利がさらに上がるといった話もあり、年内に1回だと思っていた利上げが2回になるという話も出ています。それによって金融機関はもう少し影響を気にするようになるのでしょうか?
松本:やはり、きちんと利益を出せるということが重要です。これまで私たちにとって幸運だったのは、調達コストがほとんどなかったということです。しかし、当社の決算を見ると、営業外費用として支払利息の額が年々増加しているのがわかります。
ですから、借りたお金に対する利息をしっかり払った上で、きちんと利益を出せる業務を遂行しなければなりません。そのため、利益率を重視した事業運営が求められると思います。
一方で、現預金をB/Sに置いたままにすることは避けていますが、一定の金額を確保していることで利息も付いています。そのため、このあたりのバランスを考えながら事業を進めていく必要があります。
Ken:先ほども少し話があったと思いますが、家賃をしっかり上げていけるような、より都心の中心部にフォーカスするという流れでしょうか?
松本:そうですね。やはり、みなさまが求める、ヴィンテージ(築年数が経っても価値の高い物件)やトロフィー・アセット(希少価値の高い優良物件)といった物件にしっかりとフォーカスし、作り上げていくことが重要です。
株主還元(配当+優待)

Ken:株主還元についてですが、現在、配当と株主優待を実施されていると思います。この背景について教えていただけますでしょうか?
松本:IRでも発表していますが、しっかりと業績を上げて利益を確保し、株主のみなさまに還元する姿勢は当然のことと考えています。まず、今期については現状維持を必須条件とし、増収増益をしっかり確保します。その後、配当額について見直しが可能であれば見直しを行い、さらに拡充ができるのであれば検討します。
Ken:不動産業はキャッシュが非常に重要だなと感じています。もし良い物件が買えるのであれば、配当せずに購入してもらうほうが将来的に長期の株主にとっては良いのではないかと思っています。したがって、そこのバランスを考えながら今後進められていくということですね?
松本:そうですね。まず業績をしっかりと伸ばし、その上で余裕があれば配当を出せるよう努力します。
Ken:私がおもしろいと感じたのは、株主優待についてです。普通は100株が一番利回りの高いものが大半だと思いますが、御社の場合、QUOカードに関しては買い増しをしていくほうが優待利回りは高くなるといった設計になっていますよね。
松本:おっしゃるとおりです。
Ken:300株というのはそこまで多くないとはいえ、100株よりも300株を持っていただいたほうが利回りは高くなる設計になっていますね。
松本:そうです。9月2日現在の終値3,020円に300株を掛けると100万円弱となり、少し高額に感じられるかもしれませんが、100株、200株、300株と増やしていただきたいという思いがあります。株主のみなさまや大家業をなさっている方々、取引先の方々にできるだけ長くお付き合いをしていただきたいという希望を込め、このような設計にしています。
質疑応答:収益不動産のビジネスモデルと賃貸管理事業の拡大計画について
荒井沙織氏(以下、荒井):「収益不動産の販売事業は物件売却のタイミングによって業績が変動しやすいと思いますが
新着ログ
「不動産業」のログ





