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SMN株式会社6185

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目次

原山直樹氏:みなさま、こんにちは。SMN株式会社代表取締役執行役員社長の原山です。本日は、2026年3月期の通期決算と、中期経営計画についてご説明します。

まずは、今期2026年3月期の通期決算と、来期2027年3月期の業績予想をご説明します。

その上で、今期の決算や取り組み状況に基づき、このたび策定した今後の企業価値創造に向けた中期経営計画についてお伝えします。中期経営計画の中では、成長戦略に加え、資本配分や株主還元の方針についてもご説明します。

2026年3月期 決算ハイライト

「今期の通期決算」ならびに「来期の業績予想」についてご報告します。

今期は、ご覧のとおり、売上高・利益ともに修正後の通期予想を上回る結果となりました。売上高は、前期の一過性収益の影響を除外した実質ベースの成長率がプラス11パーセントとなり、主力のアドテクノロジー事業を中心に、事業の成長は着実に加速しています。

特に営業利益は、前期比で2.3倍と大きく伸長しました。また、経営指標として重視しているROEについても、目標としていた10パーセント水準を達成しました。これは、収益構造改革が着実に進展し、資本効率を伴う成長フェーズへ移行しつつあることを示す結果だと捉えています。

連結決算概要

スライドは連結決算の概要をまとめたものです。主要な数値は先ほど申し上げたとおりですが、すべての指標において、10月公表の修正予想を上回って着地しています。

事業別売上高

事業別売上高についてご説明します。アドテクノロジーは当社が推進する「デジタルハウスエージェンシー」としてのインハウス化支援が市場のニーズを捉え既存クライアントの深耕が進展したことにより、大幅な増収を達成しました。

減収要因は、前期の一時的な大型スポット案件およびルビー・グループの連結除外などの影響が挙げられます。

実質的な連結売上高

スライドのように、前期売上高には、一過性収益が約5.5億円含まれていました。これらの影響を除いた調整後の売上高との比較では、今期は前期比プラス11パーセントの成長となります。前期で発生した一過性の要因を除けば、当社の事業が力強く成長していることがおわかりいただけるかと存じます。

連結売上高の増減分析

売上高の増減要因についてご説明します。グラフの左側、前期実績の116.4億円からの推移をご覧ください。最大の牽引役は、「デジタルハウスエージェンシー」を推進する「アドテクノロジー事業」です。

一方で、ルビー・グループの連結除外や、前期の大型スポット案件の剥落による減収影響がありました。それでも、主力事業の成長によってこれらを吸収し、連結売上高は増収となっています。

連結営業利益の増減分析

連結営業利益の増減要因についてご説明します。前期実績の2.3億円から、今期は5.6億円と、前年比で2.3倍を超える大幅な増益を達成しました。主に増益を牽引したのは、「デジタルハウスエージェンシー」を含むアドテクノロジーの増収です。

一方、減益要因は、前期に発生した一過性要因となります。これらは、中長期の収益回復トレンドには大きな影響を及ぼさないと見込んでいます。

連結営業利益の推移

2021年3月期以降の四半期ごとの営業利益推移です。グラフをご覧いただくと当社の収益性が改善されてきていることがおわかりいただけるかと存じます。

連結貸借対照表

バランスシートの状況についてご説明します。主力事業の成長に伴う資産の拡大と、収益性の向上による資本の蓄積が同時に進行し、高い健全性を維持しています。最大の成果は、ROEが10.3パーセントに達し、中長期的な目標として掲げていた10パーセント水準を達成したことです。

この強固な財務基盤とキャッシュ創出力を背景に、非連続な成長を実現するための戦略投資を機動的に実行していきます。

連結キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フローの状況をご説明します。営業キャッシュ・フローは、前期の大型入金の影響を除くと、本業の収益性向上により、実質的には前期を上回る極めて力強い推移となっています。

投資キャッシュ・フローは、前期の事業売却によるキャッシュインの剥落で支出額が増加していますが、将来に向けた規律ある成長投資は計画どおりに継続しています。

財務キャッシュ・フローは、前期に借入金の返済が一巡したため、支出が大幅に抑制されました。これらの結果、手元資金は31億円を超え、中長期的な成長投資を自己資金で機動的に実行できる強固な財務基盤の構築が進んでいます。

①「アドテクノロジー」進捗

ここからは、各事業の具体的な進捗についてお話しします。まず、主力のアドテクノロジーでは、「技術・商品・営業」の3つの強化策がしっかりと実を結んだ1年となりました。スライド中央のとおり、マーケティングソリューション連携、ブランド広告、そして直販案件といった主要KPIが、いずれも力強い2桁成長を達成しています。

これらの伸長が利益率の改善に直結し、当期の事業全体の収益力向上に大きく貢献しました。

①「アドテクノロジー」進捗(再掲)

アドテクノロジー事業の新たな競争優位性であるオフライン購買データとの連携についてご説明します。

当社は、これまで強みとしてきたオンライン広告配信・計測基盤に、全国のドラッグストア・スーパーの6,000万人規模の購買データを連携させました。これにより、オンラインで配信した広告が、「実際の店舗で、自社商品の購買にどう結びついたか」を精緻に可視化することが可能になります。クライアントにとっては、広告が実際の店舗購買に、どう貢献したかを確認できるようになる点が大きな価値です。

当社にとっての、新たな成長領域「リテールメディア」へ本格展開する上での、重要な競争優位となります。

①「アドテクノロジー」進捗

「購買効果可視化」のイメージです。これまで、テレビCMやオンライン広告が実店舗の購買にどの程度貢献したかは、十分には把握しづらい状況でした。

当社は、テレビ視聴データ、デジタル広告の接触データ、オフライン購買データを統合し、右側の円グラフのようにテレビCMやデジタル広告、あるいはその両方との接触が、購買にどう影響したかを明確に把握できるようになりました。これにより、クライアント企業は、効果の高い施策へ予算を集中できるようになりました。

①「アドテクノロジー」進捗(再掲)

「Logicad」と「TVBridge Ads」の調査計測範囲です。実店舗の購買データとの連携により認知から検討・購買までのマーケティングプロセスを、オンライン・オフライン横断で把握できるようになりました。

これらの仕組みを活用し、ブランド広告領域での商品力・提案力を高め、継続的な広告予算の獲得と収益性向上につなげていきます。

②「デジタルハウスエージェンシー」進捗

新たな柱である「デジタルハウスエージェンシー」についてお話しします。親会社をはじめとするソニーグループ向けのインハウス化支援が大きく拡大し、売上高は前期比プラス29パーセントと大きく成長しました。

当社は、マーケティングの戦略立案から実行までを支援し、確かな支援ノウハウを蓄積してきました。今後はグループ外の企業へ向けて本格的に横展開していきます。

②「デジタルハウスエージェンシー」進捗

「デジタルハウスエージェンシー」の支援内容についてご説明します。現在、多くのクライアントが、データのサイロ化、ブラックボックス化、局所最適の限界といったマーケティング上の課題を抱えています。当社の支援は、散在するデータの統合基盤構築から入り最終的な「マーケティング組織の自走化」までを一気通貫で伴走します。

これにより、企業の経営に直結する「マーケティング意思決定の高度化」を実現し、顧客の持続的な事業成長に貢献しています。顧客にとって替えの効かない真のパートナーとなることで、当社自身の事業成長もさらに加速させていきます。

③「1st Party Ad Platform」進捗(再掲)

「1st Party Ad Platform」の進捗です。「1st Party Ad Platform」は、パートナー企業が持つ自社データと、当社の強みを組み合わせ、生活者一人ひとりに最適化された広告配信やマーケティング施策を可能にするプラットフォームです。

その中核的な取り組みが、読売新聞との「YOMIURI X-SOLUTIONS」、通称「YxS」です。新聞購読者データと、当社のテレビ視聴データを活用し、新聞とテレビというマス媒体の接触データを、デジタル広告のターゲティングや効果測定につなげています。

③「1st Party Ad Platform」進捗(再掲)

「YxS」の最大の強みは、認知から購買までのつながりを強くすることです。テレビや新聞などのマス広告は、商品を知っていただく、認知の形成に強みがあります。

「YxS」では、マス広告に接触した層を捕捉し、デジタル広告で再アプローチします。つまり「知っている」状態から「買いたい」状態へ進める領域を強化することで、広告効果の向上を目指しています。

③「1st Party Ad Platform」進捗(再掲)

エンターテインメント企業の新作フィギュア発売プロモーションの事例です。イベント会場では、新聞号外風のチラシを配布し、リアルの場で話題性を喚起しました。そして、オンラインでは、デジタル広告を配信し、関心を持った層との接点を継続しました。

ポイントは、オフライン施策とオンライン施策を別々に行うのではなく、リアルで生まれた接点をデジタル広告で広げ、購入検討につなげる設計ができている点です。このような横断型の提案により、クライアントのプロモーション効果を高める支援を進めています。

③「1st Party Ad Platform」進捗

「YOMIURI X-SOLUTIONS」は支援領域をオンライン広告配信から広げています。現在、メディア面では、オンラインに加え、新聞、テレビ、雑誌、交通広告へと拡大しています。

またサービス面でも、上流のプランニングからクリエイティブ制作、オンライン・オフライン分析までを一気通貫で支援する体制を整えています。包括的なアプローチにより、「YOMIURI X-SOLUTIONS」はクライアントの複雑なマーケティング課題の解決に向けより幅広いサポートを提供していきます。

④「新規事業創造」進捗(再掲)

新規事業創造の進捗状況です。当社は2025年5月より、コミュニケーション戦略支援サービス「SENZAI」の提供を開始しました。「SENZAI」は、ソニーグループのAI技術と、SMNのマーケティング知見を活用し、消費者の感性を分析するサービスです。

近年は、データが増え、消費者の価値観や購買行動も多様化しています。性別や年代などの属性情報だけでは、なぜその商品を選ぶのかを十分に捉えにくくなっています。「SENZAI」は、商品特徴と消費者データをAIが分析しターゲットの感性に響くメッセージを導き出します。

これにより、戦略立案のコストを抑えながら、消費者の心に届く高精度なコミュニケーションプランの策定・実行を支援します。こうした取り組みを通じて企業のマーケティング活動を川上から支援していきます。

④「新規事業創造」進捗(再掲)

「SENZAI」のサービスの流れは、大きく3つです。まず、クライアントから「商品の特徴」と「消費者の特徴」をヒアリングします。次に、AIが消費者を12種類の感性タイプに分類し、ターゲットとなる消費者像を描き出します。最後に、その感性タイプに合わせたメッセージやアプローチ媒体を含む、コミュニケーションプランを策定します。

例えば、同じ商品でも、機能性を重視する人と、印象や共感を重視する人では、響くメッセージが異なります。「SENZAI」は、こうした違いをAIで可視化し、プランニングのスピードと質を高めます。これは、AIとマーケティング知見を組み合わせた当社の新規事業の1つです。

中長期戦略状況まとめ

これまでご説明した内容を踏まえ、1年前に公表した中長期戦略の各領域の進捗のまとめです。

デジタル広告配信領域のアドテクノロジー、デジタルマーケティング支援領域のデジタルハウスエージェンシー、企業のデータ活用支援領域の「1st Party Ad Platform」、そして成長エンジン創造領域の新規事業創造の4つの領域において、各事業を中長期戦略に沿って推進してきました。

2027年3月期 業績予想

2027年3月期連結業績予想については、売上高、および各段階利益共に増収、増益を計画しています。当社のコア事業であるアドテクノロジーやデジタルハウスエージェンシーは引き続き堅調な成長が期待できると見込んでいます。

中期経営計画

続いて、今回新たに策定した中期経営計画についてご説明します。はじめに中期経営計画の全体像です。2030に向けたビジョンと中期経営計画、事業戦略、経営基盤戦略、キャピタルアロケーション方針の4つの柱でご説明します。

2030に向けたビジョン

2030年に向けたビジョンと、中期経営計画2026から2028についてお話しします。

はじめに、私たちが2030年に目指す姿についてお話しします。当社が長年にわたって培ってきた「AI」「データ」「プラットフォーム」「コンサルティング」を成長のコアとし、ソニーグループとの連携深化を掛け合わせます。これにより、中央にあるとおり、マーケティングの一部分を担う「広告配信プラットフォーム」から、マーケティング全体を最適化する「事業成長インフラ」へと、戦略的転換を図っていきます。

右側のロードマップにありますとおり、既存・新規・非連続の各領域を拡大させることで、2031年3月期に売上高200億円の達成を目指しています。

中期経営計画2026-2028 経営指標

本中期計画における具体的な経営指標です。2031年3月期の売上高200億円というビジョンの実現に向け、本計画の3ヶ年で、売上高・営業利益ともに過去最高となる水準を目標に掲げました。

最終年度となる2029年3月期には、売上高160億円、営業利益12億円の達成を目指します。あわせて、収益性の改善と適切な資本配分によりROE15パーセントを実現し、高い資本効率を伴った持続的な成長を目指していきます。

1年前の中長期戦略の振り返り

各事業の成長戦略についてお話しします。

具体的な戦略のご説明に先立ち、1年前に公表した中長期戦略の方向性に対する進捗を振り返ります。まず事業の収益性向上については、アドテクノロジーの直販比率拡大や事業間クロスセルにより、収益基盤が一段と強固になりました。

ソニーグループ連携では、インハウス支援の適用拡大に加え、独自AIを活用した「SENZAI」をリリースするなど、連携が具体的な成果へと結びついています。経営基盤については、新たな人事制度の整備や社内AI活用に着手しています。一部、着手にとどまっている段階ではありますが、これら3つの柱を軸に、次なる飛躍に向けた土台が整ったと認識しています。

外部環境の認識

当社の経営与件として考慮すべき環境要因は数多くありますが、その中でもとりわけ重要な外部環境の変化についてご説明します。

1つ目が、広告チャネルの多様化、AIの台頭による「広告市場の構造転換」です。

2つ目が、AIエージェントの浸透、プライバシー規制強化による「データ・テクノロジーの変革」です。

3つ目が、広告効果の最大化、自社データ活用などの「広告主の期待と課題」です。

4つ目が、情報過多、価値観と共感の掛け合わせといった「生活者の行動・メディア接触の変容」です。

クライアントが直面するマーケティング領域の課題が複雑化・多様化している中で、これまで当社が磨き上げてきたコア・コンピタンスが真価を発揮する、大きな事業機会であると捉えています。

当社のコア・コンピタンス

複雑化する市場環境において、当社の持続的な成長を支える強みの源泉となるのが、こちらの4つのコア・コンピタンスです。

具体的には、広告配信AIの進化、データによる差異化、自社開発プラットフォーム、そして伴走型のコンサルティングです。これら4つの強みを成長のコアとして統合し、さらにソニーグループとの連携を深化させることで、他社には真似のできない独自の価値を提供していきます。この盤石な基盤こそが、2030年に向けた非連続な成長の原動力となります。

AI領域のこれまで蓄積してきた強み

コア・コンピタンスの1つ目のAI領域について、詳しくご説明します。当社はこれまで、大規模処理技術と独自データを核とした3つのAI技術を磨いてきました。1つ目の「広告配信AI」は、月間1.3兆回を超える膨大な広告リクエストを、わずか1,000分の3秒で処理し、入札を最適化しています。

2つ目の「リコメンドAI」は、独自のアルゴリズムによりターゲットへの最適な広告をリアルタイムで表示します。

そして3つ目として、広告制作や業務オペレーションの各工程へ「生成AI」をいち早く導入し、独自のノウハウを蓄積しています。この「速さ」と「精度」の両立こそが、当社のAI技術の優位性です。

AI領域のこれからの強化方針

これらの蓄積した技術をどう進化させていくかという、今後の強化方針です。これまでは配信やリコメンドといった個別の最適化でしたが、今後はこれらを横断的に制御し、効果を最大化させる「統合AIエンジン」へと進化させ、全体最適を図ります。

また、生成AIやLLMを活用した「AIエージェント」を実装することで、要因分析から施策提案までをAIで完結させる「自律型運用」を実現します。最終的には、アドプラットフォームで培った大規模処理技術と独自AI技術を、他事業や外部サービスでも利用可能な、共通基盤プラットフォームへと拡大し、非連続な成長につなげていきます。

データ領域のこれまで蓄積してきた強み

コア・コンピタンスの2つ目、「データ領域」の強みです。当社は、国内メーカー4社との連携による1,300万台を超えるテレビ視聴データをはじめ、共通IDやポイントカードなどの多種多様なデータ、そして日本最大級の規模を誇るオフライン購買データを保有、連携しています。

最大の特徴は、これらをバラバラに持つのではなく、一気通貫で分析できる技術にあります。広告配信のターゲット精度を高める運用面での活用において、確かな成果を上げています。さらに、実店舗での購買にどうつながったかを可視化する戦略面でのPDCA支援においてもすでに多くの実績を積み上げています。

データ領域のこれからの強化方針

このデータ基盤をどう進化させていくかという、今後の強化方針です。第一に、複合的なデータの掛け合わせにより、予測精度を一段と高めます。業界特化型のマーケティングやブランド認知施策を強化し、ターゲット選定の粒度を極限まで高めていきます。

第二に、単なる配信ツールを超えたマーケティング支援全般の基盤化です。AIエージェントによる分析・提言の自動化や、統合PDCAプラットフォームの提供により、クライアントの迅速な意思決定を支えます。また、オフライン購買データを核とした「リテールメディアソリューション」やソーシャルデータを核とした「ブランドリフト解析ソリューション」を確立し、新たな収益の柱を構築していきます。

プラットフォーム領域のこれまで蓄積してきた強み

コア・コンピタンスの3つ目であるプラットフォーム領域の強みです。当社は2012年の自社DSP提供開始以来、10年以上にわたり、ミリ秒単位の安定処理を実現する大規模なインフラを自社で開発・運用してきました。

この強固な基盤に加え、メディアプラットフォームとして、WebやSNSといったオンライン空間への展開を強化しています。さらに、屋外ビジョンやタクシービジョンなどのオフライン空間まで、その接続先を大きく拡大しています。

プラットフォーム領域のこれからの強化方針

この基盤をどう進化させていくかという、今後の強化方針です。これまでの広告配信という枠組みを超えマーケティング全般を支える次世代基盤へと進化させます。

具体的には、AIエージェントが施策の策定から更新までを担う「PDCAプラットフォーム」による運用の完全自動化と、自社DSPの枠を超えてTV視聴・購買データを掛け合わせる「統合分析プラットフォーム」の構築を推進します。

引き続き、独自のメディアネットワーク拡充と自社基盤による高精度な運用を継続することで、企業のマーケティングPDCAを劇的に高速化させる、統合的なインフラを実現していきます。

コンサルティング領域のこれまで蓄積してきた強み

コア・コンピタンスの最後となるコンサルティング領域についてご説明します。当社は、自社開発技術と専門人員による「フルマネージド型サービス」を通じて高精度かつ低負荷な運用ノウハウを蓄積してきました。

現在、この知見を活かしたインハウス化支援を拡大しています。特徴は、自社DSPに限定せず、他社プラットフォームを含めた全体最適を支援できる点にあります。実際に、親会社のNURO光への支援では、獲得件数を128パーセントまで増加させながら、広告での獲得効率を改善させました。データの可視化と徹底した透明性により本質的なマーケティング支援を実現しています。

コンサルティング領域のこれからの強化方針

この領域をどう進化させていくかという、今後の強化方針です。AIとコンサルティングの融合により、クライアントの事業成長インフラへの転換を加速させます。

まず「フルマネージド型サービス」では、AIエージェントの実装により、24時間365日の高精度運用と劇的な効率化を実現します。これにより、人的リソースをより高度な戦略的リサーチへと集中させ、さらなる品質向上を図ります。

また「インハウス化支援」は、データプラットフォームを核とした、マーケティング全体投資の最適化パートナーへと進化させます。クライアントの意思決定を早期化・高度化させる戦略パートナーとして、企業の事業成長に直接貢献していきます。

コア・コンピタンスに基づく事業戦略

これまでご説明した4つのコア・コンピタンスを、どのように事業戦略として展開していくのかをご説明します。「AI」「データ」「プラットフォーム」「コンサルティング」これら4つをさらに拡大し、ソニーグループとの連携を深化させていきます。

この強みを、独自データとAIを活用する「アドプラットフォーム事業」、クライアントに伴走する「デジタルマーケティング支援事業」、「新規事業創出・M&A」の3つの領域で発揮していきます。これらの取り組みにより、提供価値を広告配信中心から、クライアントのマーケティング全体を最適化する事業成長インフラに転換し、非連続な成長を実現していきます。

アドプラットフォーム事業の戦略

個別事業の戦略についてご説明します。まず、アドプラットフォーム事業です。本事業では、独自データとAIで差異化された独立アドプラットフォームを目指します。

AI領域では、広告配信AIの高度化に加え、生成AIによるAX、AIトランスフォーメーションを推進し、オペレーションの効率化・自動化を進めます。

データ領域では、テレビ視聴データや購買データを武器にブランド認知広告や業界特化型マーケティングを強化します。

プラットフォーム領域では、自社DSPにとどまらずマルチメディアを横断した配信と、統合分析の基盤へと広げていきます。

コンサルティング領域では、外部データホルダーや多様なメディアとの連携も深め、クライアントのマーケティング全体の可視化と運用支援を行います。

これら4つを組み合わせ、AIエージェントを実装した自律運用型のPDCAプラットフォームとして事業成長を実現していきます。

デジタルマーケティング支援事業の戦略

デジタルマーケティング支援事業です。本事業では、広告運用の代行ではなく、成長に深くコミットする伴走型パートナーを目指します。

AI領域では、AIエージェントを活用し、データに基づく分析や提案を高度化します。これにより、広告運用の品質向上と、オペレーション効率化の両立を図ります。

データ領域では、クライアントが保有するデータや分散しているデータを統合し、意思決定に活用できる基盤を構築します。

プラットフォーム領域では、広告配信の設計から分析までを透明性高く一元化し、クリエイティブを含む運用PDCAをスムーズに回せる仕組みを提供します。

コンサルティング領域では、広告運用の内製化支援に加え、分析、実装、運用、さらに戦略立案へと支援領域を広げます。クライアントのデータ活用と広告運用の高度化を支援しマーケティング全体の意思決定の高度化を支援することで、当社の成長基盤を拡大していきます。

新規事業創出・M&Aの戦略

新規事業とM&Aについてご説明します。当社が目指す事業成長インフラへの転換を加速するため、既存事業の強化に加え、新規事業や外部リソース活用も進めます。

新規事業では、AI、データ、マーケティングの分析・実行力に、ソニーグループとの連携を掛け合わせ、新たなサービスの創出を目指します。

M&Aや資本提携については、当社のコア・コンピタンスを補完し、顧客基盤の拡大や、PMIによる収益性向上が見込める領域をターゲットとします。これらの攻めの投資を通じて、中長期ビジョンの達成に向けた非連続な成長を実現していきます。

事業領域の再定義

これまでご説明した戦略の進捗をより明確にお伝えするため、2027年3月期よりサービス区分の見直しを実施します。従来の4区分を、今回の中期経営計画の柱である「アドプラットフォーム」および「デジタルマーケティング支援」、そして「その他」の3つに統合・整理します。

この新しい区分を通じて、事業構造の変革、ならびに事業成長インフラへの進化プロセスを、より透明性を持って開示していきます。

AI活用による経営効率化

「経営基盤戦略」についてご説明します。当社はAIをプロダクトだけでなく、社内業務の効率化にも積極的に活用していきます。SMN AI推進委員会を設立し、全社横断でAI活用を進めています。

営業資料の作成準備、案件調査、定型的な事務処理などをAIで効率化します。これにより、戦略提案や顧客対応などの、高付加価値業務へのリソースシフトを図ります。

持続的成長を支える人材戦略

人材戦略についてお話しします。当社の目指すべき人材像は、自ら課題を定義し、事業価値を創出できる自律・能動型人材です。人的資本投資を成長投資と位置づけ、採用の量に依存するモデルから、人材の質と生産性を高めるモデルへ移行します。

AIやデータ活用など、新たな知識・技術の習得も支援します。AIで創出した時間を、成長領域へ再配分し、1人当たりの生産性を高めることで、持続的な企業価値向上につなげます。

コーポレート・ガバナンス

当社グループのコーポレート・ガバナンス体制についてお話しします。当社は監査等委員会設置会社です。取締役会の諮問機関として、指名報酬委員会、コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会を設置しています。

2026年6月の株主総会での決議を前提に、独立社外取締役は3名、取締役全体の50パーセントとなる予定です。女性取締役は1名、17パーセントとなる予定です。透明性と実効性の高いガバナンスを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現していきます。

中長期的なキャピタルアロケーションの考え方

キャピタルアロケーション方針についてご説明します。

当社は、中長期的な企業価値の最大化を目的としキャッシュ創出力強化と、規律あるキャピタルアロケーションを実行しています。具体的な配分の方針ですが、技術、成長、還元の3つのバランスを最適化し、資本効率の向上を追求していきます。

中期経営計画を通じて、事業成長と資本効率の向上を両立させ、中長期的に株主のみなさまの期待に応える企業価値の向上に尽力していきます。

株主還元方針

株主還元方針についてお伝えします。株主還元については、「配当」「株主優待制度」「自己株式取得」の3つを基本に考えています。

まず配当についてです。当社は、当期純利益5.5億円の達成を1つの目安とし、配当開始を検討しています。配当開始後は、株主のみなさまに対して安定性と継続性を重視した還元を行う方針です。

次に、株主優待制度です。当社は、2025年10月末に、株主優待制度を導入しました。これは、株主のみなさまに当社を中長期的にご支援いただくための取り組みであり、長期保有のメリットを高めることを目的としています。また、市場環境や株価水準を見極めながら、機動的な自己株式取得についても検討していきます。

財務の健全性を維持しつつ、成長投資と株主還元のバランスを最適にコントロールしていきます。これにより、株主のみなさまの期待に応える資本政策を推進していきます。

資本コストや株価を意識した経営の推進

資本コストや株価を意識した経営についてです。今期、ROEは10パーセント水準に到達しました。さらに資本効率の高い経営へ進化させていくべく、2029年3月期にROE15パーセントを新たな目標として掲げます。

そのために、「人的資本」「先端技術」「研究開発」「M&Aや資本業務提携」といった重点領域へ投資していきます。同時に、株主還元や市場との対話も強化し、当社の成長戦略をよりわかりやすくお伝えしていきます。

以上で、2026年3月期通期決算および、中期経営計画のご説明を終わります。最後までご視聴いただき、誠にありがとうございました。

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