第135回 個人投資家向けIRセミナー 第3部
エブレン、制御用コンピュータを展開 29年3月期の売上55億円・利益8.5億円が目標、年10〜15%の成長路線を維持
会社概要 (2026年3月末現在)

上村正人氏(以下、上村):エブレン株式会社代表取締役社長の上村です。最初に、会社概要についてご説明します。当社は1973年に設立され、本社は東京都八王子市にあります。現在の資本金は1億4,301万円です。
2026年3月期の実績では、売上高が39億9,300万円、経常利益が5億5,000万円、従業員数は117名、準社員などを含めると146名が在籍しています。
事業所は、東京都八王子市にある本社工場を中心に、東京都荒川区、埼玉県入間市、大阪市東淀川区に国内拠点があります。また、海外においては中国江蘇省蘇州市に100パーセント子会社である蘇州エブレンがあります。したがって、国内4拠点と海外1拠点の計5拠点で業務を行っています。
事業内容は、産業用電子機器および工業用コンピュータの設計製造販売です。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):御社にはこれまでもたびたびご登壇いただき、お話をうかがってきましたが、実は社名の由来についてお聞きしたことがありませんでした。社名の由来や、社長の思いがどのように込められているのかについて教えていただけますか?
上村:当社をカタカナで書くと「エブレン」となるためわかりにくいのですが、英語表記のロゴを読むと、頭や頭脳を意味する「BRAIN」という単語の前に「E」が付いています。
この「E」は「Electronics」の頭文字で、「エレクトロニクスの分野で、私どもがお客さまのブレインになれるような、良い仕事をしよう」という意図が込められています。
坂本:そのような意味が込められていたのですね。
続いて、従業員数が100名規模で、国内に4拠点と中国に1拠点で展開されていますが、どのような社風なのでしょうか? また、社員のタイプについても教えてください。
上村:そうですね。比較的まじめな社員が多いのではないかという印象です。
坂本:社長のご様子からも、そのような印象を受けます。
上村:モットーとして「仕事は楽しくないといかん」と考えており、「工夫して、楽しく仕事をするような環境を自ら作れ」と掲げています。ですので、比較的自由な社風です。
社員には、なるべく楽しく仕事ができるよう、それぞれ工夫して働いてもらっています。楽しい仕事は生産性を向上させますが、嫌々ながら行う仕事では、生産性も創造性も生まれません。こうした経験から「仕事は楽しくなければならない」と考えており、その考えを理解している社員が多いと感じています。
事業内容:産業用コンピュータの設計・製造

上村:事業内容について、一言で申し上げると、産業用コンピュータの設計・製造を手掛ける会社です。現在の主な事業内容は、通信・電力・鉄道・医療などの「社会インフラ系設備」、半導体製造装置や生産自動化機械などの「産業インフラ系設備」にコントローラーとして使用される産業用コンピュータの、いわゆる制御部の受託設計と受託生産が中心で、当社売上の80パーセントを占めています。また、「受託して、設計して、製造して、作る」という一連の流れも1つの特徴です。
鉄道・電力・通信などの公共性の高い事業会社向け設備の開発や調達は、例えば当社が直接、JRや官公庁に売り込むのではなく、日本を代表する大手装置メーカーが主契約者となっており、当社のビジネスのポジションはその下となります。
主契約者である装置メーカーは、設備やシステムの開発構想に基づき、当社に委託するコンピュータ製品の「要求仕様書」を作成して提示します。これに基づいて当社が製品を設計し、試作品を製作して装置メーカーに送付し、評価と設計検証を受けます。
量産に入るまでには、半年から1年以上、場合によっては2年から3年の期間を要することもあります。しかし、量産開始後は、中長期的に安定した製品供給を求められるという特徴があります。
製品区分(1) ボードコンピュータ

上村:電子機器について、まずはその概念を簡単にお話しします。電子機器とは、必要な機能を実現するために、電子部品を結びつけて回路を作ることを基本としています。
現在、半導体が非常に話題になっていますが、半導体とはシリコン基板の上に億単位の数のトランジスタを実装して回路を作るものです。私どもは、そのようにして作られた半導体を、さらにプリント基板の上に、同じような概念で電子部品を並べて結線し、一定の機能を果たす回路を作っています。これが電子機器メーカーが一般的に行っている方法です。
外観としては、スライドの写真にあるような形状のものが多いです。スライド左側の写真は、バックプレーンシステム用ボードコンピュータです。電子回路の規模が非常に大きい場合に、1枚でまとめるのが難しいことがあります。そのため、私どもが事務作業で使用しているA4サイズやB5サイズくらいの基板が一般的です。
しかし実際には、電子回路の規模が畳1枚分程度の面積を必要とする場合もあります。そのような場合は、回路分割という考え方を採用し、分割して扱いやすいサイズにした上で、後でつなぎ直す作業を行います。
このバックプレーンシステム用ボードコンピュータは、A4サイズから大きいものでA3サイズ程度の扱いやすいサイズとなっています。プリント基板のへりにはコネクタが付いており、バックプレーンに差し込むことで、分割した基板を統合して最終的に全体の機能を果たせるようにする仕組みです。
一方で、回路の規模がそれほど大きくない場合は、1枚の基板にすべての機能を収めることも可能です。
スライド右側の写真は、IoT・Edgeシステム用ワンボードコンピュータです。例えば、ノートパソコンのような製品では、必要な機能を1枚の基板上にすべて実装する形態をとっています。 これは裸の状態で後に筐体へ組み込まれるため、通常は目に触れることはありませんが、そのような基板が内蔵されています。
製品区分(2) バックプレーン

上村:スライドには、バックプレーンを掲載しています。先ほどご説明したとおり、分割された電子回路をすべて統合し、全体の機能や回路が動作するようにするためのものです。
具体的には、複数の回路基板を連結する機能や電源の供給、外部との入出力信号の結線などの機能を持っています。人間でいうと脊髄のような役割を果たし、高速で走り回る信号をすべて取り込み、それによって各プリント基板の機能を統合的に動作させる役割があります。
スライド右側の一番上の図がバックプレーンで、そこにボードコンピュータを取り付けて差し込みます。そして、一番下に掲載されているように、最終的には金属製の筐体の中に収められ、実際に動作させることになります。
製品区分(3) コンピューターシャーシ

上村:最終的には、スライドにある写真のような製品イメージになります。なぜ筐体の中に入れるのかと言うと、電子回路は高速で動作すると発熱し、それを無視し続けると、いずれIC(集積回路)が故障します。
したがって、「一定の温度以上にしない」ということを行う必要があるため、そのような構造的に作られた空間の中に配置し、一般的には「空冷」で外部の空気を取り込むことで、内部の温度が一定以上にならないよう工夫します。
空冷以外にも、スーパーコンピュータのようなものでは「水冷」という方法や、極端な場合には、液体に浸ける「液冷」という非常に特殊な事例もあります。スーパーコンピュータの分野ではこれらの方法を採用しており、当社もお客さまが活用するものとして、このようなものを手掛けています。
世界には、スーパーコンピュータの消費電力あたりの計算性能を競うランキング「Green500」というものがあり、そこで日本は何年かにわたり連続で1位を獲得した実績があります。
一般的には、水冷や液冷(液浸)は非常にコストがかかるため、産業用コンピュータでは空冷が最も適しており、ファンを付けて空気で冷やす方法が一般的です。
スライド左側の写真の筐体上部には丸い部分が見えますが、これは空気を逃がすための通風口部分になります。そして、奥に見えているのがバックプレーンです。これが最も重要であり、私どもの専門分野の中心となっています。この筐体は、奥のほうに高速伝送路を備えたバックプレーンが配置されており、前面からプリント基板を差し込んで使用する仕様になっています。
スライド右側の写真は、ワンボードコンピュータと呼ばれるもので、1枚の基板で十分な場合に使用されます。
坂本:パソコンのようなイメージですね。
上村:そのとおりです。パソコンをイメージしていただくとわかりやすいと思います。筐体は弁当箱のような形状をしており、基板1枚をネジで固定する仕様です。何枚も挿入するタイプとは異なる仕様の製品になります。
製品区分(4) 制御用コンピュータ

上村:スライドの写真は、典型的な形状の制御用コンピュータです。スライド左下に記載の各種ボードコンピュータを差し込むと、前面が密閉される仕組みになっています。したがって、最終的には筐体内部に密閉された一定のスペースが確保されるため、その空間の温度を管理することができます。
もう一つ、非常に重要な点があります。コンピュータは電磁波を発生させます。外からの電磁波の影響で誤動作が起きたり、自ら電磁波を外部へ放出したりすることがあり、この問題を解決する必要があります。
これらを解決するために、金属製の筐体を用いて、外部からやってくる電磁波を防ぎ、外への電磁波を最小限に食い止める空間を構築します。
こうして作られたものが、スライド右側の写真にある半導体製造装置などの内部に取り付けられ、装置が稼働するような仕組みになります。
バックプレーン方式が産業用に多用される理由

上村:バックプレーン方式が産業用コンピュータで圧倒的に多用されている理由についてご説明します。
バックプレーンの基本的な役割は、各種回路基板を相互に接続し、信号伝送や電力供給を行うことです。加えて、本体からボードコンピュータを切り離せる点が非常に重要で、必要に応じていつでもワンタッチで外せるようになっています。
実際には、メンテナンスを考慮する必要があります。そこで重要となるのが、スライド右側に記載の1つ目の保守性です。2つ目の拡張性については、ボード単位で「後でメモリサイズをもっと拡張させよう」といった場合、余分なスロットや拡張スロットにボードを追加することで、機能をさらに拡張できる仕組みになっています。
3つ目の汎用性という点では、自分で必要なボードコンピュータをすべて設計・製造・開発しなくても、市場には、例えば画像処理用のボードやCPUボードなど、汎用的に利用できるものが販売されています。それらを採用することで、自分のシステム内で活用することが可能です。
ただし、国際基準に準拠したバス構造に一致していることが前提となります。「すべて規格に基づいたバスで設計されたものであれば」という話であるため、そのためにもバックプレーンを本体から切り離せることが非常に重要となります。
エブレン製品の用途(応用分野)

上村:エブレン製品の用途についてです。スライドの写真は、「当社の製品はどのような分野で使用され、最終製品としてはどのようなかたちになるのか」を示しています。
スライド右側の円グラフは、前期と当期の連結売上高構成比になります。2025年3月期の売上高は40億2,500万円、2026年3月期の売上高は39億9,300万円でした。残念ながら前年同期比0.8パーセントの減少となりました。
円グラフの緑色は、半導体製造装置に関連するもので、最も大きな割合を占めています。計測・制御のセグメントで集計すると、こちらがかなり大きく減少しています。
売上全体のシェアで2025年3月期は61.1パーセントだったのが、2026年3月期においては57.3パーセントに減少しています。これが最も大きなポイントです。
交通関連においては、一般の鉄道車両・新幹線に搭載されるものや信号関係の製品を含んでおり、多くのメーカーにご利用いただいています。これが2番目に多い割合となっており、2026年3月期は19パーセントを占めています。
3番目に多くの割合を占めているのが、防衛・その他になります。
次に、当社の製品が使用されている分野についてご説明します。交通・ITSにおいては、例えば、高速道路を通過する際のETCの料金システムに当社の製品が組み込まれています。
鉄道車両や新幹線には、ATSやATCなどの信号システムや軌道監視、さらには車内のセキュリティシステムに至るまで、当社の製品が使用されています。したがって、社会インフラ分野でも非常に重要な位置を占めています。
FA(ファクトリー・オートメーション)や半導体製造装置についてです。半導体製造装置は非常に種類が多く、大きく分けて前工程の装置と後工程の装置に分類するのが一般的です。また、検査や計測は前工程・後工程のどちらにもあります。
前工程では、成膜装置、露光装置、エッチング装置、熱処理装置などが含まれます。一方、後工程では、ダイシング装置やボンディング装置などが該当します。
検査・計測は、作成した線幅を計測したり、膜厚を測定したりすることが一般的です。これには、欠陥検査、線幅測定、膜厚・寸法計測などの試験が含まれ、最終的には作成物の電気特性を測定することもあります。
防衛・セキュリティは防衛関連であり、当社が関与しているのは、護衛艦、輸送艦、掃海艇などの海上の装備や陸上の軍用車両に関するものです。これらには必ず通信装置やレーダーが搭載されており、当社が設計・製造している装置も含まれています。
医療の分野では、病院で使われているMRIやCTスキャナーといった映像関連機器や超音波診断装置などに使用される製品の設計・製造を当社が担当しています。
映像関連機器以外では、血液分析装置もあります。健康診断などで採取した血液は分析機関に送られますが、血液は生体の情報メディアのようなもので、ほとんどの病気が検出できると言われています。
また、生化学の分野ではiPS細胞に関連する部分もあり、細胞の選別を行うセルソーターに使用される製品の設計・製造も当社が手掛けています。iPS細胞を培養する際に細胞を選び出す装置です。
さらに、HPC(スーパーコンピュータ)といった部分では、ディープラーニング用のHPCやゲノム解析用のHPCなど、通常のコンピュータよりもはるかに高性能なものになります。このような、医療やHPC(スーパーコンピュータ)関連は電子応用分野に含まれます。
通信・放送の分野では、通信と放送の融合が進む中、有線通信、無線通信、モバイル通信、ブロードバンド通信、衛星通信、さらには海底ケーブルの基地局など、さまざまな領域で当社が関与しています。
放送関係については、放送、映像、スタジオ機器といった分野の装置を手掛けています。
また、通信・放送セグメントには電力も含まれています。送電や変電、特殊な例では発電用ガスタービンの制御装置もあります。
電力関係で一番多いのは電力テレメーターです。テレメーターはネットワークを組むことで、需要に応じた発電出力の調整を行うシステムです。このようなものも通信・放送分野に含まれています。
主要納入先 (直接納入,間接納入を含む)

上村:当社製品の主要納入先です。スライドにある企業のロゴをご覧いただくとおわかりのとおり、多岐にわたります。
この中の約3分の1が半導体関連の企業で、その他には電力、セキュリティー、通信、自動化などの分野に取り組むメーカーが含まれます。また、誰もが知っているような企業も多く存在しています。
生産拠点の分散

上村:当社が生産拠点を分散している理由は、BCP(事業継続計画)の観点によるものです。例えば、特定の事業所で地震などによって設備が損壊した場合など、生産を継続できなくなる事態を防ぐためです。このような場合、データをすべて別の工場に送り、そちらで生産を続けられるようにするという仕組みを構築しています。そのため、国内に4拠点、海外に1拠点を設置しています。
もう1つの理由として、なるべくお客さまのお膝元で作ることで利便性が高まる点が挙げられます。
2026年3月期 (第53期)通期決算実績

上村:通期の業績についてご説明します。今期は前期とほとんど変わらない業績で、売上高は39億9,300万円と前期比で0.8パーセント減となりました。一方、若干利益が改善し、営業利益は5億3,000万円で前期比14.2パーセント増加しました。営業利益率は13.2パーセントです。
経常利益は5億5,000万円で前期比15.8パーセント増加し、当期純利益は3億6,400万円と前期比16.3パーセント増、つまり5,100万円の増加となりました。当期純利益率は9.1パーセントです。
2026年3月期 (第53期)通期応用分野別概況-1

上村:2026年3月期通期における応用分野別の概況についてです。計測・制御セグメントは、回復基調に入るタイミングが当社の予想よりもおよそ3ヶ月遅れました。これは、半導体業界の状況が必ずしも良くなかったことを意味します。
第4四半期から「平均よりは良い」という状態に入っており、現在ではかなり改善していますが、多少の遅れが影響したため、売上があまり伸びず、減少する要因となりました。
また、電気自動車(EV)関連が振るいませんでした。それに関連する設備も同様で、このセグメントの売上高は24億5,900万円から22億8,900万円へと1億6,900万円の減少となりました。前期比では6.9パーセント減少しています。
坂本:計測・制御の分野については、半導体製造装置やFA製品も含まれていると思います。近年、AIやIoTという言葉が頻繁に聞かれるようになっていますが、こうしたデジタル化の進展は、御社のビジネスにとって追い風になるのでしょうか?
上村:圧倒的に有利になると考えています。AIの分野はその利便性から、広範囲に普及しています。
基本的にAIは知能的(インテレクチュアル)な分野です。一方で、自動化には実際にフィジカル(物理的)な作業を行うことも求められます。
坂本:最近では「フィジカルAI」という言葉も登場していますよね。
上村:AIを採用したシステムでも、フィジカルな部分を担う機能は必ず必要があります。実際にモノを動かし、制御する部分は当社のようなメーカーの役割です。よく「頭だけではモノは作れない」と言われますが、それを具現化するためにモノを動かし、制御することになれば、当社の業務はますます広がると考えています。
しかし、AIによる判断を基に動かし方をすべて変えることになると、AIはその役割を担いきれません。
坂本:そこは御社のノウハウや技術力が重要になりますね。
上村:そうですね。したがって、AIの利用が今後さらに拡大していくことを期待しています。
交通関連セグメントは、新規案件の増加により売上高が前年比3.1パーセントの増加となりました。
2026年3月期 (第53期)通期応用分野別概況-2

上村:通信・放送・電力についてです。AIサーバーの需要増加に伴い、電力網の強化が各地で進んでおり、その関連で電力関係の需要が増えています。一方、通信・放送関係はここ数年間あまり変わらず、新規の設備投資が少ない状況です。売上高は前年同期比21.1パーセント増加しました。
電子応用分野には、医療・生命科学・HPCなどが含まれます。中国経済が低調な影響で、中国向け医療機器の売上が減少しました。医療関係全体の市場トレンドとしては堅調と見てよいと思います。しかし、売上高は3億7,400万円から3億2,300万円と前年同期比で13.5パーセント減少しています。
防衛・セキュリティ分野では、防衛予算が積み増しされたこともあり、売上高は前年同期比51.2パーセント増と好調でした。
2026年3月期 (第53期)通期応用分野別売上

上村:連結応用分野別売上の推移です。スライドグラフの一番右が当該期を示しています。また、最上部の青色の部分は通信・放送・電力関係を示しています。オレンジ色の部分は電子応用を示しています。
灰色の部分は計測・制御関係を示しており、割合が最も大きくなっていますが、半導体製造装置を中心としたFA関連の業績は芳しくありませんでした。
一方、黄色の部分の交通関係は順調に増加しているように見え、緑色の部分の防衛・その他については、先ほどお話ししたように前年同期比で約51パーセント増加しています。
2026年3月期 第53期期末 – 財政状態

上村:2026年3月期の財政状態です。流動資産は41億1,700万円、固定資産は22億5,100万円で、資産合計は63億6,800万円です。
流動負債は8億4,500万円、固定負債は4億1,900万円で、負債合計は12億6,400万円です。
純資産は51億400万円で、前期末比6.6パーセント増加しています。負債純資産合計は63億6,800万円となり、自己資本比率は80.1パーセントとなりました。
2027年3月期 通期業績予想

上村:2027年3月期の通期業績予想です。売上高は44億円で、前期比10.2パーセント増の4億円ほど増えると予想しています。
営業利益は6億2,000万円、経常利益も6億2,000万円で、経常利益率は14パーセント、当期純利益は4億円、当期純利益率は9パーセントを予想しています。
1株当たりの配当は58円を想定しています。ここ4年から5年間は前期比で20から21パーセント程度の増配を続けており、その傾向を踏まえ、次回の配当は58円程度と予想しています。
2027年3月期(第54期)通期応用分野別見通し

上村:2027年3月期の通期応用分野別の見通しについてご説明します。計測・制御関係では、SEAJ(日本半導体製造装置協会)が前年度比12パーセント増加するとの予想を発表しています。今年はかなり強気の見通しです。
また、HBMや先端ロジックへの投資拡大が成長を牽引することを見込んでおり、この動きはすでに始まっています。したがって、前年度比で25.8パーセントの増加を見込んでいます。
一方、交通関連については前期比でマイナスの見込みです。その要因として、一部のお客さまが調達された部品を支給いただき、それを実装しないと製品が完成しないケースが意外と多いのです。このように、鉄道車両関係は少し特殊で、当社が自己調達できないものがあります。
坂本:カスタマイズされたチップなど、そのようなものでしょうか?
上村:そのとおりです。現在、金属・非金属・レアメタルも含め、不安な要素があります。そのため、見通しが立っているものだけを集計した結果をスライドには記載しています。
2027年3月期 (第54期)通期応用分野別見通し

上村:通信・放送・電力について、電力は引き続き好調です。ただし、新規案件などを考慮すると前年度比で減少する見込みです。
電子応用は前期とほぼ変わらず、わずかな減少を見込んでいます。
防衛・セキュリティに関しては、前期に51パーセントほど上昇した水準を維持しつつ、それと比較して1.9パーセントの増加を見込んでいます。
2027年3月期 (第54期)応用分野別売上予想

上村:当社の業績として、特によかったのがスライド一番左のグラフが示す2023年3月期の第50期です。したがって、2024年以降の過去3年間はあまり良くありませんでした。そのような状況の中、今期はやや改善が見られています。売上高は44億円で前期から約4億円の増加、10パーセント程度の売上増となっています。
坂本:売上増については2つの要因があると思います。1つは、従前からお話しされていた部材をコロナ禍などで溜め込んでいた影響により出荷が抑制されていた部分のサイクルが改善したことです。もう1つは、部材が高騰しているため、その分を価格に転嫁したことが挙げられると思いますが、いかがでしょうか?
上村:おっしゃるとおり、要因の1つとして価格転嫁の問題が挙げられます。当社のお客さまは大手が多く、価格転嫁の調整に時間がかかるため、例えば「いいよ」と言ってから半年ほど時間を要します。お客さま側でもさまざまな手続きが必要となることが、1年前・2年前の業績を押し下げていた要因の1つとなりました。
しかし現在では、ほとんどの取引で適切に価格転嫁が進められるようになり、状況は改善し良い転換が図られていると考えています。
上場以降の業績推移

上村:上場以降の業績推移についてです。スライドグラフの一番左が2021年3月期、当社でいう第48期になりますが、これは上場後初めて行った決算になります。青色の棒グラフが売上高、ピンク色の棒グラフが経常利益を示しています。
当社では成長を「利益の極大化」と捉えています。2021年3月期から2026年3月期の年平均成長率(CAGR)は12.8パーセントとなっています。これまで「年率10パーセントから15パーセントを目指す」と申し上げてきましたが、CAGR12.8パーセントということで、その目標の範囲内にあります。この成長率を維持し、引き続き努力していきたいと考えています。
当面の目標

上村:当面の目標についてです。スライドグラフの濃い青色とピンク色がこれまでの実績、薄い青色とピンク色が2027年3月期以降3年間の計画を示しています。このようなかたちで推移していくだろうと考えています。
半導体市況はここ3年間は良い状況とはいえませんでしたが、中長期的には非常に恵まれた環境にあると考えています。したがって、この程度の実績は達成していく必要があると考えています。
成長戦略

上村:成長戦略についてです。当社は独自のビジネスモデルを構築していますが、コア事業を重視して、お客さまのご期待に応えていきたいと考えています。また、受託範囲をさらに拡大し、付加価値の高い製品を設計・生産できるよう取り組んでいきます。さらに、ボードコンピュータ事業の強化を図っていきます。
中国子会社を戦略的に活用する方針は、従来の考え方と変わりません。
(1)コア事業の強化

上村:ここまでの40年から50年、お客さまからご支援いただいてきたこのビジネスモデルを大切にし、これを裏切ることなく、さらに成長させていきたいと考えています。
(2)受託範囲の拡大

上村:事業領域を拡大するために、バックプレーンや筐体に加え、中に入れるボードの開発にも力を入れており、これをさらに高めていきます。
(3)ボードコンピュータ事業強化

上村:ボードコンピュータ事業の強化についてお伝えします。当社が従来、専門としてきたバックプレーン、ラック、筐体以外の製品を組み込んだシステム商品が順調に拡大しています。現在の売上比率はまだ20パーセント弱ですが、今後この比率を高め、付加価値をさらに大きくするよう努めていきます。開発案件についてはスライドに記載しています。
(4)中国子会社の活用強化

上村:中国子会社を積極的に活用していきます。台湾や中国には非常によい部材を供給する拠点がありますので、当社の競争力を高めるためにも、これらを戦略的に活用していきたいと考えています。
株主還元

上村:株主還元です。スライドに記載の棒グラフの左から2番目に示している18円の配当は、上場後初めての配当でした。その後、22円、27円、38円、40円と推移し、2026年3月期は48円となっています。
まもなく株主総会がありますが、今期は58円と計画しており、その次は70円程度を目指していきたいと考えています。
質疑応答:2029年3月期の売上高目標55億円達成に向けた施策について

坂本:「2029年3月期に売上高55億円を目指すという計画ですが、こちらは今までの足元の調子が悪かった部分も含めると、けっこう伸ばさなければいけないと思います。目標達成に向けたイメージを教えてください」というご質問です。
先ほどのご説明の中で、ここ数年の足踏みは特殊要因が影響しているとありました。その点と将来について
新着ログ
「電気機器」のログ





