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人気ブロガーで米国株投資の実践者として知られるたぱぞう氏が、S&P500連動型商品の積み立てを軸にしながら、個別株やレバレッジETFも視野に入れた運用の考え方を語ります。日本株から米国株へ軸足を移した理由、NISAを活用する際の視点、コア・サテライトの考え方、銘柄選定の基準などを通じて、資産形成を続ける上での判断軸を解説します。(※2025年12月17日収録のマネックス証券YouTube動画に基づく内容です)

【なぜS&P500は最強なのか】資産13.5億のたぱぞう氏が語る「一生買い続ける」理由と個別株の出口戦略

岡元兵八郎氏(以下、岡元):マネックス証券のハッチこと岡元兵八郎です。 本日は、人気ブロガーであり、米国株投資の実践者としても広く知られているたぱぞうさんをゲストにお迎えしています。これまでの米国株投資のご経験や、投資に対する考え方、向き合い方について、じっくりとうかがいたいと思います。

たぱぞう氏(以下、たぱぞう):たぱぞうです。本日はよろしくお願いします。憧れのハッチさんにお目にかかれると聞いて、うれしく思っていました。

私は2000年から株式投資を始め、日本株をコツコツと続けてきました。2010年に初めて米国株投資を行い、2015年からは米国株に一本化しています。

岡元:2000年1月から投資を始めたのですか?

たぱぞう:就職して、2000年4月の初任給で始めました。

岡元:ITバブルでNASDAQがピークを付けたあとのタイミングで始めたということですか?

たぱぞう:当時はハイテク株はあまり見ておらず、金融株を中心に投資していました。

岡元:最初の頃はいかがでしたか?

たぱぞう:最初の10年間はかなり難しかったです。若かったので旅行などにもお金を使っていましたし、何千万円というような収益にはなりませんでした。ただ、何倍という増え方をしていたため、増加率で見るとその頃が最も資産の伸びた時期でもありました。元手の金額が小さかったので、資産を大きく積み上げるのは簡単ではありませんでした。

岡元:金額はまだ小さかった一方で、伸び率はかなり高かったということですね。

たぱぞう:当時は金融株のボラティリティが非常に大きい時代でもありました。ただ、決して楽な相場環境ではありませんでした。

円高をきっかけに、米国株へ軸足を移す

岡元:当時、あえて米国株に注目された理由と、実際に投資して感じた魅力はどのような点でしょうか?

たぱぞう:利益率が高い会社が多いことにまず驚きました。日本株にはずっと投資していたのですが、当時は為替が1ドル80円くらいでしたので、そのタイミングで米国株に大きく投資しました。

岡元:最初は日本株から始められて、2010年頃から米国株にも投資するようになったということですね。

たぱぞう:2010年から米国株にも投資を始め、半々というより、実際には8割くらいを振り向けていた感覚です。

岡元:米国株にシフトされたきっかけは何だったのですか?

たぱぞう:為替です。当時は1ドル80円前後まで円高が進んでいましたので、為替の面でも2割程度の上昇余地があるのではないかと考えて、米国株への投資を始めました。同じような感覚で金融株もかなり見ていたのですが、ちょうどリーマンショックの後でボラティリティが大きく、投資対象としておもしろい時期でもありました。

その上で個別企業を見ていくと、普通の事業会社でも営業利益率、売上の伸び、ROE(自己資本利益率)が違います。それなら、米国株のほうが取り組みやすいのではないかと思い、米国株に軸足を移していきました。

岡元:最終的には米国株一本になったのですか?

たぱぞう:はい。今も続いていますが、2015年頃からは指数も上昇基調が続く時代でしたし、やはり資金効率という面では米国株のほうがよいのではないかと思いました。自分にはそれほど大きな資金力があったわけではなかったので、より効率的に資産を増やすには米国株のほうがよいと考えました。

暴落局面でもぶれない投資判断の持ち方

岡元:リーマンショック後に投資を始められて、その後もコロナショックなど大変な時期があったと思います。マーケットのボラティリティが非常に高い中で、チャンスでもある一方、不安になることも少なくなかったと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?

たぱぞう:私はあまり不安はありませんでした。投資はずっとよいものだと思って取り組んでおり、仕事という拠りどころもあったためです。比較的手堅い仕事をしていましたので、収入を得ながら、投資ではリスクを取っていくという姿勢は一貫していました。

自分の中で、「この水準であれば買いだ」という目線が常にあり、それを下回れば大きく買い、上回れば少し売るということを続けていました。そのため、世間がどう評価しても、自分の基準で割安だと判断すれば投資していました。

そのような意味では、リーマンショックの反省を活かし、コロナショックでは非常に大きなリターンを得ることができました。

投資とトレードを分け、法人での運用へ

岡元:これまでやってこられたのは、投資ですか? それともトレードですか?

たぱぞう:両方です。ただ、コロナ禍の頃から、あまり頻繁に売買を繰り返すのは効率が良くないのではないかと思い始めました。

そこで、腰を据えて投資をしようと考え、不動産を手がけ、法人を作りました。現在は法人でメインの資金を動かすようにしています。指数連動型の商品にももちろん投資しますし、トレードに近い売買は個人の口座で行うようにしています。

岡元:法人で運用されているのであれば、なおさらリスク管理も大切かと思いますが、そのあたりは個人で運用するよりも強く意識されているのですか?

たぱぞう:ヘッジファンドのような感覚で運用すると区分がややこしくなりますので、法人では長期保有を前提に買って、簿価で評価する運用を基本としています。

指数連動型の商品を長く保有していると、時代が良かったこともあり大きく伸びました。銀行の評価は時価で評価されるので、自己資本が徐々に厚くなっていくのです。厚くなった自己資本を背景に不動産の融資を引いてレバレッジをかけるのが、最近の運用スタイルです。

米国株と不動産を組み合わせる意味

岡元:米国株と日本の不動産投資は、相性がよいように感じませんか?

たぱぞう:おっしゃるとおりで、お互いにヘッジになります。例えば家賃や物件価格は、株価に比べるとかなり硬直性がありますので、株価ほど大きくは動きません。特に家賃はそうです。

私は家賃収入をベースで不動産を購入しており、キャピタルゲインを主な目的にしているわけではありません。そのような意味では、不動産は債券に近い役割があると考えています。

実際、私が債券を買おうかと考えた時期も、不動産を買おうかと考えた時期と重なっていました。ただ、結論としては、ゼロ金利下の債券にはなんとなく嫌な予感がしましたし、その時代は金利も低く、効率の面でもあまり魅力を感じませんでした。債券は軒並み下落したため、結果的にその判断は正しかったと思います。

米国株が長期投資に向くと考える理由

岡元:米国株は、長期投資の対象としてどのようにお考えですか?

たぱぞう:まさに資本主義を体現しているような市場であるため、非常によいと思います。単に株式を発行するだけではなく、IPOのあとも自社株買い等で流通市場の中で企業価値をきちんと高め、究極的にはEPS(1株あたり収益)も着実に伸ばしていきます。

そのような企業の株式は、長期保有に適していると思います。逆に、安易なMSワラントのように既存株主の価値を損なうようなものは、あまり望ましくないと考えています。

資産規模の公開と、積み上げてきた道のり

岡元:たぱぞうさんは、ご自身で運用されている金額や資産を公開されているのですか?

たぱぞう:公開しています。先に取り組んでいる人が、このような金額になったと示していくのは大事なことだと思っています。あとに続く人に「投資は怖い、やりたくない」と思われるより、「こんなに増えるのか」と思ってもらうほうがよいのではないかと考えています。自分の責務だと思い、ブログや「YouTube」でも発信しています。

岡元:現在、どのくらいの資産を運用されているのですか?

たぱぞう:現在、金融資産が8億5,000万円、不動産が5億円くらいです。つい先月までは不動産が6億円ほどあったのですが、一部を売却しており、総額では13億5,000万円ほどです。借入は5億円あります。初任給20数万円の中から生活費を除いたお金を投資に回しました。

岡元:そこから金融資産8億5,000万円まで積み上げてこられたわけですね。その道のりで、どこがいちばん難しかったのでしょうか?

たぱぞう:最初がいちばん難しかったです。100万円に届くまでにも半年ほどかかったと思います。当時は環境が良くなかったので、1,000万円に乗せるのも簡単ではありませんでした。ただ、2003年に銀行株を買って、それが何倍かになり、2005年頃には1,000万円に達していました。

「売るのが早い」をどう修正してきたか

岡元:多くの人は、株価が倍になった段階で「もう十分だ」と思い、売ってしまうことも少なくないと思います。たぱぞうさんは、そこからさらに何倍にも伸ばされたわけですが、そのあたりの考え方や気持ちの変化について教えてください。

たぱぞう:あの頃の銀行株は、とにかく安かったのです。銀行株自体、もともと高い評価がつきにくい業種ではあるのですが、それを踏まえても割安でした。過去の高値を意識する感覚もありましたし、「過去の高値を基準に見れば、その半値まで戻るだけでも十分だろう」といった、かなり大ざっぱな考え方でした。

ただ、私は売るのが比較的早いのです。買うタイミングは、自分でも良かったと思うことが多いのですが、売るタイミングは早くなりがちだったため、そこで少し方針を変えました。運用額が大きくなってきたこともあり、金融資産を法人名義で保有するようになったのは、そのためでもあります。法人で保有すると税務上の扱いが事業所得になるため、短期的に売買しにくいのです。

NISAは目的に応じて使い分ける

岡元:これから投資を始めたい方も多いと思いますが、たぱぞうさんご自身は、NISAでどのような銘柄を検討されていますか? あわせて、銘柄を選ぶ際にどのような視点を大切にされているのか、ヒントをいただければと思います。

たぱぞう:まずは、目的が何かということが大切だと思います。NISAの非課税枠をどう活かすかは、大きなテーマです。考え方は大きく2つあり、1つはキャピタルゲインの大きいものを狙っていくという視点です。もう1つは、例えばFIREを目指す方や定年退職後を見据える方が、老後の収入源として非課税で受け取るという視点です。

私はどちらかというと、コア資産はすでに手堅いものを積立のように買っていますので、NISAはサテライト的に使って、キャピタルゲインを狙う投資に充てていこうと考えています。

S&P500を軸に、個別株やレバレッジETFも検討

岡元:具体的には、どのような銘柄を考えていらっしゃるのですか?

たぱぞう:積み立てについては、これまでずっとS&P500連動型の商品に投資してきました。毎月10万円ずつ積み立て、カードのポイントもコツコツと回してきたのですが、もう少し踏み込んだ投資をしてもよいのではないかと考えるようになりました。

2025年、ユナイテッドヘルス・グループ(UnitedHealth Group)が大きく下げている局面で買いました。現在は、少し含み益が出ている状態です。2026年は同じような目線で、決算内容が振るわなかったAdobeが少し気になっています。テック企業としては、かなり割安に見えるからです。

あるいは、より強気にいくのであれば、相場が調整した局面でSPXLのようなレバレッジETFに大きめに投資するという考え方もあります。TQQQでもよいです。

FIREというより、実態は独立に近い

岡元:現在のご自身の状況は、リタイアと表現すべきなのか、あるいはセミリタイアに近いのか、どのように捉えればよいのでしょうか?

たぱぞう:私は比較的若いうちに退職したこともあって、当時はやってみたいことがいろいろありました。ブログから始まり、勉強会、「YouTube」や「Voicy」での配信など、さまざまな活動に取り組んできました。現在は少しずつ絞ってきているのですが、それでも日々かなり忙しくしています。そのため、マーケットも毎日確認しています。

岡元:いわゆるリタイアというわけではないのですね。FIREという言い方とも少し異なるのでしょうか?

たぱぞう:これは以前からよく考えるテーマなのですが「実際にはFIREというより、独立しただけではないか?」と言われることはあります。

岡元:確かに、FIREとおっしゃる方でも、詳しくうかがってみると、実態としては転職や独立に近いのではないかと感じることがあります。毎日をゆったり過ごしているというよりは、かなり活動的に過ごされているのですね。

たぱぞう:そうですね。不動産もありますので、物件を見に行くこともありますし、毎朝、自分の学習会をニュース配信しています。そう考えると、かなり働いているほうだと思います。聞かれたことには、できるだけ答えるようにもしています。

米国株市場との付き合い方と情報収集の工夫

岡元:なるほど。そうすると、米国株市場も毎晩遅くまで起きて見ていらっしゃるのですか。

たぱぞう:それはしていません。寝るのはかなり早くて、夜10時には寝ています。

岡元:では、朝早く起きて確認されるのですね。

たぱぞう:そうです。朝起きて、前日のマーケットがどうだったかを確認します。相場は1日で大きく動くこともありますからね。先物の動きが良かったので期待して見てみたら、実際の市場ではそれほどでもなかったということもあります。

岡元:市場が始まった直後の動きだけでは判断しにくいこともあるため、市場終了時点の動きを確認されることが多いのですね。マーケットにはどのくらい時間をかけていらっしゃるのでしょうか?

たぱぞう:それなりに時間は使っていると思います。ただ、深く決算を確認するのは年2回だけです。四半期ごとに毎回すべてを細かく見ていくのは、少し負担が大きいと感じています。ちょうど『米国会社四季報』もありますので、それに合わせて確認するのが効率的なのかなと思っています。

岡元:それはおもしろいですね。四半期ごとではなく、年2回確認されるのですね。

たぱぞう:そうですね。ただ、日々のニュースは継続的に追っていますので、大まかな動きは把握できています。深く確認するのが年2回ということです。

銘柄選びは5つの視点、足元はテック寄りへ

岡元:先ほど銘柄についてもお話がありましたが、銘柄を選ぶ際に大切にされている視点はありますか?

たぱぞう:5つあります。1つ目は、売上が伸びているかどうかです。2つ目は、営業利益が伸びているかどうかです。3つ目は、営業キャッシュフローが伸びているかどうかです。4つ目は、もちろん業種にもよりますが、目安として営業利益率が20パーセント以上あるかどうかです。5つ目は、定性的な面として、自分の好みに合う、利益率の高いビジネスモデルかどうかです。

ただ、反省もあります。営業利益率が高い、いわば鉄板といえる業種であっても、今のマーケットではテック企業の成長力にはなかなか勝てないのですよね。そのため、この2年で管理する銘柄数をかなり減らしました。その上で、よりテック寄りの構成にしています。

保有銘柄は絞りつつ、S&P500は買い続ける

岡元:現在は何銘柄くらい保有されているのですか?

たぱぞう:保有している銘柄自体は3銘柄から5銘柄です。かなり少ないです。一方で、継続的に見ている銘柄は、少し前までは50銘柄ほどありましたが、最近では40銘柄ほどまで減らしました。

岡元:今お持ちの3銘柄から5銘柄は、今後も長期で保有していくお考えなのですか? それとも、価格次第では売却する可能性もあるのでしょうか?

たぱぞう:売却する可能性もあります。前に買った個別株は、2020年のアリババ・グループ(Alibaba Group)でした。私が売った少しあとに大きく下がり、大きな資産で個別株を細かく出し入れするのは、あまり得策ではないなと感じました。そうしたこともあり、久しぶりに買った個別株がユナイテッドヘルス・グループだったのです。ただ、それでもけっこう売ってしまいました。

ヘルスケアがよいのはわかるのですが、やはりハイテクが強いので、リターンの面では見劣りするところがあります。S&P500は、30年で年率10パーセント前後のリターンが期待できる代表的な指数ですし、それを上回る業種はそれほど多くないと思っています。

ですので、ユナイテッドヘルス・グループはある程度利益が出ているので売却するかもしれませんし、先ほどお話ししたAdobeなども、まとめて買って早めに利益確定するかもしれません。

岡元:S&P500はコアとして持っていて、引き続き積立でも追加投資をしているのですね。

たぱぞう:そうですね。これからも買い続けていくと思います。不動産を売却して利益が出たら、そちらに回すイメージです。具体的に買っているのは、iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)です。最近は高くてなかなか買いにくいのですが、これを100万株まで増やすために、少しずつ買い増しています。

投資初心者は王道の指数連動型商品から

岡元:これからNISAで投資を始めようと考えている投資初心者の方に対して、なにかアドバイスはありますか?

たぱぞう:投資初心者の方は、やはり右肩上がりが期待しやすい商品から入るのがよいと思います。例えば、私が買っているようなS&P500連動型の商品もそうですし、全米株に投資するVTI系の商品もあります。もう少し値動きの大きさを取りたいのであれば、NASDAQ100に連動する商品という選択肢もあるのかなと思います。

そこから一歩進んで、少しリスクを取って個別株にも挑戦してみたいという方は、先ほどお話ししたような視点を自分なりに持って買ってみるのもおもしろいと思います。

ただ、実際に株をやってみるとわかると思うのですが、いまはメガテックが非常に強いので、MicrosoftやGoogle、Netflixといった銘柄のリターンを上回るのは、そう簡単ではありません。そのような意味では、いまの時代は投資がかなり簡単になったとも感じています。そのため、私自身もチェックする銘柄数を大きく減らしています。

岡元:本日は非常に貴重なお話をいろいろとうかがうことができました。この番組のために沖縄からお越しいただき、本当にありがとうございました。

たぱぞう:ハッチさんにお会いしたくて来ました。どうもありがとうございました。

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