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ファーマライズホールディングス株式会社 令和8年5月期第3四半期 決算説明資料

秋山昌之氏(以下、秋山):ファーマライズホールディングス株式会社代表取締役社長の秋山です。本日は会場・オンラインともに、多くのみなさまにお集まりいただき、誠にありがとうございます。

これより、令和8年5月期第3四半期の決算説明を始めます。本日は3部構成で進めます。

1-決算説明 決算ハイライト

決算ハイライトです。売上高は505億5,600万円で、前期比プラス39億7,600万円、8.5パーセント増、営業利益は6億300万円で、前期比プラス5億800万円、530.7パーセント増と大幅に回復しました。

経常利益以下の各段階利益においても増益となりました。一方で、株式会社三幸メディカルの株式取得に伴う各種費用が発生したため、営業利益以下の各段階利益で計画未達となっています。

親会社株主に帰属する四半期純損失については、連結納税を採用していないため、一部子会社で発生した損失や株式取得に係る費用が税務上の損金扱いとならないことなどにより、第3四半期では第2四半期累計期間と比較して、連結上の税負担率が上昇したように見えています。

1-決算説明 連結損益計算書

連結損益計算書です。売上高は、主に調剤薬局事業のM&Aによる店舗増加に伴い増収となりました。

営業利益は、調剤薬局事業においてM&Aを行った会社の本部業務効率化に伴い販管費の人件費を削減しました。また、薬局店舗でも業務効率化を図り、売上原価の人件費をコントロールしたことで大幅に回復しています。

今期から、販管費の人件費に計上していたエリア長やラウンダー勤務の社員を売上原価に振り替えて計上しているため、見かけ上は売上原価率が上昇しています。

しかし、実際には売上原価の人件費もコントロールできており、売上原価および販管費の合計人件費率は減少し、営業利益の改善につながっています。

また、経常利益についても営業利益の回復を受け、前期比プラス4億3,700万円の4億1,900万円となり、大幅な増益となりました。売上高および各段階利益における増減要因については、スライド右側の表に記載しています。

1-決算説明 連結貸借対照表

連結貸借対照表について、前四半期末と比較して変動が大きかった項目を中心に説明します。

まず、資産の部です。流動資産では、現預金が3億1,300万円減少しました。

主な増加要因として、第3四半期においてEBITDAを4億円弱計上し、返済を進めると同時に調達を実施したことにより、借入金が流動・固定負債を合わせて22億9,800万円増加したことが挙げられます。

一方で、減少要因としては、三幸メディカルの株式取得による15億3,000万円の支出、運転資金の増加で7億円強、冬季賞与の支払いを中心とした未払費用の減少で約5億5,000万円、法人税等の2億円強の納付が挙げられます。

商品および製品は中間期に在庫水準を低く抑えた影響で2億2,700万円増加しました。固定資産には、三幸メディカルの株式取得に伴い、投資有価証券が一時的に増加しています。

負債の部では、薬価改定に向けて2月より仕入れを絞り始めた影響で、買掛金が2億9,500万円減少しました。

借入金は計画どおり返済が進む一方で、事業資金および三幸メディカルの株式取得のための資金を調達したことにより、流動・固定負債を合わせて22億9,800万円増加しています。

純資産の部では、親会社株主に帰属する第3四半期純損失として1億2,500万円を計上したことにより、純資産は1億2,800万円の減少となりました。

1-決算説明 セグメント別 業績

セグメント別の業績についてご説明します。

調剤薬局事業のセグメント売上高は、前期比プラス47億円の430億400万円で、12.3パーセントの増収となりました。この主な要因は、M&Aに伴う店舗数の増加により、処方せん応需枚数が前期比で46万5,000枚増加、12.2パーセント増となったことによります。

また、計画比では7億3,400万円の上振れで達成しました。長期処方化の進行による来局頻度の低下や、小児科・耳鼻科を中心とする流行性疾患の減少が影響し、処方せん応需枚数は想定を下回りました。一方で、平均処方せん単価が計画比でプラス492円と想定を上回ったことで計画を達成しました。

物販事業はセグメント売上高が前期比マイナス6億1,900万円の60億900万円で、9.3パーセントの減収となりました。この主な要因は、不採算店舗等の閉店によるものです。計画比ではプラス5,700万円で達成となりました。

さらに物販事業について、ドラッグストア事業とコンビニエンス事業の2つに分けてご説明します。

ドラッグストア事業では、調剤事業同様に流行性疾患が少なかったことが影響し、風邪薬などの医薬品、マスクなどの衛生用品の売上が想定を下回ったため、計画未達となりました。

一方でコンビニエンス事業では、客単価の上昇によって売上高が好調に推移したため、物販事業セグメント全体としては計画を上回りました。

1-決算説明 セグメント別 営業利益増減(前期比)

スライドのグラフは、セグメント別営業利益の前期差異を示しています。一番左が前期の営業利益9,500万円です。その右隣からは各セグメント営業利益の前期差異を示しており、一番右が当期の営業利益6億300万円となっています。

調剤薬局事業においては、M&Aなどによる売上高の増加が寄与し、6億7,100万円の増益となりました。

その他事業は前期比ではマイナス1億円となりました。主な要因として、医療関連ITソリューション事業を運営するミュートス社における新製品の開発に伴う償却費の発生があり、マイナス5,800万円となりました。

また、訪問看護事業では看護師の欠員による訪問回数の減少が影響し、マイナス3,500万円となっています。

1-決算説明 セグメント別 営業利益増減(計画比)

こちらのグラフは、セグメント別営業利益の計画差異を表しています。一番左が当期の営業利益計画である7億1,100万円です。その右隣から各セグメントの営業利益計画差異を示しており、一番右が当期の営業利益6億300万円となっています。

調剤薬局事業では、処方せん枚数が想定を下回ったものの、処方せん単価の上昇や販管費削減などのコストコントロールにより下支えを図りました。その結果、第3四半期単独では計画比プラス300万円となり、第2四半期累計の計画比マイナス4,000万円からマイナス3,700万円へと、計画乖離幅が縮小しました。

物販事業では、コンビニエンス事業とドラッグストア事業の売上が好調だったものの、冬季シーズン商品等、利益率の高い商品の売上が想定を下回り、計画比でマイナス8,200万円となりました。

医学資料保管・管理セグメントは、予算外のフィルム廃棄収入等の増加により、前四半期同様に好調を維持し、計画比でプラス5,300万円となりました。

医療モール事業については、大型投資の時期が後ろ倒しになったことによる減価償却費の減少が影響し、計画比でプラス4,200万円となりました。

なお、調整額にはセグメント未確定分のM&A費用6,200万円を計上しているため、計画比ではマイナスとなっています。

2-調剤報酬改定への対応 調剤技術料の推移

ここからは、調剤報酬改定の対応についてご説明します。

スライド上段のグラフは、直近2年間の調剤技術料単価の推移と、令和8年5月期の技術料単価推移の計画値および実績値を示したものです。

調剤技術料単価は、300店舗以上のチェーングループ適用によって大きく引き下げられた令和6年4月以降、全社的に地域支援体制加算などの技術料算定に注力してきた結果、当四半期も引き続き計画を上回る進捗を見せています。

下段の表は、四半期ごとの調剤技術料の推移を示しています。技術料単価は計画を上回っているものの、処方せん枚数が想定を下回ったことから、当四半期実績は計画未達に留まっています。

2-調剤報酬改定への対応 処方せん単価と技術料構成比の推移

既存店ベースにおける処方せん単価および技術料構成比の四半期ごとの推移です。スライドには、令和7年5月期と令和8年5月期の2期分を示しています。

当四半期において、既存店の処方せん単価は前四半期からさらに上昇し、前期比プラス584円の1万473円となりました。一方で、技術料構成比は前期を0.9パーセント下回る25.5パーセントとなりました。

処方せん単価の内訳では、薬剤料単価が前期比6.63パーセント増、金額で482円の増加、技術料単価が前期比2.6パーセント増、金額で68円の増加となっています。

技術料構成比が下がった理由として、薬剤料単価の上昇により相対的に技術料構成比が低下している状態です。ただし、技術料単価自体は先述のとおり増加しています。薬剤料単価の上昇は主に処方日数の長期化によるものです。

2-調剤報酬改定への対応 調剤薬局事業 売上高分析

調剤薬局事業における売上高分析です。スライド左上の既存店分析では、調剤薬局事業を既存店と新店等の既存店以外に分け、前期と当期の第3四半期累計を比較しています。スライド右上の調剤売上高分析では、全店舗の調剤売上高を薬剤料売上、技術料売上などの項目別に分け、前期と当期の第3四半期累計を比較したものです。

既存店分析では、調剤売上高全体が大幅に増加しているものの、既存店のみの調剤売上高は314億3,900万円で前期比1.5パーセント増、既存店以外の調剤売上高は112億6,500万円となり、主にM&Aによる店舗数増加により前期比63.5パーセント増となっています。

一方、商品売上高は2億9,900万円で前期比29.6パーセント減となりました。これは、厚生労働省の通知に基づきGOOD AID社が医療用医薬品の零売を取りやめたことで関連商品の販売も減少したことが主な要因です。

調剤売上高分析では、調剤売上高における薬剤料売上は313億5,400万円で前期比11.9パーセント増、技術料売上は110億9,200万円で前期比14.3パーセント増となりました。こちらもM&Aによる処方せん枚数増加が主な要因ですが、特に地域支援体制加算等の施設基準の算定が進んだことが大きかったと考えています。

スライド下部は既存店におけるタイプ別の増減率を示したものです。既存店全体では処方せん枚数が前期比で3.1パーセント減少しましたが、処方せん単価が4.7パーセント上昇したことにより、調剤売上高は前期比1.5パーセント増と、全体では増加となりました。

処方せん枚数が減少し、処方せん単価が増加している主な理由は、処方日数が長期化しているためです。

2-調剤報酬改定への対応 マイナ保険証利用率

マイナ保険証利用率の進捗状況です。利用率は引き続き順調に伸びており、直近の令和8年2月の速報値ベースでは78.5パーセントまで進捗しています。

当社グループの平均では、令和8年3月以降における医療DX推進体制整備加算のうち、最も高い点数である加算1(10点)の基準である利用率70パーセントをすでに超えている状況です。

2-調剤報酬改定への対応 かかりつけ薬剤師同意書の受入実績

かかりつけ薬剤師同意書の受入実績です。当期は約1万3,000人の新規かかりつけ患者の増加を見込んでいます。令和8年5月末の計画では16万7,000枚を予定しており、順調に推移しています。

2-調剤報酬改定への対応 令和8年5月期技術料積上計画

令和8年5月期の技術料積上計画です。スライドのグラフは、令和7年5月期を基準に令和8年5月期の積上計画を示しており、全体では5億900万円の積み上げとなります。

なお、令和6年12月に取得した「next PH」の店舗分については、前期は4ヶ月分、今期は12ヶ月分が影響しますが、そのうち8ヶ月分の影響額は約2億6,600万円と見積もっています。

2-調剤報酬改定への対応 令和8年5月期技術料積上実績見込

こちらのグラフでは、第3四半期時点での技術料および通期見込みの状況を示しています。前のスライドに記載した40期積上計画の5億900万円を起点とし、40期通期の実績見込みを一番右に表示し、各加算の増減をその間に示しています。

調剤基本料の計画比未達は、処方せん枚数が想定を下回ったことが要因です。一方、地域支援体制加算および後発医薬品調剤体制加算については、より高い加算を算定できているため、計画比でプラスとなっています。

令和8年5月期の第3四半期末時点における総計は、当初計画より3,500万円下振れとなる、前期比4億7,400万円を見込んでいます。

3-中期経営計画 成長戦略 調剤薬局事業

ここからは中期経営計画について説明します。

当社では、中期経営計画最終年の目標である売上700億円、営業利益16億円の達成に向け、6つの成長戦略を策定して取り組んでいます。詳細は、スライドの36ページから38ページに掲載した参考資料もあわせてご覧ください。

6つの成長戦略のうち3つは、主要事業である調剤薬局事業に関するものです。これらは特に迅速かつ確実に進捗させる必要があるため、成長戦略別に2つまたは3つのタスクフォースを設置しています。

この先のスライドでは、タスクフォースごとにKPIの設定が進んでいるため、直近の状況についてご説明します。

タスクフォースの具体的な取り組みについてご説明するのは今回が初めてとなりますので、細かい点も詳しくお伝えします。今後は、タスクフォースの進捗状況を継続的に報告していく予定です。

3-中期経営計画 タスクフォースのKPI①

1つ目の成長戦略である、薬剤師のかかりつけとしての機能強化に関するKPIです。スライドのとおり、2つのタスクフォースに分かれています。

上段は、かかりつけ薬局、薬剤師に特化した教育プログラムの実施に関するKPIです。1つ目はかかりつけ教育研修の実施回数、2つ目はかかりつけ好事例の共有回数となっています。

このタスクフォースでは、当社グループのかかりつけ薬剤師としてどうあるべきか、どのような知識を備えるべきかについて詳細にあらためて言語化し、研修プログラムに具体的に落とし込みます。これにより、グループ全体の店舗における患者対応力の向上およびさらなる技術料の積み上げにつなげることを目指しています。

さらに、2つ目のKPIであるかかりつけ好事例の共有回数を増やすことで、当社グループ内で好事例をデータとして蓄積します。全店舗で共有することによって、自店舗で同様の事例が発生した際の対応方法を充実させ、患者満足の向上にもつなげていきたいと考えています。今後、症例検討会とロープレを実施する予定です。

下段のESを高めるためのフォローアッププログラムに関しては、KPIとして1つ目がCS向上施策の実施、2つ目がES向上施策の実施となっています。当社では、これら2つの施策が相互に密接に関係し、一方の向上が他方の向上につながると考えており、両方を並行して推進していく方針です。

直近では、細部まで記載した清掃・整理・整頓マニュアルを全店舗に展開し、どの店舗でも快適にご利用いただける環境を整えています。

次のフェーズとしては、エリア長の巡回とは別に、MCSエリア長が新たに巡回することで、より客観的な視点で対応が可能かを検証する段階に入ります。

さらに、1つ目のタスクフォースとも関連しますが、接遇研修の再構築や、当社が理想とするMCS像の再整備に取り組んでいます。MCSとは、他社におけるいわゆる医療事務に該当しますが、当社グループらしい独自の要素を含んでいるため、あえて呼称を変えています。

一般的な調剤事務とは異なる当社グループならではの要素をあらためて言語化することで対応力を強化し、患者のみなさまへのサービス向上を目指します。

3-中期経営計画 タスクフォースのKPI②

2つ目の成長戦略である、患者中心の薬局運営の継続に関するKPIです。スライドのとおり、3つのタスクフォースを設定しています。

上段は、薬局ビジョンの運営です。国が掲げる「患者のための薬局ビジョン」に基づいた薬局運営に関するもので、KPIとされている各種認定薬局数については次のスライドでご説明します。

中段は、店舗に合わせた一般用医薬品ラインナップ構築です。一般用医薬品を各店舗に合わせたラインナップで配置することで、患者のみなさまのセルフメディケーションへのニーズに応えるとともに、OTC売上予算を達成することを目的としています。

こちらのタスクフォースには2つのKPIがあります。1つ目として、当社基準に基づく一般用医薬品の全店配置を設定しました。

当社グループの店舗では、もともとそれぞれの店舗が地域の特性に合わせて独自の判断で一般用医薬品を取り扱っていました。今回このタスクフォースが組成されたことを受け、どの店舗でも一定水準のラインナップが揃うよう、薬効群が異なる3パターンの当社オリジナル規格をあらためて整備しました。

この規格のいずれかを満たす観点で見た場合、当初の配置状況は全店の約20パーセントにとどまっていましたが、令和8年2月末時点では71.4パーセントまで向上しました。

2つ目のKPIはOTC1店舗あたりの平均売上です。販売方法のノウハウ構築と並行して進めている初期段階ですが、期首の令和7年6月時点と比較して、すでに4.6パーセント増の結果が出ています。

下段は、相談目的の来局者増加に向けた取り組みです。認知症カフェを基盤とした当社オリジナル健康イベント「カフェにゃーまらいず」については、当初設定したKPIを達成したことから、目標を50店舗から100店舗以上に上方修正しました。今期第3四半期時点では、開催店舗数を87店舗まで伸ばしています。

3-中期経営計画 認定薬局の数

2つ目の成長戦略である患者中心の薬局運営の継続に関連する、健康サポート薬局および地域連携薬局の認定状況です。

令和8年2月時点で、健康サポート薬局は78店舗、地域連携薬局は88店舗となりました。専門医療機関連携薬局は4店舗で、引き続き新規認定および再認定を目指して取り組んでいます。

3-中期経営計画 OTC緊急避妊薬への先行対応と展開状況

店舗に合わせた一般用医薬品のラインナップ構築に関するトピックスとして、OTC緊急避妊薬の対応状況についてご報告します。

令和8年2月2日よりOTC緊急避妊薬の販売が可能となりました。当社グループでは、全国にある調剤薬局ネットワークを活用し、より多くの店舗で対応できるよう、販売開始前から迅速な登録を進めてきました。その結果、令和8年1月末時点で、全国登録店舗数に対し5.0パーセントのシェアを確保しています。

直近では各社の登録が進み、厚生労働省が公表した令和8年4月6日時点のデータによると、登録店舗数は1万3,006店舗となっています。特に販売直後の登録店舗数が少なかった時期には、当社として大きく貢献できたのではないかと考えています。

すでに登録済みの当社グループの店舗では、全国で地域の隔たりなく販売実績が出ており、エリアを問わずニーズがある状態と認識しています。今後も地域のみなさまが困った際にすぐにご相談いただけるよう、対応店舗数を拡充していきます。

3-中期経営計画 タスクフォースのKPI③

3つ目の成長戦略である、応需処方せん枚数増加に向けた取組の徹底に関するKPIです。スライドのとおり、3つのタスクフォースがあります。

上段の近隣医療機関からの処方せん応需では、KPIとして応需医療機関の増加数を追っています。応需医療機関の増加に伴い、応需処方せん枚数も増加するという前提で、このKPIを設定しました。

令和8年第3四半期時点では、前期の通期と比較して応需医療機関数が110.9パーセント、プラス2,940件と順調に増加しています。

中段の患者へのアフターフォロー充実では、これまで必要に応じて行ってきた調剤後の服薬指導を基盤に、さらに充実したアフターフォローを行う回数をKPIとして設定しました。

充実したアフターフォローとは、当社オリジナルの電子版お薬手帳「ポケットファーマシー」の服薬フォロー機能を活用し、患者の状況に合わせた積極的なコミュニケーションを行うことを定義しています。

現在は一部のモデル店舗で服薬フォローの実績を上げており、声掛けをした患者のうち85パーセントが服薬フォローを希望するなど、関心をお持ちの方も多い状況だと認識しています。

一方、課題としては、従来の電話による服薬フォローでは対応可能な件数が限られており、これがボトルネックになり得ると考えています。当社のアプリなどを活用し、さらに多くの患者のみなさまに対応できるように、服薬フォローの手段について検討を進めています。

下段の店舗のデジタル化促進に関しては、当社グループ全体でデジタルツールの検討を進めています。直近では令和7年12月に「公式LINE」を導入しました。

今後は、2つ目のタスクフォースと連携し、電子版お薬手帳の服薬フォロー機能を強化するとともに、店舗運営の効率化や患者のみなさまに対応できる時間を増やす取り組みとして、AIツールの開発なども予定しています。

3-中期経営計画 応需処方せん枚数増加に向けた取組の徹底

応需処方せん枚数増加に向けた取組の徹底の一環として、在宅・施設対応にも引き続き力を入れています。スライドのグラフは、当社グループが対応している在宅・施設の処方せん枚数および売上高の四半期ごとの推移を示したものです。

前年度の対応施設数は660件、処方せん枚数は57万枚、売上高は43億5,100万円でした。前期の第3四半期における在宅医療の売上高は10億9,800万円で、今期の第3四半期には11億3,800万円となり、前期比3.6パーセント増となりました。

今期は対応施設数690件、処方せん枚数58万5,000枚、年間売上高45億2,100万円を計画しています。現在、順調に推移しており、達成を見込んでいます。また、M&Aを通じて対応可能なエリアも広がっていますので、引き続き地域のみなさまに貢献できるよう、在宅・施設対応を強化していきます。

3-中期経営計画 株式会社三幸メディカルの株式取得

直近で実施したM&Aについてご報告します。令和8年2月13日付で、当社グループは株式会社三幸メディカルの株式を取得しました。

三幸メディカルはジェネリック医薬品を取り扱う医薬品卸売会社であり、このたびグループに加わることにより、グループ内各社への医薬品の安定供給体制を構築します。

また、三幸メディカルには子会社および孫会社である大洋薬品株式会社と有限会社平成薬品があり、調剤薬局を合計16店舗運営しています。所在地は親会社である三幸メディカルの拠点である埼玉県を中心に、東京都と千葉県の1都2県に展開しています。

当社グループの既存店は、ドミナント体制を構築できるエリアに位置しており、人員の柔軟な配置なども含めた効率的な運営を実現することで、早期に当社グループ並みの収益率向上を目指していきたいと考えています。

決算説明は以上です。

秋山氏からのご挨拶

最後に、ここまでの業績推移について私が抱いている印象を述べます。

グループ全体の営業利益は前期比プラス5億800万円、530.7パーセント増と大幅に回復しました。また、コア事業である調剤薬局事業の営業利益も、前期比プラス6億7,100万円、222.2パーセント増となりました。

令和6年5月期の第4四半期に300店舗を超えた時点を底にV字回復すると申し上げてきましたが、現在、ようやくそれ以前の営業利益の水準まで回復することができたと考えています。有言実行のV字回復を実感しています。

来期は6月からの調剤報酬改定に対応する必要がありますが、すでにグループインした会社と既存店の底上げ、さらに今回グループインした三幸メディカルの卸売事業などをてこに、成長を止めることなく前進していきたいと考えています。

以上をもって、令和8年5月期第3四半期の決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:調剤報酬改定に対する感想と今後の戦略について

質問者:調剤報酬改定について、他社ではかなり厳しい改定だったといわれています。御社としての感想と、今後の戦略について教えてください。

秋山:調剤報酬改定に関して、賃上げや物価上昇への対応として点数が増えることについては非常に前向きに捉えています。この点は従業員のモチベーション向上にもつながると考えています。

一方で、特定の医療機関の処方せんを応需している門前薬局や医療モールにおける集中率、さらには施設応需の集中率の計算方法が変更され、減算や基本料の下落が生じることについては、非常に驚きを感じています。

ただし、当社の場合、いわゆる病院の門前薬局や医療モールでの運営数はそれほど多くありません。そのため、このような分野に注力している企業と比べると、影響は少なかったのではないかと考えています。

今回、後発医薬品や地域支援体制加算の見直し、またはかかりつけ指導料の廃止により、実績を評価する仕組みへの変更が行われたことについて、これは財政均衡が目的と聞いています。ただし、これまで熱心に取り組んできた当社にとっては、マイナス改定になってしまいます。

そのため、これをどのように取り戻していくかが、今後の対応課題となります。しかしながら、新たな実績要件に基づくかかりつけや地域支援の評価を向上させることは難しく、大きな上昇にはつながらない可能性があります。

それでも取り組みは継続していきますが、最も重要なのは、現在減少している処方せん枚数を増加させることだと考えています。これは、かかりつけ薬局の推進と同様に重要であり、その推進を通じて集中率85パーセントを下回る結果にもつながると考えます。

この取り組みを着実に進めることに加え、新たな地域支援体制加算の基準に対応するため、現在全体の約5割の店舗が算定可能となっていますが、この比率をさらに向上させることが非常に重要であると捉えています。

また、個人在宅については、当社でも一生懸命取り組んでいますが、今回要件が増加し、倍になったことに伴い、施設在宅に加えて個人在宅も拡大する必要があります。

すでに地域医療推進部という専任の部署がありますが、この部署の人員を強化し、取り組み内容を再構築することで、個人在宅の拡大を図りたいと考えています。

回を重ねるごとに調剤報酬改定の算定要件や項目が非常に複雑化しています。この内容について、社員一人ひとりが正確に熟知し、取り漏れのないように算定していくことが重要だと思います。

質疑応答:個人在宅分野の目標数量や人員増加計画について

質問者:個人在宅について、目標としている数量や人員の増加規模、また具体的な取り組みの内訳についてお聞かせください。

秋山:個人在宅に関して、施設・在宅全体の割合は7パーセント程度です。この割合を10パーセント、15パーセントと、さらに上げていきたいと思っています。

人員については、現在、地域医療推進部が5名で担当しており、そこにさらに2名を増員して専属チーム化を進めたいと考えています。

また、エリアが非常に広いため、部内の人員だけで活動するのではなく、そのノウハウをグループ全体の支店長やエリア長に共有し、各地域で増やしていく取り組みを進めていきたいと考えています。

質問者:割合を現在の倍程度にまで増やしたいということですか? 

秋山:ご認識のとおりです。

質疑応答:医療機関での集中率を下げる具体的な方策について

質問者:集中率を下げることについて、いろいろな医療機関でのメリットがあると思いますが、具体的な方策として、さらにどのように取り組んでいくのでしょうか?

秋山:これまでもさまざまな集中率を下げるための方策を取ってきました。一番確実なのは、まず現在来店している患者さんの処方せんを確実に受け付けることです。多くの患者さんがさまざまな医療機関を利用していると思われますので、かかりつけ薬局として処方せんを持参いただくことが重要だと思っています。

お薬手帳のほか、現在ではマイナンバーカードを活用し、マイナポータルからほかの医療機関の受診状況を把握することができますので、これらを丁寧に確認しながら、患者さんに他の医療機関の処方せんも受け付けできることをお伝えしています。

さらに、セカンドクライアント訪問も行っています。薬局周辺にあるメインクライアント以外の医療機関を訪問し、「処方せんを受け付けます」と営業活動や周知活動を行うもので、このような地道な取り組みも進めています。

昨年から導入した「公式LINE」には、処方せんを送信する機能も追加しています。従来の「ポケットファーマシー」に加え、「公式LINE」に友だち追加していただいた方から、さまざまな医療機関の処方せんを受け付ける施策を展開しています。

また、健康イベント「カフェにゃーまらいず」を各地域・各店舗、さらには自治体と連携しながら開催しています。

認知症の方を含むさまざまな世代の方々が訪れており、薬局をまだ利用したことのない方もいらっしゃいます。そのような方々が、このイベントをきっかけに処方せんを持ち込んでいただけるようになるとよいと考えています。

以上が主な取り組みです。

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