アクセルスペースHD、衛星コンステレーションの整備・運営等事業を落札 唯一の光学画像提供事業者として、本事業に参画
ビジョン・ミッション

中村友哉氏(以下、中村):本日はお忙しい中、ご参集いただき、ありがとうございます。代表取締役の中村です。上場後2回目の決算説明会となります。初めて当社の説明を聞かれる方もいらっしゃると思いますので、あらためて当社のビジョン・ミッションをご紹介します。
当社は「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」をビジョンに掲げ、小型人工衛星を活用したビジネスを推進しています。私が大学生の時、手のひらに乗るような、当時世界最小の人工衛星の開発に取り組んだ経験がありました。この経験を活かし、起業しています。これまでに築き上げてきた独自の小型衛星技術を活用し、宇宙を誰もが当たり前に使える新たな社会インフラとして普及させていきます。
目次

本日は、2026年5月期第2四半期の決算について、1月14日に公表した資料に基づき、事業概要および事業進捗を私が、業績概要と業績予想を取締役の折原がご説明します。
2026年5月期第2四半期 ハイライト

事業概要および事業進捗について、本日強調したいのは3点です。
まず、受注残高が前年同期比で27.9パーセント増加しました。減収減益となっているものの、着実に事業の準備を進めています。
次に、開発についてです。研究開発および製造については、2027年5月期に打上げを予定している「GRUS-3」7機の製造を進めました。衛星開発においては、地上試験用機体と実際の打上げ機体の2種類を製造する必要があります。現在、「GRUS-3」に関しては打上げ機体の製造を進めています。また、2028年5月期に打上げ予定の高分解能衛星の開発も進行中です。
そして、第2四半期後の12月に、防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」を落札しました。また、AxelLiner事業においてPale Blue社と契約を締結しました。
2026年5月期第2四半期以降の案件ハイライト

2025年12月24日に発表された「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」は、当社にとって非常に重要なマイルストーンとなる案件です。当社は唯一の光学画像提供事業者として参画します。
現在は契約締結前のため、契約金額などの詳細は契約後に発表します。
当社の事業

ここからは、各事業セグメントの進捗についてご説明します。
スライド上部のAxelLiner事業は、お客さま向けに衛星を製造・販売するサービスです。創業当初は専用衛星開発を主たる事業としていましたが、「より多くのお客さまに衛星を活用いただきたい」という想いのもとで事業を再定義し、現在のAxelLiner事業に進化しました。この事業では、汎用化を進めた衛星を使用し、お客さまに設計・製造から運用までを一貫したサービスとして提供しています。
スライド下部のAxelGlobe事業は、自社の地球観測衛星から得られる画像データを販売する事業です。衛星画像を販売するという点で、すでに上場されているSAR衛星(合成開口レーダー衛星)事業の企業さまと近しいビジネスモデルとなります。
AxelLiner事業の実績

それぞれの事業セグメントの詳細をご説明します。AxelLiner事業の主要な顧客は、国内の政府機関です。
AxelLiner事業の事業進捗:主要プロジェクト

事業の主要な売上高となっているのは、スライド左側に記載されている「Kプログラム」です。第2四半期では「Kプログラム」における研究開発が進行し、連結売上高の82パーセントを占める結果となりました。
Kプログラムにより目指す技術開発

「Kプログラム」で目指しているのは、光通信技術の獲得です。宇宙空間に存在する衛星は、地上と通信するアンテナの上空にいる時にしか通信ができません。私たちが運用する衛星は、約90分で地球を1周しているため、地上のアンテナと通信を行えるのは約90分に1回となります。
「Kプログラム」では、それらの衛星同士が通信できる仕組みを構築し、最もアンテナに近い距離の衛星まで、データをバケツリレーのように転送できる技術を研究しています。将来、効率的にデータを取得するための技術開発です。
このプロジェクトにおいて、当社は、小型の光通信機器を搭載した衛星やネットワークの制御システム、電波地上局の構築などを担当しています。
Kプログラムの進捗

「Kプログラム」は2031年度まで続くプロジェクトで、現在は第3期に差し掛かっています。NEDOの会計年度である2028年度までに実施予定の打上げに向けて、要素技術の開発が進められています。
「AxelLiner Laboratory」(AL Lab)の進捗

また、AxelLiner事業では、民間企業による衛星活用も推進しています。
AxelLiner事業の新サービス「AxelLiner Laboratory」(通称、AL Lab)において、Pale Blue社と契約を締結しました。本案件での実証は2027年に予定されています。Pale Blue社には、実証機会を提供するだけでなく、衛星用機器を使用するユーザー目線の知見も提供し、実証を支援していきます。
軌道上実証サービスにおける当社の特徴

「AL Lab」の提供価値についてご説明します。過酷な宇宙空間で使用される宇宙用機器には、「実際に宇宙で正しく動作したのか?」「長期にわたって宇宙で使用できる耐久性があるのか?」が求められます。これを検証する作業は、軌道上実証と呼ばれます。
現在、他業種のメーカーが宇宙事業へ参入するケースが増えていますが、軌道上実証の機会は非常に限られています。
当社はこのような課題に対し、AxelLiner事業で開発した汎用衛星を活用し、軌道上実証の機会を提供しています。お客さまによって、実証したい機器の大きさはさまざまです。そのため、お客さまが必要とする衛星の区画だけを、ライドシェアのような形式で提供しています。
将来的には定期的な打上げが行えるよう、事業を進めていきます。
AxelGlobe事業の実績

次に、AxelGlobe事業の概要についてご説明します。スライド左側のグラフにあるとおり、自社衛星の機数が1機から5機に増えたことで、利用が急激に増加しました。これは、機数の増加が観測頻度の向上や撮影面積の拡大につながり、お客さまのより幅広いニーズに応えられた結果だと考えています。
2027年5月期に打上げ予定の「GRUS-3」によっても、さらに撮影頻度を向上させ、幅広いニーズに対応していきたいと考えています。
また、顧客属性も特徴的です。民間企業や海外企業からの売上も計上しています。
AxelGlobe事業:売上の計上方法

AxelGlobe事業では、画像やデータの納品に応じて売上を計上しています。
AxelGlobe事業の事業領域

AxelGlobe事業で提供しているのは、光学衛星から取得したデータです。SAR衛星の画像とは、顧客属性やニーズが異なります。
AxelGlobe事業の事業領域:光学衛星とSAR衛星

光学衛星はSAR衛星と異なり、自ら強力な電波を発射する必要がないため、ミッション機器の構成がシンプルで、製造コストを抑えることが可能です。加えて、撮影にかかる電力消費やデータ量が少なく、より広範囲を撮影できることから、データ提供を比較的安価に行うことができます。
これらの違いから、SAR衛星が安全保障を中心に活用されるのに対し、光学衛星は安全保障以外にも、農業のような広範囲を高頻度で観測する場面で利用されています。
「SAR衛星は光学衛星の技術の発展型なのか?」というご質問をいただくこともありますが、ニーズも技術も異なるため、当社では補完関係にあると捉えています。
AxelGlobe事業の事業進捗:ソリューションの開発

AxelGlobe事業では、特に民間案件において、より高付加価値のサービスを提供することが重要だと考えています。そのため、データを活用してお客さまの課題を解決するソリューションの展開も重視しています。
AxelGlobe事業の事業進捗

衛星データのニーズは国内にとどまらず、海外での需要獲得も戦略上重要な活動と位置付けています。第1四半期の決算説明会でも、オーストラリアの有力な衛星ソリューション事業者であるGeoimage Pty Ltd(以下、Geoimage社)との販売パートナーシップ契約締結をご報告しました。
第2四半期では、Geoimage社およびSI Analytics Co., Ltd.とともに、オーストラリア市場での販売拡大に取り組んでいます。海外では販売代理店とも協業し、販売拡大を進めていきます。
また、長期的な取り組みとして、新興国における宇宙活用の拡大にも注力しています。昨日はエチオピア企業とのMOU(覚書)の締結を発表しました。複数の企業や団体の意見をうかがい、アフリカの社会課題解決に衛星で貢献できると確信しています。引き続き、中長期的な市場の創出に取り組んでいきます。
その他の事業進捗

その他の事業進捗についてです。今後予定される衛星の打上げに向けた準備を着実に進めています。
Exolaunch GmbH(以下、Exolaunch社)とは、衛星打上げスロットの確保に関して合意しました。現在、宇宙業界では衛星打上げスロットの確保が事業運営上の重要課題となっています。本契約に基づき、Exolaunch社と協力しながら円滑にスロットの確保を進めていきます。現在、今後予定される衛星打上げのための13機の打上げスロットの確保が完了しています。
また、衛星打上げ後の運用に関する契約について示しています。運用開始後は、5年間にわたりKongsberg Satellite Services AS(KSAT)社の専用アンテナを使用し、衛星と地上間の通信の安定化に取り組みます。
今後の衛星開発計画と打上げスロットの確保

最後に、今後の衛星開発と打上げ予定についてご説明します。2027年5月期に打上げ予定のものはすべて確保しており、2028年5月期に打上げ予定のKプログラムに供する2機、および自社の高分解能衛星3機に関してもスロットは確保済みです。
また、1月14日に高分解能衛星2機の追加製造を発表しました。これら2機の打上げ時期は現在確定していませんが、進捗状況は株主・投資家のみなさまにもお伝えできるよう、適宜開示していきます。引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。私からの説明は以上です。
次に、第2四半期の業績概要を折原取締役がご説明します。
業績推移

折原大吾氏(以下、折原):取締役経営管理本部長の折原です。ここからは、当社の業績概要についてご説明します。
当第2四半期は、主にAxelLiner事業に含まれる「Kプログラム」の影響により、前年同期比で減収減益となりました。ただし、この減収は「Kプログラム」の需要変動によるものではなく、研究開発における製造フェーズの変化が要因です。この点は後ほど詳しくご説明します。
次に減益の要因ですが、これは販管費の増加によるものです。スライド中央のグラフに販管費の変化を示していますが、前年同期比で研究開発費が増加しています。
当社の自社衛星に関しては、地上での検証に利用する機体の開発費用を研究開発費として計上しています。2027年5月期打上げ予定の「GRUS-3」と2028年5月期打上げ予定の高分解能衛星3機について、地上検証機体の製造に取り組んだことで研究開発費が増加しました。
なお、衛星開発フェーズにおける費用化および資産化の流れは、決算補足説明資料の33ページをご参照ください。
四半期業績推移

本ページは、四半期ごとの売上高推移を記載しています。四半期ごとのばらつきがあり、第4四半期に売上が大きくなる傾向があります。
連結四半期純利益 増減要因(前年同期比)

こちらは前年同期比の利益増減要因を分解したものです。粗利、販管費、営業外損益以下に分類すると、まず減収による粗利の減少は第1四半期に続き限定的でした。販管費の変動については、研究開発費、人件費、および採用費の増加が主な要因です。
一方、営業外損益以下の変動については、補助金収入の変動や資金調達関連費用の増加が主な要因となっています。
補助金収入は、9ページ右側に記載の「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」によるもので、本件は衛星の製造費用に対して、その3分の2が補助されるものです。前年は当期に比べ、補助金の対象となる製造費用が多く発生していたため、前年同期比で補助金収入が減少しました。
また、今回の決算とともに特別損失の計上を発表しました。現在、赤字が続いていることから、当第2四半期で計上していたAxelLiner事業に関わる固定資産の減損を行ったものです。
セグメントごとの受注残高推移

本ページは今回より追加しています。受注残高は前年同期比で増加しており、AxelLiner事業では前年同期比で約27パーセント、AxelGlobe事業では前年同期比で300パーセント以上の増加となっています。なお、こちらは2025年11月末時点での金額であり、12月以降に落札および締結した契約は含まれていません。
セグメント別実績:AxelLiner事業

ここからは、セグメント別の業績推移についてご説明します。
AxelLiner事業の「Kプログラム」は、第2四半期の連結売上高の82パーセントを占めています。本案件では、開発計画に基づき、進捗に応じて発生する材料費・経費などの売上原価に、契約上の一定利益を乗じて売上を計上しています。
次のページに記載していますが、材料調達や打上げのタイミングでの原価発生が、設計や製造・試験に比べて相対的に大きくなるため、結果として売上高が大きくなる構造となっています。
前年同期では、原価発生が大きくなる事前実証機の部材購入が進んでいましたが、当第2四半期は原価発生が少なくなる製造段階に移行しつつあり、前年同期比で減収となっています。
Kプログラムのプロジェクト進捗に伴う売上原価発生イメージ

「Kプログラム」は長期のプロジェクトです。原価発生は右肩上がりではなく、プロジェクト進捗における材料調達のタイミングなどに応じて増減します。材料調達や打上げのタイミングでは、設計や製造・試験に比べ原価発生が相対的に大きくなり、結果的に売上高も大きくなる構造となっています。そのため、前年同期比では売上が減少する時期もありますが、これは需要の変化等の事象によるものではありません。
セグメント別実績:AxelGlobe事業

AxelGlobe事業セグメントの実績についてです。
本ページ左下の表をご覧ください。売上高は政府系案件の減少により減収となりました。この減収は、40ページに記載されたパイプライン表内の経済産業省のプロジェクトの影響によるものです。本案件の事業期間が昨年延長されたことで、延長後の期間に案件総額を按分した結果、前年同期比で減収となっています。
また、セグメント損失の増加については、「GRUS-3」および高分解能衛星の研究開発の進捗が主な要因となっています。
連結損益計算書

連結損益計算書については、本資料または決算短信をご参照ください。
連結貸借対照表

連結貸借対照表についても、本資料または決算短信をご参照ください。
AxelLiner事業:売上の計上方法 (進捗イメージ)

次に、当社の収益や費用の計上に関するわかりにくい点についてご説明します。
まず、AxelLiner事業における「Kプログラム」の収益認識についてです。「Kプログラム」は、このスライドのとおり工事進行基準で売上を計上しています。
本案件では、開発計画をもとに、進捗に応じて発生する材料費および経費などの売上原価に対し、契約上の一定利益を乗じて売上を計上しています。このルールに従い、売上は毎月計上されます。一方、キャッシュは概ね四半期ごとに入金されています。
AxelGlobe事業:自社衛星の会計上の扱い

AxelGlobe事業における自社運用衛星の費用認識についてご説明します。
自社で使用する衛星は、会計上、開発フェーズによって費用の扱いが異なります。衛星開発においては、「エンジニアリングモデル(以下、EM)」と呼ばれる地上試験用機体と、「フライトモデル(以下、FM)」と呼ばれる実際に打上げる機体が作られます。
会計上、地上試験に使用される「EM」の費用はP/Lで研究開発費として計上され、「FM」の費用は建設仮勘定として資産計上されます。その後、初期運用が終了次第、減価償却として費用化されます。なお、減価償却は5年間の定額償却です。
業績推移見通し

今期の業績予想についてあらためてご説明します。
今期の業績見通しについては、業績予想の変更は行っていません。大きな成長要因として、AxelLiner事業では引き続き「Kプログラム」の進捗が挙げられること、AxelGlobe事業では政府系案件を見込んでいることが背景にあります。
また、図の下側に示されているセグメント利益は、補助金を含めた経常利益を表していますが、こちらは販売管理費の増大により減益を見込んでいます。
業績予想(連結)

第2四半期に特別損失を発表しましたが、販管費を年間でコントロールすることで、最終利益への影響は限定的になる見込みです。
セグメント別業績予想:AxelLiner事業

AxelLiner事業では、「Kプログラム」の進捗に加え、民間案件の売上計上も見込んでいます。
AxelLiner事業のパイプライン

本ページは、AxelLiner事業の今後のパイプラインを示しています。契約済み、もしくは期間内の一部が契約済みの案件を記載しています。
セグメント別業績予想:AxelGlobe事業

AxelGlobe事業においては、安全保障案件の着実な実行に加え、2027年5月期打上げ予定の「GRUS-3」の製造を推進しています。
AxelGlobe事業のパイプライン

AxelGlobe事業の今後のパイプラインです。防衛省の「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」の落札が今期および来期以降に与える影響については現在精査中です。開示可能なタイミングになりましたら、適切に発表します。
今後獲得を目指すプロジェクト

本ページは、当社が今後獲得を目指す主要なプロジェクトを記載しています。宇宙戦略基金に関しては、個別の公募案件への応募状況や検討内容は、現時点での開示はしていません。発表可能なタイミングで、適時IR開示を通じてお知らせしていきます。

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