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ニフティライフスタイル株式会社4262

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成田隆志氏:ニフティライフスタイル株式会社代表取締役社長の成田です。本日、当社は2026年3月期第2四半期決算を公表しましたので、その内容をご説明します。最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。

本日ご説明する内容です。まず、当社の目指す姿、第2四半期(中間期)の決算内容についてご説明します。続いて、事業トピックス及び成長戦略の進展についてお話しし、最後に財務戦略等をご説明する流れとなります。

XPANSION 2030

まずは、当社の目指す姿についてお話しします。

当社は「思いやりとテクノロジーで、一人ひとりの『幸せな暮らしの意思決定』を支え続ける。」をパーパスとしています。

今年度から、5ヶ年後の2030年3月期までを対象とする中期経営計画「XPANSION 2030(エクスパンション 2030)」を策定し、新たなビジョンを「『人生100年時代の意思決定』を支える企業へ」と定めています。

このビジョンのもと、新たに事業ドメインをLIFE STYLE領域とWORK STYLE領域の2つとしています。

当社の目指す姿

これまでは「ニフティ不動産」を中心とする事業展開を行ってきましたが、今後は「人生100年時代の意思決定」を支える企業として進化していくことを目指します。

そのために、LIFE STYLEとWORK STYLEという領域軸、そして「サーチ(探す)」と「アドバイス(相談)」という提供価値軸をそれぞれ広げていきます。

インベストメントハイライト

インベストメントハイライトとしては、大きく3点あります。1点目が成長戦略の進化、2点目が戦略遂行へのケイパビリティ、3点目が財務戦略の充実です。これらのポイントを踏まえ、決算内容についてご説明します。

2026年3月期 第2四半期(累計):決算ハイライト

ここからは決算概要です。まずは、連結決算のハイライトです。

売上高は前年同期比プラス13.6パーセントの24億5,400万円、EBITDAは前年同期比プラス35.1パーセントの6億8,800万円、営業利益は前年同期比プラス40.6パーセントの4億7,300万円で着地しました。

通期業績予想に対する進捗は順調であり、特にEBITDAと営業利益の通期業績予想進捗率は、過去2事業年度の平均を大きく上回る推移を示しています。

その中で売上高については、LIFE STYLE領域の住まいカテゴリが引き続き成長を牽引しています。特にアプリを通じたユーザー獲得やUI/UXの改善によるリピート利用施策が奏功し、購入領域が好調に推移しています。

子会社の株式会社ドアーズ(以下、ドアーズ社)については、連結効果が一巡した点に加え、既存のマッチングサービスでは営業利益を重視した事業運営へとシフトしています。

また、企業収益力は経年で着実に向上しており、EBITDAと営業利益は、それぞれスライドに記載の結果で着地しています。

財務戦略としては、中間配当27円を実施するとともに、株価水準や資本効率などをかんがみ、自己株式の取得も行いました。

2026年3月期 第2四半期(累計):連結損益計算書

連結損益計算書のポイントは、先ほどのハイライトでお伝えしたとおりです。売上高及び各段階利益は、前年同期比で大きく伸長して着地しています。

2026年3月期 第2四半期(累計):通期業績予想に対する進捗率

第2四半期終了時点における通期業績予想に対する進捗は順調です。特にEBITDA及び営業利益の通期業績予想進捗率は、過去2事業年度の平均を大きく上回って推移しています。

当社の業績は、「ニフティ不動産」の繁忙期が1月から3月であることから、例年、第4四半期に偏重する傾向があります。今年度は上期終了時点で、すでにEBITDA及び営業利益の進捗率が45パーセント程度と平均進捗を上回っています。

2026年3月期 第2四半期:四半期別売上高

四半期別の売上高推移です。第2四半期単独の売上高は12億2,700万円で、前年同期比2.6パーセントの成長となり、第2四半期としては設立以来の過去最高を更新しました。単体ではLIFE STYLE領域の「ニフティ不動産」が好調で、成長の勢いを維持しています。

一方、子会社のドアーズ社については、第1四半期で連結効果が一巡したことに加え、マッチングサービスでの利益重視の運営により成長が一時的に緩やかになっています。これは後ほどご説明するリフォームサービスの成長に向けた過渡期であると考えています。

2026年3月期 第2四半期:四半期別 営業利益及びEBITDA推移

営業利益とEBITDAの推移です。冒頭のハイライトでお伝えしたとおり、前年との比較において企業の収益力は着実に向上しています。

LIFE STYLE領域 ポートフォリオ

ここからは、LIFE STYLEとWORK STYLEの各事業領域の概要についてご説明します。

LIFE STYLE領域の事業ポートフォリオについては、「住まい」「ウェルネス」「ライフプラン」といったカテゴリの拡大に加え、人生100年時代における意思決定のかたちの変化を踏まえ、提供価値もテクノロジーやリアルな接点を活用しながら、サーチとアドバイスの双方を支援するかたちへと広げていきます。

LIFE STYLE領域 売上高

LIFE STYLE領域の第2四半期の売上高は、前年同期比プラス17.1パーセントとなりました。

住まいカテゴリのコア事業である「ニフティ不動産」が全体を牽引しました。アプリを通じたユーザー獲得やリピート利用施策が奏功し、購入領域が好調に推移しました。

LIFE STYLE領域 CV数及び単価

こちらはLIFE STYLE領域の主要KPIである、利用者数を示すCV数と単価の推移です。CV数及び単価のいずれも、「ニフティ不動産」の購入領域の成長が寄与しています。

WORK STYLE 領域ポートフォリオ

WORK STYLE領域の事業ポートフォリオについては、「販売マーケティング支援」「バックオフィス支援」「経営支援」といったカテゴリの拡大に加え、LIFE STYLE領域と同様に、アドバイス及びサーチの提供価値の拡大を計画しています。

WORK STYLE領域 売上高

WORK STYLE領域の売上高は、前年同期比マイナス4.4パーセントとなりました。

なお、子会社の株式会社GiRAFFE&Co.については、前年9月から今年3月に及ぶ大型スポット案件売上の反動減があり、この影響を除くと、前年同期比プラス2.5パーセントで着地しています。

WORK STYLE領域 アカウント数及びARPA

WORK STYLE領域の主要KPIは、アカウント数とARPAの推移です。

アカウント数については、「DFO」の広告運用において、「メルカリAds」をはじめとする新規契約獲得が寄与しています。

LIFE STYLE領域:コア事業

ここからは、事業トピックス及び成長戦略の進展についてご説明します。

第1のポイントとして、LIFE STYLE領域のコア事業である「ニフティ不動産」が力強い成長を継続しており、その中でプラットフォームとしての価値向上に取り組んでいます。

「ニフティ不動産」の好調の背景には、市況の好不調にとらわれない当社プラットフォームの価値があると考えています。

LIFE STYLE領域 不動産市況について

物件価格の高騰などにより家探しが難しい環境の中、家探しに関心の高いユーザーは、より慎重かつ網羅的に情報収集を行っています。

そのような状況においては、物件数が多く、新着情報を受け取りやすく、比較検討がしやすい「ニフティ不動産」にユーザーが集まる傾向があり、ポジティブな循環が生まれています。

その結果、賃貸だけでなく購入領域でも「ニフティ不動産」のアプリダウンロード数が引き続き成長しています。

「ニフティ不動産」は、利用者の使いやすさを重視してアプリのUI/UXを強化しており、SEOなどで訪問したサイトユーザーにアプリ利用を促進することで、ファン化に努めています。

LIFE STYLE領域 ニフティ不動産の評価について

不動産物件情報サイトの強みである「掲載物件情報数」と「こだわり条件数」においてNo.1を獲得し、2年連続で2冠を達成しました。

また、UI/UXの継続的な改善の効果により、「ニフティ不動産アプリ」がシステム・サービスカテゴリで2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。

こうした取り組みが利用ユーザーに評価され、「ニフティ不動産」の向上にもつながっています。ぜひ、家探しの際には、使いやすくなった「ニフティ不動産アプリ」をご利用ください。

LIFE STYLE領域:提供価値拡大事業の進化

続いてのポイントは、将来の成長ドライバーとして位置づけている提供価値拡大事業への取り組みが順調に進展していることです。

具体的には、6月にローンチした「住まい探しの窓口」の本格稼働、ウェルネスと相談を掛け合わせた新サービス「占いベンチ」の開始、さらにドアーズ社の一般建設業許可取得による事業領域の拡大など、複数のポジティブな動きが見られます。

LIFE STYLE領域:提供価値拡大事業 「住まい探しの窓口」

住まいカテゴリにおいて、今年6月にローンチした「住まい探しの窓口」は、物件探しのサポートにとどまらず、ユーザーサポート範囲を周辺領域へ拡大することで、サービス提供価値の向上を目指しています。

ユーザーに対して、これまでの単発的な接点ではなく、継続的なエンゲージメントを可能にするビジネスモデルを提供することで、ユーザー当たりの単価と利用頻度の向上による収益拡大を目指しています。

LIFE STYLE領域:提供価値拡大事業 「ウェルネス相談」

次に、ウェルネスカテゴリについてです。温浴ビジネスからウェルネス全般へと事業戦略を展開し、会員基盤の強化及びユーザー属性に応じた価値提供を進めています。会員基盤の強化に関連して、10月23日に「ニフティ温泉」のアプリをリニューアルし、より探しやすく、よりお得に楽しめるアプリへと進化しました。

アプリや電子チケットを活用した会員基盤の強化に取り組むとともに、獲得したユーザーの属性に応じた価値提供を強化しています。その一環として、新たに温浴施設内でオフラインの相談サービスを開始しました。

また、温浴施設内で「占いベンチ」のようなサービスを提供することで、リラックスした環境で健康やライフプランに関する気づきを提供し、ウェルネスとアドバイスの新しい接点を創出しています。

LIFE STYLE領域:提供価値拡大事業(ドアーズの取り組み)

ドアーズ社が運営する「外壁塗装の窓口」についてご説明します。「外壁塗装の窓口」は、ユーザーと外壁塗装事業者をつなぐ日本最大級のプラットフォームで、マッチングサービスとリフォームサービスを展開しています。

マッチングサービスは、全国で5,500社の施工事業者が登録している国内最大級のプラットフォームで、ユーザーに対して優良な施工店を紹介するものです。

リフォームサービスは2024年7月に本格的に開始された元請型事業で、地元で実績豊富な職人と提携し、相談から施工までを一貫してサポートする地域密着型のサービスです。

LIFE STYLE領域:提供価値拡大事業(ドアーズの取り組み)

ドアーズ社に関する大きなトピックスは、同社が9月初旬に一般建設業許可を取得したことです。

これまでは個人向けの戸建てが中心でしたが、請負金額が500万円以上のマンションやアパートといった大規模工事への事業範囲の拡大が可能となり、需要のさらなる広がりが期待されます。

LIFE STYLE領域:提供価値拡大事業(ドアーズの取り組み)

ドアーズ社が地方を中心に取り組んできた、集客から営業活動、契約、施工までを一気通貫で行うリフォームサービスでは、これまで外壁塗装の対象は個人向けの戸建て住宅が中心でした。しかし、今回の一般建設業の許可取得により、対象物件が事業用不動産やビル、マンションなどを含むかたちへと大きく拡大します。

また、工事対象領域については、これまでの外壁塗装に加え、今後は内装を含むリフォームまで手がけることになります。

ドアーズ社は一般建設業の許可取得を契機に、新たに大手企業や不動産会社をターゲットとしたBtoB市場へ本格的に参入しており、BtoCマッチング事業である「外壁塗装の窓口」、全国ネットワークの店舗構築を目指す「外壁塗装の窓口 リフォーム工房」、BtoB市場への参入を目指す「外壁塗装の窓口 PRO」という3つのサービスを通じ、業界のスタンダードを目指していきます。

LIFE STYLE領域:提供価値拡大事業(ドアーズの取り組み)

スライドは、ドアーズ社における提供価値の進化と事業構造の変化を示しています。既存のマッチングサービスは競合が多く、外部環境の変化が早いため、営業利益の確保を重視した安定的な運営を行っていきます。

一方で、BtoC及びBtoBの元請事業であるリフォームサービスは、今後の成長の柱として位置づけています。施工実績を重ねながら持続的な成長を目指し、その成長は工事単価の上昇や対価認識の変化にも寄与すると考えています。

企業価値向上に向けた取り組みについて

最後に、財務戦略についてご説明します。企業価値の向上に向けた取り組みとして、中長期的な経営戦略に基づく事業成長の推進に加え、株主還元の充実や最適な資本構成の追求を通じて、ROEの改善とPERの向上を実現し、PBRの上昇に取り組んでいきます。

バランスシートマネジメント

連結バランスシートについては、適切なキャピタルアロケーションを通じた最適化を目指します。

キャピタルアロケーション:成長投資の推進

成長投資の推進については、現在の成長ドライバーである「ニフティ不動産」の創出キャッシュフローを、将来の成長ドライバーとなる提供価値拡大事業への投資を中心に再配分していきます。

株主還元:配当

その中での株主配当についてです。当社は、中長期的な企業価値向上に必要な投資を推進しながら、安定的かつ継続的な株主還元を実施することを基本方針としています。

今年度より、成長投資とのバランスや資本効率などを十分に考慮し、新たに配当性向の目途を50パーセントとしました。この方針に基づき、2026年3月期の年間配当金は1株当たり54円を予定しており、中間配当は開示どおりの27円と決定しました。

株主還元:自己株式取得

自己株式取得については、上限3万2,000株として実行済みです。

株主還元は安定的・継続的な配当実施が中心ですが、自己株式取得についても、成長投資の進捗、最適資本構成、株価状況などを総合的に勘案し、今後も機動的な実行を検討します。

株主還元:優待

株主配当や自己株式の取得に加え、株主優待については、保有株式数の区分に応じ、施設拡充などで好評をいただいている「ニフティ温泉」掲載の対象温浴施設優待券、電子ギフト、または社会貢献団体への寄付の中から株主さまにお選びいただけるラインナップを提供しています。

現状はスライドのとおりですが、株主さまからのご意見もうかがいながら、よりみなさまにご満足いただける内容へと改善していく方針です。

企業価値向上に向けたIR活動の実施

企業価値向上を目的としたIR活動にも積極的に取り組んでいきます。

成田氏からのご挨拶

ご説明は以上です。コア事業である「ニフティ不動産」はプラットフォーム価値を高めながら好調を維持しており、将来の成長ドライバーとなる施策も進展しています。今後につながる上期となりましたので、引き続きご期待ください。

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