2025年3月期決算説明
谷口政人氏:株式会社ファブリカホールディングス代表取締役社長CEOの谷口政人です。さっそくですが、2025年3月期通期の決算についてご説明します。
当社の企業概要
まず、当社の概要をご説明します。
当社は「デジタルの力で新たな価値を創造し、あらゆる組織と人々に貢献する」というミッションのもと、インターネットサービスを中心として、企業向けにさまざまな事業を展開しています。
当社グループは、株式会社ファブリカホールディングスを親会社に、メディア4u、ファブリカコミュニケーションズ、Sparkle AIの3社を連結子会社として構成されています。 2025年3月末時点のグループ全体の従業員数は212名となっています。
アジェンダ
本日のアジェンダとなります。
【連結】2025年3月期 通期 業績サマリー
それでは、2025年3月期の通期連結業績についてご説明します。
通期売上高は92億600万円、営業利益は11億600万円、経常利益は11億1,600万円となり、いずれも期初計画を上回っての着地となりました。
一方で、当期純利益は投資有価証券の売却益や評価損、ソフトウェアの減損損失など、特別損益の影響により3億3,100万円となりました。
【連結】FY2025.3 業績ガイダンス
期初に公表した業績予想に対する達成率の比較です。
売上高は105.8パーセント、営業利益は100.6パーセント、経常利益は101.5パーセントと、いずれも計画を上回っており、業績は順調に推移しました。
当期純利益は47.4パーセントと業績予想を下回りましたが、一過性の減損損失を除いた場合、7億4,900万円となり、達成率は107.0パーセントとなります。
【連結】売上高業績・営業利益推移(通期)
売上高と営業利益の通期推移を示したグラフです。
売上高は毎年堅調に推移しており、2025年3月期は前年から12.8パーセント増となる92億600万円を達成しました。
営業利益も成長投資を進めながら、安定的な利益を創出しており、堅固な収益基盤が出来ていると考えています。
【連結】売上高業績推移(四半期別)
四半期別の売上高推移グラフです。
第4四半期単体においても、売上高は23億7,000万円と前年同期比で8.5パーセントの増加となっており、安定的な成長を継続しています。
業績推移(営業利益/四半期別)
四半期別の営業利益の推移グラフです。
第4四半期の営業利益は株主優待、貸倒引当金など一時的な要因による費用を計上した結果、2億800万円となりました。
【連結】連結貸借対照表
連結貸借対照表についてご説明します。
2025年3月期末の自己資本比率は67.6パーセントとなり、前期末からさらに向上しました。 引き続き、財務の安定性を保ちつつ、成長投資を積極的に推進していきます。
【連結】FY2025.3 業績サマリー(セグメント別)
ここからは、セグメント別の業績とKPIの推移についてご説明します。
セグメント別の通期予算との比較です。
SMSソリューショングループは、売上高・利益ともに大幅な伸長を見せ、達成率は売上高108.7パーセント、セグメント利益は115.2パーセントと、予算を大きく上回る結果となりました。
一方、U-CARソリューショングループ、インターネットサービスグループ、オートサービスグループの売上高は概ね計画どおりに推移したものの、セグメント利益では成長投資や一時的な費用発生により予算未達となりました。
【連結】FY2025.3 業績サマリー(セグメント別)
セグメント別の第4四半期および通期の前年比較です。
SMSソリューショングループは、通期売上高が55億6,900万円で前年比15.7パーセント増、通期セグメント利益は15億4,900万円で16.5パーセント増となり、高い成長率を維持しています。
一方、U-CARソリューショングループは、売上高は順調に成長したものの、広告費やプロダクト開発への成長投資を継続し、通期営業利益は前年同期比で23.0パーセントの減少となりました。
インターネットサービスグループは通期を通して安定して黒字となり、着実に収益基盤を強化しています。
オートサービスグループの売上高は堅調に成長したものの、貸倒引当金を計上したことにより、前年比で大きく減益となりました。
SMSソリューショングループ 【連結】売上高業績・営業利益推移(通期)
個別に見ていきます。
こちらは、SMSソリューショングループの売上高と営業利益の推移を通期ベースで示したグラフです。
売上高は55億6,900万円、営業利益は15億4,900万円となり、いずれも過去最高を更新しました。利益率も27.8パーセントと高水準を維持しており、引き続き安定した収益基盤となっています。
SMSソリューショングループ 売上高推移(四半期別)
当セグメントの四半期別売上高推移です。
大口顧客1社の解約により第4四半期は成長率が鈍化しましたが、一過性と認識しており、成長率は今後回復する見通しとなっています。
SMSソリューショングループ 営業利益推移(四半期別)
四半期別の営業利益推移になります。
前四半期の単発案件の反動があったものの、利益率は引き続き高水準を保って前年同期比で増益しており、堅調に推移しています。
SMSソリューショングループ 主なKPIの推移
主なKPIの推移です。契約社数は順調に拡大しており、2025年3月末時点で6,326社となりました。
年間では974社の純増、前四半期比では255社の増加となり、順調に拡大しています。広告宣伝費も一定水準を維持しつつ、効率的な投資を続けています。
U-CARソリューショングループ 【連結】売上高業績・営業利益推移(通期)
続いて、U-CARソリューショングループについてご説明します。
通期売上高は14億2,200万円と、過去最高を更新しました。
U-CARソリューショングループ 売上高推移(四半期別)
当セグメントの四半期別売上高推移です。
契約社数の積み上げが着実に進んでおり、堅調な成長が継続しています。
U-CARソリューショングループ 営業利益推移(四半期別)
四半期別営業利益推移です。
営業利益は前年から31.4パーセント減少し、2億7,100万円となりました。これは、メディア力の向上やプロダクト開発に向けた成長投資を継続して実施していることが主な要因であり、今後の中長期的な成長基盤の構築を意図した施策となっています。
U-CARソリューショングループ 販管費および人件費推移(四半期別)
当セグメントの販管費および人件費の推移グラフです。
広告投資やプロダクト開発に向けた成長投資を継続しています。
U-CARソリューショングループ 主なKPIの推移
「symphony」の契約社数は2025年3月末時点で4,377社となり、前年同期比で341社、前四半期比で52社の増加となりました。
また、レベニューチャーンレートも0.7パーセントと、引き続き低位で安定しており、継続率の高い安定的な収益モデルが確立されています。
インターネットサービスグループ 売上高推移・営業利益推移(通期)
インターネットサービスグループについてご説明します。
通期売上高は3億7,200万円となり、前年から16.9パーセント増加しました。通期営業利益は8,200万円と黒字転換を果たし、マーケティング支援および「アクションリンク」事業の成長が収益に貢献しています。
インターネットサービスグループ 売上高推移・営業利益推移(通期)
四半期ベースでも売上高・利益ともに過去最高を更新しています。
第4四半期の営業利益は2,600万円となり、各サービスの堅実な成長が続いています。
オートサービスグループ 売上高推移・営業利益推移(通期)
最後にオートサービスグループについてご説明します。
通期売上高は18億3,700万円と、前年から9.8パーセント増加し、過去最高を更新しました。一方で、一時的な業者向け販売に伴う貸倒引当金の計上により、通期営業利益は1,800万円となり、減益となっています。
オートサービスグループ 売上高推移・営業利益推移(通期)
第4四半期の営業利益におきましても、先ほど申し上げた貸倒引当金の計上により、営業損失を計上しました。
セグメント変更の概要
ここからは、今後の事業戦略に関わる「セグメント変更」についてご説明します。
当社では、成長戦略の明確化を目的に、セグメント区分の見直しを実施しました。
従来の「インターネットサービス」セグメントを廃止し、CRM領域は「ビジネスコミュニケーション事業」、メディア領域は「オートモーティブプラットフォーム事業」へ再編成しました。
さらに、「AI事業」を新たに独立セグメントとして設定しました。
【連結】2026年3月期 業績予想
ここからは、2026年3月期の通期業績予想についてご説明します。
2026年3月期は、売上高97億5,000万円、営業利益10億円、経常利益9億9,000万円、当期純利益5億8,000万円を計画しています。
増収減益の予想となっていますが、積極的な成長投資を見込んだ計画であり、引き続き中長期での企業価値向上を目指していきます。
【連結】2026年3月期 業績予想
セグメント別の業績予想です。
ビジネスコミュニケーション事業、オートモーティブプラットフォーム事業、オートサービス事業については、引き続き堅調な売上高推移を見込んでいます。
新設のAI事業は、前年よりさらに成長投資を加速し、1億3,000万円の赤字を見込んでいます。
【連結】2026年3月期 営業利益の増減分析
営業利益の増減要因をまとめたグラフです。
事業成長による売上総利益の増加から、人材投資・マーケティング費用・ソフトウェア減価償却費・のれん償却費・AI事業への成長投資が主要な減益要因となっています。
中長期的な成長実現に向け、必要な先行投資を実行していきます。
株主還元について
次に、株主還元についてご説明します。
2026年3月期は、年間配当を1円増配し、1株あたり38円とする予定です。また、中間配当制度を導入し、中間・期末で19円ずつを実施予定です。連結配当性向については30パーセントを基準としながら、継続的な増配を目指していきます。
株主優待について
株主優待についてご案内します。
毎年3月末および9月末時点で200株以上を保有されている株主さまを対象に、保有期間に応じた優待を継続実施し、配当と合わせて総還元性向を向上させていきます。
積極的な成長投資
成長投資の方針についてご説明します。
私たちは持続的な企業価値の向上に向け、「成長投資の実行」「安定的な財務基盤の確保」「継続的な株主還元」の3点を基本方針として掲げています。
資金使途としましては、AI技術を活用した新規サービスの開発や既存事業領域の拡大を中心とし、M&Aを活用した事業拡大も引き続き積極的に推進します。
今期の重点投資 《AI事業》
最後に、今期の重点投資についてご説明します。
AI事業の「project:On(プロジェクト・オン)」についてご紹介します。
これは、日本初の次世代音声AI構築プラットフォームであり、24時間・多言語対応の自動対話エージェントをさまざまな業界に展開する構想です。人手不足や業務負荷の高い領域において、AIの力で社会課題の解決を目指します。
今期の重点投資 《AI事業》
「project:On」は、2つのサービスで構成されます。
第1弾は、電話と音声AIを簡単に接続するインフラ「onBridge」、第2弾は、ノーコードで音声AIエージェントを構築できる「onVoice」です。
「onBridge」は2025年7月、「onVoice」は2025年9月にリリース予定で、日本の音声AI市場においてリーディングポジションを目指します。
今期の重点投資 《オートモーティブプラットフォーム事業》
オートモーティブプラットフォーム事業では、オートレックス社を子会社化し、トラックなど商用車市場への本格進出を開始します。
これまで培ってきた自動車販売業務支援のノウハウと全国の営業拠点ネットワークを活かし、成長を加速させていきます。
今期の重点投資
また、Gazelle CapitalおよびDelta XファンドといったVCファンドへの出資を通じて、AI・DX領域におけるスタートアップとの連携も進めています。
将来的なM&Aや業務提携の可能性も視野に入れ、技術・人材・知見の獲得に取り組んでいきます。
谷口氏からのご挨拶
以上で、2025年3月期の決算説明を終了します。
今後もファブリカグループは、社会の変化を好機と捉え、新たなチャレンジを継続し、企業価値の向上と持続的な成長を実現していきます。
引き続き、株主・投資家のみなさまのご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。ご清聴、誠にありがとうございました。