アジェンダ
関谷幸男氏:みなさま、こんにちは。株式会社四電工代表取締役社長の関谷です。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。本日は、2024年度決算についてご説明します。
資料の構成は、2024年度実績、2025年度業績予想、資本収益性・株主還元、中期経営指針の進捗、トピックスとなっています。
経営成績(連結)
2024年度の実績についてご説明します。2024年度の事業環境は、設備投資や公共投資に持ち直しの動きが続くなど、受注環境は概ね良好でした。
一方で、資機材の価格上昇や人手不足などにより、受注判断や工事原価、工事進捗への影響に適切に対処する必要がありました。
このような中、2024年度の受注高は、四電工単体の大型工事受注などが寄与し、前年度比17億円増の995億円となりました。
売上高は1,058億円で前年度比137億円の増収、営業利益は80億円で前年度比16億円の増益、経常利益は85億円で前年度比15億円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は51億円で前年度比6億円の増益となりました。
これは大型工事の堅調な進捗や資機材の安定調達、徹底した原価管理などが寄与したものです。なお、連結決算の開示を始めた1999年度以降で、受注高、売上高、各利益ともに過去最高となりました。
売上高増減要因(連結)
売上高の前年度に対する増減内訳です。スライドのグラフのブルーの部分が増加要因で、グレーの部分が減少要因を示しています。送電・土木工事やグループ会社などで減収となりましたが、配電工事、電気・計装工事、空調・管工事、情報通信工事のいずれもが増収となり、137億円の増収となりました。
主な経営指標の推移(連結)
主な経営指標の推移です。上段の折れ線グラフの売上高総利益率は、原価管理の強化などに努めたことから、17.4パーセントと引き続き高い水準を確保することができました。中段の営業利益率は、前年度比0.6ポイント増の7.6パーセントとなりました。下段のROEは、増益により8.2パーセントとなりました。
受注高の推移(単体)
四電工単体の業績についてご説明します。受注高については、前年度比40億円増加し、876億円となりました。
工事種類別では、ホテル、物流施設、データセンターなどの新築案件や再開発案件に伴う、電気・計装工事や空調・管工事の大型工事が受注高を押し上げ、過去最高となりました。
売上高の推移(単体)
単体の売上高の推移です。前年度比169億円増加し、941億円となりました。2025年3月期は、前年度から工程がずれ込んでいた複数の大型工事が順調に進捗し完成したこととあわせて、資機材の安定調達やきめ細かな工程管理などにより、その他の大型工事も順調に進捗した結果、過去最高の売上高となりました。
工事種類別では、ほぼすべての工事が増加しており、地域別においても、すべての地域で増加しました。なお、大型工事としては、公共施設や再開発案件、物流施設、教育施設などがありました。
繰越工事高の推移(単体)
次年度以降の収益に寄与する繰越工事高についてです。前年度比64億円減少し、477億円となりました。大型工事の堅調な進捗により減少したものの、過去最高の受注高を確保するなど、依然として手持ち工事は高い水準を維持しています。
財政状態(連結)
連結の財政状態です。資産は、前年度末に比べ35億円減の996億円となりました。これは、当社において、2024年度より工事代金等の支払いについて、手形・ファクタリングによる延払いを廃止し、すべて現金振込に変更したことなどによるものです。
負債の66億円減も同様の事情によるものです。
一方で純資産は、当期純利益の計上などにより、30億円増の648億円となりました。これにより、自己資本比率は前年度末より5.3ポイント増加し、65.1パーセントとなりました。
キャッシュ・フロー計算書(連結)
連結のキャッシュ・フロー計算書です。2024年度期中の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益は順調に確保したものの、手形・ファクタリングの廃止などもあり、5億円の資金支出となりました。
この手形・ファクタリングの廃止に伴う資金支出は、支払い条件を現金払いに変更したことなどにより、変更前に振り出した手形等の支払いと変更に伴う現金振込の増加が8月まで同時に発生したことに起因しており、今期特有のものです。
なお、今回の支払い条件の見直しは、建設業法や下請法の観点に加え、取引先との共存共栄関係の構築や連携強化を意図して行ったものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などから、11億円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出や配当金の支払いなどから、42億円の資金支出となりました。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、期首残高から59億円減少し、163億円となりました。
施工物件情報
スライドは、2024年度の完成物件の一例です。
施工物件情報
こちらも2024年度の完成物件の一例です。
業績予想
2025年度の業績予想についてご説明します。2025年度の業績予想は連結・単体ともに減収・減益としていますが、繰越工事の残高は高水準を維持しており、今後それらが業績に反映されると見ています。
具体的には、連結では売上高1,000億円、営業利益70億円、経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益50億円と見込んでいます。
四電工単体では売上高840億円、営業利益50億円、経常利益57億円、当期純利益40億円を見込んでいます。
資本収益性の向上に向けた取り組みに関する進捗状況
資本収益性についてご説明します。資本収益性の向上に向けた取り組みとしては、2023年8月に公表した基本方針に基づき、ROEの向上を図る観点から利益の拡大に努めています。同時に、資本構成の適正化に向けた株主還元の充実等の取り組みを進めてきました。
その結果、2023年度に株価指標は大きく改善したものの、2024年度末時点においては市況の動向などもあり、PBRは0.94倍にとどまっています。一方、純資産の積み増しがあった中でも利益の伸長を受けて、ROEは8.2パーセントに向上しました。
株主還元
株主還元についてご説明します。2024年度の配当については、2025年4月24日に業績予想の上方修正にあわせて配当予想の増配修正を公表したとおり、株式分割後に換算して中間配当30円、期末配当35円、年間配当65円を予定しています。
また2025年度の配当については、今後の業績見通しや財務状況等を勘案して中間配当32円、期末配当33円とし、年間配当金は当期と同額の65円を予定しています。
『中期経営指針2025』
中期経営指針の進捗についてご説明します。2021年に策定した「中期経営指針2025」では、「チャレンジ、次なる成長ステージへ」という共通目標を掲げ、取り組むべき重点課題に戦略的に取り組んできました。
その結果、数値目標の売上高1,000億円、営業利益60億円、ROE8パーセントを1年前倒しで達成することができました。
連結数値目標
2024年度の実績を「中期経営指針2025」の目標値と比較すると、配電工事353億円、送電・土木工事50億円、電気・計装工事364億円、空調・管工事157億円、情報通信工事82億円となり、配電工事、電気・計装工事で大きく目標を上回っています。
また地域別で見ると、四国内支店の管轄エリアで806億円、首都圏で154億円、関西圏で97億円となり、関西圏のみ目標を下回っています。
2025年度についても、引き続き四国を事業活動の基本に据え、建設需要が相対的に旺盛な首都圏・関西圏での収益基盤強化に取り組み、「中期経営指針2025」の目標値を上回る水準を目指していきます。
人材投資
人材投資です。設備工事業を担う当社にとって、最も重要な資本は人材です。このため計画的に社員を採用し、技術者層を拡充していくこととしています。
2025年4月時点で四電工単体の従業員数は2,264名、連結従業員数は2,773名となり、ほぼ計画どおり要員を確保できています。
人材に関する最近の取り組みとしては、従業員一律1万5,000円のベースアップの実施、奨学金支援(代理返還)制度の導入、首都圏・関西圏での施工力確保に向けた人事諸制度の見直しなどを行いました。
またこのたび、総合設備企業として地域インフラを支え、事業の持続的な成長を担う人材の確保と育成を目指し、社員研修所を移転・新築することとしました。詳しくは次のスライド以降のトピックスをご覧ください。引き続き、人材を安定的に採用し育成するサイクルを継続していきます。
持続可能な社会の実現に向けて
以降のスライドでは、2024年度のトピックスをご紹介しています。お時間のある時にご覧いただけると幸いです。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。今後とも、四電工グループをご愛顧くださいますよう、よろしくお願いします。