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櫻井昭彦氏(以下、櫻井):みなさま、こんにちは。代表取締役社長の櫻井です。平素より西華産業にご関心をお寄せいただき、また、決算説明会にご出席くださり誠にありがとうございます。

2025年3月期第2四半期の決算説明会については、説明会の開催に加え、動画でも後日配信します。本説明会および動画を通じて、当社へのご理解を深めていただければ幸いです。

本日は、スライドに記載の6項目についてご説明します。

2025年3月期第2四半期(中間期) 決算サマリー

2025年3月期第2四半期の決算サマリーです。取扱高は1,536億8,000万円、売上高は445億1,000万円となり、前年同期比でどちらも増加しています。営業利益は前年同期比8億7,000万円増の29億2,000万円、中間純利益は前年同期比35億6,000万円増の50億2,000万円となりました。

受注残高についても、前期末比91億円増の675億5,000万円と大幅に増加しています。今期の配当は、前年から60円増配の年間210円を予想しています。

トピックス①

1番目のトピックスとして、スライドに記載の当社の価値創造プロセス図についてご説明します。

当社が社会の公器として価値を継続的に生み出し、それを社会に還元・共有し続けるサステナブルな企業であることをご理解いただくため、価値創造プロセスを策定しました。社会課題と事業活動を連動させ、経済的なリターンを獲得しながら企業価値を高めていくことを考えています。

まず当社には、連結社員1,000名強の「人的資本」、純資産431億円などの「財務資本」、78年の歴史で獲得した幅広い商品・業界知識などの「知的資本」、その他に当社が保有する組織や取引先などの「製造資本」や「社会・関係資本」、三菱重工代理店としての信用力などの「強み」があります。

それらを活かし、長期経営ビジョンで掲げる「地球環境と調和したサステナブルなエネルギー創出・産業活動を支援する」というパーパスや中期経営計画の戦略を念頭に、カーボンニュートラルの実現などにより社会や顧客へ価値を提供し、株主価値の最大化や働きがいの向上など、株主と社員に価値を提供していくストーリーを考えています。

取り組みについてはスライドには記載していませんが、1つ目は、当社の存在価値を明確に定義し、それに適合した戦略の立案をすること、2つ目は、直接的な関係先に対して、需要を満足させられるように価値を伴う実力を獲得すること、3つ目は、株主などの期待に応える業績を上げるとともに情報を的確に開示し、株主還元や社会との共生活動に努めて堅い信用を得ること、この3つが重要だと認識しています。

トピックス②

2番目のトピックスは、田中造船の買収と日本フェンオールの持分法適用関連会社化です。

まずは、田中造船の買収についてご説明します。西華産業の100パーセント子会社であるセイカダイヤエンジンは2020年に設立し、海で働くお客さまに対して役立ち、信頼される商品とサービスの提供を目指して、主に三菱重工業製の舶用エンジンの販売サービスを手がけてきました。

近年は、脱炭素社会実現に向けて、マルハニチロとEV船の試作や試験運行に取り組んでいます。船舶の駆動方法が変わっても、それを使用する船舶の需要は今後も期待されることから、中・小型船舶の建造ができる田中造船を買収しました。

田中造船は九州の長崎県松浦市にあります。1861年、文久元年創業の歴史ある造船所で、主に20トン未満の警備艇からプレジャーボート、遊漁船、カツオの一本釣り船などに使用されるFRP船を建造しています。

2000年頃には、中・小型の船舶建造が可能な造船所は全国に約1,000ヶ所ありましたが、現在は150ヶ所と激減しています。その中で田中造船は年間約20数隻の建造能力があり、これは九州では1位、2位の規模です。

セイカダイヤエンジンは、エンジン販売のほか、EV船や自動運航システム、造船など、事業領域の拡大に努めているところです。

次に、日本フェンオールの持分法適用関連会社化についてご説明します。日本フェンオールは東証スタンダード市場に上場する企業で、1961年に設立されました。現在の従業員数は約200名で、主な事業はガス消火装置などの特殊防災と半導体製造装置用の熱制御機器の製造です。

当社は古くから、同社の消火設備を電力会社や各業界のメーカーに販売している関係で、約5パーセントの株式を保有していました。このたび、同社から「事業の維持・拡大のために、さらなる関係強化を図りたい」と要請を受け、当社の販売力と日本フェンオールの持つ多様な製品ラインナップを活用して事業拡大を図ることを目的に、資本業務提携を行い、同社を持分法適用関連会社化しました。

この提携により、進行期においても一般産業向けの受注が増加している次第です。当社の中期経営計画では「事業領域の拡大に向けた100億円規模の事業投資」を掲げていますが、その一環になると考えています。

トピックス③

3番目のトピックスとして、コーポレートサイドの取り組みをご紹介します。

まずは、人材戦略の体系図についてご説明します。当社は製造会社のような生産設備を持っていません。最大の経営資源は社員であり、人材の価値を最大限に引き出して企業価値向上につなげることが、当社の持続的成長に寄与すると認識しています。

具体的には、採用から育成、エンゲージメント向上まで一貫した方針のもとで人事運営を行うべく、経営戦略と人材戦略を連動させます。今回、それを「見える化」するために人材体系図を作成しました。

また、社員の健康管理を経営的な視点で捉え、さまざまな施策を進めて社員の活力向上を図り、組織力を高めるように取り組んでいます。取り組みの指標としては、「健康経営優良法人」の認定にチャレンジしていきたいと考えています。

次に、日本格付研究所から信用格付を取得しました。格付は「A-」です。当社の事業内容ならびに財務状況の健全性をステークホルダーのみなさまに広く認知いただき、経営の透明性と対外的な信用力を高めることを目的としています。

今後の事業投資を積極的に展開していく上で、財務の健全性を可視化することが必要と考えました。

2025年3月期第2四半期(中間期) 連結決算概要

川名康正氏:企画管掌を務める、取締役専務執行役員の川名です。2025年3月期第2四半期連結決算概要以降については、私からご説明します。

スライドの表は、冒頭の決算サマリーでご説明した各数値をまとめたものです。ご確認ください。

連結の範囲

西華産業グループの一覧です。現在この中で収益の柱となっているグループ企業は、ヨーロッパ全域で水中ポンプの販売を手がけるTsurumi (Europe) GmbH、国内外でダイヤフラム弁を中心に多様な分野でバルブの製造・販売を手がける日本ダイヤバルブ、三菱重工製舶用エンジンを国内で販売するセイカダイヤエンジン、同じく三菱重工製舶用エンジンを北海道地区で販売するとともに、データセンター等でも使われる三菱重工製を中心とした非常用発電設備を販売する敷島機器の4社です。

また本年度より、台湾西華産業、田中造船、日本フェンオールの3社が西華産業グループに加わり、今後の業績に貢献することが見込まれています。

連結バランスシート

当第2四半期のバランスシートです。純資産は着実に積み上がっています。

東京証券取引所からの要請である「資本コストや株価を意識した経営」については、昨年に引き続き対応を強化しています。昨日時点のPBRは1.28倍と1倍超えを維持しており、EPSも591.4円と昨年より増加しました。

キャッシュフロー

キャッシュフローについてご説明します。営業活動によるキャッシュフローは26億7,000万円と、前年比で大きく改善しました。

日本フェンオール社の株式取得による18億円のキャッシュアウトがあったものの、政策保有株式の売却もあり、フリーキャッシュフローは37億7,000万円と、こちらも前年比で大幅に改善しています。

なお、政策保有株式の売却を進めた結果、2024年9月末の連結純資産に占める割合は18.8パーセントとなりました。

連結中間純利益のウォーターフォール分析(24/3 2Q vs 25/3 2Q)

連結中間純利益における前年同期比のウォーターフォール分析です。エネルギー事業が好調に推移し、主要連結子会社の業績も昨年同様に順調に推移した結果、増収増益となりました。

これに加えて、日本フェンオール社の持分法化による「負ののれん」と政策保有株式の売却益により、中間純利益は大幅に増加しています。

過去3ヶ年の推移

こちらのスライドには、各経営指標における過去の推移を記載しています。

セグメント別事業概要一覧

当第2四半期のセグメント別決算概要についてご説明します。セグメント別の実績はスライドのとおりです。

エネルギー事業は、売上高・セグメント利益ともに大幅な増収増益となりました。同様に、プロダクト事業も好調を維持しています。産業機械事業は、売上高・セグメント利益ともに減少しました。

セグメント別 売上高/セグメント利益の構成比

スライドのグラフは、セグメント別の売上高およびセグメント利益の構成比を示しています。

エネルギー事業は、火力発電所の大型設備更新に加え、昨年度から開始した原子力発電設備における三菱重工代理店業務が順調に推移し、増収増益となりました。

産業機械事業は、前年同期比で減収減益となったものの、米国子会社のSEIKA MACHINERY, INC.の好業績もあり、当期における1Q対比では2Qの赤字幅は減少しました。さらに足許では、タイのSeika Sangyo (Thailand) の自動化・省人化関連商談が拡がりを見せるなど受注が活発で、受注残高は期初の193億円から当第2四半期では75億円増の267億円となり、回復基調にあります。

プロダクト事業は、UTドローンを活用した設備点検商談などがさらに拡大しています。加えて、ヨーロッパのTsurumi (Europe) GmbHグループの業績が昨年に引き続き好調に推移したことから、増収増益となっています。

主要連結子会社の状況

こちらのスライドは今回から新たに加えたもので、先ほどお伝えした主要グループ会社・連結子会社4社の第2四半期実績を記載しています。

ヨーロッパのTsurumi (Europe) GmbHグループは前年の好調を維持しており、引き続き順調な業績となっています。日本ダイヤバルブは前年比で増収減益となっていますが、この実績は期首に予想したとおりのものです。

セイカダイヤエンジンは前年比で減収減益となっていますが、こちらも期首予想どおりに進んでいます。敷島機器は、前年比で増収増益となっています。

セグメント別受注残高

セグメント別の受注残高は、スライドの表のとおりです。3セグメントすべてにおいて増加傾向にあり、全体の受注残高は前期末から当第2四半期までで102億9,000万円増加し、675億5,000万円となりました。

特に産業機械事業では復調の兆しも見えてきていますので、今後はこれらの受け渡しと改善が進むことによって、業績への貢献が期待できるものと考えています。

2025年3月期 連結業績予想

2025年3月期の連結業績予想についてご説明します。取扱高は2,820億円、売上高は930億円、営業利益は57億円、経常利益は74億円、親会社株主に帰属する当期純利益は71億円と予想しています。

2025年3月期 セグメント別連結業績予想

セグメント別の業績予想です。エネルギー事業は、順調な受注状況から取扱高、売上高、セグメント利益の増加を予想しています。

産業機械事業は、今期は微減となるものの、先ほどご説明したように復調の兆しが見えてきています。

プロダクト事業は、昨年度の好調を維持し増収となるも、収益面での価格転嫁の一服などにより、セグメント利益は微減となる見込みです。

中期経営計画「VIORB2030 Phase1」数値目標

中期経営計画「VIORB2030 Phase1」の数値目標についてご説明します。中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の数値目標については、前期の営業利益55億8,000万円に対して今期の営業利益予想が57億円と、すでに目標値の52億円を前倒しで達成しています。そのため、今年度中に見直しを公表したいと考えています。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

昨年の公表から1年が経過した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、9月末時点の進捗をご説明します。ROEは、昨年上方修正した目標を達成し、11.6パーセントとなりました。今期も14.8パーセントを予想しており、10パーセント台を維持できる見込みです。

現進行期の配当金は、中間配当90円、期末配当120円の年間配当210円を予想しています。

政策保有株式は第1四半期時点で売却を終え、9月末時点の連結純資産割合は18.8パーセントと、目標とする20パーセント未満をすでに達成しています。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

株主優待制度の導入によって株主数および売買代金は引き続き増加しており、売買取引が活性化しています。

IR活動については、昨年に引き続き対応を強化しており、9月末時点でのIR面談件数がすでに昨年1年間の累計を超える状況となっています。今後も、当社の取り組みを幅広くご理解いただけるよう、さらなる活動強化を図っていきたいと考えています。

成長投資については、先ほどお伝えした田中造船の買収や日本フェンオールの持分法化を実行し、事業拡大を進めているところです。

役員報酬制度についても、時価総額、ROE、中期経営計画の実行度を評価ポイントとするBIP信託制度を導入しました。

株主・投資家との対話状況

株主・投資家のみなさまとの対話状況についてご説明します。株主数は一昨年から昨年にかけて約35パーセント増加しており、本年9月末時点では1万571名となりました。IR面談件数は9月末時点で28件、このうち国内投資家からの面談依頼が26件、海外投資家からが2件となっています。

投資家向け説明会の実施状況はスライド下部のとおりです。下期も、広島および福岡での個人投資家向け会社説明会を予定しています。また、海外では初めてとなる台湾での投資家ミーティングを予定しています。

株主・投資家との対話状況

スライド上部には、株主・投資家のみなさまとの対話を通じていただいた主な関心事項を記載しています。これらの内容については、取締役会や経営会議などのメンバーと速やかに情報を共有し、経営戦略に反映していきます。

スライド下部には、対話を通じていただいたご意見に対する改善事項を記載しています。先ほどご説明したとおり、今年度中に中期経営計画の最終年度目標の見直しを発表する予定です。また、主要子会社の決算状況は、本決算説明会より報告を開始しました。受注高についても、当社ホームページの業績ハイライトに四半期ごとの数値を掲載しています。

質疑応答:時価総額向上の施策について

質問者:御社をずっと拝見していますが、ここ最近は御社の動きが非常に明確になってきたと感じています。以前は、事業も含めてわかりづらいところがあったのですが、櫻井社長が着任してから、配当なども含めて株主へのIRが非常に活発だと感じています。

今は株価も順調に推移しており、時価総額で600億円ぐらいあると思います。今後1,000億円にするための施策やお考えなどがあれば教えてください。

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