事業内容
福原正大氏(以下、福原):Institution for a Global Society株式会社代表取締役会長の福原です。2025年3月期第2四半期決算説明資料に沿ってご説明します。
当社の事業には大きく3つの柱があります。能力を評価し、その評価に応じて教育を行い、教育を含めて新しいお金の流れを作ることです。
時系列としては、子どもの頃から教育事業で能力開発に取り組み、お金を流しつつ企業にも入っていただきながら、大人、シニアまでつなげていきます。そして、全体をつなげるのがプラットフォーム/Web3事業です。
サービス内容
サービス内容を詳しくご説明します。教育事業領域のメインのお客さまは小学校・中学校・高等学校で、計測を行う「Ai GROW」、教育を行う「GROW Academy」を提供しています。
HR事業領域については、2017年にリリースした計測の「GROW360」に加え、一橋大学と共同で行っている人的資本理論の実証化研究会において、人の能力のアセスメントや教育に関するさまざまな研究を行っています。
また、2つの事業をつなげ、お金の動きを変えるという意味において、プラットフォーム/Web3事業領域があります。
3事業を組み合わせたグローバル展開
この3事業を組み合わせて、現在グローバル展開をスタートさせています。教育事業領域においては国際機関と連携しています。また、ヤマハとも連携しています。
基本的には、人の能力をアセスメントし、教育して、スキルマップを作るという共通の枠組みとなっています。
成長戦略ロードマップ
今後の売上の方向性をまとめています。HR・教育・プラットフォーム/Web3事業を組み合わせたグローバルでの中長期的な成長ということで、売上収益成長率は30パーセント台、平均営業利益率は25パーセント以上を目指します。
まさに「評価×教育×金融」で世界中の教育格差をなくしていくロードマップとなっています。
中期計画(HR事業) -ストックとフローの融合で人的資本市場に新たな価値を創出
今回から中期を見据えたビジネス展開について、踏み込んで資料を作っています。
HR事業は、フロー型ビジネスのコンサルティングであり、毎年蓄積されるデータを元に、さまざまなかたちで企業の人的資本をどのように継続して作っていくのかについてのコンサルティングを行っています。
同時に、「GROW360」を用いることにより、データがどんどん蓄積されます。データが蓄積されることでコンサルティングが増えるというスパイラルを回していきます。
特にフロー型においては、顧客満足度やコンサルティング能力の向上、ストック型においては、データの蓄積が重要となりますので、契約継続率や、どのようにして魅力的なデータを蓄積するのかを考えています。
HR事業においては、本年より三井住友信託銀行と業務提携を結んでいますので、三井住友信託銀行と連携して拡大することに注力しています。
さらに中期的には、個人能力データをコアに、グローバルにビジネスを展開していこうと考えています。
中期計画(教育事業) -既存基盤を活かし、新技術と新市場で収益を多様化・拡大
教育事業は、サービス・市場において既存・新規があります。まず、既存の市場は小学校・中学校・高校がメインで、一部で大学もあります。サービスとしては、「Ai GROW」「GROW Academy」がありますが、スライドの図の左下に記載のとおり、現在これらを新興国へ展開しています。
また、今活発化している生成AI等を活用した学習指導サポートというサービスを新しく立ち上げて、既存のお客さまに対してアップセルやクロスセルを行っていきます。
新たなマーケットという意味においては、これまでは小学校以降でしたが、就学前のお子さまに関しても、新しいサービスも立ち上げていこうとしています。加えて、パートナー企業として、JTB、内田洋行等のパートナー企業を増やしています。
中期計画(プラットフォーム/Web3事業) -教育とキャリアを繋ぐWeb3による革新的な収益モデル
プラットフォーム/Web3事業は、無償教育によって新たなお金の流れを作り出すプラットフォーム事業です。こちらについては、NFTを発行し、それによって多くの方に学んでいただき、転職を成功させるモデルになっています。
転職支援が成功し、NFTの発行が増え、受講者が増えるといったポジティブな流れを作り、スピードアップさせていきます。
将来的に2026年には「ONGAESHI」の仕組みのInitial Exchange Offering(IEO)を想定していますが、その時に、当社が出資しているBOUNDLESSEDU社も含め、IEOを行っていくことが中長期的な目的です。
中期計画(グローバル展開) -蓄積された個人能力・学習データとWeb3技術で人的資本を活用した市場構築へ
中期計画におけるグローバル展開についてです。当社に蓄積しているデータの職種や業界のカバー率を増やしつつ、個人能力データをコアにしたビジネスのグローバル展開として「デジタル人的資本市場のエコシステム創出」「Web3エコシステムの拡大」「教育×キャリアの融合」を図っていきます。
おかげさまで、データが蓄積されてきています。この蓄積されたデータをベースに広げていきながら中期的な成長のメインにしていこうと考えています。
これらが当社の戦略の柱となります。
2025年3月期第2四半期連結実績(前年比較)
次に、2025年3月期第2四半期までの実績をご報告します。
売上高は前期比2.6パーセント増となりましたが、計画に対しては未達です。要因としては、教育・プラットフォーム/Web3事業は期待値どおりでしたが、HR事業の未達の幅が大きく、この部分がマイナスに働き、四半期純損失となりました。
当社のビジネスモデルは、通常、第4四半期に偏重して売上が上がってきますので、マイナスはもともと予測したとおりです。計画比で考えると、HR事業の売上のみ足りませんでした。
実績的には、経費も抑えていますので、4,000万円程度のマイナスで着地しています。
コア事業第2四半期実績
コア事業の売上高についてです。特に大きくマイナスになってしまったのが、一橋大学の人的資本理論の実証化研究会の売上です。前期比26.5パーセントと大きくマイナスとなり、これが当初の期待値より5,000万円程度下回ったため、その部分がそのままセグメント損失につながってしまっています。
一方で、教育事業は前期比10.5パーセント増、セグメント利益は3,600万円と、計画値どおりの数値となりました。
新規事業第2四半期実績
プラットフォーム/Web3事業の売上高は前期比2,700万円増と、売上が上がり始めています。
まだ一部で投資があるため、セグメント損失は6,000万円となりましたが、前年に開発していた頃に比べると、赤字幅は大きく縮小しています。
2025年3月期 第2四半期連結実績(計画比較)
全体の売上高は2億6,200万円となりました。連結計画は3億1,900万円でしたので、HR事業のマイナス分のみが響いている結果となっています。
連結計画の利益面も同じく、HR事業の分がマイナスに影響しています。
2025年3月期 通期連結業績予想
三井住友信託銀行との業務提携なども考慮して、売上高は10億5,000万円、当期純利益3,500万円と、通期連結業績予想は据え置いています。
売上高・営業利益推移
売上高・営業利益の推移です。毎年第4四半期に売上が偏重する傾向があります。したがって、今年度も同様に売上高・利益を積み上げていければと思っています。
HR事業ハイライト
事業別ハイライトです。各事業についてもう少し詳しくお話しします。
先ほどお伝えしたとおり、HR事業は、当初の予定どおりに進んでいません。今年度、人的資本理論の実証化研究会に入会いただいたお客さまが、予定よりも少ない件数でした。
ただし、人的資本への興味がなくなっているわけでは決してありません。足元においては地銀業界においてかなりの引き合いが見込まれています。下半期の受注に向けて、積極的な営業活動を開始しています。
また、三井住友信託銀行との業務提携も大きな可能性を秘めています。現在、営業活動や戦略を共に立ち上げているところであり、立ち上がりに時間がかかっています。
人的資本理論の実証化研究会に加えて、もう1つ大きな案件の失注がありました。顧客側にて大きな体制変更があったためですが、その部分がマイナス影響となっています。
教育事業ハイライト
教育事業は当初の予定どおり進んでおり、Ai GROWの導入学校数も前年度の184校から268校へと大きく上昇しています。教育事業は着実に成長しています。
プラットフォーム/Web3事業ハイライト
プラットフォーム/Web3事業です。「ONGAESHIプロジェクト」では、今年度いろいろな講座が動いています。外部の連携講座も増えてきており、さまざまな取り組みが順調に推移しています。売上も伸びてきています。
今後も、毎月の講座提供数を安定的に増やして、転職支援対象者と転職をセットしていきます。
以上、全体像について、スライドに沿ってお話ししました。
質疑応答:黒字転換の確度や拡大フェーズの伸び率、投資家の注目度が低い要因について
質問者:1つ目として今期の黒字転換の確度、2つ目として今期の業績について、来年以降の拡大フェーズはどの程度が巡航速度なのか教えてください。
3つ目として、上場後に社長が交代されましたが、業績のトレンドからすると今回は黒字転換する期で、流れとしては成長フェーズに入りそうに見えます。
ただし、本日の出席者の人数を見ると注目されていないと感じます。説明会が非常にバッティングしている時期ですので、時間帯もまずいのではないかとは思います。
御社としては良い局面にあるにもかかわらず、関心を持たれていない原因は、会社の規模などではなく、発信・対話の仕方にあるのではと感じています。
「教科書で習ったことと違うことをするのは駄目なのでは?」とは思いますが、どのように考えているのかお聞かせください。
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