AGENDA

加藤裕之氏:アイビーシー株式会社、代表取締役社長CEOの加藤です。本日は、第2四半期の累計連結決算概要とトピックス、今後の展望についてご説明します。よろしくお願いします。

当社の期は10月から始まり、第2四半期が終わった3月で上期の締めとなるため、連結での決算概要をご説明します。

第2四半期連結決算概要

2024年9月期第2四半期の連結決算概要です。売上高9億7,400万円、売上総利益6億7,300万円、販売管理費5億3,900万円、営業利益1億3,400万円、経常利益1億4,400万円となります。

前年比では、売上高13.5パーセント増、売上総利益10.8パーセント増、販売管理費6.6パーセント増となっています。営業利益は31.1パーセント増加となり、経常利益が24.2パーセント増という結果になりました。

第2四半期決算売上内訳(単体)1/2

第2四半期の決算売上内訳です。まずはアイビーシー単体です。第2四半期単独売上は9億1,800万円、前年比14.1パーセント増となりました。

我々の売上計上については、スライドに記載のとおり、「ライセンスの販売」と「サービスの提供」と「その他物販等」となっています。ライセンスの販売は、自社開発の「System Answer」をご利用いただいているお客さまの数字です。

こちらのライセンスの販売が、前年の3億5,600万円に対し、3億9,000万円となりました。サービスの提供は、前年の3億1,900万円から3億3,700万円となっています。

その他物販等においては、昨年から始めたネットワークインテグレーションの事業により、前年比48.6パーセント増の1億9,100万円という結果になっています。

ライセンスの販売が増加した理由として、お客さまおよびパートナーさまの連携強化によってライセンスの更新が増加し、更新率95パーセントと非常に高い数字で推移したことが挙げられます。

またサービスの提供については、運用まで丸ごと引き受ける次世代MSPサービス「SAMS」が前年比5.5パーセント増となりました。

昨年から開始したネットワークインテグレーションは、比較的好調です。そこに加えてネットワーク機器やサーバーの販売も増えていることが増加の要因です。

第22期 第2四半期決算売上内訳(単体)2/2

売上の推移に伴い、ストックとフローの増加についてご説明します。ストック売上は、前年比6.6パーセント増の4億8,800万円です。フローについては毎年計上ではなく、初期設定など次年度更新のない今期のみの売上で、前年比23.9パーセント増の4億3,000万円となっています。

ライセンス販売や保守も堅調に推移しており、次年度以降もある程度の数字が見込めるようになってきました。

連結貸借対照表

連結貸借対照表です。スライドの表は昨年と比較です。今年は流動資産が22億9,000万円、現預金及び預金が16億1,300万円、固定資産が7億2,100万円、資産合計が30億1,200万円となりました。

流動負債は12億2,300万円、固定負債800万円で、負債合計は12億3,100万円となっています。株主資本は17億5,100万円、その他は2,900万円で、純資産の合計は17億8,000万円、負債純資産合計は30億1,200万円という結果となりました。前期差額はスライドのとおりです。

連結キャッシュフロー

連結キャッシュフローです。営業キャッシュ・フローは1億6,200万円、投資キャッシュ・フローはマイナス7,900万円、財務キャッシュ・フローはマイナス9,000万円、現預金残高は前年比1億1,400万円増の16億1,300万円となりました。

トピックス一覧

トピックスです。「IT障害をゼロにする」が当社のミッションとなっており、そのための商品強化をこの上期に行ってきました。

「IBC Care サービス」の提供開始と、「CX(カスタマーエクスペリエンス)監視オプション」の Windows対応エージェントをリリースしました。また、セキュリティ分野のサポート領域を拡大しました。こちらについては後ほどご説明します。

先週行われた「Interop Tokyo 2024」についても、トピックスの1つとして後ほどご説明します。さらに、前回もご説明した「デジマケ女子部」や、CSR活動の強化についても後ほどご説明します。

IBC Care サービス提供開始(2024年1月~)

今年1月から提供開始した「IBC Care サービス」は、FW/UTMの脆弱性に対する早期対応により、さまざまな企業の情報資産を守ってIT障害をゼロにする運用を実施するサービスです。

障害の切分け支援から機器保守、脆弱性対応まで、アイビーシーがお客さまに代わって丸ごと対応できるサービスとして提供しています。

最近、ランサムウェアなどによる被害にあったお客さまの事例をかなりうかがいます。そのような対応も含めて、ネットワークやインターネットの裏側を支えてきたアイビーシーならではのサービスを、1月から提供し始めています。

既存のお客さまからの反応も良く、徐々に案件の積み上げ等にも動き出しています。

CX(カスタマーエクスペリエンス)監視オプション Windows対応エージェントをリリース(2024年2月5日~)

我々は既存の「System Answer」ユーザーからさまざまなリクエストをいただいており、この度「CX監視オプション」にWindows版のエージェントを提供することとなりました。

これまでのネットワークパス表示やページロード機能に加え、無線環境の利用状況を可視化して管理できる「Wifi監視機能」を追加しました。最近では、教育分野におけるGIGAスクールの推進もあり、国の予算もかなりついています。

この領域で、ネットワークが切れてしまったり、授業がうまくいかなかったりといった、授業の進行を妨げるWifi環境をきちんと管理したいと考えています。

また、このビルの中にもアクセスポイントなどがあると思いますが、アクセスポイントの接続先の特定から変更までを容易に操作できる機能を、弊社は開発しました。今期も大手メーカーはおそらく、GIGAスクールの予算など、教育機関の案件をかなり持っていると思います。そのようなところに活用いただけるオプションとして、リリースしました。

セキュリティ分野でのサポート領域拡大

昨今、ランサムウェアの被害を始めとして、さまざまなネットにおける被害等が発生しています。

このあたりのセキュリティの強化として、セキュリティ対策を手厚く、一気通貫で支援することを可能にするサービスを随時、提供し始めています。脆弱性管理やコンフィグ管理はもちろん、パッチ適用などさまざまなセキュリティリスクに対するソリューションを提供しています。

サポート領域の範囲としては、スライドに記載のとおり、攻撃前の対策から、それをブロックし、横展開を検知し、発生時の対応まで、弊社でサポートできるようになっています。さらに、調査も含めたトータル的なソリューションを提供できる体制を展開しています。

このあたりの案件は、先週開催された「Interop Tokyo 2024」でも、パートナー企業やエンドユーザーから徐々に問い合わせも増えてきています。今まではどちらかと言いますとネットワークの監視を中心にした展開でしたが、そこからソリューション展開まで、サポート領域を拡大してきています。

Interop Tokyo 2024 出展/ShowNet 参加

先週6月12日水曜日から6月14日金曜日まで、幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2024」に出展しました。今回の展示の目玉は、CX監視オプションのWindows エージェント版と、「IBC Care サービス」です。

Interopとはもともと、インターコネクト(相互接続)テストを、各ベンダーや世界中のメーカーが集まって実証実験する中で、それにまつわる新製品・新サービスを発表する場でもあります。

ここでは「ShowNet」という、すべてのベンダーがつながるブースがあります。その「ShowNet」対応のNOC(ネットワークオペレーションセンター)の環境の統合監視を、弊社の「System Answer」で行っています。

ここ数年は毎年ずっと、弊社の製品を中心に展開しています。世の中のこの業界に関わる技術の方々などが集まる場で、弊社の製品の良さや、新機能の体験などを提供しています。そのような意味では、ポジション的にも徐々に上がってきていると感じています。

「ShowNet 2024」の監視実績については、スライドに記載のとおり、850ホスト、99,091監視項目を実現しています。

さまざまなメーカーやベンダーに、弊社のエンジニアが非常に活躍できると認知していただける場として、弊社が参加しています。このような場に出ることによって我々の若いエンジニアのスキルアップを図れますので、毎年参加しています。

ホームページの強化と効果

ホームページの強化と効果についてご説明します。先ほども触れましたが、「デジタルマーケティング女子部」を昨年立ち上げました。

デジタルマーケティング領域の強化によって、お客さまへIBCの活動を訴求できるように、日々努力しています。弊社の認知度が少し不足していると感じてきましたが、DXやこのような立ち上げによって、ようやくこの数年でいろいろなお問い合わせもかなり増えてきました。

「デジマケ女子部」では現在、弊社の製品ソリューションの紹介を、およそ週3回ペースで配信しています。また、IBCの魅力を知っていただくための情報や、今はやはり人手不足ですので、就職活動の役に立てるような情報を、就活中の学生向けに発表しています。

人手不足解消の観点では、いろいろなところで露出を高めていかなければなりませんので、このようなデジタルマーケティング系の情報を日々発信しています。

また、パートナー企業向けのサイトを開設しました。2023年10月より、「System Answer」を取り扱っている会社や、拡販いただける企業に対して、積極的に情報提供を行っています。

ホームページの強化と効果

ホームページを強化した結果、Webサイトの訪問者数は20期の7万件から、21期は13万件とかなり増えました。そこからさらに増えてきており、現在は15万件くらいの来訪者数が、弊社のホームページにはあります。

コンバージョン数としては、20期が540件、21期は1,080件でした。22期目標は前年比138パーセントとなる1,500件を目指し、弊社の「デジマケ女子部」が今、がんばって活躍しています。

ワークライフバランスの推進

CSR活動の強化のうち、ワークライフバランスの推進についてご説明します。厚生労働省は、社員のメリハリのある働き方や職場作りを目指して「くるみん認定」を実施しています。

弊社もこれに追従すべく、2年後に取得することを目標とし、取得に向けた「両立支援のひろば」への行動計画を発表しています。

21期の具体的な活動としては、時短勤務の適用を拡大しました。弊社の女性社員の産休・育休取得と職場復帰率は、現在のところ100パーセントとなっています。この数値は、女性の働きやすさを証明しているのではないかと考えています。

これは昨年、推進を始めたことにより、このような結果になっています。22期の計画としては、男性の育休に関する休暇取得推進ということで、看護休暇や学校行事参加休暇の検討をしています。

また、従業員の残業時間の削減ということで、フレキシブルな働き方実現のための制度検討や、有給取得推進日の設定、こちらはすでに昨年も取り組んでいますが、さらに増やしていこうということで動いています。

障がい者の自立支援活動への協力

当期の取り組みとして、障がい者の自立支援活動への協力を始めました。「障がい者に月収10万円を」という目標を掲げる就労支援B型事務所のAlonAlon オーキッドガーデンさまを支援させていだたくことになりました。

贈答用胡蝶蘭の栽培などを展開している施設で、購入されたお花の代金は、こちらの施設で働く障がいを持った方々の所得となります。

アイビーシーは、この取り組みに賛同し、働く障がい者のQuality Of Lifeの向上と施設入居者の拡大のために今回出資を行いました。

ですので、我々の株主さまやお客さまには、AlonAlonさまのお花を毎回贈らせていただいています。今、会場にお越しいただいているみなさまも贈答品としてお花を購入する際は、ぜひAlonAlonさまの胡蝶蘭をご活用いただければと思います。

こちらで働いている障がい者の方々は、本当に生き生きと働いています。実際に私も伺い、いろいろなお話をしましたが、我々の想像以上に明るく元気に一生懸命働いている方の姿を見ると、本当に協力したいという気持ちになりました。ですので、ぜひともご支援いただければ幸いです。

IT障害ゼロを目指す新たな取り組み - AIを活用した故障個所推定 -

最後に、第22期の今後の展望をご説明したいと思います。現在、IT障害ゼロを目指す新たな取り組みとして、巷でいろいろなお話がある生成AIを活用して故障個所の推定ができるように、研究開発をしています。実際に、今はテクノロジーを磨いているところですが、IT障害をゼロにするということはけっこうハードルが高く、我々のミッションになっています。

障害は、本当に単純な問題からさまざまな事象が複雑に絡み合っているケースが非常に多いです。弊社は、このIT障害と21年間向き合ってきた会社になります。実際に、システムアンサーでサーバー、ネットワーク、マルチベンダーを可視化し、そのデータや性能情報を蓄積しているところが、我々の強みであり、ノウハウです。

さらに、AIやマシンラーニングを活用して、故障個所の推定を行う技術を研究開発しています。弊社は、お客さまの運用をまるごと引き受けます。実際に、SAMSというサービスがあり、このSAMSのお客さまを中心としたデータを蓄積しています。

今までは情報収集をし、ある程度何が残っているのかを徹底していました。しかし、最新のテクノロジーを駆使し、さらにその先の診断からルートをきちんと確認し、そこからすべてにクローズできるところまで、なにかこのAIやマシンラーニングを使ってできないかと考え、我々の技術陣は日々努力しています。

ですので、できるだけ早いうちに、テクノロジーとノウハウを使って、お客さまの障害を本当にゼロにできるような製品をリリースできればと考えており、我々のエンジニアや開発陣が努力しています。

人材育成

人材育成についてです。昨今は人手不足で、いろいろな広告やテレビCMを見ているとほとんどが人材関連の内容になっています。

今の我々の会社は、マルチベンダーを理解してネットワークやサーバーなど、いわゆるインターネットの裏側をすべて鳥瞰的に見た上で、そのデータを分析・解析しているメンバーが揃っています。

大手企業や外資系企業からの引き抜き等もかなりあり、非常に厳しい部分もある中で、教育予算や給与ベースも含め、外部人材育成に関わるところに、この数年間力を入れてきました。

そのため、離職率もだいぶ減ってきています。このようなところに予算をきっちり投資しながら、さまざまなマルチクラウド環境も含めて、さまざまなプロダクトに対する教育やスキルアップを図り、日々、人材育成に努めていきたいと思います。

通期連結予想

みなさまが一番興味のあるところだと思いますが、通期の連結予想に関してです。スライドに、先日上方修正した数字を記載しています。期初には、売上高が20億円、営業利益は2億2,000万円、経常利益は2億4,300万円と発表しました。

修正後の数字として、売上高は21億円、営業利益は3億6,000万円、経常利益は3億9,000万円、配当金は発表したとおりの8円となっています。増収増益、増配を目指しながら、日々取り組んでいます。

やはり「System Answer」という製品を中心に展開したこと、ワンストップで行われるようなSAMSを含めたサービスを提供したこと、インテグレーションしたこと、脆弱性診断を始め、そのようなセキュリティ対策も体制的にできるようになっていることが、修正の大きな要因になっています。

社員が根づき始め、かつそのような重要性が増えています。また、新型コロナウイルスも収束しつつあり、だいぶネットワークやセキュリティに強化できるような環境を整えやすくなりましたので、今回のような業績予想になったのではないかと考えています。

株主還元

株主還元に関してです。2022年9月期は創立20周年を記念して1株あたり4円、昨年は1株あたり6円、そして今回は中間と期末でそれぞれ1株あたり4円、年間8円の配当を予定しています。

徐々に増収増益増配を目指していける環境が整ってきましたので、がんばっていきたいと思います。私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。