24年10月期2Q マネジメントメッセージ
中山博登氏(以下、中山):株式会社アシロ代表取締役社長の中山です。本日もお忙しい中、合同IRセミナーにご参加、ご視聴いただき誠にありがとうございます。それでは、さっそくプレゼンを始めます。
マネジメントメッセージは、スライドに記載のとおりです。ただ、まずは3四半期連続で減損という結果になったことに対して、あらためてお詫びをさせてください。申し訳ありませんでした。
本日は、上期も含めて今四半期の決算発表、説明資料に補足して、「このようなことがありました」など、過去のことを掘り下げてご説明するというよりも、せっかくご視聴いただいているみなさまに「見てよかった」と思ってもらえるように、話せる範囲で戦略なども含めた将来のことを少しお話しできればと思っています。
中計達成に向けた売上進捗と今後の減損可能性
中山:近い将来のこととして、2つあります。
1つ目はスライド左側にもありますが、中計対比の売上進捗です。こちらは、2025年10月期中期経営計画の目標値である、売上高55億円、営業利益11億円を示したグラフになります。
スライドは売上高のみの記載になっていますが、進捗は非常に順調です。特に中期経営計画に関しては、予算を特段変更することなく、着実に進捗できています。
2つ目は、スライド右側にあるのれんの推移です。先ほどお詫びしたとおり、既存のリーガルメディアを中心としたのれん以外をすべて減損した結果、減損リスクがほぼなくなりました。
事業内容
中山:事業内容の変更点についてご説明します。スライドの表の左上にあるメディア事業に関して、今までは、リーガルメディアと派生メディアに切り分けて「リーガルメディア関連事業」としていました。しかしながら、本日の開示のとおり、次月以降はリーガルメディアの販売取引社数の開示を取りやめ、濃い青色で記載したメディア事業として統括していくことになりました。
その理由は、スライド右側の売上収益構成比からもご理解いただけるとおり、リーガルメディアが49パーセント、派生メディアが43パーセントとかなり肉薄しており、近いうちに派生メディアがリーガルメディアを超えていくのではないかと考えています。
したがって、全社におけるリーガルメディアの売上比率が徐々に小さくなる中で、月次でリーガルメディアのみの数字を開示すると、みなさまに無駄なご心配をおかけするのではないかと考えています。そのため、メディア全体として事業を統一し、開示していくことに決めました。
また、将来の戦略のお話にもつながってきますが、メディア事業を大きく1つにまとめたことにより、ここを統括する人間を1人配置する必要が出てきます。
これまでは、リーガルメディアと派生メディアのそれぞれに統括する人を配置していましたが、メディア事業の権限を1人の人間に集約させることによって、我々としては、より推進力を増していきたいと考えています。
先ほどもご説明しましたが、近い将来、リーガルメディアは派生メディアに抜かれる、要するに祖業である既存事業が新規事業に抜かれようとしています。
我々にとって最も重要なことは、このメディア事業を抜いていく事業を早急に作ることです。既に立ち上げたHR事業と保険事業がありますが、この2事業もしくは他事業にて、メディア事業を早急に抜いていく事業を作り上げる必要があると思っています。
私自身、新規事業に集中するためにメディア事業を統一したところもあるため、そこまで細かく見る必要はないと思っています。また、統一したことで管理しやすくなったため、我々の戦略上、今後の事業推進の仕方が大きく変わっていく点かと思います。
みなさまには、「リーガルメディアの開示がなくなったということは、今後は伸びなくなるのか」ではなく、「リーガルメディアを抜いていくビジネスがさらにできたから、比率は下がっていくのだ」「新しい事業が立ち上がる可能性があるのだ」と期待していただきたいと思います。
保険事業に関してはのれん全額を減損したわけですが、既存商品に広告予算をかけて追加販売していくことも、ほぼストップしていくという意思決定をしました。今後は、新規商品の開発に注力していきます。
この新規商品開発に関しては、私もかなり関与しています。みなさまにご期待いただける商品開発を目指し、来期以降に既存事業であるメディア事業を抜く事業を早期に作っていく準備をしっかり行っていきたいと思っています。
また、私としては5年や10年という年月をかけて抜いていく気はなく、かなり近い将来に抜いていきたいと思っています。そのような意味で、「リーガルメディアを抜く事業が作れた会社だから、このメディア事業を抜く事業も作れる会社である」と、ご期待いただきたいと思います。
以上が、我々の考え方の大枠です。本日は四半期として過去の内容を振り返ることが少ないため、質疑応答が少なければ、かなり早くにIRセミナーが終わってしまうのではないかという心配もしています。
質疑応答が来るかどうかは別として、私は何度も申し上げていますが、「Yahoo!掲示板」が大好きな人間です。
かなり拝見しているのですが、その中で「中期経営計画は大丈夫ですか?」という質問が見られます。先ほどのスライドにも記載のとおり、順調に進捗しているため、そこに関して特段の心配はないかと思っています。
また、さまざまな新規事業を作っていく中で、「Yahoo!掲示板」では「このような事業を行ったらどうでしょうか?」という書き込みも拝見し、「確かにそのような事業の考え方もあるな」と、かなり参考にしています。つまり、中山も「Yahoo!掲示板」を見ているということを念頭に置いていただき、どんどん書き込んでいただけると幸いです。
その中で、「アシロも弁護士事業と近い退職代行事業を行ったほうがよいのではないか」という書き込みをいただきました。実は、我々はすでに退職代行事業者への送客というものは行っています。
本業として取り入れない理由としては、退職代行事業は、我々が追うべきレベルのマーケットサイズではないと判断しているからです。
事業としては持っていませんが、ご指摘のとおり、実際の親和性やシナジーが高いため、ユーザーの送客をしています。実数を測ったことはありませんが、おそらく国内トップクラスで送客しているのではないかと思っています。
このように、みなさまにご指摘いただくような事業に関しては、もちろん検討もしていますし、今後の参考にもしています。したがって、いろいろと参考にさせていただくために書き込んでいただければと思っています。
将来のことに関してと、みなさまのご懸念等で私からお伝えしたいことは以上になります。ここからはプレゼン資料を見ながら、補足説明をしたほうが良い点についてご説明していきます。
ビジネスモデル
中山:ビジネスモデルはスライドのとおりです。
24年10月期 2Q(24年2月ー24年4月)決算サマリー
中山:決算サマリーについてもスライドに記載のとおりになりますが、従業員数に関して補足してご説明します。
従業員数は非常に順調に伸びており、中期経営計画の達成を十分狙っていけるだけの人員数やリソースが揃ってきていると感じています。
ここからさらに人員をどんどん増やしていくというよりは、新しく入ってきた人間一人ひとりの戦力化という部分に注力していきたいと考えています。
24年10月期 2Q累計(23年11月ー24年4月)事業別サマリー
中山:第2四半期の業績です。中でも、HR事業の赤字幅が一番大きくなっていますが、この部分は実は比較的順調に立ち上がっており、派遣事業も紹介事業もかなり良い傾向にあります。
確定的なことはお伝えできませんが、来期に関しては派遣事業への投資次第ではありますが、通期で黒字も狙っていけるぐらいのレベルに十分来ているという感触はあるため、HR事業にもご期待いただければと思います。
保険事業に関しては、第1四半期まで個人向けの保険の販売に注力していましたが、第2四半期では少し緩めており、その累計となっています。
下期は、新商品の開発にコストをかけて投資をしていくことになるかと思います。まだ具体的なことはお話しできませんが、構想段階では非常に良いものができるのではないかと私自身は確信しているため、こちらもご期待いただきたいと思います。
24年10月期 2Q累計 通期予算進捗
中山:スライドには減損を除く営業利益も記載しています。実際の営業利益の累計は赤字となっていますが、年度予算は変更していないため、通期にかけては予算どおりの着地にしていきたいと思っています。
売上収益(事業別 四半期推移)
中山:売上収益に関しては、先ほどお伝えした派生メディアが非常に好調なため、大幅に伸長しており、リーガルメディアにかなり肉薄しています。
リーガルメディアはストックビジネスであるため、伸び率が一定であることに対し、派生メディアはアフィリエイト、要するに成果報酬モデルで、伸び率は人に依存しないかたちになっています。その伸び率の部分で高い推移をしている関係で、かなり肉薄してきていることがご理解いただけると思います。
(参考)月次ストック収益(月次推移)
中山:月次ストック収益の推移は、スライドのとおりです。
営業利益(四半期推移)
中山:営業利益に関しても、スライドに記載のとおりです。来期にご期待いただけますと幸いです。
(参考)事業別営業利益(四半期推移)
中山:事業別営業利益です。派生メディアは、売上収益、営業利益ともに、前期と比べると別次元レベルでの著しい成長となってきています。
コスト構造(四半期推移)
中山:コスト構造に関しても、スライドのとおりです。3四半期連続で減損が出ていますが、来四半期以降は、先ほどお伝えしたとおり懸念がなくなりますので、ご安心いただければ幸いです。
(参考)広告費についてのご説明
中山:スライドには、広告費の内訳を記載しています。基本的には、収益を上げるためのユーザーの獲得にコストをかけています。
24年10月期 2Q事業ハイライト
中山:事業ハイライトは、スライドのとおりです。
主要KPI(掲載枠数/顧客数)
中山:主要顧客数も、スライドに記載のとおりです。
主要KPI(問合せ数/新規登録者数)
中山:派生メディアの問合せ数は大幅に増加しており、売上が伸びた理由にもなっています。HR事業の新規登録者数は、YoYでは増加していますが、QoQでは減少しています。
その理由としては、予算をばらまくというより、少しずつ質の部分に寄せて注力し、コストを抑えたかたちで黒字化できるように、より有効な登録者数のみを追ってきた結果、新規登録者数がQoQで若干減ったということになります。
したがって、質は上がってきていますので、安心していただきたいと思います。
収益モデル
中山:派生メディアの収益モデルです。
収益モデル
中山:HR事業の収益モデルです。
収益モデル
中山:保険事業の収益モデルです。
四半期決算(BS/CF)
中山:スライドに記載のとおり、B/Sでのれんが減少しています。
第2四半期についてお伝えすることはスライドに記載しているとおりであり、補足すべき大きな事項は多くないため、私からのプレゼンは以上となります。ありがとうございました。
質疑応答:サイバー・バズ社の取立遅延の影響について
荒井沙織氏(以下、荒井):「サイバー・バズ社にて『アフィリエイト広告の代理販売を行っていた取引先の売掛金に取立遅延が生じている』というニュースが流れましたが、アシロ社の決算に対して負の影響は生じていないでしょうか?」というご質問です。
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