2024年3月期 業績サマリー
河野映彦氏:アップガレージグループ代表取締役社長の河野です。2024年3月期の決算についてご説明します。
売上高は125億5,700万円で前期比10.6パーセント増、営業利益は9億6,400万円で前期比13.9パーセント増、当期純利益は6億3,900万円で前期比14.3パーセント増となりました。
繁忙期に全国的な暖冬の影響があったものの、リユース業態が非常に好調に推移し、前期比10.5パーセントの増収となりました。また、流通卸業態に関しても、新品のタイヤ卸が苦戦した時もありましたが、その後新規の取引先開拓などができたことにより前期比10.7パーセントの増収となりました。
特に流通卸の業態に関して、「ネクスリンク」という卸売サイトを経由した取扱高が非常に増えたことや、新規の取引先が増えたことにより、大幅な増収となりました。新品の卸が非常に増えたことにより、残念ながら営業利益に関しては計画を下回りましたが、それを補うようなかたちで、リユースである直営店の事業が伸びたことが合算され、当期純利益は計画比プラスで推移することができました。
また、直営店では4店舗、フランチャイズでは9店舗の新規出店ができています。期末配当に関しては、期初予想から2.5円増配の24円50銭に上方修正しました。
2024年3月期 重点施策 振り返り
続いて、2024年3月期の重点施策の振り返りを行います。出店計画に関しては、直営5店舗、FC10店舗、サイクルズ5店舗という計画を立てていましたが、直営は4店舗、FC店は9店舗と1店舗ずつ足りず、サイクルズは2店舗足りない3店舗の出店となりました。期初に描いていた計画に対しては、当社の期待値に見合う物件が出てこなかったことにより出店できなかったというかたちです。
しかし、直営店もフランチャイズ店も、さらに直営で行っている自転車業態のサイクルズに関しても出店意欲は強くありますので、今期にその分を出店できればと考えています。
既存店の活性化とEC事業の拡大においては、暖冬が昨年の夏頃から言われていたため、その準備を行っていました。特に中古のスタッドレスタイヤホイールセットをかなり積極的に購入し、その在庫を持ったことが販売へつながり、前年同期比117パーセントというかたちで売上が伸びたことが、我々の業績を支えました。
売上総利益率の向上というところでは、買取価格の見直しを行ったり、また100パーセント粗利となるため、取り付け工賃をいただけるようなメニューを拡充したりしました。スタッドレスタイヤも、本来であれば「販売」が売上利益に一番貢献するのですが、あえて「レンタル」でお貸しすることによって粗利率の向上を図った結果、前期比1.0パーセント増というかたちになりました。
次に、顧客層の拡大とリユース業態の新たな収益の柱の成長を目指すという点については、先ほどお伝えしたスタッドレスタイヤのレンタルや、タイヤを交換いただいた際に、外したタイヤのお預かりサービスを拡大したことにより、お客さま層の拡大もできています。
また、先月4月27日に、アメリカのロサンゼルスのガーデングローブにてアップガレージUSA1号店をオープンしました。これにより、海外での展開も非常に楽しみになっています。
また、前期特に売上の部分へ非常に貢献してくれた「ネクスリンク」の販売先の拡大、開拓を強めていますが、そちらも大変業績に貢献しています。
2025年3月期 重点施策
2025年3月期の重点施策です。出店計画に関しては、直営5店舗、FC10店舗、サイクルズ5店舗の出店を考えています。
また、リユースのカー用品、バイク用品のマーケットリーダーとして、特に買取・販売価格の適正化を追求していきたいと考えています。また、利益率をさらに向上できると思っていますので、取扱商品およびレンタル、付帯サービスを拡大することでお客さまに喜んでいただき、利益率の向上を図っていきたいと思っています。
サイクルズの自転車販売においては、女性ユーザーの方々および子ども用の自転車の販売・買取が非常に多いということがわかりましたので、中古のチャイルドシートやベビーカーも取り扱うことによって、お客さま層を拡大しながら、利益率の向上に寄与していければと考えています。
また、先月アメリカで店舗をオープンの際には、私も現地に入っていました。買い手ユーザーの方々が非常に多く、日本から在庫を送れば販売はできると仮説を立てていたのですが、思いのほか、なかなか日本でも買い取れないような、レアかつ非常に価値のある日本車のパーツの買取ができています。
現時点でオープンからまだ10日ほどですが、販売に関しては想定していた1ヶ月分の売上がすでに立っていますし、買取に関しては、この10日間で4ヶ月分の買取ができています。非常にチャンスが大きい、期待ができるお店だと思っていますので、しっかりと買取と販売の循環サイクルを作れるように、そして早期に収益化を図って多店舗展開ができるようにしていければと思っています。
さらに、卸売サイトである「ネクスリンク」の導入企業の拡大と利益率の改善を図っていきたいと考えています。導入企業は非常に増えてきていますが、それに伴い利益率が下がっては意味がないと思いますので、ご協力いただける企業を増やし、ボリュームディスカウントを利かせながら、しっかりと利益を向上できるようにしていきたいと思っています。
また、「ネクスリンク」を卸売のサイトとして進めていくだけではなく、システムの利用料をいただけるモデルとして今期中に確立させ、展開できればと考えています。
2025年3月期 業績予想
2025年3月期の業績予想に関してです。売上高は135億円、営業利益は11億円、当期純利益は7億1,100万円を目指して動いていきたいと思っています。
ROEに関しては16.7パーセント、ROICに関しては14.4パーセントを目標とし、継続的な売上・利益成長によって、資本コストを上回るROE、ROICを目指していきたいと考えています。
2025年3月期 配当予想
配当予想に関しては上場以来、増配を継続していますが、引き続き配当性向30パーセントを目安に株主還元を行っていきたいと考えており、今期としては27円を計画します。
株主優待制度の導入
創業25周年を迎えるにあたって、株主還元の1つとして株主優待制度を始めました。アップガレージの店舗で使えるアップガレージ商品券3,000円分をお送りします。また、自動車レースおよび我々がサポートしているBCリーグの観戦チケットを抽選でご提供します。1単元以上保有の方々へのご提供を継続できるようにしていければと考えています。
新企業理念
直近の取り組みとして、当社が創業25周年を迎えましたので企業理念を再構築しました。
我々はブランドスローガンの「Good Mobility, Happy Life」を、事業を通じて提供したいと思います。常に「Good Mobility」で、良い移動手段を提供します。それはカー用品、バイク用品、自転車を販売することも然り、それ以外にもお客さまの移動手段を快適に、そして楽しく安全にすることによって、お客さまにとっての幸せな生活を提供できるようにしていきます。
また、「Mobility」には機動性という意味がありますので、従業員同士が良いコミュニケーションをしっかり図ることによって、従業員の幸せな生活にも貢献していければという思いを持ち、ブランドスローガンである「Good Mobility, Happy Life」を実現していきたいと考えています。
直営店新規出店
出店については、今まではある程度の距離を保って店舗を展開していくことに取り組んできました。しかし、今回は相模原市内において、直営店舗をかなり近い距離に3店舗出店するという、我々としては初のドミナント出店の取り組みを行っています。
実際に、運用開始して2ヶ月から3ヶ月が経っており、販売は非常に好調で新規のお客さまが増えているという印象です。この1年でしっかりと確立させ、フランチャイズや直営店でもドミナント出店できるエリアに店舗を展開することによって、業績に貢献していければと考えています。
海外出店
海外の出店も買取が非常に好調です。カリフォルニア州にもまだまだ出店できますし、アメリカではテキサス州やアリゾナ州という日本車がたくさん走っているエリアもありますので、非常に楽しみです。
海外展開
越境ECに関してもアメリカが非常に好調です。それ以外の国については、カナダ、メキシコ、オーストラリアもかなり伸びています。米国以外の地域でもしっかりと販売していければと思っています。
公式アップガレージアプリ
公式アプリについてです。「アップガレージアプリ」はローンチ以降、会員数、インストール数が順調に伸びています。今後もこれらを伸ばしていきながら、来店促進と顧客満足度の向上を図っていければと考えています。
サスティナビリティ基本方針に基づく活動~ 企業の継続的な成長
IR活動にも力を入れています。個人投資家さま向けIR説明会や、機関投資家向けIR説明会も強化していきながら、アップガレージグループの認知を拡大し、成長していければと考えています。
サスティナビリティ基本方針に基づく活動~ つかう責任
先述のとおり、一昨年からスタッドレスレンタルというサービスを行っています。我々は中古のカー用品を扱っていますので、例えば「スキーに行きたい」「子どもの受験がある期間だけはどうしてもスタッドレスタイヤを履きたいが、それほど大きな費用は出したくない」「買い換えるほどではないが期間を限定して使いたい」という方々に対して、有用と考えて始めたサービスです。
こちらは大変好調に推移しています。昨年は暖冬の影響もあり、残念ながら利用者数は減ったのですが、新規のお客さまやダイナミック・プライシングの効果もあり、長期に我々をご利用いただけるお客さまが増えたのではないかと考えています。
サスティナビリティ基本方針に基づく活動~ 環境保全活動
サスティナビリティの取り組みです。我々が加盟している日本リユース業協会での取り組みや、今年1月1日に発生した令和6年能登半島地震の被災地におけるボランティア活動として、従業員のメンバーを派遣しています。
サスティナビリティ基本方針に基づく活動~ Social(従業員、社会とともに)
継続的な従業員満足度の充実を図るべく、Link and Motivation Groupのエンゲージメントサーベイを定期的に測ることによって、レーティングを従業員満足度の1つの判断指標として見ています。
サスティナビリティ基本方針に基づく活動~ Social(従業員、社会とともに)
有休取得率や育休取得率を指標として、目標を持って従業員満足度をしっかりと向上していければと考えています。以上でご説明を終了します。
前期は、非常に厳しいと言われる外部環境でしたが、しっかりとした準備と取り組みにより、業績としては良いかたちで終えることができました。今期に関してもしっかりと準備を行いながら、業績に貢献していければと考えていますので、よろしくお願いします。