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烏田克彦氏:若築建設株式会社代表取締役社長の烏田です。本日は大変お忙しい中、当社2024年3月期決算説明会に、会場、Webにてご参加いただき心より感謝申し上げます。さっそく決算説明に入ります。

スライドのとおり、大きく4つの項目についてご説明します。1つ目は当社グループの概要、2つ目は2024年3月期の決算概要、3つ目は、今年度に発表した2024年から2026年の中期経営計画の概要、最後に、2025年3月期の通期業績予想についてご説明します。

当社の概要

まず、当社グループの概要についてご説明します。当社は、本社を東京都目黒区に構えています。

売上高は連結が949億円、単体が921億円、社員数は連結が873名、単体が786名の会社です。連結子会社は、新総建設株式会社、大丸防音株式会社、株式会社都市空間の3社です。3社の売上合計は30億円弱で、当社の売上がほとんどを占めています。

10か年業績推移 連結

連結の10ヶ年業績推移についてご説明します。2021年3月期から、売上高は800億円台で推移しています。

利益については、2022年3月期以降、高収益を確保しています。詳細については後ほどご説明します。

事業領域

事業領域です。海上土木・陸上土木・建築など、総合建設業を国内外で展開しています。土木事業が約72パーセント、建築事業が約25パーセント、不動産事業等が約3パーセントで構成されています。

決算サマリー 損益等の状況 単体/連結

2024年3月期の決算の概要についてご説明します。まずは決算サマリーと損益等の状況です。連結について、売上高は949億1,700万円、営業利益は69億7,600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は50億9,200万円となりました。

単体についてはスライド下段に記載のとおりです。受注高は中期経営計画目標の1,000億円を達成しています。営業利益は、土木を中心とした高水準な工事採算性の結果、目標の50億円を大きく上回りました。

ROEは前年度を下回ったものの、目標の9パーセントを大きく上回ることができました。

セグメント別の状況 概要 単体

セグメント別の状況と概要です。単体についてご説明します。完成工事高は910億8,600万円、完成工事総利益は131億1,700万円、不動産事業等売上高は10億4,000万円、不動産事業等総利益は1億9,800万円、合計の売上高は921億2,600万円、売上総利益は133億1,600万円となりました。

セグメント別の状況 ①土木 単体

セグメント別の状況についてご説明します。まず土木事業です。売上高については、工事が順調に進捗し、前年比19.1パーセント増の680億2,500万円となりました。

売上総利益率は昨年度より若干減少したものの、完成工事高の増加により、前年比12.4パーセント増の123億8,500万円となりました。

セグメント別の状況 ②建築 単体

建築事業です。売上高については、工事進捗が順調に推移し、前年比0.8パーセント増の230億6,000万円となりました。売上総利益は、一部不採算工事の発生により利益率は3.2パーセント、売上総利益は7億3,200万円となりました。

セグメント別の状況 ③不動産事業等 単体

不動産事業等です。売上高は、前年比12.0パーセント減の10億4,000万円、売上総利益は前年比11.1パーセント減の1億9,800万円となりました。

受注高の推移(セグメント別・官民別)単体

単体の受注高の推移です。国内官庁建築は大型工事の受注により、前年比243.8パーセントの増となりました。

国内土木の民間においては、期ズレ等の影響により、前年比30.1パーセント減、海外受注は前年比86.5パーセント減、全体では前年比11.8パーセント増で、前中期経営計画目標の1,000億円を達成しています。

国内受注における官民比率は、およそ7対3の割合でした。

財政状態及びキャッシュフローの状況 連結

財務状態およびキャッシュフローの状況です。連結についてご説明します。連結の貸借対照表、キャッシュフローの状況はスライドのとおりです。

固定資産は、投資有価証券の増加により前年比36億円増、営業活動キャッシュフローは、売上債権の増加と仕入れ債務の減少により前年比39億円減となっています。

2024年3月期 主な受注工事

2024年3月期の主な受注工事です。この中より、主な大型工事をご紹介します。海上土木では、国土交通省関東地方整備局発注の「令和5年度 横浜港新本牧地区護岸(防波)他地盤改良工事」です。自社分で16億円の受注でした。

陸上土木では、防衛省九州防衛局発注の「春日(5)ユーティリティ整備土木工事」です。約28億円の受注でした。

2024年3月期 主な完成工事

2024年3月期の主な完成工事はスライドに記載のとおりです。次ページ以降で、詳しく抜粋してご説明します。

2024年3月期 主な完成工事

土木部門です。まず海上土木工事です。スライド左下の写真は「令和5年度 横浜港新本牧地区護岸(防波)他地盤改良工事」です。発注者は国土交通省関東地方整備局で、請負金額16億7,200万円、JV全体では23億8,900万円の工事でした。工期は2023年5月8日から2024年1月19日です。

こちらの工事は、横浜港の国際海上コンテナターミナル再編整備事業において、新しく埋め立てる新本牧埠頭地区の地盤改良工事でした。

続いて陸上土木です。スライド右下の写真は「令和元年度 富士海岸沼川新放水路建設工事」です。発注者は国土交通省中部地方整備局で、請負金額32億5,600万円、工期は2020年2月25日より2023年11月30日です。

こちらの工事は、静岡県沼津市の海岸部における沼川新放水路の放水路本体函渠工事でした。

2024年3月期 主な完成工事

建築工事です。スライド左下の写真は「福岡大学自修寮(仮称)新築工事」です。発注者は学校法人福岡大学で、請負金額は25億5,400万円、工期は2019年9月19日より2024年2月26日です。

こちらの工事は、既存の校舎解体工事一式と、RC6階建て、延べ床面積7,594平米の学生寮の新築工事でした。新型コロナウイルス感染症対策のため、工事期間中に1年間工事を中断し、その後再開して竣工に至りました。

経営目標・投資計画の進捗状況 単体/連結

経営目標・投資計画の進捗状況です。2023年度を最終年度とする中期経営計画の目標数値に対する結果として、営業利益、ROEは、目標を大きく上回る数字で着地しました。非財務情報であるKPIも、ほぼ順調に推移しています。

投資については、計画80億円に対して実施が約62億円でした。

長期ビジョン2030

5月14日に発表した中期経営計画の概要についてご説明します。「長期ビジョン2030」は、3年前に作成した長期ビジョンです。2030年に「すべてのステークホルダーの期待に応えられる企業」になるため、3つのサステナビリティを追求する方針としました。

今回発表した中期経営計画は、この長期ビジョンの中の「Phase2(2024-2026)」にあたる部分です。

中期経営計画〈2024-2026〉 基本方針

中期経営計画〈2024-2026〉の基本方針についてご説明します。メインスローガンとして、「ステークホルダーとの連携強化による持続可能性の追求」を掲げています。スライドには、3つの持続可能性を3本の柱として表現しています。

まずスライド中央の柱です。こちらは「市場での持続可能性」の向上を表しています。そのために取り組むべき項目を丸でプロットしています。まずは「事業戦略」、さらに「財務戦略」が重要と考え、大きな丸で表現しています。

スライド左側の柱は、「組織の持続可能性」の向上を表しています。「人的資本経営」を進め、社員がそのパフォーマンスを最大限発揮できる組織にしていきます。

スライド右側の柱は、「社会の持続可能性」の向上です。まずは本業である「安全かつ良質なインフラの提供」で、国土強靱化に貢献していきます。カーボンニュートラル等にも、引き続き注力していきます。

具体的な施策については、ピンク色の部分を抜粋してご説明します。

事業戦略 − 各部門の強みをいかした事業展開による案件の大規模化・高収益化

事業戦略です。各部門で強みを活かした事業展開により、取り組み案件の大規模化を図り、収益性を上げていきます。

いずれの部門でも、社会問題解決のため、建設事業に対する需要は高いと思っています。基本的には実施事業の延長となりますが、特に民間土木の中の「新エネルギー分野」は大きな可能性を秘めています。次ページで詳細をご説明します。

事業戦略 − 新エネルギー分野への事業展開

新エネルギー分野への事業展開です。各事業分野のうち、特に注力して伸ばしていきたいのが新エネルギー分野です。「新エネルギー部」を新設し、社内体制を強化しています。豊富な施工実績と新技術により、新展開を図っていきます。

特に洋上風力発電のキープレーヤーとして、水深80メートルにも対応できる自己昇降式作業台船(SEP船)を6社で共同保有しました。加えて、洋上風力施工を見据えた新造船も検討中です。施工のコスト低減等を含め、洋上風力発電の拡大に貢献していきたいと思っています。

その他の再生可能エネルギー事業です。まずは「ウインドブレイン工法」です。昨年の決算説明会でもお伝えした、ウインドブレイン工法の施工実機が完成しました。こちらは大型クレーンを使わない風車組立工法になります。

その他、海洋温度差発電、波力発電、潮力発電など、新しいクリーンエネルギー開発にも着手していきます。秋田県においては、小水力発電の事業者として参画を予定しています。

財務戦略/IR強化

財務戦略です。資本効率を重視し、安定的かつ積極的な株主還元と効果的な投資を実施していきます。配当性向を見直し、DOE3.6パーセントを下限とする配当性向を40パーセント以上としていきます。

積み上がった自己資本をもとに、3年で合計150億円の投資を計画しています。作業船等の施工設備、研究開発、DX、人材・ブランディングへの投資を予定しています。

人的資本経営

人的資本経営です。「働きがい、働きやすさの実現」に向け、引き続き健康経営を推進していきます。働きやすい環境を整えるとともに、従業員への株式インセンティブプランの導入により、働きがいのある職場を実現していきます。

「人材の確保」は最優先課題だと思っています。魅力ある人事制度の構築も含め、採用活動を強化していきます。

「人材の育成」については、採用した若手をいち早く戦力にするため、各種教育を充実させていきます。

安全かつ良質なインフラの提供/カーボンニュートラルに向けて

社会の持続可能性向上のため、安全かつ良質なインフラの提供に取り組んでいきます。国土強靱化、あるいは災害時の復旧支援など、社内リソースを活用して国民の生活を守ります。安全と品質を徹底的に追求し、安全安心なインフラを提供していきます。

カーボンニュートラルに向けては、施工におけるCO2排出量削減を当たり前のこととして取り組んでいきます。先日、当社はエコ・ファースト企業に認定されました。

数値目標

数値目標です。3年後の目標値(単体)についてご説明します。受注1,100億円以上、売上高1,100億円以上、営業利益65億円以上、純利益45億円以上、ROE9パーセント以上を目標としています。

非財務情報のKPIについては、スライド右側に記載しています。これらの数値目標をクリアしていくことが、課題解決につながると思っています。

2025年3月期 通期業績予想 単体/連結

2025年3月期の通期業績予想です。連結売上高988億円、連結営業利益61億円、営業利益率6.2パーセントを想定しています。親会社株主に帰属する当期純利益は41億円を想定しています。

単体については、スライド下段に記載のとおりです。

2025年3月期 通期セグメント別予想 単体

2025年3月期の通期セグメント別予想です。単体についてご説明します。完成工事売上高950億円に対し、売上総利益122億5,000万円、不動産事業等売上高15億円に対し、売上総利益3億円です。合計で売上高965億円、売上総利益125億5,000万円を予想しています。

資本効率性・株主還元について

最後に、株主還元です。2024年3月期の配当は、単体の配当性向30.8パーセントに当たる、1株当たり普通配当120円を予定しています。2025年3月期は、今回見直した配当方針に従い、126円を想定しています。

以上、2024年3月期の決算報告でした。ご清聴ありがとうございました。