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古川光瑛氏:サークレイス株式会社、上席執行役員CFOの古川光瑛です。2024年3月期通期決算についてご説明します。まずは、決算ハイライト・会社概要・事業概要です。
2024年3月期通期 連結決算ハイライト
2024年3月期通期連結決算の結果として、売上高は29億円、前年同期比で14.8パーセントの増収、営業利益はマイナス8,500万円、当期純利益はマイナス3,900万円となりました。社員数は前年同期比プラス35名の296名となっています。
2024年3月期第3四半期より連結決算に移行し、こちらの結果となっています。ベトナムの合弁会社Circlace HT社およびアオラナウ社が2024年3月期より連結子会社となっています。
売上高に関しては、2012年の設立以来、連続で増収を達成しています。コンサルティングサービスに事業転換を図っているため、特にコンサルティングサービスで増収、プラットフォームサービスでは減収となっています。
利益に関しては、Circlace HT社およびアオラナウ社の立ち上げに伴う販売管理費の増加、およびFTL社にかかる買収関連費用といった将来投資を主な理由として、減益となっています。
2024年2月13日に公表した2024年3月期の連結業績予想値に対しては、売上高、営業利益、当期純利益、すべてにおいて上回って着地しています。
会社概要
会社概要です。当社は2012年11月1日に設立され、代表取締役は佐藤スコットです。営業所は東京本社と福岡営業所の2拠点となっています。
事業内容はデジタルプラットフォーム事業となっており、大きくコンサルティングサービスとプラットフォームサービスの2つで構成されています。
Corporate Philosophy
企業理念についてご説明します。当社は、テクノロジーを正しく活用し、地球に優しい、人に優しい、誰もが幸福な世界の実現に貢献することを目的としています。「Create Happiness」を声明(STATEMENT)とし、これを実現するためのパーパスとコアバリューを携え、顧客と社員を成功に導くことを目標としています。
また、2030年を見据えてビジョン2030を掲げ、企業、個人、社会の発展を目指しています。
サークレイスグループ
サークレイスグループの構成についてご説明します。2024年3月をもって、FTL社を消滅会社とする吸収合併を実施し、クラウドサービスにおける高速・高品質なシステム開発を強みとする、システム開発事業の展開を新たな軸として追加しています。
加えて、2社の連結子会社をグループ内に保持しています。ベトナムの合弁会社Circlace HT社と「ServiceNow」プラットフォームを通してサービスを展開するアオラナウ社です。こちらの2社ついては、後ほどご説明します。
合弁会社Circlace HTについて
Circlace HT社についてご説明します。Circlace HT社は、当社と東証グロース上場企業であるハイブリッドテクノロジー社、グロースリンク社との3社の共同出資により設立しています。
お客さま向けの「Salesforce」プラットフォーム関連の開発に関するグローバル展開を行いながら、100名以上のIT人材を擁する体制構築を目的として設立しています。IT業界の大きな課題である人材の確保について、Circlace HT社を通して、潤沢かつ優秀なベトナムの人材リソースを活用しながら、課題解決に取り組んでいきます。
アオラナウ株式会社について
アオラナウ社についてご説明します。アオラナウ社は、当社とパソナグループが共同で設立した、「ServiceNow」を中核とするITサービスのプロバイダーとなっています。
2023年11月に、ServiceNow社とパートナー契約を締結し、ライセンスの再販、「ServiceNow」導入にかかる設計・開発、運用・保守、定着化支援までのサービスをワンストップで提供しています。
また、パソナグループとの協業により、IT人材の育成や派遣についても対応しています。
当社事業の全体像
当社事業の全体像についてご説明します。当社は、コンサルティングサービスおよびプラットフォームサービスの2つの事業を主軸としています。
コンサルティングサービスにおいては、連結子会社Circlace HT社およびアオラナウ社における事業を含む、デジタル技術を活用したビジネス設計、クラウドによるシステム開発を展開しています。
プラットフォームサービスにおいては、クラウドサービスのノーコード開発、運用・活用支援、人材内製化支援などのカスタマーサクセスを展開しています。加えて、マネージドサービスの「ConsulTech(コンサルテック)」というサービスを展開しています。マーケティングや業務支援をコンサルティングおよびBPOというモデルにより提供しています。
これら2つの主軸事業を通して、構想から要件定義、構築、保守・運用、定着化まで一気通貫したサービスを展開しています。
プラットフォームサービスの中では、「エデュケーション」と呼んでいる、ベンダー認定トレーニングおよび自社オリジナルトレーニングをお客さまに提供しています。またDXでは、自社SaaS製品の販売やお客さまのDXビジネス推進を実現するサービスを展開しています。
収益構成
収益構成についてご説明します。売上高29億円のうち66パーセントがコンサルティングサービスで、34パーセントがプラットフォームサービスにより構成されています。
Salesforceについて
主力の「Salesforce」関連事業についてご説明します。CRM(Customer Relationship Management)の領域で、「Salesforce」は「Microsoft」「Oracle」などの有名なグローバルIT企業を抑えて、世界No.1のシェアを獲得しているツールです。お客さま情報の一元管理、情報のリアルタイム共有、属人化からの脱却を実現するプラットフォームです。
ServiceNowについて
ServiceNow社についてご説明します。ServiceNow社では、組織や部門を横断したデジタルワークフローを構築することができるコアプラットフォーム「Now Platform」を提供しています。
大手企業を中心に事業展開してきましたが、アオラナウ社がServiceNow社のサービスを展開していくことにより、日本市場における中堅・成長企業に向けたビジネス体制の強化を本格化して前に進めていきます。スライド右下のグラフからもわかるとおり、グローバル市場において大きな規模を持ち、これからの成長が見込まれるサービスです。
AGAVE 導入企業数国内シェア、2年連続No.1獲得
当社独自のSaaSプロダクト「AGAVE」についてご説明します。「AGAVE」は、海外駐在員の労務管理に関する手続きを一元化して、海外人事におけるすべての課題が解決できるクラウドサービスです。2024年3月末現在で、380社以上、8,500人以上のユーザーにご利用いただいており、2022年に引き続き2023年も2年連続で第三者機関である東京商工リサーチ(TSR)社の調査において「導入企業数の国内シェアNo.1」という評価をいただいています。
損益計算書サマリー
2024年3月期通期決算概況・トピックについてご説明します。損益計算書サマリーです。
売上高はコンサルティングサービスで大きく増収、プラットフォームサービスでは減収となり、全体で前期比プラス14.8パーセントの増収となっています。2024年2月13日に公表した2024年3月期の連結業績予想値に対しては、売上高・営業利益・経常利益のすべてにおいて上回って着地しました。
コンサルティングサービスについては、新規の大型案件受注があったこと、およびアオラナウ社が連結対象となったことにより、売上高は前期比プラス25.5パーセントと大きく増収しています。
プラットフォームサービスについては、2024年3月期からの戦略的な組織変更により、カスタマーサクセス担当者内の高付加価値サービスを提供できる人材をコンサルティングサービスに異動させた結果、カスタマーサクセスの売上高は若干減収となりました。しかし、DX推進による生産性向上の結果、1人当たりの売上高は向上しています。
営業利益はマイナス着地となりました。将来を見据えた採用強化に伴う人件費や新たな顧客獲得のためのマーケティング活動費などによる広告宣伝費、Circlace HT社およびアオラナウ社の立ち上げに伴う販売管理費、FTL社にかかる買収関連費の増加により減益となりました。
第4四半期における売上高は、前年同期比プラス35.6パーセントとなり、大きく成長しています。
成長性
売上高に関する成長性についてご説明します。2024年3月期の売上高は前期比プラス14.8パーセントで、2024年2月13日に公表した修正後売上高予測値と比較すると101.8パーセントを達成しています。2021年3月期から2024年3月期までの年平均成長率(CAGR)は、プラス17.0パーセントとなっています。
売上高に関しては、2012年設立以来、連続で増収を継続しています。特に第4四半期に関しては、コンサルティングサービスにおいて新たな大型案件の受注があったこと、およびアオラナウ社が連結対象となったことにより、前年同期比プラス35.6パーセントと大きく増収となりました。
収益性
収益性についてご説明します。従来、KPIとして定めていた売上総利益率50パーセント以上という水準を、第4四半期において回復しています。
営業利益に関しては、コンサルティングサービスにおける新規大型案件の受注が牽引し、プラス着地となっています。一方で、プラットフォームサービスDX事業(自社SaaS製品販売)における営業利益は、継続したマーケティング活動に伴う広告宣伝費の増加により減益となりました。
コンサルティングサービス
サービス別の概況についてご説明します。コンサルティングサービスです。売上高は、前期比プラス25.5パーセントと大きな成長を遂げています。新規大型案件の受注およびアオラナウ社が連結対象となったことにより、増収となりました。
継続した採用活動に加え、戦略的な社内組織変更を実施したことにより、カスタマーサクセス担当者の一部をコンサルティングサービスに異動させ、増員対応しています。
プラットフォームサービス
プラットフォームサービスです。売上高は、前期比マイナス1.7パーセントの着地となりました。
カスタマーサクセス担当者数については、2024年3月期前から継続している戦略的な社内組織変更により、カスタマーサクセス担当者内で高付加価値サービスが提供できる人材を、コンサルティングサービスへ異動させています。それにより人員減となりましたが、DX推進による生産性向上の結果、1人当たりの売上高は向上しています。
エデュケーションにおいては、前期比で微減となっていますが、当社社内における教育を通して、資格取得者の増加に大きく貢献しています。また、新たに「MuleSoft Anypoint Platform」認定トレーニングコースを開設し、展開を進めています。
DX事業においては、2024年1月にSaaSプロダクト「AGAVE」においてリリースした新サービス「AGAVE海外給与計算」も踏まえ、売上高は前期比プラス40.4パーセントと好調に推移しています。
貸借対照表
貸借対照表についてご説明します。2024年3月期第3四半期より連結決算に移行しています。自己資本比率は50.9パーセントと高い水準を保っており、財務健全性に問題はないと考えています。
大きな増減としては、関係会社株式取得に伴うのれんの計上、FTL社買収に伴う長期前払費用により、固定資産が増加しています。また、アオラナウ社において社債を発行したことにより、負債の項目が大きく増加しています。
2024年3月期 IRニュースサマリー-第4四半期(2024年5月14日現在)
トピックについてご説明します。2024年3月期第1四半期から第3四半期までのIRニュースについては、すでに発表済みですので、今回は第4四半期のIRニュースについてご説明します。
新社長就任(2024/2/13リリース)
新社長就任についてです。2024年4月1日付で佐藤スコットが代表取締役会長兼社長に就任しました。佐藤スコットは、2012年にサークレイス(旧:パソナテキーラ)を設立した創業者です。力強いリーダーシップを持って、今後の成長を牽引していきます。
経済産業省が選定する「DX認定制度」の認定を更新(2024/3/7リリース)
経済産業省が選定する「DX認定制度」の更新についてご説明します。当社は、2022年3月に「DX認定制度」における認定事業者として認定を受けました。2024年3月1日にあらためて認定を受けて、更新を行っています。
今後もより一層、当社で定義した「DX推進プロジェクト」を加速させ、IT人材不足の解消、さらに真のカスタマーサクセスの実現に向け、社会に貢献していきます。
【お客様導入事例】Salesforceコンサルティング・開発・導入支援(2024/3/12リリース)
お客さま導入事例をご紹介します。
ヤマハ社において、SalesforceによるグローバルFAQシステムで「顧客ともっとつながる」ワンソースのコンテンツを開発・導入し、全世界17販社・12言語での展開に成功しました。
セールスフォース・ジャパン社「FY24 Instructor Award」で当社の講師2名が昨年に続き「Best Instructor賞」/「Trailblazer賞」を受賞!(2024/3/14リリース)
セールスフォース・ジャパン社「FY24 Instructor Award」で、当社講師の渡慶次、渡邊の2名が、昨年に続き「Best Instructor賞」および「Trailblazer賞」を受賞しました。
今後も、経験豊富な講師陣によるトレーニングの提供に加え、新たな教育サービスの立ち上げと実現に向け取り組んでいきます。
パソナグループ、ServiceNow、サークレイス、テキーラ、アオラナウが連携 日本国内企業のDX支援・DX人材育成を推進(2024/3/15リリース)
パソナグループ、ServiceNow社、サークレイス社、テキーラ社、アオラナウ社の5社における連携についてご説明します。
パソナグループと当社が共同で設立したアオラナウ社に対し、ServiceNow社のServiceNow Ecosystem Venturesとテキーラ社が参画し、デジタル人材のリスキリングを通してDX推進に貢献するための事業を開始しました。
5社の連携により、大手企業のみならず、今後成長が期待される中堅成長企業のDX推進貢献を目指していきます。
2025年3月期 業績予想
2025年3月期の業績見通しについてご説明します。売上高は36億5,000万円、前期比プラス25.8パーセントの成長を計画しています。サークレイスグループ内におけるSalesforce、ServiceNowというグローバルプラットフォーム双方の事業拡大およびシナジー創出を進めていきます。営業利益は1億8,200万円、売上高に対して5.0パーセントの営業利益率を計画しています。
中長期的な事業成長のための投資を継続していきながら、こちらの達成を目指していきます。
以上で、2024年3月期通期決算説明を終了します。ご清聴いただきありがとうございました。