当社のミッション

前田佳宏氏:リンカーズ株式会社、代表取締役社長の前田です。よろしくお願いします。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。今、数字面でご心配をおかけしていますが、今後の挽回に向け、現状と今後の戦略等も含めてご説明します。

まず、我々の会社のビジョンやこれまでの経緯をあらためてご説明します。私は「マッチングで世界を変える」というビジョンのもと、2011年9月に創業しました。

会社概要

前職は野村総研でコンサルとして6年半くらい務めており、その間に欧米と日本の、特に製造業をメインとした産業構造を比較する機会がありました。そこにはやはり大きな違いがあり、欧米は転職社会で、各産業のバリューチェーンを介して技術の情報が大きく流動し、それによってイノベーションが起きやすい産業構造になっていました。

一方で日本は、当時は今以上に終身雇用色が強く、各産業のバリューチェーンの中でそれぞれが転職せずに各会社にとどまっていました。そのような意味で、人に乗って技術情報が流動せず、結果的に技術のイノベーションが起きにくい業界構造でした。

その業界構造を、大きなプラットフォームを作って変えていこうと考えました。人が動かなくても技術情報が流動することで、より多くのイノベーションを生み出すプラットフォームを作りたいという思いで、前職をスピンアウトして会社を作ったのです。

当時、東北の大震災があり、まずは東北から復興したいと考えました。今はビジネスモデルとしてすでにピボットしているのですが、当時、「eEXPO(イーエキスポ)」というWeb展示会場に登録する東北の中小企業600社を回り、その技術や製品をWeb上に登録することからスタートしました。

ただし、Web展示会場であるため、シーズアウトになるとどうしてもマッチングがうまく進みにくくなります。そのため、2014年からマーケットインの発想に変え、大手メーカーを中心とする日系の製造業の技術的な発注ニーズを起点に中小企業を探すように方向転換しました。

そこから約10年が経ち、山あり谷ありを経て、ようやく当初私が想定していた、世の中を変えていくようなプラットフォームを作れるタイミングがきたかと思っています。

第2四半期決算サマリー(2023.08~2024.01)

第2四半期の決算サマリーです。上半期は数字的には非常に厳しい状況でしたが、背景は明確になっています。

リサーチサービスで、事業拡大を目的に、近い将来大きな体制シフトをする予定です。詳細はお伝えできないのですが、そのような背景で一時的に営業活動がうまくできなかったことがあり、こちらの売上、利益の低迷によって会社全体として非常に厳しい状況です。

ただし、今後の展開として、営業体制を近々再整備し、強固な営業体制を作っていくことになっています。それにより再度、売上、利益は拡大基調に戻る見通しです。

さらに、生成AI等を利用した新しいサービスの開発も水面下で行っており、来期に上市する予定です。そのようなプラス要因が非常に多くあるため、来期は再度、拡大基調に戻していけると考えています。

続いて、特に地域の金融機関向けに提供しているSaaS型マッチングシステムについてです。売上高は前年同期比18.2パーセントの成長で、月額ストックのみでは約37パーセントの成長となっています。

導入機関数は金融機関を中心に順調に増加しており、事業運営体制も非常に安定してきています。こちらも営業体制を一部シフトしたことにより、主に下半期に導入機関数が固まっています。

今後の展開として、今期は過去最高の導入機関数になる見通しです。来期につながるリードも増えており、当初拡大を見込んでいた広域連携の手数料収入も段階的に増えてきています。こちらも今後、増やしていきたい考えです。

また、今、生成AIを利用した仕組みを開発しています。こちらは、SaaS型マッチングシステムに登録されている銀行の職員がお客さまを訪問した際、そのお客さまの課題やニーズを引き出し、それらにフィットしたソリューションを提案しやすくなる仕組みです。

この仕組みにおいても、新たなストックビジネスのサービスとして、既存のストックビジネスに対しアップセルを行う予定です。このような新しいサービスも含め、来期以降の売上拡大要因は準備できています。

KPI推移(SaaS型マッチングシステム)

SaaS型マッチングシステムの導入機関数は右肩上がりに推移しており、下半期に導入を控えた金融機関が多数あります。今、個別にきちんとサポートし、しっかりと導入をスタートできるようにメンバー一丸となっています。

この事業は2019年くらいに本格的に開始しました。スライド右側の新規導入機関数は、8機関、5機関、そしてこの2年間はそれぞれ10機関で進んでおり、今期はさらに拡大する見込みです。

売上高推移(SaaS型マッチングシステム)

売上高については、特にストック収益が拡大しており、今期、来期も右肩上がりに拡大していく想定です。

SaaS型マッチングシステム導入機関の実績動向

商談件数です。平均成約件数は右肩上がりに拡大しています。

我々は銀行のシステムに対する使い勝手や、銀行の満足度だけを見ているわけではありません。銀行を中心とした地元の中小企業の事業を拡大するビジネスマッチングにおいては、「三方良し」というマインドが非常に重要です。

我々と銀行、それ以外の電力会社やこのシステムを導入する機関に加え、このシステムを利用し販路開拓によって売上を上げていく銀行あるいは電力会社のお客さまといった「三方」が潤うことにより、ようやくこのビジネスマッチングのシステムがエコシステムに変わっていきます。それにより、中長期的に拡大を維持できると考えています。

したがって、銀行、あるいは電力会社や導入機関だけを見てサービスを作り込んでいては長続きしません。我々はあくまでもその先にいる中小・中堅企業の事業発展を第一に考え、それを実現するために、金融機関や電力会社としてどのようなオペレーション体制を作るのがいいかを常にウォッチしています。

そのような意味で、商談件数のみならず、いかに商談が成約に結び付いたかをKPIとしています。このように、システムを金融機関や電力会社に導入するにとどまらないところが、我々の注目すべき特徴の1つであり、大きな差別化ポイントかと思っています。

我々は2014年にものづくりのマッチングサービスをスタートし、すでに10年が経っています。このサービスでは、大手メーカーから非常に難しいお題をいただき、それに対して中小企業、あるいは大学のような研究機関を探します。非常に難しい案件運用を強いられているのです。

このものづくりのマッチングにおいて、40パーセントや50パーセントという非常に高い成約率を実現できています。そのような難しい案件運用において鍛えられ、カスタマーサクセス体制、カスタマーサポート体制ができあがっています。

そのような運用体制をベースに、金融機関・電力会社向けのビジネスマッチングシステムを開発し、さらには銀行向け、そしてその先の中小・中堅企業向けのサポート体制、カスタマーサクセス体制を築いています。

つまり、システムだけがあっても、右肩上がりの商談件数、成約件数は実現できません。UI/UXを軸にした優れたマッチングのシステムと、カスタマーサポート体制、カスタマーサクセス体制、さらには銀行の保有している幅広い企業ネットワークが揃って初めて、プラットフォームとして大きなアウトプットを創出できるのです。

そのような意味で、このものづくりのマッチングサービスは、常に数年先を見て運用、開発しています。そこで培ったノウハウを金融機関・電力会社向けのビジネスマッチングシステムにも導入し、先進的なサービスを提供できることが、我々の大きな強みです。

今期は過去最高の導入機関数になる中で、既存のマッチングシステムの置き換えも複数あります。そのような意味で、我々は今、この業界において最先端を走っていると思っています。

今後は金融機関、電力会社の先にいる中小・中堅企業により多くのマッチングを提供することにより、彼らの売上、利益を上げ、結果的に日本のGDPを拡大していくことを考えています。そして、我々のビジネスも拡大していきます。そのような動きに対してドライブが大きくかかり始めたのは、まさにこの1年かと考えています。

自社運営マッチングサービスは、ものづくりの製造業向けの技術マッチングサービスです。こちらは過去5年間、売上拡大よりも、将来を見越したデータベースの蓄積と大手企業と中小企業の企業ネットワークの拡大を主目的に活動してきました。

そのため売上は横ばいですが、この5年間で培った膨大なマッチングのデータベースと、広大な企業のネットワーク、そして非常に緻密な運用ノウハウがあります。これらはなかなか真似できない、ブラックボックス化されたものです。

この3つを使い、一昨年リリースされた生成AIをうまく利用することにより、著しい拡大を期待できるようなタイミングに入ってきました。それらを融合した新しいシステムを水面下で開発しています。こちらを来期、再来期にかけて上市し、より大きな市場を狙っていこうと考えています。

自社運営マッチングサービスモデル(Linkers Sourcing/Marketing)

自社運営のマッチングサービスについて簡単にご説明します。1つ目の「Linkers Sourcing」は、大手企業の発注ニーズや技術的なニーズを起点に、中小企業や大学を探すものです。こちらは、国内のみならず全世界の中小・中堅企業や大学を探すサービスになっています。

2つ目の「Linkers Marketing」は、特に大手企業の技術シーズを、他の大手企業に用途開拓して売り込んでいくというサービスです。

本日は「Linkers Sourcing」について詳しくご説明します。こちらのステップとしては、まず、当社の営業担当者がネットワークのある約400社の大手企業に対し、技術探索をしたい案件がないか営業に回ります。

内容としては、例えば「LEDランプを製造委託できる中小・中堅企業を探してほしい」「非常に難しい条件のもとに、鉄とセラミックスの接合技術を開発できる中小企業、あるいは大学を探してほしい」といったマニアックな案件です。そのような案件について募集要項を記載いただき、それをベースに運用メンバーがうまくチューニングしていきます。

次のステップとして、我々が独自開発したAIによって、20万社程度の国内あるいは海外企業のデータベースから、最適な企業を数百社ピックアップします。さらに、我々のメンバーがある条件のもとに目利きを行い、40社から50社に絞り込んでいきます。

それと同時に、我々が1,000名以上ネットワークしている自治体の外郭団体や金融機関などの産業コーディネーターが募集要項を見て、それを実現できるような地元の中小企業や大学を推薦します。

さらに並行して、数万社以上の登録企業が募集要項を見て、自主エントリーを行います。

この3つの手段によって、40社から50社、多い時であれば100社程度のロングリストが集まります。ロングリストが集まった後、例えばその100社の、募集要項の質問に対する回答を入力する作業に入っていきます。これは中小企業や大学の担当者が質問を見て回答を入力しないといけないため、自動化が難しいです。

今、その前の段階までについて、過去の膨大なデータベースとネットワーク、運用ノウハウ、そして生成AIをうまく使いながら自動化することを進めています。モックアップはほぼ出来上がっており、募集要項を記載してからロングリストが出来上がるまで、従来では1ヶ月かかるところが、今は最短5分程度でできる状態です。

この新しい仕組みは、誰でも簡単にできるものではありません。私は今、リソースの9割をこの開発に注いでいるものの、過去に大手企業の案件に対してどのような中小企業や大学が選定され、どのような企業がどのような回答を入力し、面談に進んで成約したかといった細かいデータを使わないとなかなか難しいです。

先ほどの金融機関向けのSaaS型マッチングシステムも同じで、普段から自社でマッチング運用を行っていないと、システムだけを開発してもなかなかうまくいきません。「Linkers Sourcing」についても、今、過去のデータベースとマッチングノウハウをうまく使いながら作り込んでいるところです。

SaaS市場の拡大

その新しい仕組みによって、今後狙える市場が大きく拡大していきます。スライドの図は、横軸が大手企業が探索したい技術や製品の要件、いわゆる募集要項の明確度です。縦軸はその探索にかけられる時間やコストです。

「Linkers Sourcing」は現在、図の左下のセグメントになると思っています。つまり今、探索対象物が非常に明確でたくさんの情報を入力でき、マッチングするまで数ヶ月から半年ぐらい待てることに加え、1つの案件について100万円から300万円程度まで投資できるセグメントを対象としています。実際の対象市場は、スライドにブルーで示した枠よりももう少し小さいです。

今モックアップができている仕組みを、今後、アルファ版、ベータ版としてうまくストック化していきます。そして1年後以降に正式に上市できた後は、図の右側あるいは上側などの広大な市場に入り込んでいくことが可能になります。

研究開発段階の前工程や、その前の開発テーマを企画する段階では、大手メーカーにそれほど多くの情報はありません。まずは、本当に少ない情報で、めぼしい技術や企業が存在するかどうかを見ていきます。すなわち、少ない情報で短期間に大手企業にアイデアを提供できるサービスになるため、広い市場にどんどん入り込んでいけると思っています。

バックオフィス系のいろいろなサービスがある中で、ものづくりサービスの大きな特徴はサプライチェーンが国内で閉じていないことです。自動車や電気、機械なども、サプライチェーンは全世界でつながっています。そのため、いったん我々のこの仕組みがプラットフォームとして出来上がってしまえば、英語に変えることで全世界に展開できるのです。

市場規模としては、国内だけでも数十倍、あるいはそれ以上あると思っており、いずれは海外も含めた大きな市場にアプローチできると考えています。

Tradingについては、サービスとしての利益率が低いため、戦略的には当期以降、シュリンクさせる方向です。

自社運営マッチングサービスモデル(Linkers Trading)

こちらはもともと、自社運営マッチングサービスでマッチングをした後に、我々が大手企業と中小企業の間に入り込んで商流仲介を行う、あるいはコミッションをもらいながらサポートしていくことを想定して始まったサービスです。

しかし、コロナ禍も含めてさまざまな背景があり、このスキームがうまく進みませんでした。この数年間、再生アルミという非鉄の分野で進めてきたものの、やはり、より自社運営マッチングサービスにリンクしたTradingを強化していく必要があると感じました。

それが大手企業に対する付加価値にもなります。マッチングだけで終わらずに、その後も我々がサポートできるのです。特にクロスボーダーのマッチングにおいては、間に入ってほしいというニーズが大きいため、ワンストップで最初の要件定義からマッチングし、中小との間に入って商流をサポートしていきます。

そうすることによって、自社運営マッチングサービスがAI活用を中心にストック化した後、拡大にドライブをかけられると思っています。一時的にはこれをサスペンドすることになるものの、いずれは自社運営マッチングサービスの拡大とともに、再度、商流仲介という位置付けで事業を再開することになると思っています。

質疑応答:新サービスリリース後の伸び率について

「今期はまったく売上が伸びていませんが、新しいサービスがリリースできると、どのぐらいの伸び率を達成できる見込みですか?」というご質問です。

これはサービスごとにお伝えする必要があり、また、時間軸も重要です。

まず、SaaS型マッチングシステムに関しては、導入の期間が下半期に固まっているところもあり、今は明確にお答えできないものの、今期も前期比で大きな伸びを予定しています。来期も同等以上の伸びを期待できる見込みです。

そこには3つの理由があります。1つ目は、従来どおり導入機関数を増やしていける見込みであることです。

2つ目は、現在AIを使った新しい仕組みを開発しており、そちらをストックビジネスとしてアップセルしていく予定であることです。上市できる明確なスケジュールは決まっていないものの、基本的には来期中を予定しています。

3つ目は、広域連携の手数料収入がある点です。近々プレスリリースも出す予定ですが、複数の機関で試験的に広域連携のテストを始めています。具体的には、東海地域のある信用金庫のお客さまが保有する商材を、我々のシステム導入機関につなぎ、そちらが東北地域で商材を売り込んでいくことを行っています。こちらは非常にうまく進捗しており、他にも並行して進めている事例があります。

次に、自社運営マッチングサービスについてです。こちらは今、自動化の仕組みのモックアップが出来上がったという状況です。最終的なプロダクトを上市するにはもう少し時間がかかりますが、アルファ版やベータ版も含めてうまく使いながら、ストック化できないかを模索しています。

こちらでは今まで、市場調査をし、お客さまの潜在ニーズと顕在ニーズを獲得して、事業企画をして開発して売り込んでいくというサイクルがうまく回っていなかったのです。そこで、組織体制を強化し、既存の数百社のお客さまのニーズをより仕入れて、既存サービスの周辺サービスとなるような派生サービスも含めて開発していける体制に変えていっています。

業績は過去5年間横ばいでしたが、そこがうまく寄与すれば、来期以降は右肩上がりに拡大できると考えています。伸び率に関しては、10パーセントから20パーセントの間で伸ばしていきたいと思っています。

リサーチサービスの数字については明言できないのですが、今、営業体制を大きく変えようとしています。半年以内に整備できると考えており、それにより再度、拡大基調に戻る見通しです。

Tradingについては、今期は前期以上の売上になっていますが、利益に寄与していないため来期以降はシュリンクの方向です。

自社運営マッチングサービス、リサーチサービス、SaaS型マッチングシステムの3つの状況を考えると、来期以降は拡大基調に戻れると思っています。

質疑応答:今後のIR活動の取り組みについて

「ホームページを含めて、IR活動がうまくいっていないために株価が停滞しているように感じます。今後の取り組みについて教えてください」というご質問です。

こちらはまさに課題として認識しています。我々が目指している世界観や市場の大きさ、また、バリュープロポジションという誰もできないような領域で付加価値を出していることも含めて、当社は非常にポテンシャルが大きいと全社員が考えています。本来ならもう少し、我々の取り組んでいる価値相当の株価がついてもいいはずだと思っています。

今後の取り組みとしては、1つ目に、このような機会も含めて投資家のみなさまにご説明する頻度を増やしたいと考えています。

2つ目は、プレスリリースの回数です。例えば、SaaS型マッチングシステムは「ニッキン」という業界紙に高い頻度で掲載されています。そこでけっこう話題になり、導入が増えているという事実もあります。そのような意味で、ある程度注目すべきトピックがあれば、より頻度高くプレスリリースを打っていこうと思っています。

3つ目に、コーポレートサイトの内容が実際に我々が行っている内容をキャッチアップできていないところがあるため、来期の後半以降に大きく投資し、変えていきたいと思っています。それにより、投資家のみなさまに我々の事業のポテンシャルをさらにご理解いただきたいです。

質疑応答:決算の要因と補助金について

「決算が非常に悪いと思いますが、要因は何でしょうか? 補助金を受けているようですが、その点についても教えてください」というご質問です。

こちらはご説明したように、リサーチサービスが一番大きな要因です。この半年間、前期同様にほとんど営業活動ができていない状況で、大きく沈んでいます。

自社運営マッチングサービスについても5年間停滞しており、まだ大きく転換できていません。ただし、水面下で新しいサービスの準備を着々と進めており、来期以降は事業は拡大基調になっていくと思っています。

SaaS型マッチングシステムについては、上半期は前年同期比で売上が拡大しています。ただし、導入が下半期に集中することもあり、通期では過去最高の導入機関数になる見込みであるものの、上半期は決算が悪い状況になってしまったと思っています。

補助金に関しては、今期のみならず、毎年のように応募して実現しているという状況です。来期以降も継続的に補助金を受けていきたいと考えています。

質疑応答:リサーチサービスの売上減少の要因について

「リサーチサービスの売上減少の要因は何でしょうか?」というご質問です。

前期までは、自社運営マッチングサービスの営業担当者10名が、クロスセルでリサーチサービスの売り込みをしていました。近々、リサーチサービスの事業拡大を目的として、体制シフトを行います。それに伴って、自社運営マッチングサービスの営業部隊からリサーチサービスを切り離しました。つまり、上半期は一時的に営業活動をほぼ行っていなかったのです。

これは予定外の動きですが、確実に将来の事業拡大に寄与すると見極めて、一時的に売上が下がることを覚悟して決断しました。したがって、来期以降はまた復活すると思っています。

質疑応答:電力会社におけるニーズについて

「電力会社におけるニーズがいまいちわかりません」というご質問です。

電力会社やガス会社など領域を問わず、自由化によって民間色が強いベンチャーなども競合になっています。さらに、電力には特徴がなく、省エネサービスもオーソドックスなサービスが多いため、他社と差別化しにくいのです。

したがって、これまで長期間にわたって電力を購入いただいているローカルのお客さまへの価値を上げていかなければいけません。電力を売る以外に、「人材採用ができない」「バックオフィスをDX化したい」など、現地の中小・中堅企業が抱えているあらゆるニーズに対してソリューションをマッチングできるかどうかによって、電力会社の中長期的な事業拡大が左右されます。銀行と同様に、電力会社もマッチングで結果を出し始めている状況です。

そのような中で、我々はマッチングプレイヤーとしてマッチングのノウハウを持っており、それを東北電力にインストールしています。現場の営業担当者の満足度は非常に高く、「導入して良かった」「お客さまのためになっている」という声をいただいています。

質疑応答:地域金融機関のパイプラインについて

「地域金融機関のパイプラインはどうでしょうか?」というご質問です。

営業体制を変えたこともあり、今が一番パイプラインが蓄積していると思っています。近々、関東周辺の優良行も導入する予定で、今後も拡大していきます。

この理由の最たるものは、我々がお客さまの課題に対して真摯に向き合っていることで、まさに「三方良し」だと思っています。我々にとって商談が重要なKPIではなく、地域金融機関や電力会社の先にいる中小・中堅企業の販路を開拓し、そこからマッチングしていかに中小企業のものが売れていくかを重視しています。

我々はノウハウを使いながら、真摯にお客さまの付加価値拡大に向き合っているため、我々のサービスが業界の中で注目を浴びてきています。その結果、お客さまのパイプラインが積み上がっているのだと思います。

質疑応答:他社からの切り替えについて

「他社からの切り替えは進んでいますか?」というご質問です。

こちらは明言できないのですが、我々のサービスが今、非常に注目されている状況です。

質疑応答:M&Aサービスについて

「M&Aサービスについてはどうなりましたか?」というご質問です。

今、M&Aサービスも進めています。半年間、試験的に取り組んでいたのですが、現在、大手企業にアプローチして、そのニーズを中心に本格的に取り組み始めているところです。

あるM&Aの仲介会社がSaaS型マッチングシステム「Linkers for BANK」の導入をほぼ決めました。こちらについても、SaaS型マッチングシステムを使いながらうまくM&Aをサポートしていきます。今期の第1四半期頃から本格的に始めてまだ半年程度のため、今後さらに時間をかけていきたい考えです。

前田氏からのご挨拶

我々が目指している壮大なビジョンは、全世界にイノベーションを起こしていくことです。それを実現するために足元で大きなマッチングのプラットフォーム開発に取り組んでいます。

その開発の視点で、今後、我々が提供しうる価値に今の株価は見合っていないと思います。こちらについては数字で示していき、何としても世の中を変えて、結果的に我々の売上、利益も拡大していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。