2023年9月期決算説明
橋本光伸氏(以下、橋本):本日は株式会社ネオマーケティング決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役の橋本です。よろしくお願いします。
今回は、最初に2023年9月期通期の決算概要についてご報告し、後半で3ヶ年の中期経営計画についてもご説明します。
会社概要
当社をまだご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に会社概要をご説明します。当社は2000年に設立され、今期が25期目です。創業以来、私が代表を務めており、東証スタンダード市場に上場しています。前期末時点で158名体制で業務を行っています。
沿革
沿革です。スライド左側から拠点、業務領域、売上高、トピックスの変遷を整理しています。マーケティングリサーチを起点とし、マーケティングの施策・実行に関するサービスを強化しながら売上高を伸ばしてきました。
事業コンセプト
当社は「生活者起点のマーケティング支援会社」という事業コンセプトを掲げています。2,450万人を越える生活者の情報をもとに、クライアント企業に対してマーケティングの支援を行っています。
生活者から得られたデータを活用し、「具体的にどのようなマーケティング施策を実行すれば成功するのか」といったノウハウを持っています。
トップメッセージ
当社は「Make everyone Wonderful」というビジョンを掲げており、「人の心を満たす商品・サービスがあふれる社会を目指していく」という心意気で日々の業務に励んでいます。単にヒット商品を作るにとどまらず、老若男女のあらゆる方にとって必要な商品・サービスがある社会を目指していくことを全社で共有して進めています。
連結損益計算書 サマリー
2023年9月期通期の決算概要についてご説明します。まず、連結のPLです。当期の売上高は前期比で微増となり、計画比に関しては下回る結果となりました。営業利益に関しては、過去最高益を計上しています。
売上高については、特に製造業のお客さまで円安や原材料高により業績への影響が多少あったことが、予算の引き締めや案件単価の小型化というかたちで表れました。また、当初予定していた営業人員の拡充が計画を下回ったことも影響しています。
サービス別 売上高・KPI
サービス別の売上高と主要KPIです。デジタルマーケティング・PRのサービスによる売上高は好調に推移しました。一方で、カスタマードリブンの売上高が前期を下回り、その他に含まれる子会社Zeroによる売上高も減少しています。
KPIに掲げているマーケティングコンサルタントの人数も、当初の計画を下回って推移しました。今期以降の事業拡大で組織体制作りに取り組んでおり、部署異動などを進めたことも影響しています。組織構築に関しては順調に進んでおり、人事部門の拡充もできつつありますので、今期以降はあらためて採用に注力していきます。
取引社数に関しては、既存顧客とのリレーションが順調です。しかし、新規顧客の獲得が計画を下回ったことが影響し、若干減少しています。今期以降は新規顧客の獲得に再度注力していく予定で、顧客単価は増加しています。
貸借対照表サマリー
BSのサマリーは、スライドに記載のとおりです。
トピックス一覧
2023年9月期のトピックスです。直近の第4四半期のトピックスに関して、次のスライドから簡単にご紹介します。
第4四半期トピックス
生成AIの活用状況に関してです。例えば、アンケート回答の自由記述を分類し、類型化する作業において、効率化に非常に寄与しています。今後の展望として、業務の効率化・高速化という観点だけでも、十分に粗利益や営業利益にインパクトを与えられるような活動として進められると考えています。
第4四半期トピックス
「SNSダイレクトマーケティングサービス」についてです。当社のSNSの公式アカウントから、インフルエンサーや有識者の方に直接アプローチし、各種マーケティング施策に一緒に取り組んでいくというサービスを行っています。協力率も含めて、有効な施策を実行できるようなサービスになっていると考えています。
通期業績予想
今期の業績予想です。売上高は、主力のリサーチサービスとPR・デジタルマーケティングの成長を見込んでいます。KPIに設定しているとおり、当社の売上高はマーケティングのコンサルタントを含めた人材の獲得と育成が大きなポイントになっています。
コンサルタント部門以外のデジタルマーケティングやPR部署の採用も順調に拡大しており、顧客単価を増大させるクロスセルを進めています。
前期は人事部署の拡大も同時に行い、今期以降で人材獲得と育成に注力できる体制を構築しました。今期は人材獲得のための費用計上が先行し、利益は一時的に減少しますが、来期以降のさらなる売上拡大を見据えて投資を進めていきます。
2026年9月期 目標値
ここからは、3ヶ年の中期経営計画についてご説明します。まず、計画値についてです。2026年9月期は、売上高40億円、営業利益5億円を計画しています。最大のポイントは売上高の増加です。足元の売上高は22億円強ですが、約2倍近くグロースする計画を立てて進めています。
中計策定の背景と目的
中期経営計画の策定の背景と目的についてご説明します。当社はビジネスモデル上、マーケティングコンサルタントの人数と品質が売上高に直結します。
コンサルタントの採用について、今期からは今までとは違うレベルで強化していきます。戦力化までの一定の期間を考慮し、営業利益率に関しては一時的に低下しますが、今期は特に明確に先行投資期間と位置づけて進めていきます。
ポイントは、今回の3ヶ年計画のその先にあたる2027年9月期以降も、成長速度を落とさないための投資計画となっている点です。
中計目標値 PLハイライト
計画値のPLハイライトです。先ほどお伝えしたとおり、中長期的に事業規模を拡大させるための計画になっています。売上高の絶対額を増大させながら、増員による人件費も含めた販売管理費を適切にコントロールすることで、利益の絶対額を増大させていきます。
中計の2年目となる2025年度9月期は、売上高31億円、営業利益3億5,000万円を計画しています。2026年度9月期は営業利益5億円を計画しています。
中計目標値 サービス別・ KPI
サービス別売上高とKPIの3ヶ年計画です。マーケティングのリサーチ関連は、順調な推移を見込んでいます。デジタルマーケティング・PRは、人員と体制の構築を継続して進めており、2026年9月期には約10億円規模のビジネスを計画しています。その他の中には、後ほどご説明する新規サービスも計画値に含まれています。
主要KPIについては、コンサルタントを含めた人材採用と早期の戦力化に注力し、組織拡大や取引社数の増大を図っていきます。同時に、クロスセルを推進して、顧客単価を上げていく戦略を進めていきます。
利益分配方針
利益分配方針です。足元では事業成長を行うことで企業価値を高めて、株主のみなさまに報いていきたいと考えています。財務基盤の強化の進捗を確認しながら、配当の実施についても検討していきます。
成長戦略ハイライト
中期経営計画の計画値を達成するための戦略についてご説明します。成長戦略は、マーケティングコンサルタントの増員、顧客数の拡大、顧客単価の増大の3つです。
売上に直結する役割を担う「コンサルタント数」と「顧客数×顧客単価」という、非常にシンプルな基本戦略となっています。
成長戦略1コンサルタントの採用と戦力化(マーケティングコンサルタント増員)
1つ目の成長戦略は、コンサルタントの採用と戦力化です。今期は14名採用し、51名体制を予定しています。来期も採用を進め、70名体制を作っていきます。
増員によってコンサルタント1人当たり売上高は一時的には低下しますが、採用と並行して育成プログラムも準備しています。3ヶ年計画の後半には、1人当たり売上高も増加に転じる見込みです。
成長戦略2対応エリアの拡大(顧客数拡大)
2つ目の成長戦略は、顧客数の拡大です。地方の有力企業の引き合いを促進するために、拠点での活動を強化していきます。現状は、関東を拠点とするクライアントが多いのですが、今後は全国エリアでの顧客増加を目指しています。
また、インバウンドの問い合わせを増加させるために、自社のマーケティング部署も拡大中です。今後も投資して強化していきます。
成長戦略3サービスメニューの強化・拡充(顧客単価増大)
3つ目の成長戦略は、顧客単価の増大です。伴走型サービスの提供プロセスで生まれてくるクロスセルを強化していきます。また、サービスごとの人員もサービス自体も強化していきます。
新規サービスとして、当社自身が実行して成果をあげることができた自社マーケティングのノウハウを、BtoB企業向けにコンサルティングメニューとして提供します。例えば、オウンドメディアを活用してリードや問い合わせを獲得する方法や、CRMツール「HubSpot」を活用して顧客管理する方法などです。
収益構成
サービス概要です。当社は4つのサービスを提供していますが、前期におけるそれらの売上比率はスライドのとおりです。お客さまのマーケティングフェーズに応じたサービスを提供するかたちで、バランスよく展開しています。
事業系統図
当社グループは3社で構成されています。消費者、クライアント企業との接点は、スライドのとおりです。
運営サービス紹介(アイリサーチ・ソルパネ)
当社の運営サービスを紹介します。生活者パネル「アイリサーチ」は、登録モニターの属性をセグメントして、アンケートやインタビューを実施できるサービスです。
「SOLPANEL(ソルパネ)」は、特に活動的な登録モニターのコミュニティです。例えば、「自分が住む町の看板を撮影して、画像をアップしてください」といったマーケティングのタスク依頼に対しても常に納品が行われるモニター群となっています。
運営サービス紹介(ウリゾウ)
「Urizo (ウリゾウ)」は、連結子会社のセールスサポート社で提供しているサービスです。企業情報を整理して、効率的にインターネット上から収集できるソフトウェアを、月額のサブスクモデルで提供しています。
サービス内容:デジタルマーケティング・PR
3つ目のデジタルマーケティング・PRでは、インサイトドリブン、カスタマードリブンを基に消費者インサイトを捉えた上で、その結果を基に、コミュニケーション戦略の立案から実行までを行います。
サービス内容:カスタマーサクセス
4つ目のカスタマーサクセスでは、クライアントのお客さまである消費者に対して、商品やサービスを長く使っていただくためのサポートを実施しています。
例えば、クライアントのオペレーターの応対品質を確認するための「ミステリーコール」や、サービスを利用開始するタイミングで消費者をサポートする「サンクスコール」など、独自のサポートメニューによって支援しています。
取引先クライアント
取引先クライアントです。製造業を中心とした一般企業がメインですが、そちらのみにとどまらず、官公庁や自治体、大学など幅広いクライアントに活用していただいています。
収益構造
当社の主要KPIは、顧客数、顧客単価、マーケティングコンサルタント数です。各KPIを適切に管理しながら、トップラインの拡大を目指していきます。
競争力の源泉1マーケティング支援を一気通貫で支援
当社の競争力の源泉についてご説明します。1つ目の強みは、企業のマーケティング支援において必要な機能やサービス、人材を社内で内製化しており、社内の部署内でサービスをワンストップで提供できることです。
競争力の源泉2インバウンドによる案件流入経路の確立
2つ目の強みは、インバウンドによる案件流入経路が確立していることです。例えば、自主調査による独自のレポートや、ホワイトペーパーと呼ばれるマーケティング資料を配信することで、その資料をダウンロードした方を見込み客として獲得しています。
また、ウェビナーや、配信している数多くのコラムや記事からの流入もあります。このようにリードを獲得し、問い合わせを受ける仕組みを構築しています。こちらは顧客数拡大のKPIにつながる活動として、重視して強化していきます。
競争力の源泉3ナレッジの蓄積
3つ目の強みは、ナレッジの蓄積です。年間3,000件を超えるプロジェクトの運用を通して、業務を内製化していますので、その強みを活かすかたちで、各プロジェクトの実績を、マーケティングナレッジのデータベースとして社内に蓄積しています。
マーケティングコンサルタントは、そのデータベースに蓄積されたナレッジを活用して提案できるような環境を構築しています。
以上で、決算概要と中期経営計画についてのご説明を終わります。ご清聴どうもありがとうございました。