会社概要

柴田巌氏:株式会社Aoba-BBT、代表取締役社長の柴田巌です。年末が近づく中、ご多用のところご参加いただき、誠にありがとうございます。2024年3月期第2四半期の決算についてご説明します。

まずは簡単に会社概要についてお話しします。当社は1998年4月に設立し、創業25周年を迎えています。ミッションは「世界で活躍するリーダーの育成」です。ビジネスプロフェッショナルにおけるリーダーシップチーム、あるいは経営チームの一翼を担うグローバルリーダーを育成します。

ビジョンには「Life-Time Empowerment(LTE)」という言葉を使っています。一生涯学び続け、力をつけていただける学び舎のような組織でありたいと考え、事業を運営しています。

2023年10月1日 社名とロゴを変更し、第二創業期へ

2023年10月1日から会社名を変更し、従来の「株式会社ビジネス・ブレークスルー」から、「株式会社Aoba-BBT」に生まれ変わりました。新たなロゴとして地球の周りにメビウスの輪が回っているデザインを採用し、「知のネットワークは、人間の能力を∞(無限)に伸ばす」というメッセージを込めました。

「BBT」の文字は、私どもの事業の柱であるビジネス・ブレークスルー大学・大学院を意味しています。また、インターナショナルスクール事業を表す「Aoba」のロゴを合体させ、当社の事業領域を象徴するデザインに刷新しました。

引き続き、1歳のお子さまから60歳の経営者、またはそれ以上の年齢まで、あらゆる人の自己成長を促し、グローバルに活躍するための学習機会を提供していきたいと思っています。

「プラットフォームサービス」「リカレント教育」 2大事業セグメントと市場環境

これまでと同じく、プラットフォームサービス事業と、リカレント教育事業を2大セグメントとしています。

プラットフォームサービスの代表的な事業は、インターナショナルスクールです。この市場は世界的にも圧倒的に成長しており、日本においても大きな市場拡大が期待できると考えています。2013年からの過去10年でスクールの数は60パーセント増加し、生徒数は53パーセント、教員数は60パーセント、レベニューまたは収益は92パーセント拡大しています。

リカレント教育事業について、最近は政府もリカレント教育やリスキリング教育の重要性に言及しています。大学を卒業後、引退を迎える日まで、大学での学びだけが社会人としての生活やビジネスに活かせるわけではありません。社会人になってからも定期的に学び直し、自分のスキル・知識・実践力・パースペクティブ・マインドセットなど、さまざまな角度から心・技・体を鍛え直す必要があります。

そのような機会を提供するのが、リカレント教育事業セグメントです。主に社会人の方を対象に、どこにいても働きながら学んでいただけるよう、eラーニングのかたちで学習や自己成長の機会を提供しています。

スライド右側のグラフにあるとおり、eラーニングのセグメントはCAGRで10パーセントから15パーセントほど拡大しています。こちらについても、非常に大きな事業チャンスがあると考えています。

「プラットフォームサービス」「リカレント教育」における5つの事業領域

こちらのマップでは、中期経営計画でお示ししたプラットフォームサービスならびにリカレント教育における5つの事業領域を表現しています。

スライド左側はプラットフォームサービスにおける「⑤インターナショナルスクール事業」です。1歳から18歳までの年齢層を対象に、世界標準の教育を提供していきます。一部オンライン化を始めていますが、リアルなキャンパスも展開し、学校として運営しています。

スライド右側はリカレント教育のセグメントです。「①University事業」では、100パーセントオンラインで経営学士または経営学修士が取得できる、BBT大学・BBT大学院を運営しています。また、同じく100パーセントオンラインで、オーストラリアのMBAの学位が取得できるBOND大学との共同MBAプログラムも展開しています。

「②法人人材育成事業」は、クライアント企業を対象に人材育成研修を提供するものです。新入社員向けのプログラムや階層別研修のほか、昨今注目されているDXやAIなどのテクノロジーを経営や事業に活用するための選抜型研修なども行っています。

さらに、コーポレートガバナンスコードならびに人的資本経営に密接に結びつくかたちで、次期経営者候補の選抜、育成などサクセッションプランに連動した養成プログラムも多数展開しています。

「③ITマネジメント事業」は、グループ会社のITプレナーズジャパン・アジアパシフィック社が提供するITマネジメントの教育プログラムです。AIの登場によってテクノロジーと経営がますます密接に関連し、切っても切り離せない、そういう必然性のある関係性に進化していく中で、ITをいかに経営に活かすかという意味でITマネジメント教育の必要性は一層高まっています。

最後に、「④英語教育事業」です。こちらはオンラインで、ビジネスに活用できる英語でのコミュニケーション能力や、リーダーシップ・フォロワーシップを獲得するための実践的なトレーニングプログラムです。

英語教育事業について、スライドには2種類のロゴを掲載しています。1つは地球の周りにメビウスの輪が回っているもので、こちらは「BBTオンライン」という英会話の学習プログラムです。その隣に、青と赤で雲が回転しているようなロゴがありますが、こちらはブレンディングジャパンというグループ会社が提供するプログラムで、英語でのビジネスコミュニケーションに特化したオンライン講座となっています。このようなかたちで、5つの事業領域においてさまざまな教育プログラムを提供しています。

「わたしたちの約束」 Lifetime Empowerment

10月1日の社名変更に伴い、「わたしたちの約束」を設定しました。これは我々のミッション・ビジョンを体現しており、学習者または顧客の方々、社員や教職者の方々、地域社会の方々、そして株主のみなさま、それぞれに向けたコミットメントを簡潔に言語化したものです。

これはクレドとも呼ばれ、ミッション・ビジョン・バリューを大切にする経営手法として世界中の会社が取り入れています。我々もジョンソン・エンド・ジョンソンやキーエンスのクレド経営を参考に、今回の社名変更に合わせて「わたしたちの約束」をオフィシャルに発信し、社内でも精力的にインプリメンテーションしている最中です。同時に、行動規範として「Aoba-BBT Code of Conduct(ABC)」を導入しました。

1. 2024年3月期 業績ハイライト

2024年3月期の業績ハイライトです。売上高は37億7,600万円で、前年同期比プラス4.8パーセント、金額にして1億7,300万円の増収となりました。営業利益は2億2,100万円で、前年同期比プラス72.7パーセント、9,300万円の増益となっています。

親会社株主に帰属する四半期純利益について、昨年は保有不動産の売却によるキャピタルゲインが一時的に発生していました。そのため、前年同期の7億7,300万円から1億1,400万円に減少しているように見えますが、特殊要因によるものであり、特に問題視していません。

したがって、売上高は過去最高を更新し、前年同期比で増収増益を達成したかたちで、この1年間の折り返し地点に立ったと捉えています。

2. セグメント別実績(売上高/営業利益) - 前年上半期比

セグメント別の実績です。スライド左側の棒グラフは売上高の比較を表しています。リカレント教育は、今期の上半期が18億3,600万円、前年同期が17億2,600万円です。プラットフォームサービスは、今期の上半期が19億2,700万円、前年同期が18億2,500万円となっています。

スライド右側のグラフは営業利益の比較です。リカレント教育のセグメント別営業利益は6,900万円となっています。昨年のマイナス3,100万円からプラスに転換し、想定どおりの規模で利益を上積みできたと思っています。

一方、プラットフォームサービスのセグメント別営業利益は1億5,000万円となり、前年同期は1億4,000万円となっています。

3. セグメント別概況・トピックス 【リカレント教育】①

ここからは、各セグメントおよび5つの事業領域のトピックスをご紹介します。まずは、リカレント教育セグメントのUniversity系事業に関連して、みなさまにぜひ共有したいトピックがあります。

まず、BBT大学経営学部について、本科に入学された場合は卒業まで4年間在校する必要があります。しかしこちらの通常のコースに加えて、1つの領域に関して3ヶ月間集中的に学べるインテンシブコースもいくつか提供しており、これが堅調に推移しています。今後もショートコースを拡充予定です。

インテンシブコースで提供している講座をいくつかご紹介します。まずは「デジタルファーストキャンプ」です。こちらは昨年の秋に開始したもので、現在は138名の受講生がいます。3ヶ月ごとに期が変わり、年に3回から4回開講する予定です。

「ファイナンスドリブンキャンプ」では、損益計算書や貸借対照表、キャッシュ・フローといった財務情報を、機械的に理解するのではなく、経営者やCFOの視点から読み解き、使いこなせるように導きます。こちらは8月に新規開講し、早くも42名の方に受講していただいています。

ちょうど第1期の講座が終了したところで、第2期の募集を進めている最中です。来年1月にはデジタルとファイナンスに次ぐ、第3のテーマとしてマーケティング領域のインテンシブコース「実践マーケティングキャンプ」を開講する予定です。

BBT大学経営学部の本科生の獲得については、大学4年間でしっかりと学びたい方に対し、引き続き堅調にマーケティングを進めているものの、現在はAIやDX、ポストコロナ時代に向けたさまざまな働き方の変容、そして政府が推進しているリスキリング教育などの総合的な作用によって、ショートコースが非常に活況を呈しています。

また、オーストラリアのBOND大学との共同MBAプログラムであるBOND-BBT MBAが、イギリスの『Times Higher Education』が作成している世界の大学ランキング「The world’s best small universities 2023」の第8位にランクインしました。

スライド右下に、ベスト10を記載しています。小規模大学のセグメントではありますが、このプログラムを含めて世界第8位に認定していただいたことは、今後の日本市場でのプロモーションに大いに寄与するのではないかと思っています。

3. セグメント別概況・トピックス【リカレント教育】③

リカレント教育セグメントの法人向け人材育成事業系です。スライド左下のグラフは2020年から2022年の上半期の法人営業売上高推移、右側は取引先数推移です。

この3年間で売上高はCAGR19パーセント、取引先数はCAGR28パーセント伸びました。具体的には、取引先数は約60社増加し、1万8,000時間コンテンツを提供しています。これまでも人間のカウンセラーが学習者一人ひとりに対し、学習ニーズやジョブディスクリプション、キャリアゴールに照らし合わせてパーソナライズしたレッスンプランを提供していましたが、今後はさらにAIを活用することで精緻化や効率化、高速化を進め、付加価値を提供していきたいと思っています。

さらに、ライトワークス社を含めた国内の主要なラーニングマネジメントシステム(LMS)のプラットフォーマーに対して我々の学習コンテンツをシリーズとして提供し、先方のプラットフォーム経由で企業または個人の方に有料の学習コンテンツを受講していただく、新たな収益チャネルを確立しようとしています。

上期は技術的なアジャストメントやプラットフォーマーとの提携の最終調整などを進めていましたが、下期からは、このような新たなチャネル開拓も収益に貢献し始めるだろうと思っています。売上高のCAGRは19パーセント、取引先数のCAGRは28パーセントに、さらに上積みできると考えています。

3. セグメント別概況・トピックス【リカレント教育】④

同じく、法人向け人材育成事業系のトピックとして、昨年も大好評だった「リカレントサミット」を引き続き運営しています。今年も秋から冬にかけて開催する予定で、いくつかの無料セミナーの準備を進めています。人的資本経営などをキーワードとし、特に人気が高く学習内容の満足度も高い、選りすぐりの専門家の方々にご登壇いただく想定です。

また、AI系講座の開発・配信では、AI研究者の清水亮氏を講師に迎え、法人顧客からのニーズが高い生成系AIの展望についてご解説いただくなど、最新の学習コンテンツやセミナーも継続的に実施しています。恐らく、他社よりも2週ほど早いペースで立ち上げが進んでいるのではないかと自負しています。

3. セグメント別概況・トピックス【リカレント教育】⑤

リカレント教育セグメントのITマネジメント事業系について、いくつかご紹介したい定性的なトピックがあります。

まず、ITILという、世界のIT業界においてデファクト・スタンダードになっている資格の認定研修事業の売上高は、前年同期比125パーセントと堅調に推移しています。また、ITILの資格市場では、日本最大級となる40パーセントのシェアを持っているため、単独の事業体としては、我々がマーケットリーダーであると自負しています。

最近のM&Aによって株式を取得した日本クイント社と、もともとグループ会社としてお招きしていたITプレナーズジャパン・アジアパシフィック社のシェアを合わせると、スライド左下にあるグラフのとおり、約44パーセントとなります。今後はマーケットリーダーとしてマーケット占有率をさらに高め、市場自体のパイを拡大していきたいと考えています。

本事業の領域においても、AIやデジタルディスラプション、デジタルトランスフォーメーション、さらにITの開発領域ではウォーターフロント開発からスクラム、アジャイル開発が主流になってきています。

ITの経営は「DevOps」、つまりデベロップメントとオペレーション、またはデベロップメントとストラテジーを一体化して経営するべきだという概念が欧米企業を中心に先行して浸透しています。その流れは日本国内の企業にも広がり始めているため、今年度の下半期、そして来年度以降の事業機会につながっていくだろうと考えています。

3. セグメント別概況・トピックス【リカレント教育】⑥

5つの主要事業の領域とは少し切り口が異なりますが、アントレプレナーシップの養成または起業家の支援についても、25年前の創業者でありBBT大学の学長でもある大前研一を筆頭に注力しているところです。

今年度は、これまで1,000社以上のスタートアップと16社のIPOを創出してきた千代田区六番町にある我々のオフィスの地下1階を、「起業の聖地」としてリノベーションしました。政府のJST大学発新産業創出プログラムにおけるビジネスモデル事業に4年間連続で採択されたり、BBT大学と共同で「事業プランプレゼン会」を実施したり、BBTのプログラムやアオバジャパン・インターナショナルスクールの卒業生である海外起業家を審査員や登壇者としてお招きすることで、アントレプレナー教育をさらに推進していきたいと思っています。

また、スライド右下に記載している「背中をポンと押すファンド(SPOF)2023」は、最高200万円の出資を通じ、経済学で言うところのナッジとして、起業するかどうか迷っている人の背中をポンと押し出すようなプロジェクトをかねてより展開しています。

マジョリティをとって大きなキャピタルゲインを得るよりも、ここで少し背中を押してあげることで起業家としての第一歩を踏み出す、超ファーストステップをスムーズにしてあげるような、アーリーステージの中でもかなりフォーカスしたファンドを運営しています。こちらも、今後は教育効果と起業家養成の両面で価値を磨いていきたいと思っています。

3. セグメント別概況・トピックス【プラットフォームサービス】①

プラットフォームサービスのセグメントでも、上期の振り返りおよび下期直近に予定しているトピックをご共有したいと思います。

まずは、インターナショナルスクール事業です。高校生が最上のセグメントとなるため、大学進学は教育機関も親御さんも特に気にされる部分ですが、グループ生徒数は順調に伸長し、卒業生の方々も国内外のトップ大学へ進学されました。

スライド左側のグラフは、2021年以降の半期ごとの生徒総数の推移です。学校が複数にわかれているため、色別に5種類のスクールセクションを示していますが、2021年上期の1,200数十名が2023年上期には1,711名となり、堅調に拡大しています。

また、スライド右上の表が海外の大学、右下の表が国内の大学への進学状況です。国外ではシカゴ大学やロンドン大学、ミシガン大学、カリフォルニア大学、マンチェスター大学など、米英の著名な大学に進学または合格しています。『Times Higher Education』の直近のランキングに基づくと、トップ10やトップ100にランクインする大学への進学実績が今年も出てきています。

国内では、東北大学や東京大学、国際基督教大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学など、国立および私立大学両方への進学実績が出てきており、国際バカロレアのカリキュラムをベースにした高等学校の課程が、国内外の大学進学にも大いに成果を発揮しつつあると考えています。

3. セグメント別概況・トピックス【プラットフォームサービス】②

同じくプラットフォームサービス事業では、アオバジャパン・インターナショナルスクールに加え、1歳から5歳までの幼稚園の年齢層を対象にしたアオバジャパン・バイリンガルプリスクールを運営しています。

このスクールセクションでは、2023年4月に世田谷区用賀で7校目のサテライトキャンパスを開設しました。現在は生徒数が500名を超え、卒園児のうち一定割合の子どもたちがアオバジャパン・インターナショナルスクールの小学校に進学しています。

最長で1歳から18歳の18年間をアオバグループで学び、相応の年間授業料を払っていただけるため、非常に安定して年間のフィーを獲得することが期待できるサブスクリプション型のビジネスモデルです。同時に、十数年間をかけて腰を据えた教育カリキュラムを設計できる観点からも、教育効果を最大限に発揮できる、非常に良好な学習環境の提供が可能であることが前提になってきていると思っています。

スライド左下に記載しているアオバジャパン・インターナショナルスクールは、幼小中高の一貫校です。日本の4月始まりの新年度とは異なり、9月から新年度がスタートする欧米型ですが、10年連続で生徒数が増加しています。また、新型コロナウイルスの影響で2020年以降は閉鎖していたサマースクールも今年の夏から本格再開しており、またたく間に満員となりました。

スライド右側に記載しているIB教育推進コンソーシアムは、文部科学省および日本政府が国内で国際バカロレア教育を推進することを目的として、国家予算を活用している事業です。過去5年間は、我々がコンソーシアム事業の事務局としてお仕事を拝命してきました。おかげさまで200個以上の認定プログラムを排出したほか、政策としても数値目標を達成し、6年目以降も我々が事務局を受託することとなりました。

引き続き、国内における世界標準の教育の普及および国内のカリキュラムと文部科学省の学習指導要領との有益な整合性の確保に対し、微力ながら貢献していきたいと思っています。

また、スライド右下に記載しているコンサルティング事業ニーズ拡大についてお話しします。熊本の菊陽町、合志市には、半導体の製造ファウンドリとして世界一の会社である、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)という企業が工場を作ります。今年の年末または来年早々には工場が稼働するとのことです。

予期していなかった副産物ではありますが、こちらに赴任してくる従業員や社員の子どもたちが学ぶ国際スクールが必要だということで、現地の学校と提携して国際コース開設のお手伝いをしています。

このような事例は他の地方でもご相談を定期的、安定的にいただいています。今後、事業として見た場合には、このようなニーズも少し出てくるのかなと思っています。

4.トピックス①

今年の10月末日に、大学ならびに高等教育という観点から『未来をつくる大学経営戦略』を出版しました。

株式会社ビジネス・ブレークスルーは、過去25年間で大前研一学長をはじめとするさまざまな経営の諸先輩方と、BBT大学院、BBT大学、BOND-BBTグローバルリーダーシップMBAプログラムなど、常に前例のないものを作っていく経験を重ねてきました。

今、国内の大学は、産業として見た場合に構造的な課題に直面しています。これは序列やランキングに関わらず、全大学が直面しており、かつ克服しなくてはならない課題だと認識しています。そこで、未来志向、前向きな志向を持っていただくために、これまでに学んだことを1冊にまとめ、『未来をつくる大学経営戦略』というタイトルで発信しました。

こちらには、我々なりの失敗談やミステイク、または、いろいろと想定していないかたちで問題が発生した経験などを踏まえ、解決の糸口を見つける方法として、カリキュラム、教員組織、運営事務組織、さまざまな学習者を迎え入れる入口、修了生を送り出す出口戦略などを記載しています。

また、コロナ禍によって多くの学校が体験した、通学しないかたちでの学習方法、このようなテクノロジーを活用したオンライン教育やブレンド型教育と、これをビジネスの視点で捉えた時の大学という収益モデルについてもご紹介しています。

上場企業として株式会社立の大学や大学院、幼小中高一貫のインターナショナルスクールを運営しているからこそ、インターナショナルスクールの卒業先として、海外の大学と日々コミュニケーションを取っています。

そして、教育機関の末席に座らせていただいている立場として、国内の大学ともコミュニケーションをとっていますので、そのような観点からまとめた書籍となっています。さまざまな大学がオンライン教育や新しいかたちでの教育のモデルを模索する、1つの参考になればと思っています。

4.トピックス②

人的資本経営という観点から株式給付信託(J-ESOP)の導入を決定しました。我々は数年前に、年間の売上100億円、営業利益10.5億円の中期経営計画を発表しています。今年度がその2年目に当たり、来年度が仕上げの一年となります。

それ以降も当然さらなる拡大を目指していく予定ですが、社員、教職員、また、親会社だけではなくグループ会社の全スタッフを対象に、信託制度を使ってストックオプションを提供する仕組みを導入しましたので、みなさまにもご案内したいと思っています。

目的についてはスライドに記載したとおり、中期経営計画の達成と企業価値の向上に、個人の報酬等を連動させるかたちで、会社と個人のモチベーションをより整合したものにしていきたいということです。

対象も親会社だけではなくグループ会社も含めており、日本に居住している外国籍の方にも提供していきます。多様性のある組織に対して適用可能なインセンティブプランに設計しました。

ここまでが上半期の振り返りです。

1.更なる企業価値向上に向けた収益性強化

ここからは、事業戦略の概況を簡単にご説明します。今後はさらなる企業価値の向上に向けた収益性の強化を図っていきます。既存事業の収益性の強化については、言わずもがなです。

プラットフォームサービス事業セグメントでは、2019年からの4年間、物理的な固定資産に対する投資やオンライン教育に対する投資などを行ってきました。今後も追加の投資が必要になる可能性はあると思いますが、投資の山という意味ではいったんピークを迎えて終了しています。今後はこれまで投資をしてきたもののリターンを獲得していくようなフェーズに入っていく、あるいはすでに入っているのではないかと思っています。

リカレント教育セグメントにおいては、昨年度ならびに今年度も、先行投資が若干発生しましたので、キャッシュアウトかキャッシュインかという観点からは、キャッシュアウトが先行するリズムが続いていました。この下半期、あるいは遅くとも来年の上半期からは、リターンを獲得するフェーズに入ってきます。社内AI・DXの活用などを進めたことによる収益改善の効果は、保守的に見ても概ね1億円くらいはあると思っています。

並行して、生産性の向上による組織の効率化、プロダクトポートフォリオのスリム化や取捨選択、このようなことを推進しながら、いち早く高収益の体質に転換していきたいと考えています。

今後潜在的な成長を高める施策として、クレド・行動規範の策定を行っています。これらはすぐに数値的な効果が出てくるものではないかもしれません。しかし我々も、かたちの見えない教育というものを生業としています。

このようなミッション、ビジョン、コアバリューなどの強化と浸透、それを通じたグループ会社間の連携の強化、人と人とのマインドの結びつき、このようなものが業績にも必ずプラスに寄与してくると固く確信しています。

AIやDXのさらなる先行投資については、我々はEdTechカンパニーですので、必要かつ当然の投資として進めていきます。

事業成長性が期待できるM&Aの模索については、過去十数年間も良いチャンスがあれば、M&Aを果敢に行ってきました。振り返ると、事業計画で想定していなかったようなM&Aもかなり実施しています。幸いにもキャッシュポジション的には比較的余裕がありますので、今後もM&Aの模索を行っていきたいと思っています。

社内DX施策について

社内DX施策については先ほどご説明したとおりです。「Value Stream Mapping」は、アジャイルやスクラムなどの手法のことです。業務改善や生産性の向上を進める上で、よりインパクトが高く、価値をもたらすものをマッピングし、優先度の高い、またはリターン・オン・インベストメントが高く期待できるものから実施していこうというものです。

スライドに残業時間56パーセントの削減、法人営業の売上1.5倍、営業事務の生産性4倍と示していますが、嘘偽りなく、いくつかの切り口で見てもきちんとした業務パイプラインで、生産性を透明化しながら価値を向上する取り組みを推進しています。

我々の場合は「Salesforce」などのプラットフォームを使用していますが、今後もより一層AIなどを活用して、アップサイドを作っていきたいと思っています。

2.更なる企業価値向上に向けた成長戦略

成長戦略ですが、University系の事業や法人研修、インターナショナルスクールなど、このようなところはすべからく、市場として今後伸びていくと考えています。なぜならば、オンライン大学やオンライン大学院は、今後社会人の方の学び舎として、日本でもますますニーズが高まっていくと見ているからです。

Universityの中で、4年間かけて経営学士というdegree(ディグリー)を取る需要は、少し横ばいになっていくのではないかと考えています。その反面、数ヶ月間で手に職をつけ、リスキリングしていく部分については足元でも非常に高いニーズが顕在化してきています。また、オンラインでMBAを取るカリキュラムは、今後も高い水準でニーズが推移していくと認識しています。

法人向けの研修についても、ポストコロナ時代に向けてAIやDXを進めていかなければならないというニーズはますます高まると予想しています。同時に、サクセッションプランや人的資本経営と連動するかたちで、高度な経営人材候補を養成していくニーズも高まると確信しており、手応えも感じています。

これらの人材育成を100パーセント集合研修で行うことは、もはやナンセンスとなり、グローバルカンパニーであればあるほど、オンラインでの学習をどのようにベストミックスするかが重要になってきています。効率性だけではなく、人材育成、成長のアップサイドをいかに最大化するかという観点からも非常に重要ですので、我々としてはここもマーケット・オポチュニティが増える部分だと思います。

インターナショナルスクール事業は、まだまだ物理的なキャンパスとしてもキャパシティがありますが、今年度からオンラインでのプログラムもスタートしました。国際バカロレア機構からも、世界で5校しかないオンラインプログラムのパイロット提供校の1校として認定されています。

当面の間は、アジア地域における時差プラスマイナス3時間以内のエリアでは、当社だけという状況となります。このようなところも、経営の観点からビジネスチャンスの拡大が期待されると考えています。

オンライン教育の更なる普及

「オンライン学習の更なる普及」については、先ほどお伝えしたとおりです。

国際教育を普及するコンサルティング事業

国際教育を普及するコンサルティング事業については、先ほど別のパートで熊本県の事例を少しご紹介しました。幸いなことに、現在北は北海道から南は九州まで、さまざまな場所からのご相談をいただくようになってきています。

収益事業というよりも、教育を革新していく1つのお手伝いとして実行していければと考えています。

3.中期経営計画(FY2022-FY2024)

中期経営計画の数値的な概要は、スライドに記載のとおりです。今期はグラフの右から2番目に当たり、売上高は80億8,100万円、営業利益は6億5,000万円です。

来年度は、売上高100億円、営業利益10億5,000万円、これを中期経営計画として推進している最中です。

柴田氏からのご挨拶

第3四半期、第4四半期にもご説明を行いたいと思います。引き続き、当社の成長や実績の歩みについて、ご興味、ご関心をお持ちいただき、ご注目いただければ幸いです。本日はご清聴いただき、誠にありがとうございました。