BRAND PURPOSE ブランドパーパス
川瀨紀彦氏(以下、川瀨):みなさま、よろしくお願いします。はじめに、2024年3月期第1四半期のご説明も踏まえ、事業の内容についてご説明します。
我々はブランドパーパスを「DESIGNING WELLNESS LIFE」と掲げ、「人生から不安をなくし、生きるをサポートする」事業を行っています。
「生きる」をサポートするコンサルティング会社
川瀨:弊社は「からだ」と「おかね」という領域に対してサポートを行うコンサルティング会社です。ウェルネスとファイナンシャルの2つの事業を展開しています。
ウェルネス事業では、健康をクリエイトするサポートを行っており、こちらは後ほど詳しくご説明します。ファイナンシャル事業では、スライド下部に記載のとおり、金融サービスを提供しています。証券分野は、あらゆる証券を債権も踏まえて取り扱えるIFAという立場から、証券会社の代行業務を行っています。
保険分野は、多くの代理店を通じて、損害保険や生命保険の契約を締結しています。現在、さまざまな乗合代理店と事業を展開している状況です。
財務分野は、税理士など、さまざまな方と提携を図りながら、企業のオーナーさまに対して財務サポートを実施しています。このように金融サービスでは資産形成をサポートしています。
スライド左下に記載している経営ソリューション・健康サポートとしては、整骨院ソリューションなど、コンサルティングを通して、より人々を健康にしていくことを目指しています。現在は、主にBtoBで事業を行っていますが、今後はBtoCにも展開していきたいと考えています。
事業系統図
川瀨:事業系統図です。「IFMC.(イフミック)」製品については後ほど詳しくご説明します。
ウェルネス事業は当社と連結子会社の5社で構成されています。2023年の売上高は20億3,900万円となりました。ファイナンシャル事業は1社で、売上高は約8億円、合計でも30億円に満たない会社です。
先ほどお伝えしたとおり、現在は大きく2つの事業を展開しています。
1つ目が、金融サービス事業です。企業の経営者や法人を対象として、保険代理店、証券のIFA、その他財務サービスを提供しています。法人の個人のお客さまのサポートも行うこともありますが、基本は経営者を対象としています。
2つ目が、ウェルネス事業の中の経営ソリューションです。現在、世の中には保険適用の整骨院が5万件ほどありますが、そのうち4,500院ほどが我々のお客さまで、そのような整骨院のオーナーさまに対してさまざまな経営のソリューションを提案しています。
さらに、これは上場前から温めていた新しい事業ですが、整骨院に通う一般の患者さまに対して「IFMC.」製品を展開していくことが、今後の事業のドライブ、成長の一番重要な点だと考えています。現在はBtoBが主ですが、今後はBtoBtoCを展開していければと思っています。
連結 通期推移
川瀨:通期の決算の内容です。毎年20パーセントの売上増を目指しています。2020年3月期の上場以降も順調に推移しており、2022年3月期には32億200万円を達成していますが、2023年3月期は大幅にダウンしました。
こちらに関しては、半導体の不足で機材がまったく売れない状態だったことが要因の1つです。加えて、ファイナンシャル事業において、さらなる事業成長を目指し、プロの経営者を新たに招集して、その人たちと一緒に事業再生を行っていくことになりました。
このような結果、2023年度の営業利益に関しては、お恥ずかしいですが、5億円ほどの赤字を出してしまいました。
連結 四半期推移
川瀨:連結の四半期推移です。2022年3月期第3四半期までは、売上高8億6,900万円、営業利益で9,700万円の増加と順調に推移していました。
しかし、第4四半期以降は、機材が売れず、在庫も逼迫したことから、一気に売上が落ち込みました。2023年3月期にはさらに落ち込みましたが、ここにきてようやく回復してきたような状況です。
2024年3月期も赤字は続いていますが、売上は順調に戻ってきており、今期は黒字で決算を迎えたいと思っています。
セグメント別実績
川瀨:セグメント別の実績です。売上高は、2023年3月期の第1四半期が5億7,700万円、2024年3月期の第1四半期が7億6,700万円と、一部回復しています。
ただし、販管費などの影響で2023年3月期の営業利益は約2億円のマイナスとなりました。一部で赤字はありますが、売上は増加しているため、徐々に回復しているのが現状です。
増井麻里子氏(以下、増井):ファイナンシャル事業の販管費が増加しているようです。先ほど、プロの経営者を招集したというお話がありましたが、それが主な要因でしょうか?
川瀨:2020年3月期、2021年3月期は順調に売上が伸びましたが、2022年3月期から伸びが鈍化したと言いますか、成長が止まっています。これは、ウクライナの問題をはじめ、株の変更、円安が進んだことなど、さまざまな事態が発生したことが影響しています。
一方で、金融部門においてさらなる事業成長を達成するため、過去に証券会社の役員をしていた方や、さまざまな事業を経験しているプロの経営者を招集し、新たな事業を創出することになりました。2022年3月期から来ていただいたのですが、当然、人員増になりますので、人件費等々が大幅に増加しました。
加えて、東京の事務所に来店できる応接室を増設したり、新しい事務所を開設したりしました。そのような部分で販管費が増えた状況です。
ウェルネス事業 四半期推移
川瀨:ウェルネス事業の四半期の推移です。2022年3月期の第3四半期には売上高が6億6,800万円と過去最高となりましたが、第4四半期は4億8,700万円に減少しています。
スライド左側のグラフの薄い水色で示した機材・消耗品は、3億2,700万円が1億7,000万円に、さらに2023年3月期の第1四半期には約7,000万円と、大幅に減少しています。この時の会社は、販売できる機材の在庫がない状態でした。グラフの緑色の請求代行や、薄いグレーのコンサルティング、さらに濃い青色のソフトウエアに関しては、でこぼこしてはいるものの、順調に推移しています。
ポイントとしては、機材・消耗品の販売を行っていかないと、我々としても販管費をまかないきれないかたちです。「IFMC.」に関しては、「Dr.Supporter」という商品を販売したことにより、2024年3月期第1四半期の売上高が1億5,100万円と、順調に推移しています。
前期の第4四半期も売上高1億500万円と販売が伸長しているのがおわかりいただけると思います。こちらはリピート商品になりますので、今後もさらに伸ばしていけると考えています。ようやく機材が入ってきましたので、第2四半期、第3四半期と、さらに販売できると思っています。
通期業績予想
川瀨:今期の業績予想です。前期に関しては、売上高が28億3,700万円、EBITDAはマイナス2億5,800万円、営業利益はマイナス5億800万円、経常利益はマイナス5億2,700万円となりました。そして、当期純利益は一部減損が発生したため、マイナス7億7,400万円となりました。
2024年3月期に関しては、黒字で着地したいと思っています。黒字回復に向けてのポイントですが、まずは前期の業績悪化の最大の要因であった主力商品の機材に関しては、在庫が確保できましたので、今後は販売を強化していきます。
後ほど「IFMC.」についてご説明しますが、「IFMC.」の関連商品である「Dr.Supporter」や、新しく設立した株式会社イフミックウェルネスが他社とのコラボレーションを開始しましたので、このような部分で積極的に展開していきます。加えて、新たなコンサルティングメニューのリリースや、近接領域ではありますが、新たなマーケットにも展開を図ります。
2023年3月期には、一部で減損が発生したため、経費を圧縮できました。最終的には、ファイナンシャル事業の安定収益を確保し、さらにM&Aの強化を図っていくことで、2024年3月期は黒字着地を達成したいと思っています。
八木:黒字着地に向けての新たなコンサルティングメニューについて、お話しできる範囲で具体的な内容を教えてください。また、財務コンサルティングの強化も取り組みとして挙げていますが、コンサルティングに注力するということは、利益率の高さを重視しているのでしょうか?
川瀨:まず利益率についてですが、コンサルティングは人対人のため、利益率は高い商材ではあります。1対1のコンサルティングももちろん実施していますが、新たなコンサルティングメニューの1つとしては、業界に特化したことも行っています。
例えば整骨院の経営のサポートや、税理士の先生たちの一部のオーナーの方々は業種が似ている部分がありますので、1対nのコンサルティングもスタートしています。当たり前ですが1対1よりも1対nのほうがお客さまが支払うお金も少なくなりますし、我々も人員の生産性が上がりますので、「Zoom」やさまざまなオンラインツールを駆使しながら、そのようなことに取り組んでいます。
さらに、新たなマーケットとして、歯科業界に対してのサポートも行っています。我々は収益を最大化させるため、基本的には業種に特化してコンサルティングを行いますので、その業界の課題が見えてきます。その課題を解決するために商品メニューを開発しますが、こちらのメニューは、モノを作るのであれば、基本的にはファブレスメーカーとして生産します。もしくは、我々にしかない独占契約を締結するかたちで、歯科しかり、整骨院しかり、そのようなことを行っている状態です。
さらに、もともとは整骨院の財務コンサルティングをメインに行っていたのですが、M&Aの仲介、財務の強化といったかたちで、今は歯科などのクリニックにも展開しています。1つの箱に国家資格者がいて、患者が来るような業種は、基本的には経営の観点からも同じ業態ですので、そのような部分での強化を図っています。
コンサルティングを強化すると、非常に仲良くなりますので、引退する人の事業承継であったり、事業を加速したい人へのM&Aの仲介業務とサポートを我々が行います。多くのM&Aの会社がありますが、専門性がないため正直難しいと思います。そのような分野を我々がサポートすることで、M&Aの後は、資産ができたらさまざまなところに運用できるよう金融サービスを提供しています。
八木:歯科などの病院やクリニックでも、事業承継は大きな問題の1つになっているのでしょうか?
川瀨:大きな問題になってきています。やはり事業を承継することは非常に難しいですし、ましてや一般の企業が歯科を経営するのはなかなか難しいことです。そのため、歯科業界の中のM&A、整骨院業界の中のM&Aといったかたちで、業界内で吸収合併する必要がありますが、我々も専門知識がないといけません。そのような部門にいた社長を弊社に招集したことで、専門性の強化が図れている状況です。
2024年3月期 TOPICS・ハイライト(2023年9月9日時点)
川瀨:2024年3月期のトピックスです。スライド中段に記載のとおり、京都大学との共同研究を開始しました。「IFMC.」の効果・効能が非常におもしろいということで京都大学でも取り扱っていただいています。この共同研究によって、新たな管理医療機器として申請できるように進めています。
予防分野への政策シフト
川瀨:今後の市場環境と展開です。我々がどこの領域を目指しているかをお話しします。スライドの図は、ヘルスケアにおける日本の政策について経済産業省が出したデータです。縦軸が医療費、横軸が個人の一生を示しています。
人が亡くなる前の慢性期医療では、非常に莫大なお金がかかります。国は慢性期医療から予防分野へ大胆なシフトチェンジを行いたいと掲げてはいるものの、公的保険外の食事やサービスなどの提供を実施している会社は少なく、国民もなかなかそこに行き着いていないのが現状です。
しかし、医療費も踏まえて待ったなしの状況ですし、高齢化社会も迎えています。そこで我々の事業の活路を見いだせるのではないかと考え、予防分野へ大胆にシフトチェンジしていくことに取り組んでいきたいと思っています。
予防分野の強化の重要性
川瀨:スライドのデータは厚生労働省が出しているものです。右上の「平均寿命と健康寿命の差」というグラフをご覧ください。男性は平均81.5歳で亡くなります。ただし、健康寿命は72.7歳であるため、8.8歳分は不健康な状態です。
女性は平均87.6歳で亡くなりますが、健康寿命は75.4歳です。そこから不健康な状態になり、亡くなるまでの12.2歳分は非常につらい状態が続きます。
スライド下段の「生涯医療費の年代区分」の表をご覧ください。我々は、生まれてから亡くなるまで約2,700万円の医療費がかかります。内訳としては、70歳未満で約1,300万円、70歳を超えてから約1,300万円で、先ほど「慢性期医療にはお金がかかる」とお伝えしたのはこの70歳以上の医療費のことです。
多くの医療費がかかる要支援・要介護となった原因としては、骨折、関節の痛み、腰が曲がらないなどの運動器の障害や、認知症、脳梗塞、衰弱、がんなど、いろいろあります。我々の領域で言いますと、運動器の障害の24パーセントと、脳梗塞などの脳血管疾患の16パーセントを足した40パーセントを「IFMC.」でサポートできると考えており、今後、ここに事業を絞って取り組んでいこうと思っています。
増井:先ほどから「IFMC.」という言葉が出てきていますが、いったいどのようなものなのでしょうか?
八木:「IFMC.」によって国民が要支援・要介護となる原因の40パーセントをカバーできる可能性が期待できるということですよね。
合弁会社設立の概要と目的
川瀨:こちらは2022年9月に開示した資料です。「IFMC.」とは、テイコク製薬という約100年続く会社が開発しました。しかし、民間企業ですので、マーケティングやブランド管理などのいろいろな活動がなかなかできなかったため、我々と組んで株式会社IFMC.(現:株式会社イフミックウェルネス)を設立しました。我々から70パーセント出資し、テイコク製薬から30パーセント出資していますので、株式会社IFMC.は我々の子会社ということです。
医療機器の分類と規制
川瀨:医療機器には、一般医療機器、管理医療機器、高度管理医療機器といろいろあります。一般医療機器は聴診器など、管理医療機器はMRIなど、高度管理医療機器は透析機器やペースメーカーなどがあります。
現在、我々はクラスⅠの一般医療機器に届出を行っていますが、ステージを上げて管理医療機器で承認と認証を受けたいと考えています。
IFMC.(イフミック)とは?
川瀨:管理医療機器に進むために必要な「IFMC.」とは、血中の一酸化窒素に作用して血行を促進するミネラル結晶体で、温泉療法に着眼して製造されました。スライドに石のような写真がありますが、これが鉄分や亜鉛、マンガンなどで組成されたミネラル結晶体です。
温泉水に鉱物を置き、ある一定の力をかけてミネラル結晶体を作ります。「IFMC.」は造語であり、我々はこれを使ってサポーターやクリームを作っています。
大学施設にて研究を進め、特許を取得
川瀨:最初は、東京都市大学と一緒に研究をスタートしました。2019年に「血中一酸化窒素(NO)量の増加」「血管拡張」「バランス能力向上」で特許を取得しています。
IFMC.によって血中に増える物質 一酸化窒素(NO)とは
川瀨:一酸化窒素(NO)の血管拡張作用は、ノーベル賞を受賞したイグナロ博士が発見し、医学的に認知されています。血管の中に一酸化窒素を増やすことで、血管を拡げて血流を増やすことができます。これにより、冷え、肩こり、疲れなど、多くの体調不良を抱える現代人に対して、「IFMC.」の技術で健康課題を解決していきたいと考えています。
一酸化窒素は、狭心症の薬であるニトログリセリンやED治療に使うバイアグラなどにも応用されている物質で、血管を拡張して血流量をコントロールすることができます。
第三者機関による効果検証
川瀨:「IFMC.」は飲み薬ではなく、肌に触れるだけで血流量を増やすことができます。エムスリーに委託して血行促進の効果検証を実施したところ、ある一定の成果が出ました。これを「IFMC.」として商品販売を行っています。
増井:原料自体は日本で採れるのでしょうか?
川瀨:日本で採れるものを日本で加工し、いろいろな生地やクリームにして使っています。
増井:量産体制はすでにできていますか?
川瀨:いよいよ戦えるかというところです。
IFMC.について
八木:お話をうかがい、サポーターのような製品イメージが浮かんだのですが、市場規模と言いますか、今後どのように製品として展開していこうと考えていますか?
川瀨:「IFMC.」の技術は多岐にわたる製品で提供できます。先ほどお伝えしましたが、商品を身に着けると、血中の一酸化窒素が増えていきます。そうすると血管が拡張して血行が促進され、肩こりや疲労が回復します。この効能は医学的に認められていますので、我々は肌に触れるだけで一酸化窒素が増える製品を開発しました。
1. 新たな市場への参入
川瀨:株式会社イフミックウェルネスでは現在、アパレル業界や睡眠領域、病院のマットや寝具、フェムテック領域などに「IFMC.」を加工して提供しています。
1. 新たな市場への参入
川瀨:例えば、アダストリアとのテストケースとして、洋服に「IFMC.」加工を施すことで血行が促進され、健康状態が続くといった取り組みを行っています。このように、「IFMC.」を通じていろいろなところに活路を見いだせると考えています。
マーケットポテンシャル(IFMC.)
川瀨:今後の展開については、まず「IFMC.」を中心に今までの市場から拡大していきたいと思っています。セルフケア領域に関しては、接骨院と我々がパートナーシップを結び、接骨院に通っている患者さまに「IFMC.」製品を販売していきます。
現在、4,500院との付き合いがあり、「IFMC.」を使用した商材を提供する店舗が1,300店舗増えたことで、第1四半期には1億5,000万円ほど売り上げました。このように健康機器市場では接骨院を通じて「IFMC.」製品を販売していきたいと考えています。
今後の成長戦略としては、いわゆるリカバリーと言いますか、血行促進により疲労が改善できることから、ベッドリネンや寝具の領域にも進出し、最終的にはスポーツ領域にも展開していきたいと考えています。
1. 新たな市場への参入
川瀨:新たな市場への参入としては、大手企業が提供している商品に「IFMC.」の効果をプラスしたり、「IFMC.」の使用権によってストック売上を高めたりしていく考えです。
1. 新たな市場への参入
川瀨:京都大学との共同研究では、「『IFMC.』でなぜ一酸化窒素が増えるのか?」「実際に一酸化窒素が増えたあと、患者さまはどうなるのか?」など、「IFMC.」の生体に関する生理活性効果の機序解明と応用・実用化に向けた研究をスタートしています。
管理医療機器に進出するために目指していることについてお伝えしますが、「褥瘡」という言葉はご存じですか?
八木:漢字すら思いつかないです。
川瀨:医療の世界では褥瘡と言いますが、一般的な表現では「床ずれ」のことです。いま、日本の中で大きな社会問題になっています。
床ずれを治す管理医療機器は、世の中にありません。例えば、私の祖母も床ずれになって「非常に痛い」と言っていました。寝たきりの方に関しては、当たり前ですが皮膚を浮かすことはできないし、だんだん血流がなくなってきて皮膚が壊死していきます。これをなくしたいと思っています。
また、看護師にとっても、寝たきりの患者を1日4回ほど寝返りさせる必要があるため、重い体をぐっと捻転させる大変な重労働であり、これをなくしていきたいと考えています。京都大学との共同研究を通じて、床ずれを治す管理医療機器を作り、世界に進出したいと思っています。まずは日本のみなさまにラクになってもらいたいと思いながら、一部では世界にも展開していきます。
「IFMC.」はテイコク製薬が販売していますが、我々が独占的通常実施権を得ているため、我々にしか作ることができません。そのため、我々を通じて販売していくことに取り組んでいきたいと思います。
2. 自社商品の開発
川瀨:今まではウェルネス事業で接骨院を中心にサポートを行い、いろいろな商材を開発してきました。いよいよ「痛まない体の状態の維持」として、いろいろな企業とも提携しながら「IFMC.」製品を自社開発していきたいと思っています。
2. 自社商品の開発(Dr.Supporter)
川瀨:我々の商材として、例えば「Dr.Supporer」があります。サポーターに「IFMC.」を加工することで、サポーターを着けると血流が増え、血管が拡張し、痛みやこりが改善し、疲労が回復する効果があります。テーピングのようなものや、ひざや足首のサポーターも販売しています。
2. 自社商品の開発(My.Supporter)
川瀨:一部でクリームも作っているのですが、京都大学との共同研究のために、まずは「試してください」とサポーターやクリームを渡しました。関係者にしもやけが20年間治らない方がいまして、その方がクリームを塗ってサポーターを着けたら、その年の冬はしもやけにならなかったということでした。
その結果、著名な垣塚教授からも「これはおもしろい」と言っていただき、一緒に研究していくことになりました。共同研究はこの4月からスタートし、まだみなさまにはオープンにはしていませんが、現在仲良く機序解明に努めている状態です。
クリームも接骨院だけでしか販売していませんが、「非常に良い」と評判で、月1万個ほど売れています。
八木:基本的には、提携先の接骨院で販売していくことをメインで考えているのですか?
川瀨:この領域に関しては接骨院での販売をメインとして、ゆくゆくは大手企業と共同開発していきたいと思っています。
2. 自社商品の開発(サービスメニュー)
川瀨:ふくらはぎは「第二の心臓」と言われるくらい重要な部位ですが、接骨院では先生方に施術を行っていただき、自宅では患者さん自身が、膝サポーターを着用したり、クリームを塗ったりして寝てもらいます。先生方にも、患者さんにも、非常に好評です。
SDGsへの取り組み
川瀨:SDGsの取り組みについてです。我々は「誰もが心から豊かで前向きになる“Wellness Life”溢れる社会を実現していきます」というパーパスを掲げて、特に「IFMC.」を通じた取り組みを行っています。
一部開示していますが、SDGsの取り組みの1つとして、我々はヒートアイランド現象などの社会課題の解決に寄与する商材を取り扱っています。
SDGsへの取り組み
川瀨:具体的には、我々の「IFMC.」を通じて、JAXA認定の宇宙ベンチャーである天地人と業務提携を行いました。
SDGsへの取り組み
川瀨:天地人は、宇宙のビッグデータを活用して土地の価値を明らかにするスタートアップ企業です。地球観測衛星をはじめとする幅広いネットワークを駆使して、地表面温度や土地の温度を測ることができます。
SDGsへの取り組み
川瀨:業務提携で取り扱う「IFMC.」を加工した次世代人工芝は一酸化窒素を増加させるため、子どもたちが遊んだり運動したりしても疲れにくいです。有名プロスポーツチームのグラウンドや、誰もが知っているような高校の野球グラウンドで「IFMC.」が採用されています。
一般の人工芝にはゴムチップが使用されていて、夏にはゴムチップ部分の温度が70度くらいの高温になり、サッカー選手がやけどするほどです。
我々は天然素材の充填剤と「IFMC.」を通じて、学生やプロスポーツ選手が運動しても疲れにくいようにしたり、温度上昇を抑制することでヒートアイランド現象を緩和したりといったことを目指しています。
SDGsへの取り組み
川瀨:「IFMC.」を搭載した我々の「D-REY turf」と一般的な人工芝、そして天然芝の地表温度の上昇について、昨夏と今夏の2年にわたり比較しています。これに関しては良いデータが取れると思っていますが、またあらためてみなさまにも開示します。
ヒートアイランド現象をなくすこと、運動時の疲れにくさ、可動領域アップによるけがの軽減など、「IFMC.」の新しい技術をもって、日本が世界に進出できるよう目指していきます。
SDGsへの取り組み
川瀨:前期は赤字だったため、株主のみなさまや従業員、そのご家族も不安になったと思います。「人生から不安をなくし、生きるをサポートする」企業であるにもかかわらず、赤字を出して本当に恥ずかしい限りです。
予防医療と金融サービスの両軸を展開することで、「からだ」と「おかね」という人生における2つの大きな不安をなくすことによって、“Wellness Life”をデザインしていきたいと思っています。以上でご説明を終了します。
質疑応答:黒字転換の見込みと業績の伸びが期待できる事業について
増井:「黒字転換の見込みと、今後、長期で業績の伸びが期待できる事業について、具体的に説明してください」というご質問です。
川瀨:例年、第1四半期は弱く、第2四半期、第3四半期、第4四半期と売上が上がっていく傾向があり、この第1四半期は赤字でした。ただし、「IFMC.」製品である「Dr.Supporter」も営業できることになり、自社開発製品が好調であるため、ウェルネス事業ではトップラインを伸ばしていきます。
金融サービスに関しては、次の一手を打つまでもう少し時間がかかります。今年も利益が出ればよいのですが、もし利益が出れば来期以降に非常に期待を持てると思っています。
また、IFAについては基本的にはFPデザインがSBI証券や楽天証券、東海東京証券などと業務委託契約を締結し、営業を行っています。一般的には、IFAが案件を獲得すると歩率が高いため完全歩合のかたちで支払うのですが、そこを社員型に変えていこうと考えています。
業務委託の方は社員ではないため強制もできませんし、一緒に目指していくビジョンを共有することがなかなかできません。
増井:一匹狼的な方がいらっしゃいますよね。
川瀨:そのとおりです。業務委託の中にもすばらしい方はいますが、我々の目指している世界観を理解してくれる人だけ残ってほしいということです。顧客の資産を増やすよりも、自分の実入りを優先する人もいるため、一部社員型にするほうが、最終的には顧客にとってプラスになると考えています。
現在も業務委託の方はいます。それはそれで非常にありがたいのですが、社員を増やしていきたいというのが我々の思いです。
八木:御社のパーパスにコミットするような人材を自社で育てるということですね。
川瀨:そのとおりです。そのためにはリクルートができるプロ経営者に入ってもらわなければいけないため、そのような方も招集していきます。そして、我々は証券、生命保険、損害保険、財務を扱っているため、十分戦えると思っています。また、健康をサポートできる本体がありますので、その両輪で走っていければと考えています。
成長戦略に関しては、間違いなく金融サービスは伸びると思っています。金融マーケットに対して喜んでもらえる施策を打てば、成長が見込めるはずです。
ウェルネス事業に関しては、「IFMC.」に特化しており、非常に大きな可能性があると思っています。仮に、管理医療機器の認証を受けて、「褥瘡が治る」と言えるようになれば、我々にしかない商材を販売することができます。10年間の開発で投資した分を回収し、企業価値を高めることで、株主のみなさまには株価でお返ししたいと思っています。
質疑応答:ウェルネス事業とファイナンス事業のシナジー効果について
八木:それぞれに魅力のある商品をお持ちですが、ウェルネス事業とファイナンス事業のシナジー効果について、あらためて教えてください。具体的な例は何かありますか?
川瀨:これからお話しすることは僕の勝手な想像だと思ってください。日本国民が健康に対して使えるお金は1ヶ月で約4,000円というデータがあります。また、先進国と言われる日本において、資産の56パーセントが預金です。それを活性化しないといけません。
我々は保険、投資信託、そして健康商品を持っています。例えば、バランス能力を向上させる効果を持つ「IFMC.」を活用して、仮に「転倒しない靴」を開発したとします。その靴の着用中に転倒して骨折した、あるいは、「脳梗塞にならないシャツを着ていたが、脳梗塞になった」といった時に保険が下りたり、補償されるといった具合に、物と保険を組み合わせた商品は、世の中には今はまだありません。
健康ファンドというものも世の中には存在していて、健康領域に投資することもできますが、例えば1,000万円預金することで年間3パーセント、30万円分の健康クーポンを配れるような会社はないですし、そのような商品もありません。あるいは、その30万円分を使ってより健康になるものや、新しい患者や顧客を獲得するためのクーポンのようなものを発行することもありません。
今後、健康の領域と金融の領域が結びつく時代が来ると私は思っています。我々のIFAのメンバーは投資家のみなさまから220億円くらいの資産を預かっています。例えばこれが1,000億円になれば、「健康ファンドを作るために100億円を集めたい」となった時に、何もない状態から集める必要がなく、お客さまの資産の中から10パーセントを移動するだけで済みます。
ただし、私はファンドを作ることに関してはプロではありません。そのため、プロを呼んで、自分の望むコンセプトをかなえていきます。
現在はまだその領域には達しておらず、目指すところが富士山の頂上だとしたら、1合目にも届いていません。しかし、せっかく上場しましたので、うまく活用しながらこのようなことを実現していくことができれば、お金と健康を両輪にできます。そのような会社が今、世の中にあるようでないため、弊社が実績を作っていければと思っています。
質疑応答:「IFMC.」のアスリート向けの展開について
増井:「『IFMC.』はアスリート向けにも展開やテストなどをしやすいと考えられますが、そのような検討はしていますか?」というご質問です。
川瀨:名前は出せないのですが、非常に多くのプロスポーツ選手に「IFMC.」を使っていただいています。プロスポーツ選手はスポンサーとの契約があり、そのスポンサーとバッティングすることなどから選手の名前は出せない現状があります。
また、さまざまな大学のユニフォームにも「IFMC.」加工を行っています。スポーツ領域に関しては、大きな効果が出るため、野球、サッカー、ゴルフをはじめとする多くのプロスポーツ選手が「IFMC.」を使用しています。
質疑応答:フェムテック向けの商品開発について
八木:男性よりも女性のほうが冷えに悩んでいる方が多いと思います。今後、フェムテック分野の商品開発にも注力していくのでしょうか?
川瀨:そのとおりです。血流が上がることで痛みはなくなるわけですから、そちらの領域にも必ず進出します。ただし、あれもこれも、何でもというわけにはいかないため、うまくいっている会社に対して、付加価値としてサポートすることを考えています。
すべてのメーカーに対応することは不可能ですし、在庫管理には莫大なお金がかかることも踏まえると、「IFMC.」の開発にお金を投資し、うまくいっている企業さんとコラボレーションすることで粗利益率が非常に高くなると考えています。したがって、物を販売するというよりも、最終的にはIFMC.という付加価値を販売する会社になっていくと思います。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:販管費の増加傾向はいつを目途に落ち着くと考えればよろしいでしょうか?
回答:足元は、立上げ期でもあるIFMC.関連のプロモーション費用や研究開発費用を戦略的に増加させています。
今後は他社製品とのコラボレーションを行う機会を増やしていく予定なので、他社ブランドの訴求力を活用することで、販管費の低減を目指します。
<質問2>
質問:ソフトウェアの減損が気にかかりますが、理由は何でしょうか? レセONEプラスなどソフトウェアを通じてサブスクモデルが成立しますが、今後高い売上成長が見込めないのか、方針として注力しないのかお考えを教えてください。
回答:ソフトウェアの減損の理由は、業績予想数値と実績値の差によるものです。 将来収益見込みを勘案した結果、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき固定資産の減損処理を行いました。
詳しくは2023年5月9日のリリースをご確認お願いします。今後もソフトウェアの販売を継続していきます。
<質問3>
質問:業員(コンサルタント)人数が右肩下がりですが、理由は何でしょうか? シェアアップと顧客開拓には必要だと思います。
回答:ウェルネス事業は、退職やグループ間を含む異動により営業人員が減少しています。 コンサルタントは顧客の課題解決とヒアリングによる潜在ニーズを引き出す必要があり、独り立ちまでに一定の教育期間が必須だと考えておりますが、完了するまでに退職してしまう社員がいるのも事実です。
引き続き、現在在籍している営業人員の育成に注力いたします。 ファイナンシャル事業は、他社への移籍や廃業により、委託IFA数が減少しています。
<質問4>
質問:他領域に参入との事ですが具体的にどの業種でしょうか?
回答:今までは接骨院向けのコンサルティングや商材を販売していましたが、これからは、触れるだけで血行促進効果のあるIFMC.を様々な製品に加工していきます。衣服や睡眠関連、医療分野、フェムテック等の幅広い領域で展開していく予定です。
<質問5>
質問:イフミックの京都大学との研究の進捗度合を教えてください。
回答:研究は途中段階です。IFMC.のNO増加に関するメカニズムについて、引き続き研究を続けてまいります。
<質問6>
質問:リグアという社名の由来は何ですか。
回答:LIFE GUARD≒健康を支援するという意味の造語が由来です。
<質問7>
質問:自己資本比率が10.5パーセントとかなり低いのですが、戦略的に何か意味があってそうしているのでしょうか?
回答:現在の当社のフェーズにおいては、成長および収益の最大化機会を獲得したいと考えています。
<質問8>
質問:来年にも日銀がマイナス金利を解除する可能性が高いと思われますが、そうなった場合の貴社に与える影響について教えてください。
回答:事業の特性上、金利上昇による直接的な影響はほとんどございませんが、ファイナンス事業では一般的に金利の上昇は株価の下落を招き、株式マーケットの落ち込みがファイナンス事業の売上に影響する可能性は考えられます。
マーケットの変動に影響されにくい収益体制を現在構築中ですので、長期的に収益が積みあがっていく体制を目指します。
<質問9>
質問:財務内容がかなり棄損しておりますがファンナンス面での心配はありませんか?
回答:今後も事業計画、設備投資計画に応じた現金及び預金残高の確保と必要に応じて外部資金の調達を行い、安心していただけるよう努めてまいります。
<質問10>
質問:投資家が投資しやすい環境整備の為に何か特別な施策を考えていますか?
回答:当社製品に関するイベント等を行いIRリリースすることで当社理解を深めていただければと思います。また今後は個人投資家向けセミナーに参加して、代表自ら投資家とのコミュニケーションの場を増やしていきたいと思います。