E・Jホールディングス㈱の概要

浜野正則氏:取締役管理本部長の浜野です。どうぞよろしくお願いします。さっそくですが、E・Jホールディングスの2023年5月期決算についてご説明します。

会社概要です。E・Jホールディングス株式会社は2007年6月1日に設立され、現在東証プライム市場に上場しています。決算期は5月で、資本金は28億300万円、総資産は連結で392億4,100万円、純資産は連結で299億1,600万円となっています。

E・Jグループ会社の概要

E・Jグループの概要です。E・Jホールディングスは純粋持株会社です。スライドに記載のとおり、エイト日本技術開発からダイミックまで12社の連結子会社があります。

また、エイト日本技術開発には、3社ほど特定目的会社があり、地域振興などを進めています。

グループ各社の役割と連携

グループ各社の役割と連携です。中心的な事業会社は、総合建設コンサルタント業に取り組むエイト日本技術開発です。また、専門領域を得意とした近代設計、日本インフラマネジメント、アイ・デベロップ・コンサルタンツ、二神建築設計事務所などがあります。

その他、地域に根差して活動する建設コンサルタントの業態を取っている会社があります。海外ではタイに、EJECタイランドを設立しています。

2023年5⽉期 連結決算概要

2023年5月期連結決算概要です。スライド中央の列が2023年5月期の計画数値です。受注高が360億円、売上高が370億円、営業利益が46億円、経常利益が48億円、当期純利益が32億円と予想していました。

スライド右側に記載の2023年5月期の実績については、受注高は順調に推移し、382億4,900万円となりました。前年に比べて12.3パーセント増と、大幅な増加となっています。売上高も、順調な受注環境から生産が順調に推移したこともあり、計画値を上回る375億900万円でした。

しかしながら、原価率が0.5ポイント悪化したことや、販管費も増加したことから、それぞれの利益に関しては前年を若干下回りました。

連結受注⾼の内訳

連結受注⾼の内訳です。受注高は382億4,900万円と、前年の340億7,400万円に比べて約40億円増加しました。

計画値の360億円からも上回った要因として、提案型業務への積極的な取り組みによって、大幅増加したことが挙げられます。また、件数は3,184件とほぼ前年並みでしたが、1件当たりの受注高が1,201万3,000円と、前年の1,098万8,000円から約100万円アップしたことも要因です。

連結受注状況の概要

連結受注状況の概要です。

当社では、受注の内容により大きく2つに分けて管理しています。1つは建設コンサルタント業と補償コンサルタント業を行う「建設コンサルタント業務」、もう1つは測量業と地質調査業を行う「調査業務」です。

受注高の内訳については、建設コンサルタント業務が333億5,800万円、調査業務が48億9,000万円で、前年同期に比べてそれぞれ増加しました。受注高に占める技術提案型業務の割合は130億7,400万円で、前年に比べて6.6パーセント伸びました。また、総受注高も前年に比べて12.3パーセント伸びました。

スライド右下に、弊社が特に注力して受注活動を行っている6つの重点分野を記載しています。環境・エネルギー、自然災害リスク軽減、都市・地域再生、インフラメンテナンス、公共マネジメント、デジタル・インフラソリューションの6つに分類していますが、これらの受注高は8.2パーセント増の221億7,000万円となりました。

連結受注⾼

連結受注⾼です。発注機関別に見ると、民間が1.5ポイント増加、市町村が3.2ポイント増加しています。一方、中央省庁が5ポイント減少しました。

地域的に見ると、北海道・東北、中部、四国がそれぞれ約1ポイント増加しました。一方、中国は3.9ポイント減少しました。

2023年5⽉期 通期業績結果

スライドでは、2023年5月期の通期業績結果を表にまとめています。受注高は382億4,900万円、売上高は375億900万円、売上原価は252億400万円、売上総利益は123億400万円、販管費は78億4,100万円、営業利益は44億6,200万円、経常利益は46億3,600万円、当期純利益は30億5,900万円です。

1株当たり純資産は1,913円57銭、PBRは2023年5月31日の株価1,483円で計算し、0.77となっています。1株当たりの利益は195円84銭、自己資本比率は76.2パーセント、ROEが10.7パーセントになりました。

2023年5⽉期 連結決算 総括

2023年5⽉期 連結決算の総括です。スライド下部に要因を記載しています。1つ目に、減災、国土強靭化予算の継続から、事業環境は好調であり、受注高は12.3パーセント増の382億4,900万円になりました。

2つ目に、繰越業務の優先消化により、生産高が前期より15億円増加し、売上高は2.3パーセント増加し、375億900万円になりました。

3つ目に、国の施策による人件費3パーセントアップ要請への対応により、原価率等が上昇しました。国として、人件費を3パーセントアップすると宣言した企業に対して技術提案型業務でのポイントをプラスする施策を打ち出したことから、ほとんどのコンサル会社が3パーセントアップを宣言しました。

4つ目に、発注単価の低い前年度業務の売上が多く、今期受注分の売上高の効果が反映されず、原価率が0.5ポイント増加しました。今年度発注の業務の単価は、人件費3パーセントアップに対応するように約5パーセントアップで発注されたのですが、繰越業務の量が多いために、売上高に占める高単価業務の割合が少なかった結果だと判断しています。

5つ目に、処遇改善費用、DX投資等業務効率改善への投資、自社ビル増改築等による減価償却費の増加により、販管費が1億3,000万円増加し、営業利益が前期より微減の44億6,200万円となりました。

連結損益状況

スライドは、3期間の連結損益の状況をグラフに表しています。

連結貸借対照表の前期⽐較

連結貸借対照表の前期⽐較です。総資産についてはほぼ前年並みの392億4,100万円となっています。流動資産は、現預金が減少したことから、265億5,300万円となりました。

固定資産は、処遇改善費用、DX投資等業務効率改善への投資、自社ビル増改築等による償却資産が増加したことから、11億円増の126億8,800万円となっています。負債は前期末から23億円減、純資産は前期末より23億円増の299億1,600万円となっています。

連結業績四半期の推移 ⽐較

スライドは、連結業績四半期の推移を⽐較したグラフです。当社は、季節的要因が大きい業態です。第1四半期から第4四半期のグラフを見ると、受注高は時期に関係なくほぼ均等に推移していき、それにつれて生産高も上がってきています。

一方、売上は第4四半期に集中しています。このように、第4四半期にならないと利益がなかなか計上できない特性があります。

連結貸借対照表の推移

連結貸借対照表の推移です。2022年5月期末には現預金が180億900万円ありましたが、2023年5月期第1四半期には127億3,700万円に減少しています。

最も減少したのは第3四半期で98億9,200万円となっています。この時、現預金が約100億円弱ありますが、約55億円は借入で賄っている状況です。先ほど売上が第4四半期に集中するとご説明しましたが、資金回収も第4四半期に集中しており、現預金が170億9,200円に復活しています。

また、流動資産の増減で大きいのが、売上が立つまでは業務支出金、未完成業務の原価が大きく溜まってきている点があり、第3四半期では270億円前後の流動資産となっています。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フローの状況です。営業活動によるキャッシュ・フローが13億8,200万円、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナス14億8,700万円、財務活動によるキャッシュ・フローがマイナス9億2,400万円であることから、現金及び現金同等物の増減額は10億2,900万円減、期末残高は159億9,400万円となります。

足元の経営環境

2024年5月期の通期業績見通しについてご説明します。こちらは公共事業関連予算の推移です。平成23年が一番底になっていますが、この時は民主党政権で公共事業の予算が最少という状況でした。

同年に東日本大震災が発生し、翌年以降民主党政権から自民党政権に戻ったため、公共事業が増加しました。災害からの復旧・復興に伴う防災・減災事業が増え、近年は7兆円から8兆円の予算規模で推移しています。

2024年5月期 重点施策

2024年5月期の重点施策です。第5次中期経営計画の3年目ですので、基本的方針の変更はありません。「事業の戦略強化と事業領域の拡大」「バリューチェーンの全社最適化と経営基盤機能の強化」など5つの項目を重点施策を定めて取り組んでいます。

2024年5月期 業績見通しの考え方

2024年5月期業績見通しの考え方ですが、前提条件として、サステナビリティでは気候変動対応の強化、人的資本経営の推進、事業環境では、国内は2023年度当初予算6.1兆円、海外はODA予算で5,709億円を見込んでいます。

事業計画としては、受注に関して、6つの重点分野を中心に案件創出型営業の推進、中央省庁への積極的な展開、海外基盤の再構築、インフラDXへの対応、GXを考慮した地方創生への対応に取り組みます。

生産・売上に関しては、業務DXを一部活用して作業効率のアップを図ります。また、最先端技術を取り入れた生産性の向上と、繰越業務の早期完了による売上高アップを目指しています。

事業拡大投資については、業務効率改善に向けたIT投資とDX投資を進めていきます。人材強化に伴う人件費、研修費の増加、事業拡大に向けた研究開発への投資も続けていきます。

2024年5月期 通期業績見通し

以上のことから、通期業績見通しとして、受注高383億円、売上高383億円、売上原価256億円、売上総利益127億円、営業利益46億円、経常利益48億円、当期純利益32億円、1株当たり純資産1,990円9銭、1株当たり利益204円81銭、ROE10.5パーセントと予想しています。

第5次中期経営計画の概要(基本方針)と主な事業内容

小谷裕司氏:小谷です。私から2023年5月期の事業内容と今後の経営戦略についてお話しします。

第5次中期経営計画ですが、2021年に、目先のことのみならず10年後も活躍し続ける企業集団でありたいという思いから、「E・J-Vision2030」を立ち上げました。現在、そのスタートとなる第5次中期経営計画「E・J-Plan2024」の2年目が終わったところです。

そのような中で、スライドに掲げている3つの基本方針をベースに、5つのメインテーマに沿って計画を進めていきます。

本日は、3つの基本方針「既存事業強化とサービス領域の拡充」「多様化するニーズへの対応力の強化」「環境変化に柔軟に適応できる経営基盤の構築」の内容についてご説明したいと思います。

基本方針 ① 既存事業強化とサービス領域の拡充

まず、既存事業強化とサービス領域の拡充では、スライド下部に記載している6つの重点分野に取り組んでいきます。

基本方針① 【自然災害・リスク軽減】 ネパール国ナグドゥンガトンネル

1つ目は、ネパール道路局から受注した山岳トンネルです。スライド画像のように非常に危険な山岳地帯を運行しており、トンネル開通によって安全性や生活向上が図れることから、トンネル詳細設計、施工監理に関わり、その後の維持管理のトレーニングなどを指導しています。

基本方針① 【インフラ・メンテナンス】 土木学会田中賞ダブル受賞

2つ目は、橋梁設計ならびに大規模補修改築です。1つは徳島県の吉野川サンライズ大橋の新設、もう1つは大阪府にある大正15年架設の淀川大橋の大規模改修です。これらについては当社の技術力が認められ、「土木学会 田中賞」をダブル受賞しています。

基本方針① 【デジタル・インフラソリューション】 徳山下松港徳山地区岸壁

3つ目は、山口県の徳山下松港耐震岸壁設計です。近年は単に3次元の設計をするだけではなく、時間スケールを取り入れた4次元設計が重要となっています。これらを踏まえて、施工順序など考慮し、4次元で展開している内容をご説明していきます。

大型船の接岸に対応した浚渫、岸壁の耐震化などがその例ですが、近年は完成形の設計だけではなく、時間スケールを取り入れて、完成に向けてのさまざまな展開がわかるようにすることが必要となってきています。こちらは中国地方整備局による「中国インフラDX表彰」を受賞しています。

基本方針① 【環境・エネルギー】 汚泥資源化センタ-整備・運営業務

4つ目は循環型社会の構築に向けた、汚泥再生処理センターのし尿処理です。従来、し尿・汚泥などの資源はほとんどが未使用で有効活用されていません。

ご承知のとおり、近年の農業生産に使われる肥料、特にリンなどは非常に高騰化しており、このコストアップ対策にし尿を有効利用できないか検討されています。そのためには、未活用資源(バイオマス資源)を再生利用して綺麗な水を川へ放出する汚泥再生処理センターの再整備が必要です。

基本方針① 【地域再生】 那賀ウッドによるカーボンニュートラル施策

5つ目は徳島県の那賀ウッドの取り組みです。徳島県那賀町は森林率95パーセントですが、この森林は放っておいてもCO2を吸収しません。30年も経つとCO2の吸収力は極端に低下していきます。したがって、この森林の間伐、植林、製材という循環利用が必要です。間伐・伐採して有効利用しなければ地域の活性化にもなりません。

間伐や植林は地元の森林組合や自治体にお任せし、当社が加工・販売、木育・環境教育などを手掛けることにより、地域全体のカーボンニュートラルに貢献する展開を進めています。

基本方針② 多様化するニーズへの対応力の強化

基本方針の2つ目は、多様化するニーズへの対応力の強化です。さまざまなデータや情報をICTで上手く活用することや、農林業を活かした地域活性化を進めるグリーンインフラ、スマートシティ化なども必要となってきています。これらについても積極的に対応している事例をご紹介します。

基本方針② 【未来型社会インフラ】 DataVisualization技術の適用

はじめに、DataVisualization技術の適用です。さまざまなデータを分析・解析し、結果が数値情報として出てきても、それを見える化しなければ実際の状況はわかりません。そのため、津波の状況、洗掘状況など、さまざまな状況の計算結果を見える化し、どのように対応すべきかが瞬時にわかる取り組みを進めています。

基本方針② 【インフラDX】 点検技術のDX化技術の実用化

次に、インフラDXの中における点検技術のDX化の実用化です。さまざまな構造物点検が必要とされていますが、橋梁等では非常に高い場所を点検しなければなりません。そのような場合には、ドローンや360度カメラを使った点検、AIを取り入れた構造物の危険度判定、あるいは猛禽類の調査をするような機器を使った点検あるいは調査技術が必要となります。

基本方針② 【国土形成プロジェクト】 タイ国エコタウンプロジェクト

最後に、タイのエコタウン計画です。廃棄物処理を利用した発電施設をこのエコタウンの中に取り入れるという計画です。これらについても3D動画を活用し、周辺環境がわかるかたちで提案を進めています。

基本方針③ 環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築

基本方針の3つ目は、環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築です。これについては、バリューチェーンの進化が必要になってきています。受注・生産・売上・財務の一連の流れの無駄をなくすことや、イノベーションやマネジメント人材育成の強化も必要です。これらについても、当社は積極的に取り組んでいます。

基本方針③ バリューチェーンの進化(新システムの導入)

特に、バリューチェーンの進化としては、物件の受注と合わせて実際にそれを生産していきます。そのためには工程管理や進捗管理、原価管理も必要です。それらはすべてDXを進める中でデータの一元化を行います。そこには関わる人材のデータも取り込み、それらを可視化できるかたちに変えていきます。また、管理会計用に、常に迅速な経営判断ができるような指標を出していくことなどを進めています。

これらは2022年8月頃にスタートし、2023年6月から実際に運用を開始しようとしていましたが、若干遅れている状況です。ただし、スライドの米印がついている部分については、すでに一部運用を進めています。

基本方針③ 多様な働き方・人的資本経営経営の主な取組み

その他、多様な働き方・人的資本経営の主な取り組みとしては、健康経営の推進を進めています。各子会社・関係会社において、「健康経営優良法人」や「えるぼし」「くるみん」といった認定の取得も進めています。

また、教育を進める上で技術レベルをアップするために、企業内学校としてE・Jアカデミーを開設しています。ITやAIなどの新しい内容のみならず、従来の土質力学・構造力学・地震工学といった専門分野の基礎講座を、1年間を通して対面形式やオンライン形式で開設し、教育及びレベルアップを進めています。

基本方針③ 災害時の事業継続と若手人材の育成:DXルーム

災害時における事業の継続や人材の育成のために、「DXルーム」を設置しています。災害時において、現場の対応者や専門技術者、発注・監督を行うインフラ管理者が三位一体で、Webカンファレンスができる仕組みを作っています。これにより、災害時の迅速な対応が可能となり、若手人材の育成にも活用できます。

こちらの内容については、内閣官房国土強靭化推進室が発行する「国土強靭化 民間の取組事例集」に取り上げられています。

基本方針③ 東京事務所移転による職場環境の改善

東京事務所の老朽化のため、2024年6月に移転しようと考えています。JR中野駅の再開発に伴いオープンする集合高層ビルへの移転を考えており、こちらを含めて来年度から本格的なハイブリッドワークを進めていく考えです。

【⻑期ビジョンの振り返り】 ⻑期ビジョンの概要

今後の経営戦略についてご説明します。長期ビジョン「E・J‐Vision2030」においては、「未来型インフラ創造グループ」を目指しており、その中で第5次中期経営計画に取り組んでいます。

そのために、我々の強みを活かし、「環境負荷軽減への貢献」「持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献」「地域課題解決と活性化への貢献」を進めていく考えです。

【⻑期ビジョンの振り返り】 グループの果たすべき役割

スライドのように、国内外において、社会経済的な問題や価値観の多様化、資源、環境の問題が大きく掲げられています。このような中で、いかにデジタルを活用しながら展開していくか、また経済成長と資源循環の両立が必要になってきています。

当社は、環境、防災・保全、行政支援の3つのコア・コンピタンスを活かしながら、先ほど示した「環境負荷軽減への貢献」「持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献」「地域の課題解決と活性化への貢献」を進めていく考えです。

【⻑期ビジョンの振り返り】 ⻑期ビジョンの基本方針とESG経営

長期ビジョンの基本方針においてESG経営に取り組みます。長期ビジョンの基本方針は、「環境負荷軽減対応の強化」「持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献」「ダイバーシティ経営の実践」「最適な体制構築のためのガバナンスの強化」の4つです。これらにESG経営の推進としてSDGsの目標を取り入れながら展開を進めています。

【⻑期ビジョンの振り返り】 ロードマップ (成⻑戦略)

長期ビジョンの成長戦略です。現在の第5次中期経営計画は、基盤の整備・強化の段階にあたります。第6次中期経営計画は拡大・進化、第7次中期経営計画は次世代創造といったキーワードを掲げ、2030年度に売上高500億円を目指していきます。

株主価値向上へのアクションプラン

当社はプライム市場の上場企業として、資本コストや株価を意識した経営を進めていく必要があります。そのために、ROE10パーセント以上を安定的に維持し、PBR1倍超を目指していくと示しています。

具体的なアクションプランとしては、エクイティスプレッドを拡大します。そして、ESG経営における、サスティナビリティの項目として気候変動対策へ取り組み、人的資本等への対応を行います。配当政策においては、安定配当と増配に取り組み、DOE3パーセントを目安に配当を実施していく考えです。

また、アウターブランドの充実とともにIRなど、株主との対話を積極的に考えながら、知名度向上を進めていきます。

【ESG経営の取り組み】 気候変動に関する対応

気候変動に関する具体的な取り組みです。当社はTCFDの提言へ賛同を表明しており、パリ協定で示された世界の平均気温の上昇を1.5度に保つという目標に向けて、CO2削減のための取り組みを実施しています。

基本的には、スコープ1・スコープ2に対し、2030年までに現在のCO2排出量を42パーセント削減する計画で動いています。スコープ3については、外注等に関して、主要サプライヤーに環境目標設定を要請しています。また、社員の移動や通勤におけるCO2排出量を25パーセント削減するという目標で進めているところです。

【ESG経営の取り組み】 人的資本経営への対応

人的資本経営への対応です。当社のミッションは「地球環境にやさしい優れた技術力と判断力」で、それを有するのは人々の総合力です。人々の総合力が経営資源であることから、人権基本方針を制定しています。

また、ウェルビーイング経営の推進として、女性管理職比率や新入社員に占める女性比率の向上、男子育児休暇取得率の向上、男女給与格差の是正、グループ内女性取締役比率の向上を進めています。

教育・研修については、先ほどお話ししたとおり、E・Jアカデミーを設立して教育研修を行っています。また、公的資格取得や社外教育に対して手当・補助金を支給するなど、積極的に展開しています。

【投資方針】 グループ数値目標を踏まえた第5次中期計画イノベーション投資

グループ数値目標である売上高500億円達成へ向けての具体的な展開としては、当然イノベーション投資が必要になってきます。第5次中期経営計画で約40億円のイノベーション投資をする方針で、作業環境・情報機器等と、DX・R&D・教育等の2つの内容に分けて進めています。

2021年度から2022年度において、作業環境・情報機器等の整備に約12億円、DX・R&D・教育等に約12億円、合わせて24億円弱の投資を進めてきました。今後も20億以上の投資を進めていきます。

【 利益還元方針 】

利益還元方針についてです。安定かつ増配基調の継続を基本として、当面、株主資本配当率3パーセントを目安に実施していく方針です。2023年8月の株主総会では、1株当たり50円の配当を予定しています。来期については5円増配の55円という予想です。

株主・投資家との対話方針

株主・投資家との対話方針です。ホームページ等でのタイムリーな情報開示はもとより、個人投資家向けの会社説明会や、機関投資家向けのミーティングも積極的に行っていきたいと思っています。

2022年度は1on1ミーティング等を13回実施しました。2023年度も決算説明会、個人投資家向け説明会、1on1ミーティング等について積極的に進める予定です。

以上で、E・Jホールディングスの決算報告を終了します。ご清聴いただき、ありがとうございました。