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福島嘉章氏:代表取締役社長の福島嘉章と申します。それでは、株式会社ランドコンピュータの決算説明会を始めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、会社概要、昨年度の決算、今期の業績予想、中期経営計画、株主還元についてご説明します。
会社概要
まずは会社概要です。創立は1971年1月13日で、売上高は連結で115億7,894万円、単体で初めて100億円を超えています。社員数は連結で550人、単体で506人です。会長の田村秀雄は3兄弟で、他の兄弟が学校法人を運営しています。渋谷教育学園、多摩大学を経営母体としてスタートし、株式会社化した歴史のある会社です。
本社の所在地は東京の田町で、関西にも事業所があります。子会社には株式会社インフリー、株式会社テクニゲートがあります。
ランドコンピュータの歩み
当社の歴史です。スタートは52年前で、富士通グループからの金融関係の仕事から始まり、現在に至ります。
創業3期目以降、50年以上にわたり黒字経営を実現しています。ただし、1990年代前半のバブル崩壊や2000年に入ってから起きたITバブル崩壊、2008年のリーマンショックによる世界同時不況では売上が大きく下がりました。
しかし、スライドの緑色の吹き出しと青色の吹き出しに変化点を記載のとおり、我々は環境に対応しながら変化し、新しい事業を始めることで、アップダウンがありながらも右肩上がりで成長しています。
事業の特徴:ワンストップサービスの提供
我々の特徴は、お客さまを囲い込むことができるワンストップサービスを提供していることです。52年にわたり、システムインテグレーション・サービスとしてシステムの受託開発を行ってきました。
それを支えるもう1つの柱として、パッケージベースSI・サービスがあります。世の中のデファクトと言われているSalesforce、SAPなどのさまざまなパッケージの導入や、お客さまがより使いやすくするためのアドオン開発といった仕事が大変伸びています。
また、アプリケーションを動かすための基盤構築として、インフラソリューション・サービスがあります。現在、クラウド関連の仕事が活況です。
このように、着実に柱を増やしてきた会社だとご理解いただければと思います。
当社の強み
我々の強みは4つあります。1つ目は、約50年間にわたり、安定した経営実績を残してきたことです。2つ目は、高い技術力、豊富な業務知識、強固な顧客基盤を有していることです。大手のベンダーだけでなく、直ユーザーも非常に増えてきています。
3つ目は、我々の創業母体が学校法人であるため、教育にも力を入れていることです。お客さまをつなぎとめるかすがいとして資格取得に力を入れており、1人当たり平均3.82の資格を持っています。4.0という数字が見えるところまできているなど、社員の筋肉質化を図っている状況です。
4つ目は、ビジネスパートナーとの長期的協力関係の構築です。我々単体では仕事はできないため、パートナーとの長期にわたる関係構築を行い、パートナーを囲い込んだ教育も実施しています。
この4つの強みを活かして、今後も成長していきたいと考えています。
2023年3月期 業績概況
2023年3月期の業績概況です。売上高は115億7,800万円、営業利益は12億2,200万円、経常利益は12億3,800万円、当期純利益は7億7,200万円となり、利益率ともに過去最高を記録しました。
売上高については、子会社を1社取得したことにより純増しましたが、これまで取り組んできた3つの柱も着実に成長してきています。
利益面については、関西事業所の移転やM&Aによる経費が増えた一方、売上の増加及び事業構造の選択と集中により、高収益プロジェクトへのシフトが着実に進みました。その結果、営業利益は前期比40パーセント以上の増加となりました。
システムインテグレーション・サービス 業種別売上高
続いて各サービスラインの状況についてご説明します。
3つの柱の1つである、システムインテグレーション・サービスについてです。売上高は63億4,500万円、前期比13パーセント増となりました。
スライドの円グラフは、構成比の変化を表しています。産業、流通の部分が非常に大きくなってきました。買収した子会社の仕事が増えたことも関係していますが、非常に好況です。
公共の部分も非常に好調で、絶対額は小さいですが、前期比53パーセント伸びています。今期もこの数字をさらに伸ばしていきたいと考えています。
インフラソリューション・サービス 業種別売上高
2つ目の柱であるインフラソリューション・サービスについてです。売上高は前期比3.2パーセント伸ばすことができました。
金融系のマイナスが大きいのは、地銀や信用金庫といった地方の大型案件がいったんストップしたり、なくなったりしたことが影響しています。医療分野については、事業構造の選択と集中を進めている段階のため、大きく減っています。
パッケージベースSI・サービス 業種別売上高
一番の目玉であるトピックスになりますが、パッケージベースSI・サービスの売上高が38億7,900万円となり、前期比45.3パーセント伸びました。スライドに、我々がデファクトと考えている主なパッケージを載せています。
Salesforce関連ビジネスの売上高は18億円を超え、前期比27.1パーセント増となりました。SAPも非常に好調で、前期比38パーセント増です。
会計パッケージは、前期比183.8パーセントと大幅に伸びています。SuperStreamは、1万社が導入している人事給与会計パッケージを専業としている会社を株式取得したことで、大きく純増につながりました。
会計パッケージの構成比は22パーセントです。会社の業績に非常に大きく寄与したと考えています。
2023年3月期 連結営業利益分析(前期比較)
続いて連結の営業利益分析です。前期比3億5,000万円のプラスに転じることができました。スライドの棒グラフのオレンジ色がプラス要因です。子会社を買収したことによる利益が6,900万円となっています。
また、売上高が伸びたことにより、利益も追随して売上総利益は2億8,400万円の増加となりました。それに加え、我々はさらなる事業の選択と集中を進め、さまざまな事業改善を行った結果、売上総利益が2億5,500万円増えています。
棒グラフの青色の部分はマイナス要因ですが、私は良いかたちのマイナスと考えています。子会社も増えたため、大きなフロアが必要で関西事業所を移転しました。また、社員を鼓舞するために、遅ればせながら50周年記念パーティーも行いました。
売上が増加して間接人件費及び販売管理費も増えており、M&Aによる取得費用でマイナス面もありましたが、必要な費用だったと考えています。
2023年3月期末 連結貸借対照表
連結貸借対照表です。資産の合計は、前期比10億200万円増の75億200万円まで増やすことができました。スライド右側に記載の増減要因をご覧いただくと、現預金やのれん、顧客関連資産が増えています。
負債の合計は、前期比5億300万円増の26億3,700万円です。パートナーと多くの業務を行ったため外注費が増加し、買掛金を計上しています。また、業績が好調だったため、賞与引当金で基準額から1億円を超える金額を計上していますが、こちらはプラス要因ととらえています。
利益剰余金を4億8,400万円計上しているため、純資産は前期比4億9,900万円の増加となりました。資産合計に対し、負債と純資産が1対1くらいの割合となっています。自己資本比率は若干落ちているものの、安定している状況だと認識しています。
2023年3月期 連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書です。現金及び現金同等物の期末残高は前期比5,000万円の増加となりました。
営業キャッシュ・フローは9億8,100万円となりました。左上の表に、営業キャッシュ・フローの主な増減要因を記載しています。税引等調整前の当期純利益が12億円を超えたことで、大幅に増加しました。
投資キャッシュ・フローと財務キャッシュ・フローは、子会社の取得費用や事務所移転に伴う固定資産取得などによりマイナスとなっています。
2024年3月期業績予想 連結損益計算書
今年度の連結業績予想についてです。連結売上高は、2022年3月期で95億9,600万円、2023年3月期で115億7,800万円でした。今期はさらに伸ばして124億円を予想しています。
営業利益、経常利益、当期純利益は約17パーセントと非常に高い目標を掲げています。さまざまな試算を行い、事業の選択と集中も進めていますので、達成できると考えています。3期連続での過去最高を目指し、今期をスタートしている状況です。
外部環境
2023年度が最終年度となる中期経営計画(VISION2023)についてお話しします。市場動向としては、市場が活況の中、人材が枯渇しています。人材不足解消に向け、お客さまもリスキリングを行っています。
我々は52年取り組んできた強みをより活かしたいと考えており、従来型開発とDX型開発の2つに分けて進めています。従来型開発では、さまざまなツールを使いながら、利益を上げるために品質向上とコスト抑制に力を入れたいと思っています。
一方で、DX型開発は短期間でサービスの提供と改善を繰り返していきます。場所ごとに区切って実装とテストを繰り返すアジャイル開発は、非常に早いスパンで回す開発手法で、こちらに力をいれています。また、できるだけプログラムコードを書かないローコードという開発手法にも取り組んでいます。
キーワードはクラウドと考え、このようなところで勝負していきたいと思っています。
中期経営計画(VISION2023)数値計画
2023年度の中期経営計画は、もともとはスライドの青色で記載している数値を目標としていました。しかし、今年度もさらなるトップラインの増加を目指し、124億円に上方修正しています。それに追随して利益もスライドに記載の目標値に設定しました。
中期経営計画 重点戦略項目
重点戦略項目として、5つを考えています。直近では2社とM&Aをしました。SAPのコンサル及びアドオン開発を強みとする会社や、すでに1万社が導入している会計・人事給与パッケージに強いSuperStreamを専業としている会社が我々の仲間になりました。
もともと我々が取り組んでいた仕事ですが、さらに強みが増したということです。そのような会社も含め、さらにM&Aを推進していきたいと思っています。
また、大手のお客さまや既存のユーザーなど、業務提携先とさらなる連携も進めていきます。
さらに、DXビジネスを推進する上でクラウドは外せないキーワードです。パッケージベースSI・サービスは前期比45.3パーセント伸長しましたが、さらに伸ばすため、ローコード開発やアジャイル開発ができる能力・知見を持ったエンジニアを増やすことに注力していきます。
そして、直ユーザー取引もさらに伸ばしていきたいと思っています。52年取り組んできたSI分野にも注力していきます。
中期経営計画を実現するための施策
繰り返しになりますが、2021年4月、2022年4月にSAP、SuperStreamに特徴を持つ会社が我々の仲間に入りました。現在、相乗効果を図っているところです。また、業務提携先とさらなる連携強化を進めていきたいと思っています。
中期経営計画を実現するための施策
DXの中身についてです。1つ目は、我々の目玉になるSalesforceビジネスを年々着実に大きくしていきます。昨年度の売上高は18億円を超えました。今年度も25億円を超える見込みです。
2つ目は、アプリを支えるビジネス基盤について、クラウドのリフト&シフトが非常に活況です。このような仕事ができるクラウドネイティブのエンジニアをどんどん育て、仕事を取っていくために強化しています。
3つ目は、Salesforceも含むパッケージベースSI・サービスの比率をさらに上げていきたいと思っています。今年度は35.5パーセントを目標に、昨年度以上に伸びている分野のため、注力していきたいと考えています。
SuperStream Partner Award 2023「Cloud Business Award」受賞
スーパーストリーム社の「SuperStream Partner Award 2023」において、「Cloud Business Award」を受賞しました。
すでに1万社が導入している非常に強い会計人事給与パッケージですが、パッケージの中身をよく理解し、コンサルの目線でお客さまに入り込んで、アドオン開発を含めたクラウドのリフト&シフトを行い、SuperStream-NXのクラウドモデルを強く推進してきました。こちらについては、さらに注力していきたいと考えています。
中期経営計画を実現するための施策
ローコード開発、アジャイル開発についてです。次ページで詳細を解説しますが、「ランドコンピュータ アジャイル開発標準」というものを現在策定しているところです。このようなところも十分に取り組んでいきます。
また、アジャイル人材やローコード人材は世の中が求めている人材のため、早期育成を図り、注力しているところです。
DX事業加速に向けて ジェネクサス・ジャパン株式会社と開発パートナー契約締結
アジャイル開発についてです。ウルグアイに本社があるジェネクサス・ジャパンという会社には、開発する時に品質を担保して大変早く仕上げるツールがあり、それを活用し支援するために業務提携を行いました。
このパッケージを活かすことで、我々が50年蓄積してきたノウハウや開発の手法を合わせてブランド標準を作り、テンプレート化を含めて品質や安全性を高めることができます。安価というよりは、お客さまのスピード感に合わせて開発を行います。そこを第一の目標として取り組んでいるところです。
DX事業加速に向けて
4月5日にニュースリリースしましたが、当社ホームページにローコード導入・構築ソリューションのページをオープンしました。開発力を強化し、さらにアクセルを踏んでいきたいと考えています。
中期経営計画を実現するための施策
我々は学校法人からスタートしているところもあるため、教育や資格にも注力していきたいと考えています。ローコード開発では、50人の技術者をそろえるために今期ますます力を入れているところです。
また、R&Dアジャイル開発標準を確立していきます。ジェネクサス・ジャパンと我々独自の強みを活かした開発手法を使い、お客さまに早く確実に安全に開発したものをお届けしたいと考えています。
中期経営計画を実現するための施策
直ユーザー取引拡大と得意分野に注力しています。直ユーザー取引の拡大には、リピートオーダーを獲得できるという非常に大きなメリットがあります。パッケージベースSI・サービスを武器に、新規顧客開拓を推進していきたいと思っています。
また、今年度買収した企業だけでも、直ユーザーは60社以上あります。単純に直ユーザーがそれだけ増えているということにもなりますが、そのような新しいお客さまにもどんどん提案・拡大していきたいと考えています。
中期経営計画を実現するための施策
これまで行ってきたSI分野をさらに強化していきます。金融は祖業であり非常に強い分野ですので、金融分野の中でSalesforce事業を立ち上げました。今年度の成長率は174.6パーセントとなり、ますます拡大していきたいと考えています。
公共分野は非常に幅広い分野で長く確実に仕事ができます。そして、我々のメンバー社員も育成することができるということで注力している分野です。
富士通グループ、日立製作所グループ、NTTデータなどさまざまな大手IT企業から、コアパートナー、プラチナパートナー、エクセルパートナーなどさまざまなパートナーに認定いただいています。富士通に関しても、昨年は「Top Technology Company賞」の第1位をいただき、その名に恥じぬように今年度も十分に仕事していきたいと考えています。
加えて、モダナイゼーションを推進していきます。これまであったシステムを活かしながら、お客さまが新しい手法を取り入れてシステム開発するという分野は伸びますので、我々も注力していきます。
中期経営計画(VISION2023) サービスライン別売上高
3つのサービスラインごとの売上集計になります。2024年度3月期は売上高124億円と予想しています。平均成長率は11.8パーセントです。一番伸びているパッケージベースSI・サービスは30パーセントを超える成長率を見込んでおり、ますます注力していく必要があると認識しています。
スライドの円グラフや棒グラフをご覧いただくとパッケージベースSI・サービスが、非常に勢いのあることがご理解いただけるのではないかと思います。
VISION 2023 数値計画
売上高は2022年度3月期で95.9億円、2023年度3月期で115.7億円でした。今期は124億円ということで、まさに右肩上がりのリニアになるようなかたちですので、今期もしっかり取り組んでいきたいと思っています。
配当・株主還元
株主還元についてです。2024年3月期の配当性向予想は40.3パーセントを見込んでいます。連結配当性向40パーセント以上という方針は変えていません。当然ながら、業績動向に伴って配当金等の見直しを行いたいと考えています。いずれにしても、高い配当性向を維持できるように利益を上げていく体制を作ることに注力していきます。
配当・株主還元
次に配当金についてです。スライドをご覧のとおり、9年前から着実に配当額を上げることができていると考えています。2024年3月期も、中間20円、期末20円、年間40円を予定しており、株主のみなさまに十分にお応えできる会社だということを示していきたいと考えています。
株主優待制度「ランドコンピュータ・プレミアム優待倶楽部」
「ランドコンピュータ・プレミアム優待倶楽部」についてです。300株以上を保有している方が対象となりますが、ポイントに応じて、食べ物やギフト、旅行などさまざまな商品を自由に選択できますので、ぜひ利用していただきたいと思います。
ランドコンピュータのサステナビリティについて
最後にサステナビリティについてです。ESGの観点を拡充してしっかり取り組んでいくため、本年8月にサステナビリティサイトのリニューアルを予定しています。
重点目標
SDGsについては、教育・技術革新、働きがい・平等、つくる責任、パートナーシップ、健康・平等の5つを重点目標として、事業経営をしっかり推進していきたいと考えています。
以上です。ご清聴ありがとうございました。