2023年1月期決算説明
水口通夫氏(以下、⽔⼝):みなさま、こんにちは。株式会社バリューゴルフ代表取締役の⽔⼝でございます。当社の2023年1⽉期決算説明をご覧いただき、ありがとうございます。
本⽇は、取締役専務執⾏役員の渡辺より2023年1⽉期決算状況を説明した後、私より2023年1⽉期のトピックスおよび2024年1⽉期の取り組みについてご説明いたします。
不正事案及び過年度業績の修正について
渡辺からの説明に先⽴ちまして、まず私から昨年発覚した当社連結⼦会社における不正事案及び過年度業績の修正についてお話しさせていただきます。
株式会社産経旅⾏の従業員が不正な取引を通じて会社の資⾦を取得していたという事案が発覚いたしました。当該⾏為により横領された⾦額は約3,800万円でありました。2023年2⽉22⽇に発表のとおり、会社としては引き続き厳正に対処してまいります。
関係者のみなさまには多⼤なご⼼配とご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。⼤変申し訳ございませんでした。今後、このような事案が発⽣しないよう、再発防⽌策を徹底してまいります。引き続き、ご⽀援いただきますよう、よろしくお願いします。
会社概要
渡辺和昭氏:まず、当社グループの概要を説明させていただきます。当社は2004年2⽉、ゴルフ情報のフリーペーパー『月刊バリューゴルフ』による広告事業を営む会社として設⽴いたしました。
その後、2010年に現在の基幹サービスである「1⼈予約ランド」をスタート、2016年3⽉に東証マザーズに上場いたしました。
事業領域
東証マザーズ上場後、当社はM&Aにより事業領域を拡⼤、現在ではゴルフ事業を中⼼として、トラベル事業、その他の事業のセグメントからなるグループ企業となっております。
事業内容(ゴルフ事業)
ゴルフ事業においては、「1⼈予約ランド」「リピ増くん」、WEBサイト作成・運営などのASPサービス、『月刊バリューゴルフ』『バリューゴルフプレミア』「VALUEGOLF WEB」などの広告プロモーションサービス、「バリューゴルフレッスン」、インドアゴルフ複合施設などのレッスンサービス、ジーパーズゴルフショップなどのゴルフ⽤品販売およびECサービスを⾏っております。
事業内容(トラベル事業・その他の事業)
トラベル事業においては、ゴルフ旅⾏・バス旅⾏などの⾃社企画の募集旅⾏、インバウンドツアーやオーダーメイド旅⾏などの受注型企画旅⾏、航空チケットの⼿配などの⼿配旅⾏のサービスを⾏っております。
その他の事業においては、広告制作サービスとして、雑誌やWEBサイト制作を⾏っております。
連結損益計算書
連結損益計算書はご覧のとおりです。当期より「収益認識に関する会計基準」を適⽤し、売上高は44億4,300万円となりました。ほぼ横ばいのように⾒えてしまいますが、前期までの基準では53億3,100万円となり、実態としては約20.0パーセントの増加となっております。
営業利益は過去最高となる2億3,700万円となりました。⼀⽅、不適切取引の調査費用として4,600万円のコストが発⽣し、特別損失に計上しております。
そのため、親会社株主に帰属する当期純利益については前期⽐マイナス7.3パーセントの1億1,400万円となりました。
営業利益の増減分析
営業利益の増減です。2023年1⽉期はすべての事業において増益での着地となりました。特にトラベル事業は、出⼊国制限の緩和や全国旅⾏⽀援等の観光需要喚起策といった追い⾵を受け⼤幅に回復し、⿊字化を達成しました。
連結貸借対照表
連結貸借対照表はご覧のとおりです。資産の部では、流動資産が前期末と⽐較して1億3,800万円増加いたしました。これは主にジープ社における商品とトラベル事業における旅⾏前払⾦が増加したことによるものです。
負債の部では流動負債が前期末と⽐較して1億100万円増加いたしました。これは主に短期借入金が増加したためであります。私からの説明は以上となります。
業績ハイライト
⽔⼝:それでは私から2023年1⽉期のトピックスについてご説明いたします。こちらは、業績ハイライトです。ゴルフ事業・トラベル事業・その他の事業すべてで増収増益となりました。
ゴルフ事業は、新型コロナウィルス感染症の影響の中、「密」を避けられるスポーツとしてゴルファーが増加しました。当グループの「1⼈予約ランド」も安定的に利⽤されたことが要因として考えられます。
トラベル事業は、海外との往来制限の⼤幅な緩和があり、また、全国旅⾏⽀援等の観光需要喚起策があったことが要因として挙げられます。
その他の事業は、広告制作サービスにおいて、広告出向元の業績回復等もあり、⼤きく利益を伸ばすことができました。
サービス別トピックス① − ゴルフ事業
サービス別に⾒ますと、「1⼈予約ランド」をメインとしたWEBサービスは堅調に推移いたしました。会員数は、2024年1⽉期には100万⼈を突破する⾒込みとなっており、順調に増加しております。また、それに⽐例してエントリー数も増加しております。
利⽤できるゴルフ場も増加しており、特に北海道エリアは24.1パーセントの伸び率となっております。
サービス別トピックス② − ゴルフ事業
新サービスの状況です。ゴルフ場のプレー枠が埋まらないという課題と、プレー⽇に近づくほど予約の動きが活発になるという「1⼈予約ランド」ユーザーの特性を組み合わせたサービスとなります。こちらは2022年3⽉より本格的に稼働し、徐々にニーズは高まっており、対象コースも拡⼤しております。
サービス別トピックス③ − ゴルフ事業
ゴルフ情報誌の状況です。『⽉刊バリューゴルフ』は関東・関⻄で毎⽉発⾏しているゴルフ情報フリーペーパーとなります。また、当社グループの各種サービスも紹介しており、事業間のシナジーを⽣み出す媒体としての機能を強化いたしました。こちらは今年創刊20周年となります。
『バリューゴルフプレミア』はJCBゴールド会員向けに発⾏するゴルフ情報誌となります。ハイグレードなゴルフ場や旅⾏記事、ドキュメンタリー企画等を掲載しております。
サービス別トピックス④ − ゴルフ事業
ゴルフ⽤品販売の状況です。ECサービスを中⼼に売上は好調に推移いたしました。⼀⽅、仕⼊の状況は急激な円安の影響や、COVID-19によるメーカーの⽣産スピードの低下により、商品の確保が難しい状況が続きました。
⼤崎(東京都品川区)で運営している「バリューゴルフ⼤崎」についても、試打・フィッティング・レッスン・レンジ(練習利⽤)をワンストップで提供できるというコンセプトがお客さまに好評で、開店以来、過去最高の実績となりました。
サービス別トピックス⑤ − ゴルフ事業
レッスンサービスの状況です。インドアレッスンは客単価向上や営業時間の拡⼤の施策が奏功し、売上高は⼤きく伸⻑いたしました。オンコースレッスンはニーズの高いレッスン中⼼のプログラムへ変更を開始いたしました。そのため移⾏期による売上の減少がございましたが、中期的にはユーザーは戻ると考えております。また、⾬や雪などの天候不順の影響で、厳しい状況となりましたが、プロアマ⼤会等のイベントによるエンドユーザーの獲得を⾏いました。
サービス別トピックス⑥ − トラベル事業
トラベル事業の状況です。新型コロナウィルス感染症の影響から徐々に脱却しつつあり、旅⾏需要は回復傾向となりました。約3年ぶりに海外募集型企画旅⾏を催⾏し、好評を得ております。今後は状況を⾒つつ海外ゴルフツアーを増やしてまいります。
収益認識の適用(トラベル事業)
当社グループは2023年1⽉期より「収益認識に関する会計基準」を適⽤しております。当社グループにおいてはトラベル事業が⼤きく影響を受けました。従来の会計処理を⾏った場合の売上高は11億9,700万円となり、前年同期⽐173.9パーセントの増加となります。これは全国旅⾏⽀援や県⺠割、ブロック割などの観光需要喚起策を利⽤したこと、また⽔際対策の緩和によるインバウンド需要が発⽣したことによります。
今期の取り組み①(ゴルフ事業)
続きまして、2024年1⽉期の取り組みについてご説明いたします。当社グループの中核事業の「1⼈予約ランド」は、導⼊コースの増加、グループ間シナジーの強化、成⽴率の向上を狙い、各種施策を⾏ってまいります。
今期の取り組み②(ゴルフ事業)
当社は株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインと業務提携契約を締結いたしました。これは2024年1⽉期の目玉施策の1つです。
業務提携の内容は、当社の「1⼈予約ランド」にゴルフ場が料⾦プランを設定することで、GDO社の1⼈予約も同時にプランが設定されるというものです。
これにより、ゴルフ場は従来当社「1⼈予約ランド」とGDO社に別々に提供していた予約枠について、当社「1⼈予約ランド」のみの提供で両サイトから予約受け付けが可能となり、効率的な運営が可能になります。
また、ゴルファーにとっては1⼈予約でプレーができるゴルフ場が増加し、両サイトからの予約が入ることで成⽴率が高まるといったメリットが見込まれます。
今期の取り組み③(ゴルフ事業)
ゴルフ⽤品販売においては、当社ゴルフ⽤品店の特徴であるUS商品の仕⼊を強化し他社との差別化を⾏います。
さらに、プライベートブランドの新商品を連続投⼊いたします。プライベートブランド商品に関しては、稼働率の高い製造委託先に変更し、安定的に仕⼊を⾏います。また、ガラスコーティングやボールプリントなど付加価値のある商品を提供いたします。
実店舗の状況ですが、このたび新店舗を千葉県浦安市にオープンいたしました。「バリューゴルフ⼤崎」と同様、500本の試打クラブや最新シミュレーターを備え、さらにはクラブ⼯房でのカスタマイズにも対応した店舗となります。
今期の取り組み④(トラベル事業)
旅⾏サービスにおいては、ゴルフ⽤品販売サービスと同様に、当社の他のサービス利⽤者にプロモーションを⾏い、ユーザーの囲い込みと集客の効率化を⾏います。
WEB戦略においては、専⾨の部署を設置し、集客の最⼤化、および催⾏率、リピート率を向上させます。また、ゴルフポータルサイト「VG WEB」からユーザー流入を促します。
インバウンドツアーにおいては、海外のゴルフツーリズム機構主催のイベントに参加し、ツアーの誘致を⾏います。こちらはすでに数件の問い合わせがあり、実現を⾒込んでおります。
また、海外の旅⾏会社を訪問し、インバウンドツアーの提案と集客を⾏ってまいります。
通期連結業績予想 〜2024年1月期〜
最後に2024年1⽉期の業績予想についてご説明いたします。
これまでご説明してきた施策を遂⾏し、売上高48億円、営業利益3億円、経常利益2億9,000万円、当期純利益2億円を⾒込んでおります。営業利益以下については、引き続き過去最高を更新する予想となっております。
当社は経営理念である「〜世の中の『したい』を具現化する〜」を着実に実⾏し、今後も新たなサービスを⽣み出すことにより企業価値を高め、みなさまの期待に応えてまいります。
本⽇は最後までご覧いただき、ありがとうございました。