1. 本経営統合の背景・⽬的 ⽇新製糖と伊藤忠製糖

樋口洋一氏(以下、樋口):私から本経営統合の背景・目的についてご説明します。スライドをご覧ください。

当社および伊藤忠製糖は、我が国の砂糖業界における主要プレィヤーとして、生活必需品である砂糖を品質と安全性にこだわり安定供給してきました。また、沖縄県・鹿児島県のサトウキビを原料とする製糖事業や国産糖の調達を通じ、各地の原料生産者や糖業者とともに発展することで、農業の活性化、環境保全、地域経済の発展に貢献してきました。

1. 本経営統合の背景・⽬的 ⽇新製糖と伊藤忠製糖

加えて、消費者の健康に資する機能性素材の開発・商品化等を進め、新たな付加価値を提供することで、健康的な生活や豊かな食文化の形成にも寄与してきました。

1. 本経営統合の背景・⽬的 我が国の砂糖産業を取り巻く環境

一方で、我が国の砂糖産業を取り巻く環境においては、少子高齢化に伴う人口減少、低甘味・低カロリー嗜好による砂糖の代替品の台頭、TPPなど他国との経済連携協定等による競争激化という状況があります。さらには近年の原料価格の高騰などの不確実性の高まりとともに、事業環境の変化への柔軟な対応と事業基盤のさらなる強化、そして経営効率化の必要性に迫られています。

1. 本経営統合の背景・⽬的 砂糖消費は漸減

特に平成の時代を振り返ると、1990年代初頭のバブル崩壊後は、長期にわたり経済が低迷し、低成長、低金利、低物価が続く、俗に言う「失われた30年」でした。それに合わせて国内の砂糖消費量も、平成の30年間で約90万トン、直近の10年間で約30万トン、5年間で約20万トン、コロナ禍前後の2年間で12万5,000トン減少しました。私ども砂糖業界の精製糖企業は、会社数・工場数が24社21工場から13社12工場へと集約化が進んでいます。

また、ここ数年はご存じのとおり、コロナ禍に加えロシアのウクライナ侵攻等のウクライナ危機、そして金利の内外格差拡大に伴う32年ぶりの円安の影響を受け、原料や燃料、さらに物流コストが高騰し、国内の精糖市況は急上昇しています。

1. 本経営統合の背景・⽬的 我が国の砂糖産業を取り巻く環境

このような環境下で、我が国における砂糖産業および当社、伊藤忠製糖両社の企業価値の発展向上を図るために協議を重ね、このたび公平・公正かつ対等の精神の下、本経営統合を行うことについて最終合意に達しました。

1. 本経営統合の背景・⽬的 今後について

当社および伊藤忠製糖は、本経営統合を通じて両社の経営資源・ノウハウを結集することで、業務体制・人的資源の最適化、生産拠点の効率化、そして物流網や原料調達網の集約・整理等を通じた効率的なグループ経営を推進・深化させます。また、これまで両社が取り組んできた独自性の高い新素材に関する研究開発をさらに発展させ、新商品開発を積極的に行い、人々の健康への貢献を目指し、今後の成長分野や注力分野に取り組んでいきます。

1. 本経営統合の背景・⽬的 今後について

これらの取り組みを通じて、事業ポートフォリオの見直しと最適化を行い、強固な収益基盤を構築することで、「食」と「健康」の両面で豊かな生活の実現に貢献できる企業グループとして、急変する事業環境においても、さらなる成長と飛躍を目指していきます。

1. 本経営統合の背景・⽬的 本経営統合の概要

本経営統合の概要です。当社および伊藤忠製糖は対等の精神にのっとり、これからご説明する方法によって経営統合を行い、持株会社体制に移行します。まず、当社を株式交換完全親会社とし、伊藤忠製糖を株式交換完全子会社とする本株式交換を行うことにより、伊藤忠製糖の発行済み株式のすべてを取得します。

1. 本経営統合の背景・⽬的 本経営統合の概要

また、当社は日新製糖分割準備株式会社との間で吸収分割を行うことにより、当社のグループ経営管理事業および資産管理事業を除く一切の事業を分割準備会社に承継させ、持株会社体制に移行します。

1. 本経営統合の背景・⽬的 本経営統合の概要

さらに、本株式交換および本吸収分割により、当社は商号を「ウェルネオシュガー株式会社」に変更し、分割準備会社は商号を日新製糖株式会社に変更する予定です。また、本持株会社は当社の現在の証券コード「2117」で、東証プライム市場での上場を継続する予定です。

1. 本経営統合の背景・⽬的 ⽇新製糖と伊藤忠製糖

スライドの表のとおり、今回の経営統合により、我々の2021年度売上高単純合算値は約770億円となり、業界第2位のグループになります。両社が長年にわたって培ってきた経営資源・ノウハウの一体的な活用により、砂糖の安定的な供給体制をより一層盤石なものとし、持続的な成長と企業価値の向上を図っていきます。

2. 新社名、新経営理念のご説明

山本貢司氏(以下、山本):山本でございます。私からは新社名、新経営理念についてご説明します。

まず新社名ですが、ウェルネオシュガー株式会社と命名しました。「ウェル」の部分は「Well-being(幸せ・健康)」という言葉から取っています。「ネオ」はギリシャ語で「新しい」という意味で、「常に若々しく、日々新たに」という思いを込めて「ウェルネオ」と命名しました。その後が重要で、私どもは砂糖会社のため「糖を基軸に」ということで「シュガー」を付け、ウェルネオシュガー株式会社と命名しました。

日新製糖も伊藤忠製糖も「豊かさと健康」を企業理念にしており、そのようなところを反映した新社名が良いのではないかということで、このようなかたちにしました。糖を基軸とした高品質な製品・サービスの提供により、人々の幸せと健康を実現するという思いを込めています。

2. 新社名、新経営理念のご説明

パーパスとバリューをご説明します。パーパス、つまり存在意義は「糖のチカラと可能性を切り拓き”Well-being”を実現する」です。また「Well-being」が出てきていますが、私どもはこれを大変重要視しています。

「糖のチカラと可能性」とは何かと言いますと、「糖」は必ずしも砂糖を指しているわけではありません。日新製糖も伊藤忠製糖も開発しているオリゴ糖も入っています。「可能性」というのは、砂糖からオリゴ糖、オリゴ糖からさらにその先に発展するということです。

私どもは、糖はまだまだ大きな可能性を秘めていると思っていますので、そのようなものを開発・提供することで「Well-being」を実現することが私どもの存在意義です。

バリューはスライドに記載のとおり、「挑戦」「多様性」「持続可能性」の3つです。こちらを常に持ちながら、パーパスを実現させていきたいと思っています。

2. 新社名、新経営理念のご説明

コーポレートメッセージは「心と体に『いいね』を ウェルネオシュガー」です。実は韻を踏んでおり、それぞれ「ウェル」と「いい」、「(ウェル)ネオ」と「(いい)ねを」をかけています。この語呂も含めてこのコーポレートメッセージを作りました。

疲れた時に甘いものが食べたくなるのは、体が欲しているからです。そのような時のリラックス効果もあり、これは「心に『いいね』」です。また、オリゴ糖は腸内環境の改善に役立ちますので、「体に『いいね』」です。心と体の幸せは、まさに我々が目指す「Well-being」の実現であると考えています。この「心と体に『いいね』を ウェルネオシュガー」を、ぜひ覚えて帰っていただければと思います。

経営⽅針

今後の経営方針として、我々は「Sugar」と「Food & Wellness」の両軸で事業を進めていきます。左側に「Sugar」軸を記載しています。今後も製糖会社のリーディングカンパニーとして、収益の柱である砂糖を基軸に事業を展開し、経営基盤のさらなる強化を進めていきます。

他方、成長のキードライバーとして右側の「Food & Wellness」により資源を投入し、積極的に取り組んでいきたいと考えています。世の中のニーズはどんどん変わってきていますので、マーケットインの考え方で、お客さまのニーズに合わせて、それに応えられるような商品を開発・提供していきたいと思います。

Sugar

まず、「Sugar」軸をご説明します。日新製糖と伊藤忠製糖は、工場の立地が違います。日新製糖は関東に1つ、関西に1つで、伊藤忠製糖は中部に1つ、九州に1つです。この立地は、全国に生産販売体制を作ることができるとともにBCPの観点からも、とてもよい組み合わせだと思っています。

簡単な例をお話しすると、伊藤忠製糖は関東に工場がありません。したがって、関東にお客さまがいても、私どもが中部から砂糖を運んでいくと競争力がなくなります。「関東のお客さまには関東の工場から」ということが、これまでもよくありました。そのようなニーズを、この組み合わせでしっかりと取っていきたいと思っています。

もう1つ重要なことは、日新製糖は家庭用に強く、伊藤忠製糖は業務用ユーザー向けが強みです。その強みを活かし、最適な生産販売体制を作っていきたいと思っています。スライド下段に記載のとおり、両社の保有アセットと知見を最大限活用します。

Food & Wellness

本スライドが先ほどお話しした成長のキードライバーです。砂糖会社はこれまで砂糖以外にいろいろな研究開発を行い、新しい製品を作ってきました。私どもは経営統合を契機に共同研究を積極的に推進します。資本提携によって強い関係性を構築し、両社の知見を融合させ、ハイブリッド型、ないしクロスオーバー型の研究開発を実現させます。

まだご紹介していない新しい製品にも、大きな可能性があると思っています。例えば、伊藤忠製糖は藤田医科大学と提携して、共同講座を始めました。このような我々の知見では限界があるところについても、連携することで新しい可能性を見出していこうとしています。この取り組みは伊藤忠製糖で始めたことですが、日新製糖も融合していきます。こちらがまさに我々のキードライバーです。

(補足資料) 糖を起点とした新しい商品 サイクロデキストラン、カップオリゴ

日新製糖の「サイクロデキストラン(Cl)」をご紹介します。これは虫歯や歯周病の原因となるプラークの生成を阻害する成分です。こちらは砂糖が原料で、砂糖からデキストラン、デキストランからサイクロデキストランへと製造しています。つまり、我々は砂糖を売るだけではなく、砂糖に足りない部分を補っていくものも、砂糖から作っています。そのようなことをもっと行っていきたいと考えています。

(補足資料) 糖を起点とした新しい商品 きびオリゴ、ケストース

スライド左側に掲載しているのは伊藤忠製糖の「きびオリゴ」です。オリゴ糖は、いろいろなものから作られていますが、伊藤忠製糖が作るオリゴ糖の原料は砂糖です。

和食などの料理には、グラニュー糖ではなく柔らかい上白糖が多く使われています。より生活者のみなさまに喜んでいただける砂糖は何かを考え、国産のサトウキビを使い「きびオリゴ」を開発しました。

腸内環境改善や低カロリーというオリゴ糖の魅力だけではなく、味にもこだわりました。今後はこのような両社が取り組んできたものを共有し、人の交流も行うことで、単独では実現できなかった研究開発を可能にしていきます。

また、スライド右側にはケストースの説明を記載していますが、こちらもその1例です。オリゴ糖から腸内環境を改善する効果の高い成分を取り出したものがケストースです。

このように、さらなる発展も目指しています。そして、消費者や生活者のみなさまに支持していただけるよう、ニーズに応える商品を開発し、人々の「Well-being」に貢献していきたいと思います。

4. 記念株主優待および記念配当の実施のお知らせ

樋口:私から、株主優待等についてご説明します。このたび、株主のみなさまの日頃のご支援に感謝するとともに、今回の経営統合を記念して、記念株主優待と記念配当を実施します。

記念株主優待は、2023年1月5日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上の株式を保有している株主さまに対して、2,000円相当の両社自社製品と1,000円分のQUOカードの送付を予定しています。

記念配当は、2023年3月31日を基準日とし、通常の期末配当と合わせて実施を予定しています。具体的な記念配当金額については、今回の経営統合による影響が把握できた時点で公表する予定です。