Mission
田中浩二氏(以下、田中):みなさま、こんにちは。メディア総研の代表の田中と申します。本日は短い時間ではございますが、最後までお付き合いいただきますようお願い申し上げます。
当社の社是は「不可能を可能に」、経営理念は「イノベーションとイノベーション人材で世界をフラットにする」です。我々は「就職活動が景気動向や企業の採用環境に依存しない社会を作る」という命題の実現のために、高専生を中心とした理工系学生の就職活動支援に注力しています。それにより、世界をフラットにするという経営理念を掲げています。
会社概要
会社概要です。商号はメディア総研株式会社、事業内容は就職関連事業の企画・運営・実施です。本社は福岡市中央区大名2丁目8番1号にある「肥後天神宝ビル6階」と記載していますが、今は3階も借りていますので2ヶ所になります。代表者は私、田中浩二です。
設立は1993年3月9日、売上高は2022年7月期で7億7,600万円、資本金は2億3,600万円、2022年決算時の従業員数は35名です。
特色としては、「女性が活躍している会社」と言えるのではないかと思っています。女性従業員は18名で、従業員比率としては51.4パーセントです。また、「えるぼし」の「認定段階3」を取得しています。
経営陣
経営陣をご説明します。まず、私、田中浩二についてです。1993年3月に創業し、2006年から「理工系業界研究セミナー」、2009年3月から「高専生のための合同会社説明会」などをスタートしました。特に高専生向け事業が非常に受け入れられ、2021年9月2日に上場することができました。
副社長の野本正生は、2006年にWeb制作やWebコンサルを行う株式会社マグネッツという会社を設立、当社上場前の2019年に合併し、現在は、当社のWeb・ITの部門を担っています。
取締役の管理部担当に谷口陽子、取締役の営業部担当に新潟真也、社外取締役に吉行亮二、常勤監査役に門司明子、社外監査役に吉居大希、桝本美穂と、右側の役員陣においては女性役員の比率が5割です。
沿革
1993年に創立後、2005年に東京支店を港区芝浦に開設しました。東京に進出したことにより、2006年に「理工系業界研究セミナー」という同業他社がまだ行っていないセミナーを開催できました。地方の学生を東京に連れていき、1泊2日あるいは2泊3日で一度に30社から40社の企業研究ができるという非常に画期的なセミナーです。この結果、関東地区にクライアントが非常に増えました。
2009年には、業績を大きく伸ばすきっかけになった当社主催の「高専生のための合同会社説明会」を開催しました。高専生対象の合同会社説明会としてはおそらく日本で初めての開催だったのではないかと思います。福岡県久留米市で開催し、その後、中国・四国、関東、東海・北陸、京阪神、東北、北海道と、日本全国で開催しています。
また、同年に「就活生のための22ヶ月手帳」を発売しました。当時は書店で発売していたもので、「22ヶ月」がキーワードとなり、けっこう売れたと記憶しています。
現在は「大学別就活手帳」というかたちで大学と直接契約して制作しており、大学が配付する方法で学生が無料で手にすることができます。主な大学としては明治大学、法政大学、東京理科大学など私立大学が多く、非常に好評の中で続けています。
2017年9月に、東京事業所を現在の千代田区有楽町に移転しました。有名な東京交通会館ビルの10階にあります。非常に古い建物ですが、東京都のパスポートセンターやふるさと回帰支援センター、地方の行政関連施設、企業などが集まっているビルです。
上場前にWeb制作・ITを強化するため、2019年6月に今の副社長である野本率いる株式会社マグネッツを吸収合併しました。そして上場準備に入り、2020年1月に福岡市中央区の渡辺通から現在の福岡市中央区大名に移転しました。
2020年7月には、Webマガジン「月刊高専」を開始しました。取材数を順調に伸ばしており、現在は300本以上の記事があります。高専の先生や高専に関連する大学の先生、あるいは高専出身者を取材し、記事掲載することができています。現在も続けており、月間プレビューは3万PVから4万PVと、順調に伸びてきています。
2021年9月には東証マザーズ、福証Q-Boardに株式上場することができました。東証のほうは、現在グロース市場に市場変更しています。
2021年10月には、高専生向けナビサイト「高専プラス」で就職情報をリリースしました。独立行政法人国立高等専門学校機構が運営していたサイトを引き継ぐかたちで2021年12月には、高専学内向け「キャリアサポートシステム」をリリースしました。
2022年4月には、高専生向けナビサイト「高専プラス」で進学情報をリリースしました。以前の「高専プラス」は就職希望者を対象とするかたちでしたが、ここでは大学の編入学や高専専攻科からの大学院進学の情報などをリリースしています。
現在は、学生の就職率が非常に良いため、大学院進学者が減っています。大学では高専の進学者を非常に大事にしてくれる環境もあり、東京大学、九州大学、北海道大学、神戸大学など、いろいろな大学の主に工学部の先生に向けて情報発信しています。
また、新卒高専生の情報の取り扱いにおいてはかなりの市場をすでに占有していますので、レッドオーシャンですが転職市場にもチャレンジを開始しました。それが2022年10月にリリースした「転職スイッチ」です。独自のルートとWebマーケティングを使いながら、登録者数や利用者数を増やしていけるように取り組んでいます。
さらに、今までは東京・福岡の2拠点でしたが、2022年10月に大阪にも事業所を開設しました。通常は上場にあたって、規模の大きい取引先企業が増えますが、当社の場合はもともと大手企業の取引先が多く、中小企業、特に技術系に対応する中小企業の引き合いが少し増えてきています。
そのようなこともあり、事業所を大阪市西区立売堀(いたちぼり)に開設しています。大阪の中央区本町の中心街に隣接しており、福岡でいいますと天神に隣接する大名のような立地です。今後、大阪の売上も順調に伸びていくと考えています。
SDGsの取り組みについて
SDGsの取り組みについてです。最近は特に、経営指標としてESGやSDGsを非常に重視しなければということで、当社も中長期的にSDGsに対応していきます。
当社事業の特徴
当社事業の特色です。1つ目は、高専生を中心とした理工系学生の就職活動支援に特化しています。手前味噌ではありますが、高専生を対象とした就職イベントのトップクラスであると自負しています。
2つ目は、先ほど少しお伝えした「月刊高専」を通じて、理工系教員とヒューマンネットワークを基盤とし、IT、WebなどのDXを融合した事業を展開しています。
「月刊高専」は、当初は高専の先生、学生、高専出身者にフォーカスしたWebマガジンを予定していましたが、当初の予想と違って、高専から大学の工学部に進んだ方の経験談に対し関心が非常に強い状況です。
そのような大学への取材などもニーズがあり、この分野を伸ばしていけると考え、高専教員だけでなく、大学の研究室関係者を含めた理工系教員とのヒューマンネットワークを構築するかたちで特色を作り、高専の魅力発信を拡大したいと考えています。
当社の事業
当社の事業についてです。就職活動イベントとして、当社主催型の合同説明会を手掛けています。高専生向けの対面型イベントとしては、全国8会場、7地区で実施しています。
その他、学校主催受託型の就職活動イベントも行っています。これは主に高専が学内で企業を呼んで行うセミナーで、年々増えてきています。
先ほどもお話しした「高専プラス」では、就職だけではなく、大学あるいは大学院への進学に関連する情報も高専生に向けて発信しており、現在は利用者の登録を増やしているところです。
従来行っていた「理工系業界研究セミナー」を主体とした大学生向けの就職活動イベントも、高専の先生を主体としたネットワークを構築しながら進めています。
高専生のシェアは狭いというイメージがあるかもしれませんが、高専に関わる国立大学の工学部に限ると、高専出身者、あるいは高専出身の教授・准教授・研究員はだいたい20パーセントのシェアで、高専関係者は案外多いと言えます。
就活生が1学年全体で約50万人であり、そのうち1万人が高専生と言われており、2パーセントほどの割合です。工学部だけに限れば20パーセント近いシェアということで、決して少ない数ではありません。
スライドの中央をご覧ください。当社の学生イベント事業として、大学別の就活手帳事業を中心とした企画制作を行っています。Webマガジン「月刊高専」は、収益化段階ではないものの、PV数、取材教員数は徐々に増えてきており、有料化へ向けたお話も以前より多く受けるようになっています。
Web支援サービス事業については、以前合併したマグネッツが、Webマーケティング分野の業務を行っており、そのあたりの売上も比率に含まれています。したがって、売上高7億7,600万円のうち7対3の割合で、就職活動イベントと企画制作事業を行っていることになります。
各事業の売上高構成比を、右側の円グラフで示しています。内訳として、58パーセントが当社主催高専生向け就職活動イベント、8パーセントが学校主催高専生向けイベント、7パーセントが大学生向けイベント、残りが企画制作およびWeb支援サービスというバランスになっています。
当社の理工系採用サービス①
当社の理工系採用サービスの特色です。希少性の高い高専生、国立大学の理工系学生にフォーカスしたイベント企画を行っています。当社の場合、高いポテンシャルを持った理工系の学生あるいは転職者の層にターゲットを定め、「理工系業界研究セミナー」や各種接続サービスを展開しています。
当社の理工系採用サービス②
就職市場を文系と理工系の2つの分野に分けると、文系のほうはかなりのレッドオーシャンです。実際の求人倍率は、文系は統計上は1.5倍から1.8倍です。理工系に関しては高専は35倍、通常の大学まで含めても15倍から20倍となり、非常に求人倍率が高い実態があります。当社のように理工系に特化して就職支援を行う会社は非常に少ない状況です。
特に理工系の中でも、教員が関与する就職情報サービスはより少なく、我々としては参入障壁の高い分野で商売できているのではないかと思っています。
高専(高等専門学校)とは
高専というものについて少しご説明します。現在、国立高専としては51校55キャンパスが存在します。例えば、福岡県下では久留米高専、有明高専、北九州高専の3校があります。全国各地にまんべんなくあるわけではないものの、各都道府県に1校、2校多くても3校あるようなかたちです。
佐賀県、山梨県、神奈川県、埼玉県、滋賀県には高専がありません。滋賀県は現在、県立の高専が野洲市に設立準備中で、2027年に開校予定です。
公立の高専は3校あり、都心部に集まっています。神戸高専と、大阪公立高専、こちらは府大高専という名称でしたが、大阪府立大学と合併して大阪公立高専になりました。東京にも1校、産技高専があります。
私立の高専も3校で、金沢工業大学グループの国際高等専門学校(金沢高専)、三重県の伊賀上野にある近畿大学高専、東京都町田市にあるサレジオ高専です。
2023年4月には、神山まるごと高専が新たに開設されます。久しぶりに新しい高専ができるということで、新聞などマスコミに取り上げられることも多い状況です。私も10月5日に見学に行ってきたところ、立地としては本当に山の中で、「ここに新しい高専ができるんだ」と少々驚きました。
この高専は、約20年ぶりに高専として開校するということで、非常に世間の期待が高まっています。定員は40名、「アントレプレナーシップを持つITエンジニア」を育成する事を目指しています。公式ホームページで見ていただくと、その様子がわかるかと思います。
高専生の進路
高専生の進路についてです。入学後5年間の過程を「本科」と呼び、そこに2年間プラスされる「専攻科」があります。本科卒業生約1万名のうち、およそ6割が就職し、4割が進学します。
進学は2通りに分かれ、大学の3年次に編入する学生と、専攻科に進む学生がいます。さらに、専攻科から大学院に進学するケースも出てきます。
このように、5年間の本科の過程を経て、高専卒の学歴で就職する学生は6割強というかたちになります。
高専生採用ニーズの高さ
高専生採用ニーズの高さについてです。ざっくりですが、全国の高専は35倍から50倍ぐらいの競争倍率があります。
2022年現在、学校別に求人倍率を公表しているところは非常に少なく、むしろ公表していない学校が増えてきました。スライド下部に記載している舞鶴高専、久留米高専の数値からわかるように、学校に来ている求人票だけで35倍、求人票のないケースも含めると実際50倍ぐらいはあると見ています。
高専生を採用している優良顧客
高専生を採用している優良顧客についてです。スライドに掲載している企業群が挙げられます。多くの高専卒者が、パナソニックやサントリーのような大手に就職します。当然、当社とも取引があります。
大学及び大学院研究室の高専生獲得ニーズ
4,000名ほどというかなり多くの高専生が、大学・大学院へと進学するとお話ししました。これまでは、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学の2校が主要な進学先となっていましたが、今はその他の大学への進学事例も非常に増えています。
例えば、九州大学、九州工業大学、東京農工大学に加えて、最近では東京大学も、高専生の編入学・進学に熱意を持って、幅広い学生を受け入れています。
希少性の高い高専を中心とする理工系人材
成長戦略についてご説明します。現在当社が多大なシェアを持っている高専生の新卒の就職者数と比較すると、理工系大学卒の就職者数はその倍以上の規模となっています。今後は大学生の分野にも、高専のつながりを利用するかたちで参入したいと考えています。
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当社のシェア
当社のシェアについてです。理工系の国立大学の学生と、高専生合わせて3万2,000名ぐらいをターゲットと位置づけています。
当社が現在イベントに動員できている新卒の学生のうち、高専生は4,000名、大学・大学院生は1,000名で、計5,000名となり、割合は約15パーセントです。今後は残り85パーセントを開拓していくことで、どんどんシェアを増やしていきたいと思っています。
成長戦略
成長戦略については4つあります。1つ目は「高専生向けサービスの安定化」です。従来の合同会社説明会に加えるかたちで、「高専プラス」「転職スイッチ」のような転職支援サイトも活用してもらえるように、DXを進める中で拡大していく方針です。
2つ目は「高専ビジネスを大学につなげる」です。「月刊高専」を中心として、大学の先生とのつながりを拡大していきます。
3つ目は「理工系大学イベントの拡大」、4つ目は「転職市場への参入」です。特に転職市場においては、「転職スイッチ」をリリースしたばかりですが、「高専プラス」、あるいは合同会社説明会に参加した学生約4,000名に、さらに広げて卒業生1万名のうち8,000名ぐらいに登録してもらえるような仕組みを構築中です。来年春の卒業生から、かなりのシェアをカバーできると思っています。
1. 高専生向けサービスの安定化
「高専生向けサービスの安定化」の戦略としては、「高専プラス」の運用、2021年12月稼働を開始した「キャリアサポートシステム」の活用、「高専プラス有給インターン(仮称)」の開始という3本立てで、さらなる収益化を図り、参入障壁を高めていきたいと思っています。
2. 高専ビジネスを大学につなげる
「月刊高専」と、「高専プラス」の進学情報を活用することで、従来にない大学とのネットワークを広げていく方針です。これをさらなるビジネスにつなげていきたいと思っています。
3. 理工系大学イベントの拡大
「理工系サイト(仮称)」は、「高専プラス」の大学生版サービスです。理工系大学イベントの拡充については、例えば、今年売上が倍増した「全国リケジョ交流会」のようなイベントがあります。
このように、高専生の大学進学者、あるいは大学院進学者等のネットワークを利用したイベントは、今後もかなり売上増加が期待できる分野だと思っています。
4. 転職市場への参入(背景)
転職市場への参入です。背景はスライドに記載しているとおりです。大学・短大の新規学卒就職者の3年以内の離職率は、それぞれ31.2パーセント、41.4パーセントです。
高専生は、先生の紹介などによりやや閉じられた情報に基づいて就職を行うため、転職しないのではないかと考えられがちですが、短大卒・大卒の就職者と同じように、約3割が3年以内に転職しています。
当社としても当然、このような状況を放っておくわけにはいかないため、今後施策を検討して取り組んでいく予定です。
4. 転職市場への参入
その具体的な取り組みの1つとして、「転職スイッチ」というサイトを10月にリリースしました。こちらはWebサイトでの求人広告プランと、エージェントプランがあります。不定期に人を採用したい会社にはエージェントプランを勧めており、成功報酬型の採用企画を用意しているかたちです。
2022年7月期 決算サマリー
2022年7月期の決算サマリーです。売上高は7億7,600万円で前年同期比プラス15.6パーセント、営業利益は1億8,200万円で前年同期比プラス2.2パーセントです。営業利益率は23.5パーセントとなり、前年同期より3.0ポイント減少しました。
安全性の高い指標ということで、自己資本比率は87.4パーセント、流動比率は718.3パーセントですが、こちらはやや固すぎとも感じています。
業績予想比は、売上高に関して7.7パーセントほどショートしました。反対に、営業利益は11.3パーセントの増加です。営業利益率も4.0ポイント増加しました。
損益計算書(前年同期比)
損益計算書は、スライドの表に記載のとおりです。
貸借対照表(前年同期比)
貸借対照表です。上場したことも関係して、流動資産を含めて流動負債、純資産合計ともに前年比で非常に増加しています。今後は上場で得た資金をもとに、積極的な施策を行っていきたいと思っています。
サービス別売上高(前年同期比)
サービス別売上高です。コロナ禍が収束していない中ではありましたが、就職活動イベントは一部ライブ開催ができました。2022年7月期においては売上高は増加しています。
就職活動イベント売上高(前年同期比)
就職活動イベント売上高です。こちらもグラフのとおりで、予定より少なかったものの増加しています。課題として、レッドオーシャンである大学生向けイベントへの足踏みがあり、1,100万円ほど減少しました。
しかし「月刊高専」を中心とした大学開拓は進んでおり、これが今後花開いてくるのではないかと思っています。
企画制作売上高(前年同期比)
企画制作売上高です。「大学別就活手帳」、その他支援サービスがそれぞれ若干減少していますが、Web支援サービスはやや増加しました。
販売費及び一般管理費(前年同期比)
販管費は、上場に関連する経費や上場維持費などで若干増えましたが、これも売上高に比例する適切なかたちで運営できていると考えています。
各四半期の売上高・営業利益の推移
各四半期の売上高・営業利益の推移です。第1四半期あたりの売上増は、構造上どうしても難しいのですが、10月から転職市場に参入したため、今後は平準化できるように努力したいと思っています。
年平均成長率(CAGR)
年平均成長率です。CAGRは11.6パーセント、営業利益は20.0パーセントで、ここは順調に伸ばせているのではないかと思います。
計画数値
中期経営計画です。計画数値としては表に記載のとおり、2022年7月期の売上高は、目標数値より若干少なめの7億7,600万円でした。
2023年7月期の計画値は9億9,400万円です。転職市場に参加したため、紹介料なども売上の中に見込んでおり大幅に増える計画です。2024年、2025年はそれをさらに押し上げるかたちになっていくと考えていますし、売上の割合も、転職のほうに寄っていく見込みです。
今は新型コロナウイルス感染がやや流行しているものの、今年は昨年度までWeb開催だったイベントの9割方を、対面型の開催に移行予定です。年内、あるいは年明けに開催する就活イベントは、非対面型となるWeb開催が若干あるものの、他はすべて対面開催を予定しています。対面型イベントになると経費も増えますが、売上高も増加すると考えています。
KPI(重視する経営指標:売上高及び営業利益率)
KPIです。売上高ももちろん大事ですが、当社は営業利益率の高さが上場に貢献したため、ここは維持しつつ、高収益型の企画開発を心がけていきたいと思っています。
質疑応答:TSMCに関連した引き合いについて
司会者:「熊本県に半導体大手の工場を設立し、技術系の新卒と中途の積極的な大規模採用を開始していると聞きました。関連事業を含めると、数千人規模の採用につながると報道されていましたが、御社も営業をかける予定はありますか? また、引き合いはありますか?」というご質問です。
田中:当社が強みを持つ「高等専門学校」は熊本高専をはじめとして九州・沖縄に9校がありますが、就職に関して今後はさらに活性化すると予測しています。
国立高専機構も、半導体産業の人材育成を強化することを目的に熊本高専と佐世保高専を拠点校に認定し、設計開発に関するカリキュラムを導入すると発表しています。今後は半導体本体や周辺企業の集積により強い引き合いがあると思われます。
質疑応答:売上高の内訳について
司会者:「売上高の内訳、就職フェアの参加費は企業側なのか、学生から徴収しているのかが不明です。Webマガジンは有料だと思いますが、購読料と数量はいかほどか、広告収入は存在するのかを教えてください」というご質問です。
田中:学生から徴収している参加費はありません。2022年7月期の売上7億7,600万円の内、5億6,900万円は企業からのイベント参加費及びガイドブック、Webサイト等、企業情報掲載収入です。
Webマガジン購読は無料ですが、「月刊高専」は収益目的というよりは高専関係者との ヒューマンネットワークの拡大構築を目的としています。今後、PV数が順調に伸びていけば、有料化も検討したいと思います。
質疑応答:競合他社と比較した際の強みについて
司会者:「最近は従来の大手就活企業に加え、ITやネットを積極的に使った就職活動などに多くの企業が参入しています。御社が考える動向、また、他社と比較した際の御社の強みを教えてください」というご質問です。
田中:全国の高等専門学校卒業者と理工系国立大学卒業者の新卒者情報の取り扱いに強みを持っており、就職イベントにおいても高いシェアを占めています。高専イベント事業においては当社の実績・ノウハウによる差別化ができており、他社の新規参入は難しい状態となっていると判断しています。
企業の理工系人材に対するニーズは継続して高まっており、当社はこれまでの実績と ノウハウ・知見を活かした新しいビジネス開拓に注力しています。
田中氏からのご挨拶
田中:みなさま、本日はお付き合いいただきましてありがとうございました。当社は今後、転職市場にも乗り出していきますし、上場後1年を経て、いわゆる試運転の期間も終了したため、大学・大学院の領域への拡大に関しても成長戦略を力強く推進していきたいと思っています。ご期待ください。