(1)決算ハイライト

舩橋哲也氏:機関投資家のみなさま、証券アナリストのみなさま、社長の舩橋でございます。日頃より格別のご支援・ご指導を賜り、心より御礼申し上げます。本日はお忙しいところ、説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。さっそくですが、2022年度第2四半期決算のご説明を始めます。

はじめに、2022年度第2四半期業績についてご説明します。まず、今回の決算ハイライトですが、トップラインについては多少のでこぼこ感はあるものの、順調に進捗しています。通信キャリア事業の減を、都市インフラとシステムソリューションの成長でしっかりとカバーするという当初の目論見どおり進んできています。

一方、利益面については残念ながら、当初から想定していた要因に加え、一過性の要因も出たことにより大幅な減益となっています。詳細は後ほどご説明します。

中間配当金については、当初のお約束どおり51円、年間102円の計画から変更はありません。また、今回、自己株式を700万株消却することとしました。引き続き、資本効率を意識した経営を心がけていきますので、よろしくお願いします。

(2)業績ハイライト(受注高・売上高)

詳細な部分についてご説明します。まず、トップラインについて、受注高は前年同期比で約1パーセント減となりましたが、ほぼ同水準と見ています。また、売上高についても、昨年度に受注した工事の完成を効率的に進め、前年同期比2パーセント増となり、上半期としては過去最高を更新しました。

(3)業績ハイライト(営業利益)

一方、営業利益は前年同期比で半減という結果になっています。要因としては大きく3つあり、1つ目は今年の第1四半期で高度無線環境整備推進事業(以下、高度無線)が終了したこと、2つ目はモバイルキャリアさまの投資の抑制、3つ目は700MHzテレビ受信対策工事の大半が終わってきていることです。

また、今回の決算では、残念ながら不採算案件が発生してしまったことで、減益が拡大しました。不採算案件については、今年度末に竣工する予定で進んでいますが、問題点を最大限リカバリーしていきます。この不採算案件はすべて今期に織り込んでいます。

(4)業績ハイライト(セグメント別状況)

セグメント別の状況です。スライドに記載のとおり、上期において、通信キャリアはモバイル各社の抑制もあり減収となっていますが、都市インフラとシステムソリューションは順調に売上を伸ばしています。

また、セグメント利益については、都市インフラで700MHzテレビ受信対策工事が減ったことや、のれんの一括の償却などがあったため、第2四半期としては減益となりました。ただし、下期はデータセンターの案件の竣工が集中してくると見込んでいますので、通期での回復を目指したいと思っています。

システムソリューションについては、先ほどお伝えしたとおり、不採算案件の影響を織り込んだため減益となっていますが、この影響を除けば、実質的には増益基調を継続できていると考えています。

(4)業績ハイライト(セグメント別状況) 3か月単位進捗

スライドには、3ヶ月単位で業績を比較したものを記載しています。通信キャリアを含めて、すべてのセグメントで増収となっています。

利益については、通信キャリアは第1四半期にずれ込んでいた高度無線の完成があったため、少し減益になっていますが、基本的な部分はモバイルを除き、安定的に推移していると見ています。

都市インフラ・システムソリューションについては、一過性の要因を除けば着実に前進してきていると思っていますので、年度末に向けて、なんとか勢いをつけて着地までがんばりたいと考えています。

(5)通期計画サマリー

円安や資材の高騰、あるいは半導体の不足など、引き続き影響はあると見ていますが、2022年度の計画については見直しを行っていません。年度末に向けて、都市インフラにおける大型案件の竣工、ならびに新たに加わったグループの数字も徐々に改善してくると見ています。引き続き、下期も効率化を意識しながら、通期計画の達成を目指して取り組んでいきたいと考えています。

(1)通信キャリア

セグメント別の取り組みをご紹介します。通信キャリアについては、若干でこぼこしていますが、全体的には想定どおり進捗していると見ています。受注した工事の完成をより効率的に行うとともに、特に今期は年度末の繁忙期に工事が集中する傾向が、従前に比べて高いと見込んでいますので、引き続き柔軟な施工体制を構築して臨んでいきたいと考えています。

(1)通信キャリア(収益性向上の取り組み例)

現在の取り組みの一例として、AIを活用した現場改善を進めています。以前から、写真によるさまざまな検査等がありましたが、こちらは主に人力で進めていました。ここにAIの技術を投入することで、抜け漏れが防止でき、すべての案件を迅速にチェックできるようになりますので、このような取り組みを鋭意進めています。

なお、このシステム構築は、私どもが出資しているセカンドサイトさまと一緒に進めています。AIを活用できる人財の育成という面でもメリットがあると見ています。

(2)都市インフラ

次に、都市インフラについてです。売上の計画は総じて堅調です。一方、利益面では700MHzテレビ受信対策工事の減少等があり、前年同期比でかなり減っています。ただし、下期には利益率の見込めるデータセンターの大型案件の完成も期待できますし、工事の進捗管理を確実に行うことで、通期計画の達成を目指したいと思っています。

また、今後成長が期待できるエネルギー分野への準備をずっと進めていますし、シールドマシンを使った高難度土木工事の実施なども進めています。あわせて、ジョインターの育成も精力的に進めていますので、中期的な事業の成長を見据えた取り組みも並行して進めているとご理解いただけますと幸いです。

(2)都市インフラ(ビジネスユニット別内訳)

スライドには、ビジネスユニットごとの売上の詳細を記載しています。スライド中央の公共基盤については、残念ながら競争が厳しく、思っていたほど上期に受注できませんでした。鉄道も徐々に新型コロナウイルスの影響から解放されてきていると見ていますが、まだ少し遅れがあると思います。一方、スライド左側の電気、環境、再エネなどのエネルギーは着実に成長していると見ています。

(2)都市インフラ(エネルギー)

また、洋上風力の発電事業に参画するために、電力線のジョインターを育成しています。こちらは業務提携している昭和電線ホールディングスさまと、新たに加わったリョウセイさまの協力を得ながら、取り組みを進めています。

現在、10名強が基礎的な研修を終了し、10月からOJTに入っています。現場経験を踏みながら、独り立ちしていけるように鋭意進めているところです。全国的に見ても、電力系の技術者が不足気味だという話もありますので、ジョインターの育成を核にしながら進めていきたいと思っています。

(3)システムソリューション

システムソリューションについてです。売上高はおおむね計画どおり順調に伸長しています。一方、利益面は冒頭でご説明したとおり、不採算案件が発生したことや、グローバル事業における人件費や部材の高騰などがあり、進捗は若干遅れ気味ですが、着実に成長していると見ています。

また、組織再編として、中核会社を2つ作りました。1つ目はEDS(エクシオ・デジタルソリューションズ)で、こちらは主にソフトウェア開発の統合を主力とするチームです。2つ目はESM(エクシオ・システムマネジメント)で、こちらは保守運用を中核としてグループを束ねるチームです。

新たに2つのグループ会社を発足させたことで、リソースの集約ならびに効率的な業務運営を行うとともに、新しい人財の確保・育成にも努めていきます。人財確保については、厳しい中でも少しずつ認知度を上げて取り組んでいこうと考えています。

(3)システムソリューション(ビジネスユニット別内訳)

売上の詳細です。基本的には、情報システムの受託開発やサーバー構築などが順調に進捗しています。保守・運用については、グループを横断した勉強会等を通じて、さまざまなお客さま案件の掘り起こしを進めています。

(3)システムソリューション(グローバル)

グローバル事業の拡大について、リファービッシュビジネスに少し触れたいと思います。今年7月に、この分野で欧米を中心に世界レベルでビジネスを展開しているProcurri社をTOBによりグループ化しました。アジアを中心に事業展開しているArco社とのシナジーを最大化させながら、ビジネスの再構築を進めています。

具体的には、北米拠点の集約・整理を図るなど、すでに再構築を進めています。今後は日本においても、この領域のビジネスをさらに広げていきたいと考えており、引き合いもかなり出始めています。

(4)構造改革

中長期に向けた構造改革については、今年の初めに少しご紹介しました。上期の取り組みは、ここまでにお伝えしたとおり、おおむね私どもの想定した内容で進んでいます。

通信キャリアでは、まだまだ生産性を向上できていない面もありますので、下期以降はセグメント間での人財の交流や、柔軟なリソースのシフトを進めていきたいと考えています。また、土木系のインフラ会社は2社ありますが、これを統合して効率性を追求したいと思います。

グローバル事業については、今年度から海外トレーニー制度の導入を開始しました。10月から約1年、勉強も含めてOJTを実施し、すでに6名ほど独り立ちしています。人財の育成は継続して進めていきたいと考えています。

(1)配当、自己株式取得

株主還元についてご報告します。DOE3.5パーセントに基づく安定的・継続的な配当を行っていく方針ですので、中間配当は51円、年間で102円とし、11期連続の増配を予定しています。

自己株式については、昨年公表分の残りと、5月に新たに公表した分を合わせて、約70億円分の取得を継続しています。また、保有している700万株の自己株式の消却も決定しました。自己株式の活用方法については、投資家のみなさまからもさまざまな意見をいただきましたが、インセンティブに活用するなどの必要最低限な場合を除いては、適宜消却していく方針を立てていますので、ご理解いただけますと幸いです。

(2)総還元額、ROE・EPS

配当と自己株式の取得状況についてはお伝えしたとおりで、スライドにあるグラフに大きな変更はありません。

(1)技能五輪国際大会で金メダルを獲得 ー人財育成の取組みー

最後に、トピックスを3つご紹介します。先月、京都で開催された技能五輪国際大会において、当社の海老原社員が日本代表として出場し、「情報ネットワーク職種」で金メダルを獲得することができました。当社としては通算6個目の金メダルとなり、非常にうれしく思っています。データセンターあるいは光ファイバーの敷設など、重要な通信インフラの中で、我々のポジションをご理解いただけるように、引き続き技術者の育成に努めていきます。

(2)事業を通じての脱炭素社会への貢献

新しい話題になりますが、ENEOSさまが二輪大手4社さまとともに立ち上げたバッテリーシェアリング事業会社Gachacoさまから、電動バイク等に向けたバッテリーの交換機「Gachacoステーション」の設置・保守を担当するパートナーとして選定されました。すでに東京・大阪で交換機の設置工事も始まっていますが、パートナーとして全面的に支えていき、脱炭素社会への貢献を進めていきたいと考えています。

(3)木質バイオマス発電 ー福島県古殿町、栃木県足利市ー

再生可能エネルギーの事業として進めている木質バイオマス発電に関する近況をご報告します。グリーンボンドで約100億円を調達し、福島県古殿町と栃木県足利市の2ヶ所で発電所を建設していますが、順調に進んでいます。

特に古殿町のバイオマスガス化発電については、現在、実証実験の結果分析を行っています。想定どおりの結果が得られ次第、次のフェーズとして2号機を建設し、商用運転に切り替えていこうと計画しています。現時点ではプラントがむき出しですが、最終的にはプラント全体を覆う建屋も作る予定です。

また、スライド右側にある「精製ガスの燃焼」の写真をご覧ください。専門家の方いわく「大変よい燃え方をしているね」とのことです。タールをもう一度このプラントで燃やすことで、廃棄物の排出を最小限にするという我々の目論見が得られそうなところまできています。2024年度に本格的に稼働させるために、地元のみなさまの理解も得ながら、進めています。

以上、私からご説明しました。ご清聴ありがとうございました。