「未来はどうなっていきますか? どうしたいですか?」

藤沢 久美氏(以下、藤沢):「未来はどうなっていきますか? どうしたいですか?」って話も聞きたいんですけど、どうですか?

近藤 繁氏(以下、近藤):そうですね。まずはやはり、さっきもおっしゃっていただいたとおり、利用していただく企業をもっともっと増やしたいというところと。機能とかも、SaaSというかクラウドサービスですので、より良く改善していったりとか、機能も追加していきたいというのがあります。ということで、そこはずっとやっていくと。

本当に夢というか将来的な長期なところでいくと、今って地域の金融機関同士をつないで、地域同士をつないでいるので全国がつながっているんですけど、例えば海外の金融機関が入ってきたら、海外の企業とも技術的にはつながれるんですよね。

日本の企業も、輸出とか、これからどんどん力を入れていかないといけない分野ですし。例えば「タイに行きたい」となった時に、企業もいきなりタイに行けないので、そこは例えばタイの銀行がハブになってくれて、企業とのビジネスマッチングができると、日本の企業もより広がっていくなと思いますし。

それが例えばタイとかインドネシアとか、台湾とか中国とかアメリカとか……。増えてくると、今度は「日本対インドネシア」とか「日本対ベトナム」とか。それ以外にも、例えばタイとベトナムもつながっているとか。そのような「n対n」のネットワークが、システム的にはできると思っていて。

藤沢:確かに。

近藤:ただ、商慣習とかはいろいろあると思うので、なかなかすぐにはいかないと思うんですけど。ただ、そこまでやって地球全体が「n対n」でつながると、すごいなというのは思っていますね。

藤沢:じゃあイメージとしては、まずASEANとかアジアの金融機関をつないでいくという感じですか?

近藤:そうですね。

藤沢:企業じゃなくて。

近藤:はい。

藤沢:金融機関の向こうにある企業も、つながっていくと。ASEANに行って、ヨーロッパとかEUとか。

近藤:とかもあるかもしれないですし……。

藤沢:将来的にはグローバルに全部見ちゃう。

近藤:そうですね。そうなれば最高だと思いますね。

藤沢:確かに、すごくおもしろい。

いま強めつつある、自治体との連携

藤沢:「大企業とつなぐ」という絵はないんですか?

近藤:それも実は「Big Advance」で今あってですね。「Big Advance」は地域の中小企業を支援するサービスということで、それを「支援してください」というパートナー会員の枠があるんですね。これは無料で使えるんですけど、「Big Advance」の機能が使えて、かつオープンイノベーションとか「こういう技術を持っている中小企業を募集します!」みたいな、そういうのもできるようになっていて。

パートナー企業の条件としては、まず「中小企業を応援する」「サポートする」という気持ちがあるところと、上場企業やそれに準ずる会社、あとは自治体も入っているんですけど。今は全部で、たぶん2,000社くらいは入っていて。上場企業で1,000数社、パートナーの自治体とかも400から500くらい入っているので。

そういうところと、実際にビジネスマッチングで中小企業と大企業がつながるというのも10パーセントくらいありますし……。

藤沢:そうですよね。

近藤:今、自治体との連携もけっこう強めていっていて。

藤沢:自治体とのマッチングって、どんなことが起こるんですか?

近藤:自治体は、やっぱり地域の活性化を図りたいんですよね。僕らは、どちらかというと中小企業向けのサービスが強いので「地域の企業のDXをしましょう」といった連携になります。

僕らは地域の金融機関ともつながっているので、地域の金融機関と自治体。例えば市区町村、あとは商工会とか商工会議所と連携して「みんなで地域企業とDXをやりましょう」と。それを「Big Advance」を使ってやりましょうと。そういう取り組みを、最近では始めていますね。

藤沢:じゃあ、自治体と金融機関と商工会議所が、地域の会員企業さんとかに「『Big Advance』入れましょう!」って言ってくれるってことですか?

近藤:言ってくれますね。

藤沢:めちゃくちゃありがたい(笑)。

近藤:ありがたいです。自治体によっては、補助金を付けてくれたりとか。

藤沢:「Big Advance」を入れるために?

近藤:入れるために。

藤沢:すごいじゃないですか。

近くに工場があって、試作品がすぐに作れる環境の強さ

近藤:はい。それくらい、地域の企業も今はDXをしないといけないので、力を入れてもらっている感じです。やっぱり地域が活性化していくには、企業が活性化しないといけないですし。企業が活性化すると、雇用も生まれるので。

藤沢:国のデジタル化施策の一役を担っちゃっていますね。

近藤:使命的には、そう思ってやっています。

藤沢:へぇー、すごい。おもしろい。日本が変わっていく。あとは、大企業なんかは試作とかいろいろやりたくて。試作をやってくれる企業を探すのとか、これ(「Big Advance」)が使えそうだから、タダじゃなくて大企業からお金を取ったほうがよくないですか?(笑)。

近藤:確かに。ちょっと考えます(笑)。

藤沢:すみません、ラジオで言うことじゃないか(笑)。

近藤:いえいえ(笑)。でも、確かにシリコンバレーとかも、結局、あそこがあれだけ発展したのも、やっぱり試作品がすごく作れたからだと思っているので。

藤沢:ですよね。深圳なんかも今はそうですよね。

近藤:そうですよね。本当に工場(こうば)がいっぱいあって「これを作ってみよう!」って言ったら、すぐにできちゃうみたいな。そういう環境にも……確かに。

藤沢:だから、シリコンバレーのスタートアップもつないじゃって、シリコンバレーがディープテックをやりたい時は、日本で試作を作るとか。

近藤:あー、いいですね。

データは“取ったもん勝ち”

藤沢:いやもう、このビジネス、私的にはすごくワクワクするので(笑)。すみません、そっちに(話が)いっちゃいますけど(笑)。でも、未来は世界をつないでいくということなので、時間軸的にはどういうふうに「世界へ」というのを見ていらっしゃるんですか?

近藤:先ほど言ったような、このユーザーを増やすとか機能を追加していくところの、まず本当に「国内の企業の最大のプラットフォームになる」という時間軸を3年くらいでやりたくて。

海外のグローバルというところでは、それ以降になるんですけど。ただ準備は、コロナ禍があるのでなかなかアレ(スムーズに進めるのは難しい)かもしれないですけど、下準備はしていきたいですね。

あともう1個できるのが、今回、データの利活用にも力を入れていて。ビジネスマッチングとかも、それだけの件数のデータを僕らは分析できるので、それを使った、例えば「この企業には、実はこんな企業がニーズありますよね」みたいなのもデータを使えばできるはずなので。

藤沢:そっか、リコメンド機能が出てきた。

近藤:そうですね。なので「この地域のこの業種には、これとうまくいったケースがありますよ」みたいなのがもし出せれば、企業が気づけなかったような潜在的ニーズも掘り出せるかもしれないので。データの利活用という意味でも、これからやっていきたい分野ですね。

藤沢:AIのモデル開発ですね。

近藤:そうですね。

藤沢:そうすると、金融機関もありがたいですよね。取引先のアドバイスを、それを使ってやればいいってことですよね。

近藤:はい。

藤沢:なるほど。なんか、ものすごく大化けしていきそうな気がする。しかも、データは300万社分ありますからね。

近藤:そうですね。

藤沢:それをとれたらすごい。国のEBPMも、政策を作るのにここのデータをベースにしたら作れそうな気がして。中小企業庁の代わりができそうな。

近藤:そうですね(笑)。なので、そういった意味で本当にやりたいことが実現する、まだ入口というか……。という認識ではありますね。

藤沢:あとは、データは“取ったもん勝ち”なので、たぶんもう、スピードを上げたら追いつけないですね、みんな。競合が出てきにくいから。

近藤:はい。

M&Aとは「時間を買う手段」であるという考え

藤沢:いやー、すごく楽しい(笑)。楽しすぎて、ずっとしゃべりたいけど終わらなきゃいけないので、今日はこのへんにしたいと思いますが。

最後に、この番組はM&Aクラウドさんのサポートでやっているので、同じ質問をみなさんにしているんです。近藤さんにとって、M&Aとはなんでしょうか?

近藤:やっぱり「時間を買う手段」だと思っていて。僕らの、そもそもの存在意義というのは、ミッション・ビジョンを実現することで。その中で、限られたリソースと限られた時間の中でやっていくので。それを実現するために、M&Aというのは1つの大きな手段だと思っています。時間を買うという意味でも。その手段としては、うちとしてもこれから取っていきたい手段の1つだなと考えています。

藤沢:どこらへんの時間を買いたいですか?

近藤:やっぱり、プロダクト・Webサービスを開発していく時って、PMFをするのに相当な時間と労力がかかるので、そこらへんをすでに築いているところのサービスと一緒にできると、まさに時間を買ったような感じになるんじゃないかと思いますね。

藤沢:なるほど。じゃあそういう会社で、ココペリさんと未来を作りたい人は、ぜひともご連絡をいただければと思います(笑)。

近藤:ぜひ、お願いします。

藤沢:今日はどうもありがとうございました。

近藤:どうもありがとうございました。