決算ハイライト(4‐12月)

八木ひとみ氏:本日はご多忙の中、リゾートトラスト株式会社2021年3月期第3四半期決算Web音声説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私は進行役を務めさせていただきますIR部の八木です。本日の説明者は、代表取締役社長伏見有貴、八木の2名です。

それでは、プレゼン資料の2ページをご覧ください。今期第3四半期累計の実績は、売上高1,305億7,200万円、営業利益153億5,000万円、経常利益173億2,000万円、当期利益96億6,900万円となりました。

4月に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、ホテルや検診施設の休業、ホテルの稼働、会員権販売では大きな影響がありましたが、第2四半期以降の営業活動は概ね正常化し、特に第3四半期の販売は好調に推移しました。

また、9月には「横浜ベイコート倶楽部」の開業に伴う不動産収益の実現があったこと、会員制ホテルの稼働においても回復してきている中、「Go To トラベルキャンペーン」の後押しもあったことで、連結業績では前期比売上高約72億円の増収、営業利益は約43億円の増益となりました。

営業外収益には助成金収入の一部が16億円6,000万円計上され、前期比経常利益は58億円の増益となりました。また、新型コロナウイルス感染症による損失として、特別損失を35億5,300万円計上しています。

その内訳としては、第1四半期の緊急事態宣言の時期に施設の休館を実施し、期間中に発生した人件費、賃借料などの固定費負担相当額29億円、ハワイにある「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」の相当額約6億円です。

そのほか、当休業期間における助成金収入を特別利益に15億円計上しており、これらの増減要素により当期利益は約25億円の増益となりました。

事業別 売上高・営業利益(4‐12月)

次に、3ページをご覧ください。セグメントについてご説明いたします。まず、会員権事業については売上高552億1,900万円、営業利益192億7,100万円となりました。

9月、「横浜ベイコート倶楽部」の開業に伴い、前期末までの販売による繰り延べ分、売上高201億円、利益71億円が寄与したほか、契約高もほぼ前期並みの412億円となり、対前期比で売上高251億円の増収、営業利益87億円の増益となりました。

契約高の推移(4‐12月)

4ページをご覧ください。各年度の9ヶ月累計期間の契約高のグラフを載せています。積み上げ棒グラフの1番下に記載しています第1四半期は、新型コロナウイルス感染影響によるホテル会員権では今期112億円となり、前期比で24億円下回りました。その後、7月から12月の6ヶ月間の契約高は300億円となりました。

「エクシブ」の再販も好調に推移し、「ラグーナベイコート倶楽部」の発売効果のあった2016年12月期と同水準となりました。

会員数の推移

プレゼン資料の5ページには、会員数の推移を示しています。12月末の会員数は18万4,780名で、3月末より2,312名の増加となりました。

第1四半期は既存顧客を中心に営業活動を行ったため会員数の伸びは限定的となりましたが、第2四半期以降の新規率は正常化し、第3四半期の3ヶ月は新規率55パーセント。会員数の伸びも1,085名と大きく進展しました。

次に、ホテルレストラン等事業について申し上げます。3ページをご覧ください。売上高457億1,000万円、営業利益26億5,000万円の損失、前期比では売上高179億円の減収、営業利益47億8,000万円の減益となりました。

2020年12月期(対前期)ホテルレストラン等セグメント営業利益の状況

6ページをご覧ください。ホテルレストランセグメント前期に対して、営業利益の増減額を示しています。新型コロナウイルス感染影響による売上の減少などにおいて、営業利益としては、一般ホテルである「ホテルトラスティ」では約28億4,000万円の減少となっています。

ハワイにあります「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」は3ヶ月後に連結していますが、該当する1月から9月の状況は休業していた時期や稼働の厳しい状況が続き、11億7,000万円の減少となりました。

会員制ホテルの営業利益については、売上の減少に伴いおよそ60億円の減益幅となりましたが、安心安全なリゾートホテルへのニーズが高まったことで、7月頃からお客さまも戻りはじめ、10月から12月の3ヶ月間では前期比9億円の増加となりました。

また、アウトソーシング費用などの固定費を削減し、24億6,000万円の利益改善ができたこと、休業期間の固定費等が特別損失へ振り替えられてことで、結果26億5,000万円の損失。中間期時点の赤字幅から改善しています。

月別 ホテル稼働率の推移①

次に「エクシブ」の稼働率の月別を開示しましたので、7ページをご覧ください。棒グラフが、今期、前期の実稼働率、折れ線グラフと枠内のパーセンテージは稼働率の前年比を示しています。

5月の稼働率の前年比10パーセントを底に、7月には前年比7割程度まで回復しました。8月にはいったん足踏みとなったものの、9月以降政府主導の「Go To トラベルキャンペーン」の後押しもあり、10月、11月には前年を超えてきていました。

12月頃から新型コロナウイルス感染症の第3波により予約のキャンセルも出てきて、1月には緊急事態宣言再発令により稼働率が低下してきています。

月別 ホテル稼働率の推移②

8ページをご覧ください。「ベイコート」の稼働率も「エクシブ」同様の動きとなっていますが、9月23日に「横浜ベイコート倶楽部」が開業したことで138室が増えています。10月から12月の稼働室数では前年比115パーセントまで増加しており、順調に推移してきました。

一方で、一般ホテルである「ホテルトラスティ」シリーズについてはまだ厳しい状況ですが、金沢、熊本、神戸などの観光地は「Go To トラベルキャンペーン」の後押しもあり、緩やかに稼働率は戻ってきていました。1月の稼働率では、各ブランドとも第3波の影響により低下しています。

会員制ホテルではこのような状況下、遠方へのお出かけではなく、「近隣へ息抜きや記念日などのお祝いに行きたい」という要望を受け、近隣オーナーへ向けたプラン「プレミアムステイ」の販売、インルームダイニングの拡充等を行っています。

一般ホテルにおいては長期滞在向けのプランのほか、グループ会員利用の促進、一部施設での業態変更の検討等を進めています。ホテルの稼働率などカテゴリー別のホテル運営状況につきましては27ページに掲載していますので、後ほどご覧ください。

次に、メディカル事業に移ります。戻って3ページをご覧ください。第3四半期累計の実績は、売上高291億2,800万円、営業利益41億9,300万円。前期比では売上高はほぼ変わらず、営業利益約2億5,000万円の減益となりました。

前期の第2四半期にがん最先端治療BNCTの研究機器の売却があり、売上高約14億円、利益で約2億円が計上されていましたが、今期は販売がないことからその一過性の収益を除けば売上高は前年を上回り、営業利益は概ね同水準でした。

ハイメディック会員権の販売契約高につきましては、コロナ禍において「健康を考えるニーズ」「より安全安心な環境での検診を希望するニーズ」が増え、前期を3億円上回る結果となりました。

シニアライフ事業では前年のM&Aによる施設増加分の売上が寄与しましたが、営業利益では新型コロナウイルスの影響で、シニア施設の新規入居者募集が限定的になったことが影響しています。7月頃からは新居の入居が可能となり、少しずつではありますが入居率は上昇傾向にあります。

メディカル事業の状況

スライド9ページをご覧ください。ハイメディック会員権販売におきましては、コロナ対策を考えられた、より安全な会員制の健診の需要があり、契約高46億5,000万円、前期比プラス3億4,000万円となりました。

一方、一般検診などを行っていますMS法人事業については、8月以降は前年を上回って推移し、現在はコロナ対策をしながら通常時間外での増枠などで対応しています。シニアライフ事業につきましても、シニアレジデンスの新規募集は7月以降は少しずつ改善傾向にあり、12月末時点の入居率は87.9パーセントとなりました。

本日、新規拠点のプレスリリースをしています。大阪中之島に2024年春オープン予定の「未来医療国際拠点」へ一般企業検診、人間ドックのクリニック、および会員制の検診施設、ハイメディックを新設予定です。詳細はプレスリリースをご覧ください。

メディカルセグメントの事業別売上高などは28ページに記載していますので、またご覧ください。本社などの間接費については組織の効率化やコスト見直しを進め、約6億円の費用を抑えることができています。

連結貸借対照表

プレゼン資料の10ページをご覧ください。貸借対照表について、主要な項目のみご説明いたします。資産について申し上げます。主に「横浜ベイコート倶楽部」「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」の開業に伴う固定資産の増加、有価証券の取得などにより、304億4,400万円の増加となりました。

次に負債についてですが、「横浜ベイコート倶楽部」が開業したことにより、開業前にお客さまからいただいていた前受金が不動産収益へ振り替わったため、198億6,300万円の減少。コロナ禍での安定資金確保のため、350億円の借り入れを実行したことが主な要因で増加しています。

連結キャッシュ・フロー計算書(4‐12月)

続いて、プレゼン資料の11ページ。キャッシュ・フロー計算書について申し上げます。会員制ホテル「横浜ベイコート倶楽部」の分譲部分にかかる建設代金の支払いなどもありましたが、会員権販売等の営業活動が好転し、当期155億9,000万円の営業キャッシュ・フロー、前期比で34億8,400万円の増加となりました。

一方で、一般ホテルである「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜」の固定資産の支払や有価証券などの取得により、当期マイナス231億7,500万円の投資キャッシュ・フロー。前期比では149億2,400万円の減少となりました。

財務キャッシュ・フローにつきましては先ほどご説明しました長期借入金の実行などにより、当期311億7,700万円となりました。これらの結果、現金同等物の期末残高は235億6,900万円増加し、449億4,600万円となりました。

事業別重点取り組み・コロナ対策

それでは、プレゼン資料の12ページをご覧ください。コロナ対策、事業別で主な取り組みについて記載しています。コロナ禍で不安に思われているすべての会員向けに、感染対策、電話相談窓口を設けたり、新たな取り組みとして「LINE WORKS」を通じた情報発信や、ポイントクラブでのご案内などを強化しています。

大口法人会員の従業員に当社公式LINEへ登録していただいていますが、徐々に登録数も増え、そこからの予約へもつながってきています。

2021年3月期 通期修正計画

次に、プレゼン資料の15ページをご覧ください。2021年3月期通期計画については、2020年11月に上方修正を発表した数値から変更ございません。それでは、社長の伏見よりご説明いたします。

伏見有貴氏:伏見です。私から各セグメントの第4四半期の状況を通じまして、通期の考え方についてご説明をさせていただきます。

まず、会員権セグメント。ホテル会員権、ハイメディック会員権ですが、こちらにおきましては第3四半期、対前年プラスというかたちで非常に好調に進捗しましたが、第4四半期においては約1割減と見ています。

こちらについては第1四半期のような大きな落ち込みはないと考えていますが、ハイメディックにシフトしていること。それから「ベイコート」、Sグレードの在庫から今シフトを「エクシブ」に移していまして、「エクシブ」の低単価商品……バージョンですね。こちらが今非常に好調に売れていることで、単価のダウンとかございます。

なので、若干のダウンが第4四半期の見方です。ただ、在庫につきましては「エクシブ」にシフトしたことによりまして、「ベイコート」の在庫も来年度頭までいけるだろうと見ていますので、上手に第1四半期中に新商品にバトンタッチができるのではないかと考えています。

続きまして、ホテルの稼働です。「エクシブ」「ベイコート」の稼働におきましても、第3四半期、ご存じのように「Go To トラベルキャンペーン」のおかげをもちまして、稼働、融資率、単価、すべてクリアというかたちで、リゾートにおきましては前年プラス。

ただ、「トラスティ(一般ホテル)」につきましてはまだまだ厳しい状況ですが、セグメントとしてはそれをカバーできたくらいのものでしたが、第4四半期におきましてはやはり非常事態宣言……どうしても敏感に反応しますので、こちらについて1月……2月については相当厳しい数字を予測しています。

こちらにおきましても、3月以降につきましてはまだキャンセルよりも予約が上回っている状況になってきていますので、対前年で約3割、4割減というかたちで収まるかなと考えています。

続きまして「トラスティ」ですが、こちらにおきましてはやはり関東中心にまだ非常に厳しい状況が続いています。一部ビジネス以外、観光も含む立地……金沢であったり、神戸であったり、そういったところにつきましては他の施設よりも稼働の戻りは早く、一部第3四半期におきましてはほぼ前年並みまで戻った施設もございました。

しかし、東京等については相変わらず、まだまだ稼働率自体が10パーセント、20パーセントと低迷が続いている厳しい状況です。

続きましてMS法人ですが、こちらにつきましてはほぼ下期からは前年プラスできています。しかし、やはり予約のキャパ、それからスケジュール調整の中で、第1四半期のキャンセル分をすべて年度内で吸収できるかというと若干厳しかろうというところで、その分が年度内でマイナスがでるかなと思っています。

ハワイにおきましては、これは第1四半期はまだ影響していなかったのですが……こちらにおきましては、まだハワイがロックダウン。

一部、3月からアメリカ本土の州によっては、帰ってからの2週間の隔離が必要なくなるということで若干予約が入ってきていますが、非常に日本よりもまだ厳しい状況が続いていまして、こちらについても対前年7割、8割減と見ています。

第1四半期と比較いたしますと、単純にこのハワイの分が約10億円、それから横浜オープン後の下期……第3四半期だけで償却で約3億円近くになっています。第1四半期まではいきませんが第4四半期はそれなりに厳しいことを鑑みまして、修正計画の据え置きというかたちで今回は発表させていただきたいと考えています。