1)2020年度第1四半期 事業概況及びトピックス
小池太郎氏:みなさま、こんにちは。三井化学IRグループの小池です。弊社ネットカンファレンスにご参加いただき、誠にありがとうございます。本日、2020年度第1四半期決算および2020年度業績予想を発表しました。業績の概要・事業の概況・財務諸表等について、ご提供している資料をもとにご説明しますので、どうぞよろしくお願いします。
まず、初めに2020年度第1四半期決算の概要をご説明し、続いて2020年度業績予想の概要についてご説明します。
1ページをご覧ください。2020年度第1四半期の事業概況を記載しています。記載内容の詳細説明は割愛しますが、収益の状況をまとめてご説明します。この第1四半期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による需要の鈍化を受け、多くの製品で販売が減少しました。加えて、基盤素材事業において、ナフサ価格の下落に伴う在庫評価損を計上するなど、コア営業利益は黒字を確保したものの、前年同期比では大幅な減益となりました。
2)決算の概要①
続いて、3ページをご覧ください。決算の概要です。売上収益は2,545億円、前年同期比で905億円の減収となりました。コア営業利益は6億円、前年同期比239億円の減益です。税引前四半期利益はマイナス5億円で前年同期比216億円の減益、親会社の所有者に帰属する四半期利益はマイナス23億円で前年同期比148億円の減益となりました。為替レートは108円で前年同期比2円の円高、国産ナフサ価格はキロリットルあたり2万5,000円、前年同期比2万400円の下落となりました。
2)決算の概要②
4ページをご覧ください。有利子負債については6,524億円で、前年度末に比べ530億円増加しました。現預金を有利子負債から控除したNet有利子負債は4,143億円で、こちらは134億円の減少となりました。親会社の所有者に帰属する持分は5,236億円で、前年度末に比べ56億円減少しました。この結果、Net D/Eレシオは0.02ポイント改善し、0.79倍となりました。親会社所有者帰属持分比率については34.6パーセントとなりました。連結対象会社数は連結子会社で3社減少し、153社となりました。
3)セグメント別 売上収益・コア営業利益の内訳
5ページをご覧ください。セグメント別の売上収益・コア営業利益です。まず、左側の売上収益ですが、前年同期比合計で905億円の減収となりました。これは販売数量の減少に加え、原燃料価格の下落による販売価格改定を実施した影響です。
次に、右側のコア営業利益は、前年同期比で239億円の減益となりました。数量差は156億円のマイナスで、モビリティ・ヘルスケア・基盤素材でそれぞれマイナスとなっています。交易条件は72億円のマイナスで、主に基盤素材でマイナスとなっています。固定費他は11億円のマイナスとなりました。
続いて、セグメントごとにコア営業利益の増減要因を説明します。モビリティは、コア営業利益が23億円、対前年同期比94億円の減益となりました。数量差は82億円のマイナスです。グローバルな自動車生産減速の影響を受け、PPコンパウンドをはじめ、自動車用途全般で販売数量が減少しました。一方、ICT関連用途では、需要に的確に対応し、販売は堅調に推移しました。交易条件は3億円のマイナス、固定費他は9億円のマイナスとなりました。
ヘルスケアは、コア営業利益14億円、前年同期比23億円の減益となりました。数量差は41億円のマイナスで、主として眼鏡レンズ用材料・歯科材料で、コロナ影響により販売が減少しました。交易条件はほぼ前年並み、固定費他は18億円のプラスとなりました。
フード&パッケージングは、コア営業利益は44億円と、前年同期比13億円の増益となりました。数量面では、コーティング・機能材でコロナ影響による販売減があったものの、機能性フィルム・シートの包装用フィルム・産業用フィルム分野の販売、および農薬の販売がそれぞれ堅調に推移し、6億円のプラスです。交易条件は2億円のプラスで、固定費他は5億円のプラスとなりました。
基盤素材は、コア営業利益63億円のマイナス、前年同期比139億円の減益となりました。数量差は、ポリプリピレンで自動車用途での需要鈍化の影響を受けるなど、39億円のマイナスです。交易条件はアセトン等で改善があったものの、在庫評価損の影響が大きく、71億円のマイナスとなり、固定費他は、持分法投資損益の悪化等により、29億円のマイナスとなりました。また、その他セグメントのコア営業利益は4億円のプラスとなりました。
4)非経常項目の内訳
6ページをご覧ください。非経常項目の内訳を記載しています。非経常項目の合計はマイナス6億円となり、前年同期比で18億円の増益となりました。
5)財政状態計算書
7ページをご覧ください。財政状態計算書です。総資産1兆5,133億円で、前年度末に比べて172億円の減少となりました。コロナ対応に伴う手元流動性の確保により、現金および現金同等物と有利子負債がそれぞれ増加する一方、主としてナフサ価格の下落等により、営業債権・営業債務が減少しています。
6)キャッシュ・フロー計算書
8ページをご覧ください。キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローはプラス503億円、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス249億円です。この結果、フリーキャッシュ・フローは254億円のプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローはプラス412億円となりました。
1)2020年度第2四半期以降のトピックス
続いて、2020年度業績予想の概要についてご説明します。9ページをご覧ください。第2四半期以降のトピックスです。ここに記載の増強・新設案件が今後戦列に加わってきます。
2)業績予想の概要
10ページをご覧ください。続いて、業績予想の概要についてご説明します。真ん中の欄、2020年度通期予想については、主に基盤素材における海外市況の改善や、ナフサ価格が当初想定を上回って推移したことによる販売単価上昇、利幅改善影響などにより、前回発表値から売上収益で250億円、コア営業利益で50億円、親会社の所有者に帰属する当期利益で70億円、それぞれ上方修正しています。
為替レートは通期108円で、前回公表値のままです。国産ナフサ価格は通期でキロリットルあたり2万8,750円と、前回から5,450円の上昇を見込んでいます。また、前回は未定としていました配当については、前期と同額の1株あたり中間50円、期末50円の、通期100円とします。
3)セグメント別 売上収益・コア営業利益の予想
11ページをご覧ください。セグメント別の売上収益・コア営業利益の予想です。通期の売上収益予想については、1兆1,700億円で、販売数量の減少・原料価格の下落等により、モビリティ・基盤素材を中心に前年実績を下回る見込みです。通期のコア営業利益についても同様に、モビリティと基盤素材で減益となる見通しです。
4)セグメント別 コア営業利益の予想
12ページをご覧ください。セグメント別のコア営業利益について、前回公表値との差異を記載しています。合計で350億円から400億円と、前回予想から50億円の上方修正です。うち成長3領域については、ヘルスケアにおいて、不織布の販売数量増等を織り込み、前回公表値から25億円のプラスとしています。基盤素材については、主として交易条件の改善を見込み、20億円のプラスとしています。
5)キャッシュ・フロー計算書
13ページをご覧ください。キャッシュ・フロー計算書の2020年度予想です。前回公表値から、主として業績の上方修正により、営業キャッシュ・フローが50億円増加しました。資金計画の精査等により、財務キャッシュ・フローをマイナス150億円から、プラス300億円に見直しています。
14ページ以降の補助資料についてもご参考にしてください。以上で、2020年度第1四半期決算の概要および2020年度業績予想の概要について、ご説明を終了します。