決算サマリー

伊牟田武郎氏:かんぽ生命の伊牟田でございます。本日はかんぽ生命の2019年3月期決算電話会議にご参加いただき、ありがとうございます。

まず、今回の決算のポイントです。当期純利益は1,204億円と、前期比で15.3パーセント増益となりました。

個人保険の新契約年換算保険料は3,513億円に減少したものの、第三分野の新契約年換算保険料は前期比で4.1パーセント増の616億円となりました。

個人保険の保有契約年換算保険料は4兆6,771億円と、前期末からやや減少しましたが、第三分野の保有契約年換算保険料は7,531億円と、前期末から0.3パーセントの増加となりました。

外国証券などの収益追求資産への投資を、前期末比で8.1パーセント増の10兆2,177億円まで拡大しました。これは総資産の13.8パーセントに相当します。

EVは、前期末から4.9パーセント増加し、3兆9,257億円となりました。新契約価値は、前期から1.3パーセント減少し、2,238億円となりました。

2019年3月期の期末配当は、普通配当68円に、業績を踏まえた特別配当4円を加え、1株当たり72円となりました。

連結業績の状況

連結業績の状況をご説明します。経常収益は7兆9,166億円となりました。経常利益は、事業費は減少したものの、キャピタル損が増加したことを主因として、2,648億円と、前期比で減少しました。一方、当期純利益は、キャピタル損の増加を価格変動準備金の戻入益で相殺し、1,204億円と、増益を確保しました。

また、総資産は73兆9,050億円、純資産は2兆1,351億円となりました。

契約の状況 〔①:新契約年換算保険料〕

4ページからは、契約の状況についてご説明します。個人保険の新契約年換算保険料は、主に保障性商品へのシフト、および若年層の開拓の影響により、前期比で6.6パーセント減の3,513億円となりました。

一方、第三分野の新契約年換算保険料は、前期比で4.1パーセント増の616億円と、過去最高の水準となりました。

契約の状況 〔②:保有契約年換算保険料〕

(スライドの)左のチャートのとおり、個人保険の保有契約年換算保険料は4兆6,771億円となり、前期末から減少しました。

第三分野の保有契約年換算保険料は7,531億円となり、前期に続き増加基調となっております。

契約の状況 〔③:新契約件数〕

(スライドの)左側には新契約件数の推移のチャート、右側には商品別の内訳をお示ししています。

新契約件数は、前期比で1.6パーセント減の171万件となりました。商品別の占率を見ると、保障ニーズを捉えた営業推進により、「特別養老保険」が23.0パーセント、「普通終身保険(倍型)」が23.7パーセントとなり、増加傾向が継続しています。

契約の状況 〔④:保有契約件数〕

7ページには、保有契約件数の推移と内訳をお示ししています。保有契約件数は、前期末から4.2パーセント減少し、2,914万件となりました。保有件数の商品別の内訳は、(スライドの)右の表のとおりです。

資産運用の状況 〔①:資産構成〕

資産運用の状況についてご説明します。(スライドの)左の表のとおり、昨今の超低金利環境の継続を受け、運用資産の多様化を進めてきた結果、株式・外国債券などの収益追求資産の残高は10.2兆円、総資産比で13.8パーセントとなりました。

(スライドの)右の表のとおり、前期から、平均予定利率は0.01ポイント、利子利回りは0.02ポイント低下し、584億円の順ざやを確保しました。

また、ヘッジ付き外債の残高が増加したこと等に伴い、金融派生商品などのキャピタル損益は837億円の損失となりました。

経費の状況

経費の状況についてご説明します。当期の事業費は5,198億円となり、このうち約7割を日本郵便へ支払う委託手数料が占めています。当期の委託手数料は、新契約の減少などにより、前期比で141億円減の3,581億円となりました。

また、(スライドの)右側のチャートのとおり、減価償却費は前期比で32億円減の580億円となりました。これは、情報管理センターの移転に伴い、償却期間を短期化したことで、前期に一時的に減価償却費が増加したものが剥落したことによるものです。

健全性の状況

健全性の状況についてご説明します。経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたり健全で安定的な経営を確保するため、危険準備金1兆9,627億円、価格変動準備金8,974億円を積み立てています。将来の逆ざやなどを補う目的で積み立てている追加責任準備金は5兆8,801億円となっています。

連結ソルベンシー・マージン比率は1,189.8パーセントと、引き続き高い健全性を維持しています。

EVの状況

EVの状況についてご説明します。当期末のEVは3兆9,257億円となり、前期末から1,824億円増加しました。修正純資産は、純利益の増加により、前期末比で1,006億円増の2兆2,371億円となりました。保有契約価値は、金利が低下したものの、新契約の獲得により、前期末比で818億円増の1兆6,886億円となりました。

当期の新契約価値は、2018年4月から2019年3月の金利水準の平均に近い、2018年12月末の経済前提を用いて算出しております。

新契約価値は、保障性商品の販売は順調に進捗したものの、金利が低下したことにより、前期比29億円減の2,238億円となりました。また、新契約マージンは5.9パーセントとなりました。

なお、本日(2019年5月15日)時点では、第三者意見を取得していないため、速報版の開示となります。EVの詳細は、5月20日公表予定の「2019年3月末ヨーロピアン・エンベディッド・バリューの開示について」をご覧ください。

20年3月期 連結業績予想および株主還元

2020年3月期の連結業績予想についてご説明します。2020年3月期については、2019年3月期における運用収益の上振れ効果が剥落することに加え、事業費の増加により、当期純利益の水準は930億円と予想しています。

2019年3月期の期末配当については、1株当たり68円の普通配当に加え、2019年3月期の業績を踏まえ、1株当たり4円の特別配当を実施することとしました。これにより、1株当たり配当金は72円となります。

2020年3月期の株主還元のポイントは、以下の3つになります。

1点目として、2020年3月期の剰余金の配当につきましては、普通配当を1株につき8円増配し、1株当たり76円とする予定です。

2点目として、当社はこれまで年1回の期末配当を実施してまいりましたが、2020年3月期から、株主のみなさまへの利益還元の機会を充実させることを目的として、中間配当・期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことといたします。

3点目として、本日開催の取締役会において、自己株式を消却することを決議いたしました。

今後も、利益見通し・財務の健全性を考慮しつつ、1株当たり配当金の安定的な増加を目指してまいります。

1株当たり当期純利益および株主還元の推移

最後に、1株当たり当期純利益(EPS)と、株主還元(DPS)などにつきまして、その推移をお示しします。

まずEPSにつきましては、中期経営計画の最終年度である2021年3月期の目標を155円としており、2019年3月期の実績および2020年3月期の予測は、ともにこれを上回る数字となっております。

DPSにつきましては、同じく2021年3月期の目標を76円としており、2020年3月期の予想において、1年前倒しにて同額の配当とさせていただいております。

また、還元性向につきましては、本年(2019年)4月に実施しました自己株式の取得により、2019年3月期の総還元性向は118.9パーセントとなっております。

以上で説明を終わります。