資料の前提:トレンダーズグループの事業領域
岡本伊久男氏:それでは時刻になりましたので、2019年3月期通期決算の説明会を始めさせていただきます。
当社トレンダーズグループは、現在3つのセグメントで事業を行っております。主なものは、まずマーケティング事業です。これは、創業以来行ってきたBtoBの、主にナショナルクライアント様を相手にしたマーケティング・サービス支援事業です。
それから、ソーシャルギフトの「Anny」を中心としたギフトEC事業。そして、インベストメント事業。これらの3つの事業を展開しております。
四半期推移:売上高
第4四半期の決算概要です。
売上高につきましては、この第4四半期は7億9,600万円ということで、前年同期比30.5パーセント増で着地しております。
マーケティング事業においては、インフルエンサーマーケティング領域・運用型広告領域、それからMimiTVが成長しております。また、ギフトEC事業も順調に売上高・取扱高ともに増加している状況です。
四半期推移:営業利益
続きまして、第4四半期の営業利益は1億3,600万円。前年同期比で約30パーセント増というかたちになっております。
今回は投資事業の大幅な増収がございましたので、成長領域のMimiTVあるいはギフトEC事業、今後我々が成長ドライバーとしていきたい領域への先行投資を継続しながらも、前年同期比で約30パーセントの増益を果たしております。
2019年3月期 決算概要
通期で見たときに成長しているところで言うと、マーケティング事業ではインフルエンサーマーケティング領域と運用型広告領域。それから、当期から新しく子会社化したMimiTVが牽引しています。あと、ギフトECの事業の拡大。
それから今期には、営業投資有価証券の売却により、約3億8,700万円の利益が上がっています。その中から先行投資に使いながらも、最終的には通期で30パーセントの増益で着地しました。
また、営業利益・経常利益よりも増額は少ないのですが、当期純利益につきましては12.5パーセントの増益です。これにつきましては、昨期は特別利益がつき、今期は特別損失を計上したため、その差異が生まれている状況です。
マーケティング事業の業績予想について、未達で終わった主たる要因としては、マーケティング事業におけるアドネットワークやメディアタイアップなど、一部の広告サービスの売上低下により、期首発表の業績予想に対して売上高で約7パーセント、経常利益で約10パーセント未達で着地するかたちになっております。
5カ年推移:売上高
5ヶ年の売上高の推移です。
今期につきましては、売上高は28億7,800万円ということで、過去最高の売上高になっております。そのうち、当期に売上として計上した投資事業(営業投資有価証券の売却収益)の3億8,700万円を除いても、売上高は24億9,000万円と前期比で15パーセント増となっております。
5カ年推移:営業利益
続きまして、営業利益の5ヶ年推移です。当期の営業利益は4億8,300万円で、前期比で約40パーセント増と、過去最高の営業利益を更新しております。
この中で、営業投資有価証券の売却益が3億8,700万円になります。これを使って、インフルエンサーマーケティング領域のシステム構築・MimiTVの買収・人員増加。ギフトEC事業についても人員採用・システム開発・広告出稿などの投資を実施してまいりました。
5カ年推移:配当
続きまして、配当額は(1株あたり)13円です。前期は分割前になりますので24円でしたが、直すと12円になりますので、前期比で1円増額の13円としました。
スタンスとしましては、成長投資とのバランスを考慮しながらも、継続的に増配していきたいと考えております。
2020年3月期 業績予想
2020年3月期の業績予想につきましては、売上高は33億円、前期比で約15パーセント増を目指しております。2021年3月期以降の利益拡大を目指し、当期につきましては引き続き先行投資をしたいと考えております。利益については、今期は昨期よりも下回る予想としております。
2020年3月期業績予想:売上高の成長要因
売上高の成長要因です。「どこをもって成長させていくか?」というところです。
まず、営業投資有価証券についてです。今期も3億3,000万円の売上、利益にして3,000万円を業績予想に織り込んでおります。それを除くと29億7,000万円、前期比で言うと、24億9,000万円だった部分を29億7,000万円へと伸ばしていきたいと考えております。
マーケティング事業については、引き続きインフルエンサーマーケティング領域、それから運用型広告の成長がありましたが、2020年3月期についても引き続きこの領域の継続成長、それからMimiTVの一層の収益拡大を目指していく所存であります。
また、ギフトECについても成長領域と捉えていまして、さらなる来訪者数・決済率・リピート率の上昇により、売上高の成長を目指してまいります。
2020年3月期業績予想:営業利益の増減要因
今回、営業利益は減益する予想というお話をさせていただきましたが、その内訳はこのようなかたちです。
昨期と比較すると、まず営業投資有価証券の売却収益が昨期は3億8,700万円あると申し上げましたが、当期で今のところ見込めているものが3,000万円となりますので、ここの差異が3億5,700万円となります。
それから、売上成長に伴う増益としては、プラス効果として2億1,700万円を見込んでおります。先行投資強化によるコスト増加というところで、先ほど申し上げた領域において、2019年3月期に対して1億6,300万円の投資コスト増を予定しております。
結果として、営業利益は1億8,000万円ということで、昨期よりも約3億円分減るかたちで計画しております。
中期の営業利益イメージ
先行投資ということで、「今後はどのように考えているのか?」というところでございます。2020年3月期は投資を継続しつつも、2021年3月期以降収益の拡大を図っていきたいと考えております。
続きましてマーケティング事業について、事業概要と成長戦略を黒川から発表させていただきたいと思います。
次世代型マイクロマーケティング
黒川涼子氏:副社長の黒川でございます。本日はご来場いただきまして、ありがとうございます。ここから、私からマーケティング事業・ギフトEC事業の事業概要と成長戦略についてお話しさせていただきます。まずは、マーケティング事業についてお話しいたします。
当社のマーケティング事業では、「次世代マイクロマーケティング」を提唱しています。これはどのようなものかと申し上げますと、従来型のテレビCMに代表される、たくさんの生活者に向けて1つのメッセージを訴求していくマスマーケティングと相反するものになります。多様化する生活者を細分化して、それぞれのターゲットに向けて最適なツールで最適なメッセージを発信していくことを、我々は提唱しています。
マーケティング事業の概要
我々のマーケティング事業の事業概要といたしましては、主に化粧品メーカーさまや食品メーカーさまといったクライアント企業から、もしくは広告代理店さま経由で、プロモーション・PRに関するご予算の中からお仕事のご発注をいただきます。
マイクロマーケティングの視点で、「どのような生活者に、何を使ってどのようなメッセージを発信していくのか」のプランニングから、自社メディアやインフルエンサーのネットワークといった自社ソリューションを主に活用しながら、生活者に対して適切なかたちで情報を届けて、企業さまの商品の売上拡大に貢献をするところが、我々の事業の概要となっています。
クライアント業種別売上構成比
続きまして、マーケティング事業におけるクライアントさまの業種別の売上構成比でございます。
こちらは2019年3月期の実績となっていまして、化粧品・トイレタリー、いわゆる美容の領域で27パーセント、食品・飲料・嗜好品の領域で25パーセントということで、美容と食品・飲料で全体の半数以上を占めています。
2年ほど前からマーケティング事業において、美容と食品・飲料の大きく2つの領域への注力を戦略的に行っていまして、2018年の5月にMimiTVを買収したのも、その戦略の一環でございました。MimiTVのジョインが寄与いたしまして、これまでは食品・飲料が全体のシェアでは高かったのですが、2019年3月期からは美容領域が、トレンダーズのマーケティング事業においてはトップシェアとなってきています。
こちらはご周知のとおりでございますが、国内の化粧品市場は引き続き堅調に推移しています。とくに化粧品のプロモーションにおいて、今日この後も何度か出てまいりますが、SNSの活用が、企業さまにとって非常に欠かせないマーケティングツールになってきています。あとは、SNSに付随してインフルエンサーをどう活用するかも、引き続き非常に注目が集まっている領域でございます。
SNS利用者数と利用率
続きまして、こちらはSNS利用者数と利用率です。
こちらもご周知のとおりでございますが、日本国内におけるSNSの利用者は年々増加しています。最近ですと、「TikTok」という新しいプラットフォームが登場して話題になっています。このように、これからもいろいろなプラットフォームのトレンドの変遷はありつつも、SNSユーザーは引き続き増加していくと我々も考えています。
単純にユーザーが増加していくだけではなくて、生活者の消費行動……モノを知ってからモノを購入するまでの消費行動におけるSNSの役割も、非常に影響力が増してきています。単純にSNSで商品の情報を知るだけではなく、SNSで欲しいものの情報を検索したり、SNSからダイレクトにモノを買いに行ったりということで、SNSが購入行動・購買行動に与える影響力もますます増している中で、企業のマーケティング活動においては、より欠かせないものになっていくと考えています。
マーケティング事業の成長戦略
このようなSNSのユーザー数・影響力の拡大、それから、とくに弊社で美容領域のシェアが高まっているところも踏まえまして、マーケティング事業におきましては、運用型広告やPR領域も引き続き堅調に伸ばしてまいりますが、このインフルエンサー領域とMimiTVの2つを成長ドライバーとしていくことで、さらなる収益化、それから事業拡大を図ってまいりたいと考えています。
インフルエンサーマーケティングの市場規模
ここからは、成長ドライバーと先ほどお伝えしたインフルエンサーマーケティング、それからMimiTVにつきまして、お話をさせていただきます。
こちらは、インフルエンサーマーケティングの市場規模となっています。これは弊社ではなく、株式会社デジタルインファクトさまが発表しているデータでございます。こちらのデータによりますと、インフルエンサーマーケティング市場が2018年に推定で219億円、10年後には約4倍の933億円まで伸びると予測されています。
「インフルエンサー」という言葉自体は、ここ最近非常に注目されています。とくにYouTuberみたいな方々や、最近ですと「TikTok」ですとか、そのようないろいろなプラットフォームの中でたくさんのフォロワーを抱えて、SNS上で影響力を持つ人が「インフルエンサー」と総称されています。
トレンダーズもそうですが、インフルエンサーマーケティングは、このインフルエンサーの方々を企業のプロモーションに起用してマーケティングを行う。これを「インフルエンサーマーケティング」と称させていただいています。
トレンダーズのインフルエンサーマーケティングの特長①
ここから、トレンダーズのインフルエンサーマーケティングの特長をお話しさせていただくのですが、その前に、こちらは弊社のインフルエンサーマーケティング事業の変遷になります。
「インフルエンサー」という言葉がここまで普及するかなり前の2007年から(開始しましたが)、当時はブログです。ブログ自体は今も一定の効果があるのですが、ブロガーをネットワークしてマーケティング活動に活用するところを開始したのが、トレンダーズのインフルエンサーマーケティングのスタートでございます。
今非常に、インフルエンサーマーケティングの領域において、同じサービスを提供するプレイヤー・企業さまは非常に増えてきていますが、2007年からパイオニア的に始めたところは、トレンダーズの1つの特長であり強みであると考えています。
このように、いろいろなSNSのプラットフォーム・トレンドも新しいものが出ていますが、そのようなものに迅速に対応してネットワーク化を行い、その時々で最先端かつ効果的なインフルエンサーマーケティングを実現しています。1つのプラットフォーム・SNSだけではなく、常に最先端のものを取り入れてご提供できるところが、弊社の強みでございます。
トレンダーズのインフルエンサーマーケティングの特長②
2点目がトレンダーズの最大の強みでございますが、約1万5,000人のインフルエンサーの自社会員をネットワークしているという点です。
インフルエンサーマーケティングを提供している会社さまは、先ほど申し上げたとおり今非常に増えておりますが、「自社会員化」をしている会社さまは、我々が把握している限りでも、非常に限られた会社さまであると考えております。
「自社会員化することのメリットはなんなのか?」というところで申し上げると、大きく2つございます。
1つ目が、プロモーションの案件に応じてこちらからインフルエンサーをキャスティングしてお仕事を依頼する形式ではなく、自社会員化しておりますので、その案件に対して手を挙げていただくという挙手制で募る。いわゆるオーディション形式でモチベーションの高い方をキャスティングすることによって、より精度の高いマッチングができる。これが、自社会員を有している競合優位性の1つ目であると考えております。
2つ目が、とくに最近強化しているデータマーケティング領域でございます。自社会員のみなさまの登録情報と、みなさまがSNSに投稿しているデータを教師データにして、画像分析やテキスト分析などの機械学習をすることで、キャスティングやプランニングに活用しています。おそらく他社さまよりも優位性のあるところは、こちらの自社会員のデータを教師データにできているところであると考えております。
以上、トレンダーズのインフルエンサーマーケティングのポイントと言いますか、競合優位性についてお話しさせていただきました。
インフルエンサーマーケティングの成長戦略
今後、インフルエンサーマーケティングをどのように成長させていくかという点に関しましては、今お話ししたような競合優位性をより高めることに加えまして、新たな着手といたしまして、コマース領域。インフルエンサーマーケティングを、そのまま自社のコマース事業に活用するところの着手を始めております。
これによって、長年培ったインフルエンサーマーケティングのノウハウというところで、コマース領域においてより効果的・効率的なマーケティングが可能になるという点がございます。
これに加えまして、そのコマース領域で得られた、「どのくらいのプロモーションでどのくらい投下すると、どのくらい売上に反映されるのか?」の実績値をデータとしてストックし、それを分析していくことで、さらにデータマーケティングという点でも精度を高めていく。既存のビジネスモデルに加えて、新たなビジネスモデルを見据えながら、それぞれの相互関係の連携も強化していきたいと考えております。
以上、インフルエンサーマーケティングについてお話をさせていただきました。
MimiTVのメディア概要
ここからは、MimiTVについてお話しさせていただきます。
MimiTVに関しましては、YouTubeやInstagram、最近ですとTikTokも始めておりますが、各種SNSで、美容が好きな美容感度の高い女性ユーザーに対して、メイクやスキンケアなどの美容情報を、主に動画でコンテンツとして配信している美容メディアでございます。現在、オリジナル動画コンテンツは、月間で約2,000万回視聴されている状況でございます。
MimiTVのビジネスモデル
MimiTVのビジネスモデルといたしましては、主に化粧品メーカーさまから広告のご出稿をいただくという広告モデルになっております。新商品情報の拡散や商品理解の促進といったところを目的に、MimiTVの編集部で商品の魅力を訴求するような動画のコンテンツを企画制作いたしまして、ふだんMimiTVを見ていただいているユーザーのみなさまに対して、SNSでそのコンテンツを配信していくモデルで、企業さまのプロモーションの支援をさせていただいています。
MimiTVの事業推移
MimiTVの事業推移でございます。
売上高は、2019年3月期が前期比約130パーセントということで、約30パーセント増の成長を果たしております。SNSの総フォロワー数が89万フォロワーで、約90万フォロワーまで、こちらも順調に増加しております。とくに伸びているところはTwitterと、最近始めているTikTok。この2つのSNSのユーザー数が、増加に寄与している状況でございます。
美容情報におけるSNSの影響力
続きまして、美容情報におけるSNSの影響力です。
こちらは、「10代後半から20代の女性が、どこで美容情報を収集していますか?」という弊社の調査のデータになります。ご覧いただいたとおり、約半数の方がYouTubeやInstagram、Twitterといったところで美容情報の収集を行っているのが現状です。
こちらの傾向はとくに若年層、20代よりも10代の女性のほうが、さらにSNS依存が高い傾向にございます。何度かお話ししているとおり、今後もSNSユーザーが増加していく背景を踏まえますと、ますます美容領域におけるSNSの影響力が高まっていくことが予想されています。
そのSNSの中でも、今非常に美容領域で注目が集まっているものがTwitterでございます。TwitterというSNS自体は、以前より日本では非常に普及していてユーザーもたくさんいらっしゃいますが、とくに今、美容領域においてのTwitterの影響力が増していることが、この2~3年の大きな傾向としてございます。
実態としても、Twitterで情報が非常に拡散された、よく「バズった」という表現を使いますが、そのような商品が店頭から売り切れたり、話題になった商品について、企業さまへの問い合わせが殺到したり。そのような事象が実際に起きているところも踏まえまして、化粧品メーカーさまにおかれましても、Twitterの活用が今非常に注目を集めております。
先ほどお伝えしたとおり、MimiTVもいち早くTwitterの強化を図っております。Twitter領域での美容情報の発信といった企業さまへの情報提供、ソリューションのお手伝いが、MimiTVの今の成長の1つのドライバーとなってきております。
テキストメディアのローンチについて
MimiTVの新たな取り組みといたしまして、今までのMimiTVでは、基本的にSNSで主に動画コンテンツを配信することで、ユーザーのみなさまに美容情報を提供してまいりました。さらなるユーザーの獲得とMimiTVというメディア認知の獲得を図るために、この(2019年)6月にテキストメディアをローンチする予定です。
これによって、今各SNSで配信しているコンテンツを集約化して、よりファンのみなさまの検索性やユーザビリティを高めるところはもちろんですが、こちらのメディアで質の高いオリジナルコンテンツも配信していきます。
以上が、MimiTVの取り組みでございました。
MimiTVのビジョン
これは、最近策定したMimiTVのメディアとしてのビジョンでございますが、「Make Happiness」を掲げております。
MimiTVが配信するコンテンツやキャンペーン企画などを通じて、「メイクを楽しむ人を増やしていこう」ということを、あらためてMimiTVのメディアのビジョンとして掲げております。
そのために、新たに先ほどお伝えしたようなテキストメディアの配信を始めたり、各SNSでの情報発信もさらに強化・投資したりしてまいりたいと思っています。美容トレンドが生まれるメディア、美容の情報メディアとしてNo.1の想起メディアを狙うことによって、トレンダーズのマーケティング事業における中核事業として、ますます成長させていきたいと考えています。
以上がマーケティング事業、その中でもインフルエンサーマーケティング・MimiTVについて、お話し差し上げました。
Annyとは(メディア概要)
ここからはギフトEC事業について、事業概要と成長戦略のお話をさせていただきます。
あらためてでございますが、「Anny(アニー)」というサービスは、誕生日やクリスマス、最近ですと母の日がございましたが、あとは結婚・出産などのお祝いといった、いわゆるカジュアルシーンのパーソナルなギフトに対応して、相手に合ったギフトを見つけて贈ることができる、ギフトECサービスでございます。
Annyのビジネスモデル
「Anny」はギフトECということで、「Anny」の中で贈りたい商品を選んでいただき、それをネット上で購入して、自分の手元に届けて直接手渡しするといった、いわゆるECとしての機能に加えまして、住所がわからない相手に対しては、専用のURLをお相手に送ることで、受け取ったお相手がご自身の住所を入力して、手元で受け取ることが可能で、最近ですと、「ソーシャルギフト」と言われている機能でございます。そちらのソーシャルギフトとしての機能も有しているところが、「Anny」の1つの特徴でございます。
売上高・取扱いアイテム数の推移
ギフトEC事業の売上高といたしましては、「Anny」のユーザー数・決済数が順調に推移した結果、売上高は前期比350パーセントということで、大幅に成長しています。それから、「Anny」における取扱いのアイテム数は1,700点を突破しまして、こちらも堅調に推移をしている状況でございます。
ギフト・ソーシャルギフトの市場規模
「国内のギフト市場は約10兆円規模」と言われていますが、その中で「住所がわからない相手にSNSを使ってギフトを贈る」というソーシャルギフトは、まだまだ規模としては大きくはないのですが、前年比約140パーセントということで、ギフト市場の中でも非常に大きく成長している分野でございます。「2021年度には1,300億円を突破する」という予想も出ています。
ギフトの利用実態
こちらは弊社で行った調査データでございますが、20代から50代の男女の、年間の平均のギフト購入は7.23回。約7回です。その総額といたしましては、約4万円という結果が出ています。さらに世代別で見ますと、「Anny」がターゲットとしている20代後半から30代が、全体の中でもギフトの購入総額が高い傾向にあることがわかっています。
ギフトニーズの変化とAnnyの提供価値
先ほど「ギフト市場が10兆円」と申し上げたのですが、ギフト市場の中で大きなトレンド変化といたしましては、これまでは冠婚葬祭やお中元・お歳暮といった、いわゆる儀礼的な「フォーマルギフト」と呼ばれる領域が牽引していました。今起きている流れといたしましては、誕生日や記念日のようにカジュアルな、よりパーソナルなギフトへのシフトが進んでいる状況がございます。
それによりまして、今までは形式的にギフトを選んでいたもの……「はずれがない」といった失礼に当たらないギフトの選び方から、「相手に最も喜ばれるものはなんだろう?」ということで、贈る相手が重視されるギフトの選び方。かつ、「じっくりといろいろな情報の中から吟味して選びたい」というように、ギフトのあり方やユーザーの購買行動が大きく変化してまいります。
これに対しまして、「Anny」はこれまでも、カジュアルギフトを選ぶための一助になるような記事コンテンツの配信を続けてまいります。こちらは現在、約2,600の記事コンテンツがある状況でございます。
こちらは先ほど申し上げましたが、「ギフト商品の豊富なラインナップ」ということで、こちらも約1,700アイテムを揃えていますので、「相手に合わせて最も喜ばれるものを、しっかり情報を吟味して選びたい」というユーザーの変化に対応して価値を提供しているものが、現状の「Anny」でございます。
「パーソナライズド」という言葉自体も、今は非常にバズワードというか、注目の言葉になってきていますが、生活者の価値観の多様化も鑑みますと、今後のギフトのあり方は、これからますますフォーマルからカジュアル、そしてよりパーソナルなものへ変化していくと考えています。
今後の事業戦略
それに対して「Anny」(の事業戦略)といたしましては、さらなる機能開発やAIの導入です。
例えばレコメンド機能であったり、MA(Marketing Automation)のツールにより、1on1のコミュニケーションを実現していったり。そのような機能をさらに追加していくことで、このようなギフトニーズの変化にも対応しながら、パーソナライズドギフトサービスといたしまして、さらに発展させていくところで、事業の拡大・成長を図ってまいりたいと考えています。
以上が、ギフトEC事業でございます。
私から、マーケティング事業・ギフトEC事業の概要と戦略について、お話をさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。