2019年3月期1・2Q業績サマリー

伊藤信幸氏:ただいまご紹介いただきました、株式会社ホットマン代表取締役の伊藤です。貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。さっそくではございますが、2019年3月期第2四半期決算説明を始めさせていただきます。

それでは、2019年3月期第2四半期業績および2019年3月期通期見通しについて、ご説明申し上げます。

当第2四半期決算は、おおむね横ばいにとどまりました。前期のタイヤ特需からの反動減が想定より大きく発生しましたが、主たる事業のイエローハットはカーメンテナンス売上が堅調に推移し、売上高・営業損失は前年同期とおおむね横ばいとなりました。

2019年3月期1・2Q業績 ①ハイライト

前年同期比の業績ハイライトですが、各セグメントともに減収となり、売上高は1億1,700万円減収の89億5,600万円。会社営業施策による粗利改善により、営業損失はおおむね横ばいの2,100万円。経常利益は1,100万円。当期純損失は約300万円の減益となり、1,700万円となりました。

2019年3月期1・2Q業績 ②収益構造

収益構造をご覧ください。構成比の増減によりご説明申し上げます。

営業施策により売上総利益は1.5パーセント向上し、47.0パーセントとなりました。積極的な採用活動や新店による費用増加もあり、販管費は同様に1.5パーセント増加となりました。

以上の結果、営業利益・経常利益・四半期純利益は、前年同期間とおおむね同等となっています。

2019年3月期1・2Q業績 ③セグメント別売上高

セグメント別売上高の動向は、スライドのとおりです。

イエローハットはカーメンテナンスなどが好調だったものの、タイヤ特需反動により減収。

TSUTAYAは、前期にゲーム販売が好調でしたが、その反動により減収。

アップガレージはイエローハット同様、タイヤの売上高減少による減収となりました。

その他セグメントが増収となっているのは、カーセブン事業による在庫適正化と、小売販売の注力策の結果が出ています。

FC別売上高(前年同期比:%)

FC別の売上高の動向を詳しくご説明しますと、全体的にはおおむね横ばいとなりましたが、カーセブン事業は先ほどご説明したとおり大きく増収。宝くじ・セガ・不動産は、比較的順調に推移いたしました。ダイソー事業に関しては、競合店の影響もあり減収となりました。

セグメント別営業利益:

セグメント別営業利益の動向ですが、全セグメントともわずかながら増益となりました。

イエローハット事業は、タイヤ販売による粗利益が減少したものの、カーメンテナンスの販売が好調に推移したこともあり横ばいになりました。しかしながら、調整額に計上されている採用関係費などの計画的な費用増加を補完するまでには至っておらず、全社としては横ばいになっています。

TSUTAYAに関しては、セルフレジの導入により、人件費削減を図れました。

資産・負債:冬場へタイヤ在庫を増やす

資産・負債の動きについてご説明申し上げます。

競合店対策として前倒しでスタッドレスタイヤの確保を行い、商品は約9億8,000万円増加。その仕入れ資金として、短期借入金が約6億円増加しています。

自己資本比率は、40.4パーセントとなっています。

キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローについてご説明申し上げます。

当期の投資状況ですが、スタッドレスタイヤなどの商品確保や、新規出店予定地の一部土地購入などを実施しています。これにより、フリー・キャッシュ・フローはマイナス5億6,600万円となっています。

営業活動により使用した資金は4億1,700万円、投資活動により使用した資金は1億4,800万円、財務活動により得られた資金は1億2,300万円。

以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、期末現在で10億2,200万円となっています。

2019年3月期業績見通し:期初見通しを変更せず

2019年3月期の通期予想見通しに、変更はありません。

売上高は横ばい。利益に関しては、若干の増益を想定しています。売上高は前期比0.1パーセント増加の211億円、営業利益は同3.8パーセントの増加の6億3,000万円、経常利益は同2.8パーセント増加の7億円、当期純利益は同7.2パーセント増加の3億2,000万円を計画しています。

2019年3月期下半期:事業環境と各事業見通し

2019年3月期下半期予想の前提条件である、業績環境と各事業の見通しをまとめますと、スライドのようになります。

前期のような大雪はないものと想定し、既存店は若干の減収。増店分の売上高を合わせて、微増を予想。粗利向上の営業施策は継続実施。利益額を確保していきます。

各事業の見通しですが、イエローハットは増税前のスタッドレスタイヤ商戦となるため、売り逃し対策として在庫を多めに確保しています。なお、利益確保の要となる車検は一時低調でしたが、月を追うごとに増加傾向となっています。

TSUTAYAは年々低下するレンタルの売上高を、書籍や文具などで補完してまいります。

アップガレージおよびその他事業についても、粗利向上の営業施策を継続してまいります。

セグメント別見通し(売上高):

セグメント別売上高見通しを表にまとめますと、スライドのとおりです。

各セグメントともに、下半期の計画は若干高めとなっていますが、新店の軌道化やTSUTAYAの年末年始の商戦などもあること。また、粗利益向上策による客単価の向上を目指していることもあるため、セグメント別通期計画についても据え置くことにしました。

セグメント別見通し(営業利益):収益性を強化

通期セグメント別営業利益見通しについても、変更はありません。調整額の採用関係などの費用増加もありますが、粗利向上策にてカバーできる範囲と考えています。

株主還元策:「安定配当」+「長期保有者へ優待」

株主還元について、ご説明申し上げます。

配当につきましては、2019年3月期においても10円を予想しており、今後も安定した配当を継続して実施する予定でございます。

また、2019年3月期中間期末……今年(2018年)の9月末の株主さまに、株主優待を実施しています。内容といたしましては、1年間継続して100株以上を保有する株主さまを対象にした、JCBギフトカードの贈呈となります。投資家のみなさまのご理解のほど、よろしくお願いいたします。

以上、2019年3月期第2四半期業績および2019年3月期通期見通しにつきまして、ご説明申し上げました。

コメダ珈琲店開店が決定(コメダ事業の開始)

それでは次に、今後の戦略について述べたいと思います。

(2018年)10月12日にプレスリリースしていますが、新しい事業を開始いたします。スライドにありますように、「珈琲所コメダ珈琲店」を来年(2019年)出店いたします。それに先立ちまして、10月30日にFC契約を締結いたしました。

なお、出店予定地は宮城県宮城郡利府町。東北最大級のイオンモール出店予定地の隣地となり、立地も良く、同一敷地内に当社イエローハットとTSUTAYAを展開する計画となります。それぞれの店舗の客層・集客力をミックスさせることで、新たな客層が期待できます。

基本戦略:カーメンテナンスサービスの強化

主たる営業施策の一環である、基本戦略についてご説明申し上げます。

売上総利益率を向上させるために、自動車関連事業であるイエローハット事業・アップガレージ事業・カーセブン事業の連携を強化。シナジー効果を最大限に活かし、カーライフサポートの再強化を図っています。

顧客の利便性を高め、イエローハットによる車検など、サービスの獲得の機会を増加させます。

最優先課題:気候に影響されない収益体質

最優先課題についてご説明申し上げます。

当社はタイヤを含む季節用品により、多くの利益を確保してまいりましたが、近年の異常気象により、主たるイエローハット事業の売上高は増減を繰り返してきました。2018年3月期において車検などのサービス部門を強化しました。

利益のベースとなる安定利益の確保を実施してまいりましたが、暖冬などの要因によりタイヤ交換の繁忙期が集中し、業績は向上したものの、降雪以降の車検等が減少傾向となりました。アップガレージにおいても同様に需要が集中し、欠品による機会損失があったと理解しています。

2019年3月期の課題はこれらの対策として、イエローハットでは再度車検へ注力し、安定利益の確保へつなげていきます。アップガレージではカー用品の買取を強化し、品揃えの充実を実施し、安定利益確保へ向け再徹底してまいります。

売上総利益向上計画は「順調に進捗」

スライドにあるものは、売上総利益計画のイメージとなります。

先ほどご説明申し上げたとおり、季節商品の需要は天候によって左右されやすいこともあり、当社の主たる事業であるイエローハット事業では、優先項目を物販から車検などのサービス部門にシフトし、季節変動に左右されないベースとなる必要利益の確保を実施してまいります。天候による季節商品の需要が活発化した場合には、売上総利益率はさらに増加する見込みです。

「車検獲得」⇒「カーメンテナンスサービス強化」

戦略の主軸となる車検について、ご説明申し上げます。

お客さまにより安心して車検をしていただけるよう、工場数を増加させるより先に整備士を増加させていきます。2019年11月の有資格者は、検査員44名・2級整備士135名となりました。前期末に比べて、ともに増加しました。現在も在籍社員が整備士資格取得のために、講習へ参加しています。引き続き、資格取得者の増加を図ってまいります。

整備士の増加およびスキル向上により、一台一台の車検サービスに注力することで、当社で扱うカー用品やその他のカーメンテナンスの追加提案ができ、売上高の増加が見込まれます。

車検サービス対応動向 出店動向

車検に関わる店舗の動向は、先ほどご説明申し上げたとおり、前期は降雪以降に低迷したものの、年間では前期に比べ21.7パーセント増加しています。2019年3月期は10パーセント増加を目標に再度徹底していますが、現状未達です。第1四半期に苦戦しましたが、月を追うごとに増加傾向となっており、下半期に挽回をしていく計画です。

また、お客さまのリピート率向上を目的に、任意保険販売を開始しましたが、車検販売と連動することから進捗は遅れています。まずは車検を獲得することに注力し、来期のリスタートを考えています。

次に出店動向ですが、先日(2018年)6月1日に、当社115店舗目となるイエローハット石岡店を譲り受けています。また、先ほどご説明いたしましたが、宮城県宮城郡利府町にイエローハット・TSUTAYA・コメダを、翌期に出店いたします。

それ以外の案件につきましても積極的に展開したいと考えていますが、出店の建設コスト上昇もあり、慎重な検討をした上で投資回収計画を勘案し、無理のない出店を実現してまいります。

季節商品の販売について

先ほどご説明申し上げたとおり、カーメンテナンスへの注力を主軸にしていますが、当然のことながら、(2018年)9月以降はスタッドレスタイヤの販売・パンク修理保証・タイヤ保管サービスにも力を入れています。

スライドに記載がありますが、季節商品は降雪および積雪により左右されることから、今後の収益構造としては、車検などのサービスを主軸に考え、季節商品はアドオン収益としての位置付けにしています。

2019年3月期下半期:冬タイヤビジネスの見通し

2018年3月期は降雪により、スタッドレスタイヤなどの冬期用品の販売が増加しました。当社は7つの県で店舗を展開しており、商品の店間移動を実施することで、機会損失を最小限にとどめています。なお、季節用品は売上高増減率以上に利益額が確保できるため、降雪時の機会損失対策ができるのは当社の強みと言えます。

スライドに載せていませんが、国土交通省よりタイヤチェーン規制が発表され、スタッドレスタイヤを装着していてもチェーンを装着していない車両は、標識の指定区間は通行止めになるという規制が、今月(2018年12月)に施行されます。標識設置場所などの詳細は公表されていませんが、チェーン販売の追い風になるものと考えています。

TSUTAYA事業戦略 SCで複合出店

TSUTAYAに関しては、文具・雑貨・TSUTAYAスマホなど、当社初となるサービスを提供しています。

スライドにありますTSUTAYA仙台荒井店では、8店舗サブリースし、建物内をモール化。顧客の利便性を高め、集客を向上させています。当社TSUTAYAのフラッグシップ店舗としての位置付けでもあり、スライドにあるようなレトルト商品などの新たな取り組みにも挑戦しています。

文具売り場などの好調な部門は、新店および既存店での横展開を行い、TSUTAYA全体の利益確保につなげてまいります。

カード獲得強化戦略

続きまして、リピーターの増加策となるカード獲得に関して、ご説明申し上げます。

当社の「ハウスカード」は、イエローハット店舗で使用できるポイントを貯めることができることはもちろんのこと、カード決済をしていただくことで、カード会社独自のポイントも貯まることになっています。Wポイントを貯めることができる、お得なカードです。

今期は新たな顧客の囲い込み策として、上得意さま向けにロードサービス付きのプレミアムカードを追加し、さらなる来店回数の増加を目指しています。また、毎月10日・20日・30日に、カード決済で最大5パーセントを請求時に値引きする特権や、作業工賃割引などの特権もあります。

これは他社イエローハットにない、当社のイエローハット独自の特権となります。当社会員の最上級カードと位置付けており、日頃の感謝を少しでも還元できるものと考えています。

人財確保・育成への取り組み

最後に、人財に関するご説明を申し上げます。

昨今、人財の確保および定着が難しくなっており、当社といたしましても、より良いサービスをお客さまに提供するためには、人財の確保と定着は課題であると感じています。現在、昨年(2017年)以上に就職ガイダンスなどの企業説明会に積極的に参加し、当社のPRを実施し、新入社員・内定者を増加させるべく、取り組みをしています。

昨年11月より開始した外国人技能実習制度を利用した外国人雇用も、安定的な人財確保に(貢献)できるものであり、当期も年末または年始に第2期生を予定しています。今後につきましても、継続的に実施してまいります。

以上で、株式会社ホットマンの2019年3月期第2四半期決算説明を終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございます。