第62期レジメ
石田健一郎氏:それではさっそくでございますが、説明をさせていただきます。この(司会)台からだと見えづらいので、ちょっと前へ出させていただきます。それではお願いします。
手前どもは9月末決算でございまして、前期の2018年9月期は、弊社の第62期になります。「62期が、だいたいどのようなことだったか」とご説明申し上げますが(まず)販売数量です。販売数量につきましては、国内・北米向けを中心に好調であったために、1万5,000個増えました。
また、製品単価も上昇いたしましたので、これに伴いまして約15億円の増収ということになりました。弊社はヨーロッパに4社子会社を持っておりまして、その中の3社は販社でございます。連結しておりますが、それらの子会社は6月末決算でございます。
従って、6月末時点で連結することになるわけですが、その連結に関わる為替は、その前の期の61期と比較してほぼ変わらなかったこともありまして、為替ファクターの連結決算への影響は軽微であったということでございます。
販売数量・生産数量が増えておりますので、当然のことながら原材料代も増えましたし、販管費も増えておりましたので、結果として営業利益は2億7,200万円の増益で終わることができたということでございます。
その結果、25億7,800万円の当期純利益になりまして、これは会社が来年(2019年、創立)60年を迎えますが、過去最高益ということでございました。
(1)損益状況(連結)
(損益状況を)一覧表にまとめたものがこちらでございます。
売上高が9.6パーセント増えました。経常利益は7.9パーセント(増えました)。当期純利益では9.3パーセント増えたということで、配当は93円。その前の期は85円でしたので、9.4パーセント(増えました)。
これは、もうみなさんはご存知だと思いますが、当社は配当性向50パーセントをお約束しておりますので、当期利益の約半分を配当に回させていただいているということでございます。
(2)売上高・当期純利益の変遷
こちらは過去6年間(の売上高・当期純利益の変遷です)。
実は、私はこの(左端の)第57期にSHOEIへ入社いたしましたが、なんか私の自慢話みたいなのですが、過去6年間で順調に売上・利益とも(増えて)……売上はちょっと1年だけ足踏みしましたが、利益は順調に増えてきているということでございます。
(3)安定した為替の推移
これは為替(の推移)です。
先ほどもちょっと説明しましたが、上の(赤)紫色のやつがユーロです。下が米ドルで、ずっと月末のスポットをプロットしたものです。左半分が、1期前の61期です。それから右半分が62期ということで、今回の決算期でございます。
ユーロは、一昨年前に比べるとちょっと円安方向になってきたのかなという感じです。先ほどの説明でも申し上げましたが、6月末……子会社と連結する時に限って言えば、たまたまなのですが、ちょうど同じぐらいの為替になっていると(いうことです)。
米ドルは、上がったり下がったりがありましたが、だいたいずっとコンスタントにきたので、単体利益に対する影響度はほとんどなかったということです。
第62期 投入のモデル
62期は1万5,000個ほど販売が増えたということですが、なんで増えたのかということを多少ご説明申し上げます。
「NEOTECⅡ」で、これは「システムヘルメット」と言います。ちょうどこちらにサンプルがございますが、これが「NEOTECⅡ」でございます。
「Ⅱ」と書いてあるということは、「NEOTEC」というモデルがあったということです。それを去年モデルチェンジしまして、この「NEOTECⅡ」というものに変わったわけですが、これがバカ売れいたしました。空前の大ヒットということになりまして。
これを、年間……そもそも50万個ぐらいしか作っていない会社なのですが、この1つのモデルだけで10万個以上作ったということです。それぐらい、大ヒットだったということでございます。なんでこんなに大ヒットしたのかと言いますと……この中でバイクに乗られる方がいらっしゃるかどうかわかりませんが、非常にコンパクトなシェイプと、そんなに重くないと(いうことです)。
それから、システムヘルメットというのは、このように上に跳ね上げるとオープンフェイスのようにしても運転できるし、閉めるとフルフェイスのようにして被れるという、非常に便利なヘルメットです。
これが普通、このヘルメットは閉じた状態で……今は開いていますが。閉じた状態で乗ることが前提です。これはちょっと眼鏡を拭いたり、タバコを吸ったりするときに(関わる)ということなのですが。
これを我々は、上にあげた状態でも規格を合格させて、この状態で乗っていても別に規格は違反していないというような、業界初の試みといいますかチャレンジをいたしまして、それがお客さまに非常に受けたということでございます。
もう1つの新しい点は、こちらに三角形のところが見えると思います。両側についていますが、ここの中には「インターコム」と言いまして……いわゆる無線です。Bluetoothで携帯電話とつなげますが、この中にそのようなデバイスが埋め込めるようになっているんです。このようなデバイスが(内蔵されて)装着することを想定したモデルを作ったということでございまして。
この中に入れるやつは、別売りのやつを買っていただくことになるのですが。今まではこのような格好になっていませんので、市販のものを買ってくると、どうしてもヘルメットの外側にポコッとはみ出るような格好でついちゃうのですが、これだと非常にきれいに、その外観を損なうことなく収まるということです。このようなことも、実質業界初です。
このような試みもあったりしまして、世界中でものすごく高い評価を得たと(いうことです)。いまだに売れ続けておりまして、毎月7,000~1万個ぐらい注文がきているという大ヒット商品でございます。ヒット商品に恵まれたということもありまして、1万5,000個販売が増えたということです。
(4)資産・負債の状況
それでは、次をお願いします。
またちょっと数字に戻ってしまいますが、非常にすっきりとしたと言いますか、健全なバランスシートになっております。現金(及び預金)は81億円まで貯まっておりまして、直近では85~86億円にいってしまっているのですが。そのようなことで、一応現金はどんどん貯まっていっているという状況です。
(5)財務比率の変遷
これは財務のいろいろな諸表です。
ROEは、ちょっと20パーセントを切ってしまったのですが。というのは、現金がどんどん貯まっているもんですから、分母が大きくなってしまって悪くなっているんです。
ROAは16パーセントです。
売上高経常利益率は22パーセントということで好調なのですが、数字にしてしまうとちょっと下がってきたという(ことです)。だから、この現金が厚い内部留保をうまく活用した次の一手は、どうするのかということになるのですが。
以上が、62期のご説明でございました。
第63期レジメ
63期なのですが、ヘルメットの販売数量につきましては、今期よりもさらに2万2,000個増やして、54万4,000個を予算化しております。来年も、みなさんから見て右側にある2つの新モデルを出しますが、これの販売増を目指すということでございます。
一方、最近為替がちょっと円高の方向に触れているということもございまして、為替は若干堅めに見ております。具体的にはドルを110円、ユーロを125円と見ておりまして、本日のスポットから比べると若干の円高で見ているということです。
販管費が増加しております。これはヨーロッパの展示会が、通常は1回なのですが、今年は2回ある。後でご説明申し上げますが、レーサーへの契約金が増えているとか、またいろいろな新しい試みをやってみようということなど、いろいろアイディアが各部署から挙がっておりまして。
それを、とりあえずは削ることなく予算化した結果、営業利益は7.9パーセント下がるということになっております。ただし、今のところは販売も生産も極めて好調でございまして、本業でなにか問題が出てきているとか、懸念があるということではございません。
ということでございますので、今(申し上げた)7.9パーセントの減益の部分については、よほどのことがない限り達成して、後はどれだけ上乗せできるかという話になってくるのではないかと、今のところは思っております。
ちなみに、為替感応度はいろいろな前提条件が入ってきますので、一概には言えないんですが、ユーロが1円円安になれば当期純利益は2,300万円、ドルが1円安くなれば1,200万円改善するということでございます。
(1)損益状況(連結)
じゃあ、ちょっと次のページでございます。またあとで、その点(のご説明)には戻るかもしれませんが。
ということで、この(損益状況を)まとめたものがこれでございます。販売数量は増えますので、売上高は増えます。それから、為替はちょっと堅めに見ておりますので、下がってしまいます。従って、配当は今のところ16円を予想してますが……ということになります。
(2)販売地域別売上(連結)
こちらは、「うちの会社は、どのようなところに売っているんですか?」という質問にお答えするために作ったものです。
見ていただいておわかりのとおり、真ん中の黄色の部分。これはヨーロッパですが、弊社にとってはヨーロッパ市場というのが、一番大きい重要なマーケットでございます。そのために、ドイツとフランスとイタリアには100パーセントの販売子会社を持っております。ということで、来期もヨーロッパというのが非常に、約半分に迫る売上を稼ぎ出すというところでございます。
その次が国内で、その次が北米でございます。独占販売権を与えていたんですが、昨年の10月に2社体制にいたしまして、最初の1社目も「これはまずい」と言うんで、奮起してくれて。また、新しくノミネートした2社目も順調に売上を伸ばしてくれているということで、その1社から2社に変更した効果がさっそく現れております。
そのようなことで、62期も7万1,000個から9万個ということで増えたんですが、来年は……来年というか63期は、引き続き2社効果というのが出て、11万個を販売するということでございます。今のところは、実際ベースで注文がきております。その他の地域については、後ほどまたご説明します。
国内は非常にコンスタントでございまして、数字上は若干減るような格好にはなっておりますが、今のところ国内で売れ行きに陰りが出てきていることはありませんので、おそらく上越えして、今期並みにはなるのではないかとは思っております。
(3)第63期重要テーマ
63期の重要な定性テーマということで、こちらに4つ書かせていただきました。
1つは、たくさん作ってたくさん売りたいのですが、物がなければこれは売れませんので、「生産能力を引き続き拡大していきます」ということです。弊社は、岩手県と茨城県に工場がございまして、主にそちらの茨城工場を増強していくということでございます。これは、あとでまたご説明します。
それから、弊社は「JIT」と言いまして……Just in timeの略ですが、改善活動を導入している企業でございます。とにかくヘルメットというのは、手作りが多い少量多品種でございますので、効率よく作ることを常に追求しないと、東南アジアの安価な労働力の国に追いつかれてしまうということでございます。この改善活動については、引き続き力を入れていくということでございます。
2番目といたしましては、「新モデルの開発」でございます。今までやってきたのと同様、「お客さまが求めるヘルメットはなにか」ということを、徹底的に分析・検討いたしまして、それをJIT等を通じて、できるだけ安い値段で市場に供給していくというビジネスモデル。これを、引き続き追求していくということでございます。
とくに最近の動向としましては、この「NEOTECⅡ」もそうですが、エレクトロニクス、ITとの融合がヘルメットにも始まっておりまして、そのあたりを我々としても今後は取り込んでいきたいと思っております。
3つ目は、「ブランド戦略」。やはりSHOEIヘルメットも、おかげさまで「世界一の高級ヘルメット」と言われておりますが、さらに「SHOEIのヘルメットであれば、多少高くてもぜひ買いたい」と思っていただけるように、ブランド力を高めていきたいと(考えています)。
4番目は、地域戦略です。日本も欧州もライダーの高齢化(があります)。日本は今54歳と言われていますが、どんどんみなさんが高齢化していくので、我々としては新しいマーケットをぜひ開拓したいと(いうことです)。そのような中で、東南アジアになってしまうのですが、そのようなところにぜひ販売を増やしていきたいと考えている次第でございます。
①生産能力の拡大
さっきの4つの(重要テーマの)中を、それぞれもう少し掘り下げてご説明申し上げます。
まずは、生産能力の拡大でございます。62期のときに作った「(62期から)64期に(年間で)60万個作ろう」という目標がございまして、これは引き続き堅持していくと(いうことです)。
来年(63期)が54万8,000個ですから、ちょうどそれが着実に実行されつつあるのかなということでございます。それを完遂するために、設備投資・人員増強・有望新モデルの開発等、愚直に邁進させていくということでございます。
設備投資及び減価償却費の推移
設備および人員の増強と申し上げましたが、「じゃあ、設備投資はどうなっているんですか?」ということでございます。
このピンクの部分が設備投資になるんですが、来年の63期も11億9,300万円の投資を予定しております。ここ数年活発に設備投資を行って、古い設備の更新もしくは製造能力の拡大のための新規設備導入ということで、行ってまいります。
第63期設備投資
ちょっと専門的になりますが、「じゃあ、具体的にどんな機械を買うんですか?」ということですが。
金型。これは、どんなヘルメットを作るときにも要りますので、来年・今期に限ったことではないです。
プレス機。これは、金型の中にいろいろな原材料を入れて固めて、ヘルメットの原型となる「帽体」というのを作るんですが、そのプレス機です。古くなりましたので、更新するということでございます。
それから、ロボット研磨機。この成形の工程から出てきたヘルメットの原型側みたいなものを、今は手作業で磨いているのですが、それをロボット化して標準化するということです。このために9,000万円のロボットを買いますが、これは来期だけでは終わりませんので、64期に向けてどんどん買っていくということでございます。
それから「プリフォーム機」というのは、成形に入れる原材料のその手前に、ガラスファイバーで編み込むプリフォームというものを作る工程があるんですが、その機械を6,000万円くらいで購入いたします。
従業員数の変遷
人員も増強してまいります。
来期は、採用は31名。ほとんど地元の高校を卒業された新卒の方ですが、それだけでは賄えない場合は、中途の方を数名採用いたします。退職の方もいらっしゃいますので、純増という意味では16名ぐらいですか。
それでも、一時景気が悪いときは新規採用を控えておりましたが、ここへきてまた採用をして、攻めに転じているという状況でございます。
JIT(Just in time)改善活動
これがJust in time、JIT改善活動です。
座学と言いまして、最初に各セクションから「どうやって、自分はより良い品質のヘルメットを作るようになりました」とか「より短い時間で作れるようになりました」とか、そのような発表をしてもらっているんです。
その後は、各現場を回っていろいろ指導がある。極端な話、「この棚をこっちに置けば、取りに行く距離が3歩減りますよね」と、それぐらい細かい話もやります。そうしないと、コストは下がっていかないということです。
高付加価値化と生産合理化を両輪とするMade in Japanの維持。
高付加価値化と生産合理性を両立させるということですが、これがSHOEIの強みでもあり、Made in Japanという、ずっと勝負できているという理由だと思うのですが。
左側にいる、本社の部隊です。商品企画部であるとか、造形デザインです。それからグラフィックデザインというのは、ヘルメットの表面の柄。ここには柄のないヘルメットのサンプルしかありませんが、そのようなものを考える人たち。
この人たちは当然、「お客さんがこんなヘルメットを欲しがっている」という分析をしますので、それが作りやすいか作りにくいかは、とりあえず気にせずに、とんがっためちゃくちゃ格好良いやつを作るわけです。
一方で工場サイドは、「そんなヘルメットは量産すると(継続して)作れない」、もしくは「規格を通らない」、もしくは「(製作費や単価が)とんでもなく高くなっちゃう」ということになりますので、「いやいや、その尖った部分はもうちょっと丸くしてくれ」とか、そこでいろいろなせめぎ合いがあるわけです。
せめぎ合いがあって、最後はその「売れる、格好良いヘルメット」を「お買い上げいただける値段」に落とさなくちゃいけないのですが。それを上手くまとめていくのが、うちの会社の強みと言えば強みです。そのところは、他社にはおそらく真似ができないものになっていると自負しております。
このようなことによって、Made in Japanを維持していくということだと思います。
②魅力ある新モデルの開発による製品単価アップ
ちょっとPRも混ざってしまいまして……一部62期でも出ておりますが、こちらは「EX-ZERO」と言います。ちょっと古めかしいのですが、レトロタイプのオートバイに乗っておられる方をターゲットとして出します。
「J・O」という、これの1個前と言いますか、兄弟モデルがあるんです。この「J・O」も、そのようなニッチモデルにしては大成功を収めまして、これもかなり売れてくれるのではないかなと思っています。
日本では今年(2018年)の11月……もうそろそろ出るのですが、3万8,000~4万6,000円とけっこう高いんですが、これを出すところでございます。
<GT-Air Ⅱ>
どうぞ。もう一つ(新製品を)出します。
「GT-AirⅡ」と申しまして……こちらです。これは、先ほど説明しました「NEOTECⅡ」と違いまして、前のフェイスカバーの部分が上にあがったりしません。ずっとこの状態です。
ただし、ここにありますようにサンバイザーがついてまして、眩しくなったらこれを降ろすことによって、あたかもサングラスをかけているかのようになっている。「ツーリングモデル」と言われるのですが、長時間お乗りになる方に向けたものです。
これは見ておわかりのとおり、「GT-Air」という前の機種をモデルチェンジしたものです。「GT-Air」は、これも年間10万個ぐらい作る大ヒットいたしましたモデルなのですが、これも同じぐらい売れてくれるのではないかなという高い期待をもっております。
先日、ドイツとイタリアの展示会でこの(「GT-Air」だけではなく、先ほどご説明した)「EX-ZERO」も展示いたしまして、非常に好評を得ております。
また今のところ、初回(生産分を)1月から作り始めるのですが、1月だけで3万5,000個も注文がきまして、ちょっと工場が作り切れずに悲鳴を上げているという状況でございます。
1個言い忘れましたが、これも「NEOTECⅡ」同様、インターコムが装着できるようになっております。これは、「GT-Air」のときはついてなかったわけです。この「NEOTECⅡ」の成功をこちらにも……ということで、こちらにはインターコムが内蔵できるようなアダプターがついております。
2輪ヘルメット平均単価の推移
おかげさまで、弊社がずっと増益を続けてきている理由は、生産量が増えてきているということもあるんですが、もう1つはその生産量×単価の部分が、ずっと上がってきているということでございます。
モデルチェンジをするたびに、必ず「前のモデルより付加価値がつく、より格好良い」という(ことを)お客さまにPRすることによって、単価を上げて、実際にその値段で売っております。
ということで、この単価が上がる。従いまして、この表を見ていただきましてわかるように、生産数量が増えて単価が上がっていくと、当然売上はその二乗の効果で増えていくわけでございます。
③ブランド戦略
3つ目のブランド戦略でございます。
先ほども言いましたように、日本とヨーロッパではライダーが高齢化しておりますので、「今後の大幅な市場拡大は難しい」ということでございます。やはりそれらの国では、今SHOEIのヘルメットを買っていただいているお客さんをいかにつなぎとめるか、囲い込むかということが、1つのキーになってこようかと思います。
具体的には、PFS……これはPersonal Fitting Systemの略です。後ほどご説明いたしますが、PFSの推進やいろいろなインターネット上での広告、それから効果的な広告宣伝・ブランド力強化等を通じて、お客さんを囲い込んでいくということでございます。
これは宣伝効果の1つの例としてご披露したいのですが、Marc Marquez選手という3年連続世界チャンピオンで、今の二輪業界では彼を知らない人はいないというぐらい、有名人でございます。
彼が、もう6年連続でうちのヘルメットを被ってくれておりまして。今年も茂木という日本の栃木県のグランプリがあったときに、そこで優勝をしまして、年間チャンピオンを決定したということがあったばかりなのですが。
彼とは、あと2年間……2020年まで契約を更新いたしました。それが、ちょっと経費が増えている理由の1つなのですが。こうやって、ブランドのイメージを高めていきたいということでございます。
さっきちらっと言いましたが、これがPFS。
ヘルメットもこれからは、自分の頭のサイズ・形にぴったり合ったヘルメットを被っていただく時代になったと自負しております。
具体的には、左は日本のうちの営業マン、右はフランスのうちの子会社の営業マンですが、頭を測ります。「はちまわり」と言いまして、このまわりだとかをいろいろ測りまして、「あなたにはこのサイズのヘルメットに、このような詰め物をすれば、全面があなたの頭にぴったりと吸いつくようにくっつきます」という、このようなシステム。
1人30分ぐらいかかるのですが、この30分でフィッティングをした方は、とにかく自分専用のヘルメットができるわけですから、大変満足度が高くなる。このような、非常に好評を得ているシステムでございまして、日本ではすでに、新しく売れる3個のヘルメットのうち1個は、このフィッティングを行って販売していると(いうことです)。
他社さんでも似たようなシステムをやっているところがありますが、弊社のシステムが一番完成度が高いと言われております。
④有望市場での販売強化
4番目、有望市場での販売強化でございます。
弊社のヘルメットがまだ売れてないところと言うと、アフリカを除きますと、もう南米と東南アジアぐらいしかありませんで。
南米も「ちょっと景気が良くなったかな?」と思ったら、また悪くなったりしまして、なかなか読めないものですから、とにかくアジアを一生懸命やっていくということでございます。
アジア市場動向
ちょっと細かいので、お手元の資料を見てもらったほうが良いかもしれませんが……(アジア市場動向として)人口的には、もちろん中国が一番多いんですが。
購買力という意味では、1人当たりのGDPになるんでしょうか。当然シンガポール・香港・韓国あたりになるんですが。台湾……このようなところになると、今度は逆に人口が少ない。
それから我々(が重視しているの)は、大型車両販売台数です。あんまり小さいバイクだと、うちのヘルメットを被ってくれないものですから、大型の販売が1つの目安になるんです。そのような意味においては、タイとか中国あたりということなんです。
インドネシアなんかは人口も多いし、二輪もそれなりに出ているのですが、やっぱり購買力がないので、ヘルメットの販売としては、まだほとんどゼロという状況です。なんとか、インドネシアあたりも始まらないかなと思っているんですが、残念ながら今のところは中国・台湾・韓国・タイぐらいですかね。
これは合計3万個ぐらい売れているということなのですが、日本で13万個売ってますので、まだまだ全員が束になっても日本1ヶ国の4分の1ぐらいしか売れていないという(状況です)。これを、なんとかもうちょっと増やしていきたいなと思っている次第です。
総括
これはいつも申し上げているので、これ(をご覧になるのが)初めてじゃない方もいらっしゃると思うのですが、弊社の経営方針を箇条書きにしたものでございます。
手厚い自己資金、自己資本に基づく無借金体質、健全な財務内容を堅持している。自分の会社は自分で守る。それから、決してもう安物では勝負しない。良いヘルメットを出して、高く売る。
それに伴って、Made in Japanを維持する。
それから、2番にもかかってきますが、それを成し遂げるために必ず必要な投資はしていきます。欠かしません。
それから、プレミアムヘルメット市場で、常にナンバーワンを目指します。実際、ほとんどの国でナンバーワンになってますが、さらにその地位を強固なものにするということでございます。
それから、コンプライアンスです。やはりどんなに立派な会社でも、不正や不当なことをやってしまうと、あっという間に会社の評判が地に落ちてしまう。だから、法規制を守りながら、コンプライアンスは十分にやっていくということでございます。
それから利益配分ですが、株主さまには50パーセントの配当性向をお約束して、利益・配当に回させていただく。社員もここ数年3~4パーセントの給料を上げてきておりますが、やはり従業員にとってもモチベーションが高い企業であり続けるということも、同時に目指していきたいと思います。
ちょっと長くなりましたが、以上で私の説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。