2018年9月期決算説明会

石川忠氏:本日はお忙しい中、弊社決算説明会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。サコス株式会社の石川と申します。よろしくお願いします。

それでは、私からは平成30年(2018年)9月期の決算概要をご説明させていただきたいと思います。

まず、ご承知かと思いますが、当社の概要です。建設業界・一般産業界向けに機械・機器のレンタルを行っており、それ以外にも併せて中古建機販売等も行っております。営業地域としましては、基本的には三大都市圏を中心に展開をしております。

また、新光電舎と双葉電気という2社の連結子会社があります。基本的には、2社とも工事用電気設備工事の会社で、新光電舎は主に首都圏での工事、双葉電気は主に関西圏での工事に対応しております。

双葉電気に関しましては、今回の決算から損益関係は連結しております。売上等は、今回から新たに決算の数字にプラスされておりますので、ご了承いただければと思います。

決算のポイント

それでは、2ページ目の「決算のポイント」というところを開いていただきたいと思います。

この平成30年(2018年)9月期に関しましては、(まず)「1.首都圏建設市場活性化と将来への企業体質構築」です。左側ですが、東京都心部におきましては、やはり2020年度の東京オリンピック・パラリンピックの関連工事が非常に動き出しているところもありますし、それに合わせた再開発工事やインフラ整備工事が活発化しているところで、弊社にとってのレンタル需要も高まっています。

その反面、首都圏以外の地域は、やはり工事量が伸びていないという現状ではあるのですが、今年(2018年)に関しましては、地震や台風という自然災害がけっこう多発したところもあり、そのような中での復旧・復興というところでは、当社の機械をお使いいただいたという側面もございました。

今後も引き続いて、東京オリンピック・パラリンピックに向けては需要が見込まれるところもありまして、今年ではないのですが、一昨年(2016年)ぐらいから「(将来へ向けて)企業体質を強化していこう」というところです。

今期につきましては、右側に3点ほど挙げていますが、(まず)「現場訪問の強化と提案営業の実践」です。これは、営業力強化という部分を1つ挙げております。

2つ目は、レンタル会社ですので、やはり「貸与資産を、いかに幅広く保有できるか」というところです。この市場に合致したというところで、貸与資産の購入も進めております。

貸与資産を増やすこともそうなのですが、同時に、やはり「それを整備する拠点やヤードのあたりも、新設も含めて設備投資をした」というところです。このあたりは2020年に限らず、もう少し先も見据えたところでの企業体質の強化を進めています。

(決算のポイントの)大きく2つ目といたしまして、貸与資産に関しましては、購入を順次進めております。この平成30年9月期におきましては26億6,500万円で、前期に比べると若干減っておりますが、20億円を超える水準の機械を新たに購入することができたというところです。

(表の)3行目に「投下資本(期末保有高)」という数字を表しております。今期は246億7,500万円という数字ですが、これは当社が保有する機械の取得価格ベースでの総額でとらえております。「この資産を使って、どれだけのレンタル収入を上げられたか」というのは、この下の「回収率」という指標として見ております。

投下資本は、前期に比べて6億円ほど増加できたところです。また、回収率も前期の23.2パーセントから23.5パーセントということで、全体の資産も増やしました。回収率も上がったというところで、その部分は売上の増につながっていると思います。

機械の中身につきましても、古い機械も取得価格ベースでとらえています。今回新しい機械を導入することによって、投下資本の増え(た分)以上に……(数字の)中身的には同じですが、新しい機械に更新されてきていると(いうことです)。

数字的には約6億円の増加なのですが、資産としては新しい資産が約26億円入ってきております。そのような意味では、保有の中身も新しく需要に合致したかたちで進めさせていただいていることになります。

損益計算書

続きまして、数字的なことで3ページ目をご覧いただきたいのですが、損益計算書です。

平成30年(2018年)9月期に関しまして、売上高が176億8,300万円ということで、前期と比べますと13.7パーセントの増加ということです。

売上種別構成比

少し飛ぶのですが、この内訳については、6ページ目をご覧いただきたいです。

全体の売上としましては176億8,300万円で、前期に比べますと約21億円増加しているかたちです。

「種別」で表しておりますが、主なものとして、建築工事のところで約5億4,000万円増加しています。これは、大型の再開発関連取引が増えたところが、全体の売上を押し上げています。

それと、鉄道関係が前期に比べて3億6,000万円ほど増加しております。鉄道関係は、鉄道の通常の開発・再開発も含めた工事もあるのですが、先ほど申し上げた災害復旧においても売上を伸ばすことができました。

あと、その2つほど下に中古建機販売があります。ここ2、3年拡大しているところで、今期は4億1,000万円ほど増加しておりまして、この部分が伸びています。

それと、この種別ではその他に含まれるのですが、上のほう(「52期実績のポイント」)に載せております「新光電舎と双葉電気(等の工事売上増加)」という、連結子会社の工事用電気設備工事で、双葉電気の売上が約5億円ほどあり、これはまるまる純増のかたちです。新光電舎も、前期に比べますと売上が29パーセントほど増えております。

このあたりが、全体の売上増の主な内容となります。

もう一度、3ページに戻っていただきます。売上は、今の(ご説明にあったように)「建築」や「土木」という種別で分けておりますが、科目として、下段の内訳のところに売上を表している箇所があります。

「自社機レンタル収入」ということで、先ほど申し上げた貸与資産によるレンタル収入……当社が保有している部分です。

それと、他社さんからお借りする部分(の「他社機レンタル収入」)。当社が持っていて(も、場合によっては)足りないので借りることもありますし、当社が(そもそも)保有していないので借りてくるというものがあります。

自社機レンタル収入は前期に比べると5.0パーセント増、他社機レンタル収入につきましても10.0パーセント増というところで、レンタル収入が需要増とともに売上を伸ばしているところです。あとは、先ほどの「販売」と「工事売上」は、中古建機販売の部分と連結子会社の工事の売上の部分が伸びているところです。

そのようなかたちで、売上が約14パーセント伸びました。

売上総利益は65億500万円で、前期に比べますと6.2パーセントの増加ということです。

貸与資産を強化・拡充してきたところで、資産購入原価が増えていることもあります。あと、中古建機販売や工事用電気設備工事は、若干売上総利益率が下がるところもありますので、全体の売上総利益率としましては、前期の39.4パーセントから36.8パーセントということでダウンしています。ただ、売上総利益としては(前期比)6パーセント(の増加)で、約3億7,000万円ほどの増加で終結しております。

経常利益は15億4,600万円で、約7.2パーセントの増です。販管費も5パーセントほどは伸びておりますが、売上総利益がそれ以上に改善したというところで、経常利益も7パーセント増やすことができました。

最後の当期純利益につきましては、9億8,900万円ということで、前期比101.1パーセントというところで終結しております。

貸借対照表

続きまして、4ページ目の貸借対照表をご覧いただきたいです。

平成30年(2018年)9月の総資産としましては192億7,500万円ということで、前期の残高と比べますと約22億円増えております。

内訳としましては、流動資産が約10億5,300万円、固定資産が11億5,700万円ということです。主な増減としましては、売上高が増加しておりますので、その部分により売上債権が約7億4,500万円(の増加)。先ほどから申し上げております貸与資産購入を進めておりますので、(貸与資産が)6億円増えております。

また、社用資産……設備関係ですが、今回京浜島に「軽機センター」といいます、小物の資産等を管理する整備工場を新築しました。併せてそのような機械のヤードとして「川崎ヤード」を確保したところで、社用資産が増加しております。

これに対して、負債です。負債は全体で16億5,000万円増加しております。売上高が増えた分、仕入債務も5億7,400万円ほど増えております。有利子負債に関しましても、前期は社債・借入金の26億円でしたが、今期は27億9,600万円ということで、約1億9,500万円増加しております。

同時に貸与資産の購入・取得を進めておりますが、リースで調達をしているところもありまして、リース債務が増加していることなどが、負債の増加(要因)です。

純資産も5億5,700万円増加しておりますが、これは利益部分から配当部分を考慮した部分が増加となっております。

そのような中で自己資本比率は、前期の52.2パーセントから今期は49.9パーセントというところです。

総資産回転率という、売上に対して、総資産でどれだけ売上を上げられたというところでは、前期の0.97回から今期も0.97回ということで、基本的には同じようなかたちです。総資産が増えたのですが、併せて売上も増やすことができたところで、回転数としては同じような流れで進められたということだと思います。

キャッシュフロー計算書

続きまして、5ページ目です。キャッシュフロー計算書です。

平成30年(2018年)9月期に関しましては、営業活動によるキャッシュフローは11億4,500万円の資金増という状況です。売上債権が増えたり、貸与資産の取得があったり、もちろん法人税の納付等もありましたが、当期純利益を約15億円残せたことや減価償却費が増えたこと、仕入債務が増えた等で、最終的にはプラスの11億4,500万円です。

投資活動(によるキャッシュフロー)に関しましては、主に社用関係と設備。先ほど申し上げた軽機センターの新築でありますとか、川崎ヤードの拡充による部分での設備関係の取得。あと、敷金等の支出。このあたりで、6億400万円の減少になっております。

財務活動(によるキャッシュフロー)に関しましても3億8,700万円で、お金としては出ていっているかたちです。これは、とくに配当(金支払の影響)が大きいのですが、冒頭で申し上げた双葉電気の株式に関しましても、今期で約98パーセントまで株を買い増ししておりますので、その部分の資金もここに入っているところです。

ただ現金・預金残高が、前期は23億200万円だったのですが、今期は24億5,500万円ということで、資金としては1億5,300万円ほど増えたという状況です。

以上が、平成30年(2018年)9月期の決算概要となります。

すでに進行期になっておりますが、2019年9月期の目標としましては、売上高が185億円、経常利益が16億円、当期純利益が10億円というところで進めております。引き続き、ご支援のほどをよろしくお願いいたします。

私(からのご説明)は以上です。ありがとうございました。

「マンパワー経営」

瀬尾伸一氏(以下、瀬尾):お忙しい中、ありがとうございます。改めまして、サコスの代表を務めさせていただいております、瀬尾でございます。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、昨年度から取り組みだしました「マンパワー経営」という中期計画を中心に、ご説明させていただきたいと思います。

8ページの「マンパワー経営」です。現在、私どもの建設機械のレンタルマーケットは、全体的にオリンピック需要や災害復旧を契機として、堅調でございます。

ただ、同時に市場も変動しております。ここに書いてありますように、1物件当たりの工事が非常に大型化しているだとか、先ほど石川の説明にもありましたが、地域によってだいぶ格差がでてきています。首都圏への地方レンタル会社の進出や、その地域による格差がけっこうございます。

地域によっては、例えば北陸などは新幹線の工事があって堅調ですが、逆に東北などは、ずいぶん……やはり、いわゆる3.11の災害からの復旧が落ち着いてきて、ちょっと(需要が)低下傾向にあるとか、その地域による格差がだいぶあります。

ただ、そのような意味において、首都圏は今後「オリンピックの2020年以降も堅調である」と言われています。これを受けて、地方のレンタル会社も首都圏へ進出してきているところがございます。

また昨今は、建設作業員や資材の不足ということで、工事の遅れや「最盛期が重複してくるのではないか?」なども、十分予想される状況になっています。最近の例では、ハイテンションボルトが足りなくなったということで、高層建築の再開発の建築現場などでは、ボルトがないために工程が伸びてしまうのを、「とりあえず、内装から先にやっていくことで対処している」だとか、そのようなことが直近の現象として起きてきています。

そのようなことが起きてくると、どのようなことが発生するかと言うと、屋内系の高所作業車(の需要)が同時期に重複してくる時期が増えてくるとか、そのようなことが発生してくると思っています。

同時に、世の中で言われています働き方改革ということで、工事現場でも(変化が起きており)今まで、土曜日は確実にやっていましたが、一部分は(勤務時間や人員を)削減しなければいけないとか。また、建設会社さんの協力会社さんはともかくとして、少なくともゼネコンさんでは、働き方改革で残業時間を規制されたり、確実に休日をとらなければいけない。そのような部分に関して職員が不足してきているということも、現実に起きてきています。

そのような意味で、バランスよく課題解決を図って(継続的に)成長していくことを目指していくために、この「マンパワー経営」という言葉を掲げています。

マンパワー経営

その次のページに書かせていただいています「チャレンジ3」ということで、3つの項目を中心に(継続的な)成長を図っていきたいと計画しています。本日は、その具体的な中身を、いくつかご紹介させていただければと思っています。

建機レンタル会社 参考指標

この3つの挑戦の成果を測る物差しとして、1人当たりのマンパワーを重視していきたいと考えています。

まず1番目としては、1人当たりの売上高。そして2番目に、1人当たりの経常利益。そして(3番目に)売上高経常利益率。この3つの指標を物差しとして、バランスよく成長させていきたいと考えています。

どこかを突出させることは可能なのだろうと思っているのですが、バランスをとって成長させることが、今後の当社にとっても、大きな課題を解決していく上においても、この3つのバランスの物差しを見ながら測っていくことが大事かなと考えています。

レンタル資産の推移

1ページめくっていただきまして、先ほど石川からもレンタル資産の説明がございましたが、52期(平成30年9月期)に、約27億円弱の調達をいたしました。

レンタル資産の活性化

この資産についてご説明する前に、1ページめくっていただきまして、12ページ目をご覧ください。

レンタル資産の活性化ということで、2項目記載しています。「データ分析からの保有資産(商材)の最適化」が上段にあるのですが(どのようなことかというと)ここに書いてありますように、営業のデータ(SFA)です。

SFA市場データ、そして実際の弊社基幹システムからの日々の稼働データ、そして回収のデータをBIツールでデータ処理しています。経験と勘で購買をしていた部分……それだけではありませんが、そのような部分から、それに仮説を立ててデータによる修正をしてタイムリーに購買することが、前期ぐらいから徐々にできるように、確実に(最適化されるように)なってまいりました。

また1ページ戻っていただけるとありがたいのですが、そうすることによって、51期(平成29年)ぐらいから試行錯誤する中で、実は機械の減価償却費は非常に増加しましたが、単なる資産の積み上げではなく、売上につながる稼働・回収の高い商品の入れ替えをすることができてきたのかなと考えています。

もちろん、先ほども申し上げたように、レンタルマーケットの競合はけっこう激しいものがあります。正直に言って、価格の下落とまではいかないにしても、なかなかアップが難しいところが、今のマーケット状況にはあります。そのような中でも、次に収益につなげていくには、デッドとなる資産をどう少なくしていくかということが、非常に大切になります。

弊社のヤードには数万点の商品があって、1個1個の個別単品管理をしていくのはなかなか難しいです。それでも、その単品管理をしっかりとしていかないと、収益にトータルでつながっていかない、稼働の向上につながっていかないことがあります。データで管理をしていくと、残念ながら死に筋商品があったということで、そのようなものの入れ替えを進めていったのが、この数期になっています。このあたりを、もっと徹底していきたいと思っています。

その中には当然、販売益が見込めない状態や悪い機械も含まれていますので、このような機械などに焦点を合わせながら、資産投資の有効的な活用を実行していきたいと思っています。

そのような部分で、(平成30年9月期実績の)26億円とか(平成31年9月期計画の)27億円とか、商品の購入はしますが、確実にデッドになるものは、置いておくだけではなく除却・売却もしながら、資産の活性化を進めていきたいと考えています。

1ページ、めくっていただきます。

資産の最適化は今ご説明させていただいたのですが、同時にマンパワーを上げるために、「希少性の高い大型(高額)商品(の保有)」についても、チャレンジしていきたいと思っています。我々の得意先の期待に応えるとともに、新たな利便性の提供を目指していきたいと考えたチャレンジでもあります。

下に、こちらの商品の例として3つ、「強力吸引作業車スーパーモービル」「高所作業車スーパーデッキモバイルローラー」「2.9トン軌陸クレーン」の写真を載せました。稼働は特別に高くはないのですが、この部分は比較的高い単価が期待できる商品だと考えています。

また、このあたりの部分に関しては、10ページで比較させていただいた各社の中の、売上高という部分でマンパワーに貢献をしていく商材になっていくだろうと思っています。お客さまを囲い込むためにも、高い導入価格でもチャレンジをしていくことが、1つのキーポイントかなということです。

今期は、この3点には、確実にチャレンジしていくつもりでいます。

SNP計画

続きまして、1ページめくりまして、SNP計画です。

この13ページと次の働き方改革に関しては、地味な取り組みなのですが、このあたりの取り組みを徹底できるかということが、働き方改革や人材不足に対して有効な対策ではないかと考えています。

例えば、13ページの右側の欄に「無償出張修理件数」というところがございます。ここを、ちょっとご説明させていただきます。

これは、「弊社で客先に出荷した機械のうち、お客さまに原因がはっきりとある故障以外で弊社の技術員が工事現場に伺って修理をしてくる」という件数です。現場で、決してよいと言われる条件下ではないところで修理をしてくるわけです。そのような場合は、どうしてもそれなりの技術力を持った技術員が現場に向かわなくてはならないですし、時間をだいぶ費やしてしまいます。

ここに書いてある52期(2018年9月期)の実績の「480件」は、1年間の全体の出荷件数の、だいたい0.1パーセントにも満たない件数にはなるのですが、それなりの技術力を持った人間が半日なり1日なり修理しに行くことになると、やはり大変なロスになってきます。

このあたりを、いかに予防整備をして減らすかということが、左側の「整備生産台数」……いわゆる場内において、実際に技術員が整備していく時間の確保につながっていくと、私どもは考えています。このあたりを徹底することによって、コストダウンと効率化を図っていくと同時に、働き方の改革につなげていきたいなと思っています。

本当に派手なものではないのですが、このあたりをしっかりと地味に取り組んでいくことが大事かなと思っています。

「第二の柱構築」への挑戦①

続きまして、15ページから17ページにかけて、「第二の柱構築」ということで、次の成長の礎として力を入れている部分(のご説明)になります。

この中では、15ページの中古建設機械販売だとか(が、成長への軌道に乗りつつあります)。

「第二の柱構築」への挑戦②

その次のページの非常用発電機の事業は、おかげさまで、しっかりとユーザーに認知していただけるようになりまして、成長への軌道に乗りつつあります。

さらに拡大・成長していくためには、今期・来期と課題もありますが、投資していきたいと考えています。

「第二の柱構築」への挑戦③

最後の「第二の柱(構築)」の部分で、17ページです。少しわかりにくいと思いますが、ちょっとご説明させていただきたいと思います。

最近の工事現場を見てみますと、「工事現場への、作業員の方の入退場時のセキュリティをどうするか?」という課題がございます。一般の工場と違って、工事現場に全員同じ職人の人……同じ顔ぶれの人が、必ず毎日行くわけではないわけです。「今日は土工の人が行ったら、次の日は内装の人が行く」とか、毎日同じ人が行くわけではないわけですので。

でも、元請けのゼネコン側からすると「入退場の職人のセキュリティや、入退場の管理をどうするか?」という課題があります。そして、「どの業者・誰が、本日どのような作業をしに来たのか?」。また、「作業員のうち、誰がどのような機械を使っているのか?」という管理を、けっこうしっかりとしていかなければいけないわけです。

機械によっては、必ず鍵が必要となってきます。「その鍵の管理はどうするのか?」とか。大きな建築現場になると、1日当たり数千人の作業員の方が働いているのは、もう当たり前になっています。各々……例えば入退場だけの管理や、鍵だけの管理のソフトは、当然今もございます。でも、それを連携したソフトはなかなかありません。

また、今、国交省さんが導入を目指しています、キャリアアップシステムもありますが。それとどう連携をさせていくのかも、業界としての1つの課題であると思います。どれも現場の側から見ると、あともう1歩というか、ラストワンマイルという部分が不足しています。そこの部分のソリューションを、提案していきたいと考えています。

私どもがソリューションの仕組みの部分の中心に(なるということで)、左上の「カメレオンコード」があります。この「カメレオンコード」をキーデバイスとして、お客さまにソリューションとして提案していきたいと思っています。

「カメレオンコード」を使ってソリューションを当社が提案をしたときに、「じゃあ、これの提案を採用すると、全部サコスさんの機械を使わなければいけないのか?」と、よくユーザーさんに質問をされるのですが。

今回我々は、この部分は、このソリューションだけでも提案して……例えば、我々の機械が一切出なかったとしても、このソリューションを提案していくことで、お客さまにマーケットのサービスを提供していくことで、我々の利便性を提供していきたいなと思っています。

従来は、機械というハードだけだったのですが、ハードを除いたとしてもこれを提供していくことも、1つのレンタルだと私どもは認識しています。このようなレンタルをすることで、本格的にサービスの提供をしていきたいと思っています。

現在は、大型の現場で数件採用されるようになってきたところです。これからどのように工事現場へ、トータルでソリューションを提供していくかということで、全力を挙げて取り組んでまいりたい案件でございます。

オリジナル商品稼働・回収推移

続きまして、18ページ目です。

これはオリジナル商品ということで、毎年の決算説明会でも掲げさせていただいています。弊社の強みであります、オリジナル商品です。今期も、4品種発表させていただきました。これから営業活動もありますが、好評をいただいているという報告を聞いています。

また、毎年そうなのですが、オリジナル商品が稼動や回収にプラスになって当社の業績につながってくるのは、だいたい1年後とか2年後です。

52期(2018年9月期)の実績にプラスになった部分は、「51期(2017年9月期)に、いかにここの部分に投資してきたか」という部分につながっています。やはり、お客さまに新しいカテゴリーの商品を認識していただくには、少し時間がかかるのかなと思っています。

鉄道営業部

続いて、19ページ目です。

今回、九州で鉄道関連の店舗の出店をさせていただくことになりました。今まで九州地区には、同じグループ会社の株式会社ショージさんを経由して、弊社の建設・産業機械を提供させていただいていたのですが、どうしても情報(取得)や対応でワンテンポ遅れてしまって、実際の(タイムリーな)情報が入手できなかったケースがありました。

それを今回直営にすることで、経費はかかりますが、それ以上のリターンがあると確実に見込めるということで、出店する予定です。

2020年対策委員会

続きまして、20ページ目になります。

2020年のオリパラ(による需要)なのですが、開催期間中について、現時点でどれくらいの影響があるか、業績にどのようなインパクトがあるかということは、経験値がありませんので不明瞭ではありますが、特別な需要の獲得(を見据えています)。

今、オリンピック・パラリンピックの部分で、発電機や、エアコンのような酷暑対策の季節商品の引き合いがあります。

そのようなことには努めていますが、反面「きっと、短期的な需要減が起こるのではないかな」とも予想しています。そこの部分に関しては、これから情報収集に努めて、前倒しできるものからシミュレーションと対策をしていきたいなと思っています。

実行していく予定の中で、組織としての力をアップさせる良いきっかけとするために、私を委員長とした「2020年対策委員会」を立ち上げたということで、(さまざまな取り組みを)実行してまいりたいと考えています。

投資政策

最後になりますが、投資政策です。発表済みのものではございますが、株式投資を含めた投資政策と株式政策を、ここに記入させていただきました。

以上となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:「i-Construction」への対応は?

質問者1:2点お願いします。1点目はレンタル単価なのですが、「なかなか、上げるのは難しい」というお話をいただきました。ただ、排ガス規制等もあって、車両の価格は上がる方向にあると思いますし、メンテナンスコストとか、そのようなところも上がる傾向にあるので、できれば上がる方向が望ましいんだと思うのですが。そのあたりで、どのような取り組みをされるのか、方向性を教えてください。

2点目が、「i-Construction」に対して、御社としてどのような対応をするのか。今後は求められる機械も変わってくると思いますので、このあたりについて、御社の取り組みを教えてください。以上、2点です。

瀬尾:まずはレンタル単価なのですが、おっしゃるとおり、機械の導入価格は、車両も重機も発電機も、みんな排ガス規制ということで、価格は上昇しています。ただ、同じ能力を発揮する機械に関して、大きな差をつけて客先から価格をアップするのは、現状はなかなか厳しいのが正直なところです。

そこを確実・明確に、「機能は、ここが違うんだ」というものは価格を区別する。例えば重機でも、人に反応して止まる重機があり、そのような明確に能力が違うものは区別した単価をいただくことができます。ただ、同じ2トンのダンプで、「新しい排ガス規制に適合した機械だから」といっても、正直に言って価格のアップは難しいのが現状です。

「そのような部分の収益を、いかに確保するか?」という部分で、単価で難しい部分を稼働でカバーすることによって、回収率を高めていきたい。また、技術員の現場への無駄な派遣とかをなくすことで、経費を削減することによって稼働につなげていきたいというのが、弊社の基本的な考え方です。

自分たちで価格破壊をするつもりはありませんので、そのあたりは、マーケットになるべく努力はしてまいりたいと思っていますが、競合との関係で、そこの部分は(今申し上げたことが)正直な現状の認識であります。

あと、「i-Construction」なのですが、おっしゃるとおり……今、例えばCat(キャタピラー)さんにしてもコマツさんにしても、12トンベースぐらいからなんですかね。もう標準装備で付いて、出荷されてくる状況になってきました。

ただ、私どもの一番得意とする都市土木もしくは都市建築の部分においては、「i-Construction」の機械を使ってたくさん土を動かすとか、掘削をするという部分は、正直に言って、まだあまりございません。

それよりは、先ほどの機械の段取りだとか、「車両を、いつどのタイミングで現場との搬出入をする」だとか、そのような都市独特のソフトを使った管理やソリューションをするかということが要求されていると、私どもは感じています。

弊社にも一部、兵庫県の北に豊岡営業所があるのですが、そこでは「i-Construction」のドローンを使った起工測量を始めて、そしてそのデータを使って、重機にデータを送って掘削や地ならしをするという仕事がおこなわれています。そのようなところには機械を導入してやっていますが、都心部の私どもの主力の営業所では、なかなかそのような部分は、正直に言ってまだ要求されていないのが現実であります。

都心部で「i-Construction」で要求が出てきているのは、路面の復旧関係です。そのあたりは、道路屋さんなどで「何回転圧したか」とか、そのようなものを自動的に記録することによって、作業員の負担を減らすということではあるようですが。

私どもは、道路工事については、あまり機械を持って直接やっているわけではありませんので、今のところはそのような感じだと考えています。以上になります。

質問者1:ありがとうございます。

質疑応答:オリジナル商品開発について

質問者2:12ページで、データベースの利用というところがありました。このデータベースの利用とは、西尾レントオールさんも利用されているという理解をしていいのでしょうか? それとも、御社だけですか?

瀬尾:SFAの(市場)データや基幹システムのデータは、弊社独自のデータでございます。

質問者2:なるほど。ということは、西尾レントオールはずっと回収率が減少傾向ですが、御社はここでボトムアウトしたという理解(だと)、表面上は見えるのですが。これを利用することによって、この後、どれくらいの回収率の改善を見込んでいる感じがありますか?

瀬尾:回収率がこれより極端に上がることは、あまりないかもしれませんが、やはり0.1ポイントや0.2ポイントだとかは確実に積み上げていくというのが、今の目標になります。

質問者2:わかりました。あと、希少性の高い(大型)高額商品の写真が、ここに3つ出ているのですが。それぞれの回収率とかは、公表可能でしょうか?

瀬尾:それぞれ個別にはちょっとあれ(ですので、申し上げられないの)ですが、すべて4パーセントから5パーセントくらいは出てくるのではないかと期待しています。

質問者2:わかりました。

あと、18ページでしたっけ。オリジナル商品がいくつか紹介されているのですが、もっと大きく売上・利益が取れるような商品の開発は、検討されていますか?

瀬尾:商品はもちろん、毎年4種類くらいから5種類くらい発表できるように開発しています。

ですが、例えばこの写真の左下に、黄色い線が入っている黒い板みたいなものがあるのですが。これは、鉄板の代わりに敷ける、軽量プラスチックの敷板です。従来あったプラスチック製のものに比べても約3分の1の重量のものを、あるメーカーさんと共同で開発いたしました。当初は、弊社としては500枚の導入だったのですが、今年(2018年)で3年目に入りまして、今は約5,000枚に育ってきています。

このように、最初はすごく小さく生むのですが、だんだんと数を増やしていくことによって、売上や利益につながっていく商品に育てていきたいというのが、オリジナル商品に対する弊社の基本的な考え方になっています。

質問者2:わかりました。ありがとうございます。