2018年6月期決算説明会
時津孝康氏(以下、時津):改めまして、株式会社ホープの代表をしております、時津と申します。本日は足元の悪い中、当社のアナリスト向けの(決算)発表会に来ていただいて、誠にありがとうございます。
まず冒頭で、会社概要等を含めて、改めて当社のビジネスモデルや今期の大まかな変更点を、私からご説明差し上げたいと思います。
決算ハイライト等の数字的なものに関しましては、後ほどCFOの大島から、細かくご説明差し上げます。
会社概要
ページをおめくりいただいて、3ページから入ります。
改めまして株式会社ホープは、自治体に特化したサービスを展開している会社です。2018年6月期末日時点で、194名の社員を抱えております。
ビジョン
企業理念といたしましては、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」ことを掲げております。
事業概要
続いて、5ページ目になります。
私たちは2016年6月に上場いたしまして、そのタイミングでアナリスト向けに、私たちの事業ドメイン……「何をやっているか」を私たちなりに解説してつくりあげた造語がありました。それを、当時は「PPS(Public Private Sharing)事業」と申し上げておりました。
その売上の大半である90パーセント以上を占めるものが、「財源確保支援サービス」というものになっております。その中でさらに細分化されていて、当初は「DS(デッドスペース)サービス」や「MC(メディアクリエーション)サービス」と申し上げておりましたが、今回の決算期をもって、PPS事業の切り方自体を大幅に変更いたしました。
事業セグメントの変更
もちろん、IPOするタイミングにおいて、当時は「どのようにしたら、もっと投資家の方々に興味を持っていただけるか?」「もっと理解が進むのか?」と考えて(事業セグメントを)このようにつくったのですが、実際に2年間ほど走っていく中においては、「このやり方では、説明を含めて少し不十分ではないか?」ということで、こちらのページのように、事業セグメントを変更しております。
まず1つ目は、広告事業です。これは、創業時からやり続けている事業の1つになりますので、「広告事業」と切っております。もう1つは、「メディア事業」と位置付けをしております。続いて「マーケティング事業」、そして最後に「エネルギー事業」と(なっております)。
私どもの中期計画において、2022年に売上高で100億円という目標があり、一方で利益に関しては、今のところ開示をしておりません。現状のおおむねの私たちの考えからすると、この4事業を大きく伸ばして育てていけば、いったんトップラインで100億円にまで伸びるのではないかと思っております。
改めて、投資家のみなさまやステークホルダー・お客さま・自治体の方に対して、事業内容を明瞭に表現するために、この4つのセグメントに切らせていただいております。
各事業セグメントとサービス(一部サービス名称変更)
続いて、7ページ目になります。
私たちの売上の90パーセント近くは、前期では広告事業でつくられており、今回、その中の1つを「SMART RESOURCEサービス」と、名称変更をさせていただいております。
「賢い財源」という意味となっております。私たちの主要なクライアントは自治体になりますので、「自治体の方々に『賢い財源』をつくっていただきたい」という意味合いを含めて、この遊休スペースの広告枠を私たちが買い取るというモデル自体を、「SMART RESOURCEサービス」と位置付けしております。
旧来は「DS(デッドスペース)サービス」と言っておりました。「デッド」とは、ご存じのとおり「有効利用されていない」という意味合いがありました。少しだけではあるのですが、どうしても自治体からネガティブに受け取られることもありましたので、より日常的に口にしてもらえるように、「SMART RESOURCEサービス」と位置付けしております。
もう1つは、「SMART CREATIONサービス」と変えております。これは、「私たちが自治体の歳出をスマートに創造・創設する」という意味合いで、「SMART CREATIONサービス」と名称切替をしております。細かいビジネスモデルに関しましては、後ほど改めてご説明差し上げます。
おおむね、今までは「MC(メディアクリエーション)サービス」と呼んでいた部分を「SMART CREATIONサービス」と変えております。
その中で、自治体に非常に専門性の高い冊子を納品しております。その冊子を総称して、私たちのサービスであれば、自治体の人たちには「マチレット」と呼んでいただきたいと思い、今回は私たちのブランドとして「マチレット」を作り上げています。
これが定着するにはもうしばらく時間がかかると思いますが、自治体の人たちの中で日常的に使われる言葉として、「『マチレット』って導入してますか、○○市役所さん」となれば、私たちのブランディング化の成功かなと思っています。私たちの勝手な造語として(ではございますが)、「マチレット」をサービス名として展開していこうと思っています。
続いて、マーケティング事業に関しましては、『ジチタイワークス』というものです。今回、みなさまのお手元に配布をしていますが、こちらになります。これは、実は前期にトライアルで始めた、自治体職員の方々向けのフリーペーパーになります。
もちろん、競合がいないわけではないのですが、私たちがこれだけ日本全国の自治体とお付き合いをする中において、「自治体のコネクションを、私たちのサービスの収益の中に取り込めないか?」ということで作り出したものが、この『ジチタイワークス』になります。
今期からは予算取りとして、年に4回発行するということで、1つの収益の柱として『ジチタイワークス』を入れていっています。これは、いわゆるマーケティング事業に分類されるサービスになります。
続いて、メディア事業です。これは、まだまだ投資フェイズのものが非常に多いのですが、「マチイロ」や「マチカゴ」や「自治体クリップ」と、自治体の方々や住民の方々が使いたくなるような、導入したくなるようなメディアを当社はいくつか抱えています。
これも後ほどご説明差し上げますが、「マチイロ」に関しましては、800近い自治体にご導入いただいて、だいたいユーザー数で言うと、約33万ダウンロードぐらいに進んでいるメディアになるのですが、まだまだ投資フェイズのものになります。
改めて今期から入れていますのが、エネルギー事業です。「GENEWAT」と称し、自治体の建物等の施設で、必ずエネルギー・電気を使いますので、その入札案件に満を持して、当社が参入させていただく(ということです)。
「早い」もしくは「遅い」と、いろいろなご意見はいただくかもしれませんが、時期としては、これから5年~10年をかけて、かなりの数の入札がエネルギー(事業)の中では行われるだろうと思っています。
冒頭で申し上げたとおり、広告事業・マーケティング事業・メディア事業・エネルギー事業のこれらの4つを、選択と集中の中においては「選択」をさせていただいて踏み込むことで、2022年において、いったん(売上高で)100億円を目指したいと考えています。
SMART RESOURCEサービス(旧DSサービス)
続いて、9ページ目になります。
「SMART RESOURCEサービス」の話になります。自治体の広報紙のスペースや、給料明細のスペースを買い取るであるとか、自治体公式ページの広告スペースを買い取るといったサービスになります。
前期に関しましては、予算上は470件ほどの契約案件数を見込んでいましたが、実際は462件ほどの契約となっています。私たちは、自治体の遊休スペースを買い取ることで、2018年6月期までで55.5億円ほどの財源を自治体に還元しているとお考えいただければと思います。
SMART CREATIONサービス《マチレット(旧MCサービス)》①
続いて、11ページ目になります。「SMART CREATIONサービス」のご説明になります。
「マチレット」や「mamaro」など、私たちはさまざまな商材を持っています。「マチレット」に(ついて)改めて細かくご説明を差し上げると、自治体から住民へ配られる、非常に専門性の高い冊子があります。その冊子を、当社が制作して、自治体に無償で納品をするモデルになります。より便利な情報冊子を、当社が無償で自治体に寄贈することが、この「SMART CREATIONサービス」の中の「マチレット」の説明になります。
今日もお手元に配布していますが、日本全国の婚姻届の書き方や、空き家対策の冊子や、子育てガイドブックが、この「マチレット」にあたるとご理解いただければと思っています。
SMART CREATIONサービス《マチレット(旧MCサービス)》②
「マチレット」に関しましては、前期は630件ほどの契約案件を予定していましたが、自治体の方々からの引き合いが強くございましたので、最終的には、723件ほどの契約案件数となっています。
これで、経費削減や付加価値として3.9億円ほど自治体でかかっていたコストをゼロ円にできたのが、この「マチレット」のサービスの価値になるのではないかと考えています。
主な特徴-SMART CREATIONサービス《マチレット(旧MCサービス)》
続いて、13ページ目です。「マチレット」を含めた「SMART CREATIONサービス」の特徴になります。当社の決算が6月末で終わってしまいますので、季節によって、どうしても変動がございます。
6月末に自治体に納品をするので、第4四半期にかなりの数字が寄っているところが、「マチレット」の特徴になるのではないかなと思っています。今期も、それなりの冊数を自治体に納品していく中において、納品の時期をどう散らしていくのか。クリエイティブ(制作)もそうですし、印刷等の外注もそうなのですが、かなりこれが(今期も)至上命題になっています。
自治体からのニーズや引き合いが相当数あるのは事実なのですが、それを当社の生産ラインが回しきれるかが、今はかなり大きな問題になっています。これを、今期は第1四半期・第2四半期・第3四半期に散らしながら数字を作っていくのかが、「マチレット」の特徴になるのではないかなと思っています。
SMART CREATIONサービス《mamaro》
続いて、14ページ目です。「SMART CREATIONサービス」のもう1つの商材としてお伝えしたいものとして、「mamaro※」というものがあります。自治体に、授乳室を納品をしていくモデルになります。 企業注:※「mamaro」は、Trim株式会社が開発・製造・運営を行う製品で、同社との提携に基づき当社が自治体への導入提案を行っております。
これは、必ずしも自治体のスペースではないとは思うのですが、自治体施設で住民の方々が集まりやすいスペースに授乳室を納品していくと(いうものです)。
これは中で動画広告が流れたり、将来的には中にサンプリングの商品が置かれたりするところで、主に広告で収益を上げていくものと考えています。
前期の実績としましては、埼玉県春日部市・千葉県千葉・福岡県春日市・神奈川県横浜市港北区といった自治体に納品させていただいています。
非常にユニークな商品ではありますし、原則、ある一定規模の人口の自治体であれば、無料で納品されるということで、こちらに関してもそれなりの引き合いをいただいています。
財源確保額
15ページ目になります。まだまだ少ない額ではあるのですが、創業以来、約59億5,000万円の財源確保に、当社は貢献できているのではないかなと考えております。これを1つの大事なKPIとして掲げています。これを上場会社の中で挙げているのは、おそらく当社だけではないかなと思っています。
この数が59億5,000万円から(いずれは)100億円になり、200億円になり、300億円になるのが、私が思い描いている世界観です。
これが100億円に達せずに止まっている間は、おそらく当社はメガベンチャーにもなれないですし、(東証)1部にもいくことができないだろうなと思いながら、全従業員が歯を食いしばりながら、一生懸命がんばっている次第でございます。
BtoGマーケティング
続いて、16ページ目です。
今回から「マーケティング事業」と区切って、サービスを作っています。これは前々期くらいから、数字としてはいくつか上がり始めています。今回は明確に、マーケティング事業ということで(セグメントを)作り、走らせているものになります。自治体へのニーズの調査や営業代行を、すべて当社が間に入ってやらせていただくものになっています。
ご存じのとおり、「地方創生」ということで、自治体はかなりの予算を投下しています。「その予算を取りたい」という、いろいろな企業さまがいます。私たちは、その予算を取るのではなくて、その予算を取る企業さまと自治体との間に入って、先ほどお見せいたしました『ジチタイワークス』を活用しながら、マーケティング事業のところと『ジチタイワークス』に広告を出すことをセットで販売しています。(企業さまと自治体との)間に入ることで、当社が収益を上げていくことをやっています。
イメージ(としては)コンサルティング的な事業になり、収益性の高いサービスになるのではないかなと思っていますし、この切り口でサービスを展開しているところは、私が知る限りではほとんどありませんので、今期はそれなりの数字が期待できるのではないかなと思っています。
ジチタイワークス
続いて、17ページ目になります。
『ジチタイワークス』の説明になりますが、満を持して、自治体職員の方々向けに作り上げたフリーペーパーです。
発行部数としても、競合に比べると、たぶん2倍から3倍くらいでして、毎回7万部くらい発行しています。すべての市区町村……村も町も市も県も含めた47都道府県に、配布します。裏にデータベースも貯めておりますので、非常に意識の高い自治体職員の方々にも、これをピンポイントで届けることができております。
それなりの営業工数はかけておりますが、この切り口で、先ほどのマーケティング事業とセットでこのような商品を売っているところはなかなかないらしく、かなりの引き合いをいただいております。
ただ、安かろう悪かろうで安価で売るつもりはありませんので、かなり収益性の高い事業にしていければというところで、今は『ジチタイワークス』と先ほどのBtoGマーケティングは、マーケティング事業の中では、かなり中核を担うサービスになるのではないかと思っております。
マチイロ
続いて、18ページ目の「マチイロ」になります。
スタートしてからもう4年近く経っているのですが、前期末は730の自治体と、ほぼエクスクルーシブで契約をしております。ダウンロード数に関しましても、約33万ダウンロード数を獲得しております。
現状としては、ユーザー獲得やプロモーションにお金をかけているフェーズではありません。基本的には、オーガニックに自治体数・ユーザーのダウンロード数が伸びていくと(いうことです)。
どこかでマネタイズをかけていくというところが(あるとしても、それが)今期になるか来期になるかは、もちろん予算執行の中で、そこの責任者が判断していくというフェーズに入っているかと思います。
基本、当初は「広告で収益を上げられるのではないか?」と思っておりました。広告の線も捨ててはいないのですが、自治体から1自治体当たり、例えば10万円なり15万円なり20万円なりを課金するように、今は準備を進めている状況でございます。
これまで数千万円と投資をしておりますが、やっとここまで(の契約件数・ダウンロード数に)きておりますので、最後にフルスイングをする状態にまで、もう少しでくるのではないかなと考えております。
マチカゴ
続いて19ページ目は、「マチカゴ」という、子育てのアプリケーションになります。
先ほどの「マチレット」と同様に、私たちが自治体に子育てガイドブックを納品していく時に、自治体から「このようなアプリケーションをつくりたいんです」というニーズが非常に多くありましたので、「そうであれば、アプリに関しても、当社が無料でつくればいいのではないか?」というところで、無料で「マチカゴ」を自治体に納品していくと(いうことです)。
自治体からすると、お母さまに最低限の情報を共有したい部分……(例えば)カレンダーで「このようなタイミングで、このようなイベントがありますよ」「このような検診がありますよ」という最低限の機能を実装した上で、今は自治体への納品・導入を、どんどん進めている状況でございます。これが、「マチカゴ」というサービスになります。
自治体クリップ
最後は、「自治体クリップ」というものになります。
当社は、もともとは営業系の会社でありましたので、ひたすら車で(赴き)自治体にクロージングをかけていく、ひたすら広告主さまにも車で営業をかけていくということを、10年近くやってきました。前期から、この「自治体クリップ」というオウンドメディアを立ち上げて、アウト(サイドセールス)とイン(サイドセールス)の比率を、徐々にではあるのですが、変えていくと(いうことです)。
別に、楽して稼ぐという意味合いではないのですが、どうしても働き方改革を含めると、労働力に限界があります。そこに、このオウンドメディアを持つことで、少しでも企業さまの認知を高めたい、少しでも自治体の方々にわかっていただきたいというところで、この「自治体クリップ」をつくりあげております。
これに関しましては、詳しいUUなどに関しては公表しておりませんが、毎月それなりの一定数の問い合わせをいただいて、いろいろなワード……「自治体 広告」といったもので検索すると、かなり上位にくるようになっております。
このサイトにいくと、必ずホープにあたるというふうにやっておりますので、このサイトから資料をダウンロードする自治体の方々も、非常に増えております。
GENEWAT
21ページ目に関しましては、エネルギー事業をつくっております(というご説明です)。
これは、今期から明確に予算化しておりますので、みなさまは「今さらながら?」と思われるかもしれませんが、私たちとしては「電気もジェネリック」という新しい価値観のもと、適正な価格で電力を自治体に納品していくと(いうことです)。経費削減の部分を支援することが、「GENEWAT」の切り口になるのではないかと思っております。
電力市場は18兆円あると言われている中で、自治体の市場は1兆円ぐらいあると考えております。その1兆円市場の中で、実質入札が行われているのは、おそらく15パーセントぐらいしかないと考えております。
残りの80~85パーセントぐらいが、これから数年をかけて入札になって、競争原理が働き、1兆円かかっていた自治体の電力市場が、おそらく8,000~8,500億円ぐらいにはシュリンクしていくのではなかろうかと(考えております)。
その1,000~1,500億円ぐらい、(自治体の)経費削減に寄与するということが、当社のミッション・理念でもありますので、当社としては満を持して、今期からやり切りたいと考えております。
会社概要ならびに、前期の私たちの事業セグメント・今期からの事業セグメントに関しまして、私からご説明申し上げました。
続いて大島から、具体的な数字に関しまして、みなさまにお話しさせていただきます。
決算ハイライト(計画対比)
大島研介氏:それでは引き続き、前期2018年6月期の決算ハイライトについて、私からご説明申し上げます。ページで言うと、23ページ目になります。
23ページ目については、四半期対比での売上高と営業利益をグラフ化して表現しています。点線が売上高・営業利益の計画、色が濃いほうが実績でございます。四半期ごとの数字は、このようになっています。
(詳しくは)次のページでご説明しますが、(計画比では)売上高が3パーセントの未達でした。その原因としましては、一部のサービス……BPO支援サービスが伸び悩んだことによって、下振れています。
一方で、営業利益は上振れています。上記のBPO支援サービスの下振れ以上に販管費が下振れたところで、営業利益は上振れた(ということです)。
決算ハイライト(P/L)
実際の(決算の)数字が、次の24ページ目になります。
業績予想でみなさまに公表していた数字が、2018年6月期の一番左の「計画」でございました。売上高が23億3,800万円、営業利益がマイナス1億7,600万円、経常利益がマイナス1億6,700万円、当期純利益がマイナス1億2,400万円ということで、業績予想を公表していました。
それに対する実績としましては、売上高が22億6,900万円で、計画対比マイナス3.0パーセント。前期比で申し上げるとプラス27.9パーセントで、増収基調は担保しているところでございます。
続いて、営業利益はマイナス1億2,100万円で、計画対比で約5,000万円強、上振れたということでございます。経常利益も、同様の水準です。
当期純利益については、計画と似たような水準の着地となりました。これについては、税効果会計が影響しています。繰越欠損金にかかる繰延税金資産を見込んでいたのですが、実績においてはそれを見込まない会計処理をした結果、当期純利益が(計画と)同様の水準に着地しています。
売上高推移①
続いて、25ページ目です。こちらでは、上場期である2016年6月期からの売上高の成長率を、このように表現させていただいています。
売上高推移②
それ(売上高)をサービス別に分配したものが、26ページです。
こちらは、昨日(2018年9月3日)お出しした開示もそうですし、先ほどの時津の説明でもそうですが、新事業セグメントではなく、前期まで使用していた旧来のサービスの分類で分けています。
計画に対して6,900万円の下振れが、この(スライドの)一番下の紫色の、BPO支援サービスです。こちらが横ばいの推移になってしまったところが、そこの下振れの要因を表現しています。
経常利益推移
続いて、次の27ページ目は、経常利益推移でございます。
こちらは、営業利益と同様ですが、計画に対して5,300万円ほど上振れました。計画の1億6,700万円に対して、実績が1億1,400万円でございました。
こちらについては、(スライドの)上に書いてありますとおり、採用教育費・その他経費が削減できたところと、かなり計画上では採用・純増を見込んでいました。採用は、相当程度できました。それに対して純増となると、やはり離職の数字の兼ね合いがございますので、その部分で人件費が下振れています。つまり、離職が想定より出たところでございます。
営業利益増減分析(前期・当期実績)
続いて、28ページ目です。
こちらは、2017年6月期と2018年6月期の営業利益を、(グラフの)一番左と一番右で対比させたときの、増減の内訳を分析したものでございます。
前々期の2017年6月期の営業利益は、2,300万円という着地でございました。それに対して、売上高が4億9,400万円増加いたしました。その内訳は、(スライドの)上の吹き出しのようになっています。
一方で、売上原価の増加として3億6,600万円が増えたことで、利益に対してはマイナス3億6,600万円。内訳は、吹き出しのとおりでございます。
販管費の増加が、2億7,400万円ほどございました。うち、かなりの部分を人件費の増加が占めています。
結果として、1億2,100万円の赤字の営業損失となっています。
サービス別売上高 前年同期比・四半期推移
続いて、29ページです。
こちらは、2017年6月期と2018年6月期で、サービス別に売上高を分解した数字が上にございまして、その増減要因を簡単に(スライドの表の)右側に書いています。
下のグラフは、四半期でのサービスごとの売上高推移を表現したグラフでございます。こちらのご説明は、割愛をさせていただきます。
売上高販管費率 四半期推移
続いて、30ページです。
こちらは、売上高販管費率の四半期推移です。オレンジ色の点線が、通期水準の販管費率を表しているものになります。販管費率が徐々に増加していた傾向にあったところが、前期までの趨勢でございました。
簡単に数字だけを申し上げると、2016年6月期の販管費率が26.6パーセントという水準に対して、2017年6月期が34.2パーセントで、前期にあたる2018年6月期が38.8パーセントという水準まで増大しているのが、前期までの販管費率の推移でございます。
営業利益率 四半期推移
その次のページは、営業利益率です。
上場期に当たる期(2016年6月期)は、営業利益率が9.1パーセントでございました。2017年6月期が1.3パーセント、投資を強めた前期(2018年6月期)においては、マイナス5.4パーセントという着地でございます。
決算ハイライト(B/S)
最後に、決算ハイライトのB/Sを掲載していますが、こちらについてのご説明は割愛させていただきます。
以上、私から前期の決算ハイライトについて、ご説明申し上げました。続きまして、今期2019年6月期の見通しと方針について、時津からご説明申し上げます。
2019年6月期見通し(P/L)
時津:改めまして、今期の私どもが考える予算の内容の話(2019年6月期見通し)になります。
2019年6月期に関しましては、売上高が29億5,700万円、増減率でいくと30.3パーセント。営業利益に関しましてはマイナス3,200万円、経常利益に関しましてはマイナス1,800万円で、予算を立てさせていただいています。
売上高推移③
続いて、35ページになります。
私どもは、もう2年前にマザーズに上場しているので、「利益を出しなさい」といろいろなステークホルダーから言われることはわかっているのですが、投資フェーズの中において、最後の投資のフェーズ……(明確に)「最後」というわけではないのですが、まだまだ攻めさせていただきたいというところで、最重要KPIとしては相変わらず、私たちはトップライン・売上のところに置いています。
それを今期も伸ばしにいく、30.3パーセントほど伸ばしていくぞというのが、私たちの考え方です。
自治体との契約案件数
続いて、「それでは、どのような売上のセグメントになるのか?」なのですが、「SMART RESOURCEサービス」と「SMART CREATIONサービス」のところだけ、開示をしています。
本来、創業事業であった「SMART RESOURCEサービス」に関しましては、今期の計画上は、若干数を減らします。ある程度の収益性を精査した上で、「取るもの」と「取らないもの」を……今期が初めてではあるのですが、取捨選択をしていくことを考えています。
一方で、「SMART CREATIONサービス」です。(過去に)116件の契約、344件の契約、724件の契約(がございました。そのため)これは正直に言うと、社内では、1,000近い計画目標を立てられることは十分可能ではあったのですが、今期に関しましては、先ほど冒頭で申し上げたとおり、季節性の部分がかなりクリティカルにヒットしてこようとしていますので、今期に関しましては、数としては126冊しか伸ばしません。
それに伴って、内部の生産体制を追いつかせる……仕組み・オペレーションを変えていくことを、「SMART CREATIONサービス」に関しては考えています。「SMART CREATIONサービス」は、徐々に量から質を重視する戦略にシフトチェンジをしていくと考えています。
安かろう悪かろうで、自治体の方々になんでも納品すればいいというわけではありませんので。それなりの質を担保したものを納品していきたいと考えていますので、このような数字の経緯になっています。
成長戦略
37ページです。
今期の私たちの成長戦略で、もちろん採用をしなければ(ということで)、前期は90名近い人間を採用しました。今期も、そこまではいかないのですが、数十名近い採用を考えています。
その中においての成長戦略としては、まず1番目としては、BtoGマーケティング支援の部分です。これはセグメントとして、「マーケティング事業」と切り出していますので、まずはこれをしっかりやっていきたいなと思っています。
2番目が、メディア開発です。
3番目が、エネルギー事業になります。これは、実は上場する前に、「すべて私の管掌からサービスは外す」というふうに(方針を立てて)、私が何かのサービス・事業を持つことができませんでした。ただ、もう2年も経っていますし、コンプライアンス上もガバナンスは効いているということで、今一度、当社の中においては、私がサービスを管掌することが許されています。
私の直轄のもと、「GENEWAT」では自治体に電力を販売していくことをやっていますので、ここには、それなりの注力をしていきたいと考えています。
4番目が(生産性向上で)、「SMART CREATIONサービス」にも代表されるように、ただただ闇雲に人を採るわけではなくて、生産性を向上させるところで、さまざまなオペレーションコストを下げていくということです。これによって、「生産性の向上」を社内で共通言語化して、今期の成長戦略の中に入れています。
この4つをしっかり押さえてやることができれば、今期はなんとか、数字は達成できるのではないかなと考えています。
38ページ目以降に関しましては、追加・補足資料になりますので、お手隙のときにでもお目通しいただければと思っています。
いったん、私からのプレゼンテーションを終わりたいと思います。以上です。