タマステップ2018総括
玉木康裕氏(以下、玉木康):みなさん、おはようございます。社長の玉木でございます。本日はご多用のところ、多数お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
決算の説明に先立ちまして、(2018年)6月18日に発生した大阪府北部の地震や、先日の7月の豪雨により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被災され、今なお不自由な生活を余儀なくされているみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。被災地にも多く営業店を構える弊社といたしましても、地域の復興・復活に尽力してまいります。
さて、2018年5月期において、戸建住宅市場全体を見ると、住宅着工は弱含みの動きとなっていますが、弊社においては受注の回復基調が継続しており、前年度を上回る結果となりました。前年度からの手持ち棟数の増加や、当期の好調な受注に伴い、売上につきましても増収となりました。当期は3ヶ年の中期経営計画、「タマステップ2018」の最終年度に当たります。
商品構成比の見直しや新商品の発売など、多様な商品・サービスを展開しています。中でも、地域特性を生かした地域限定商品や低価格帯商品が、受注棟数を牽引する原動力となっており、各地域におけるシェア拡大に貢献いたしました。利益面におきましては、各事業の収益性向上を努めるとともに、グループ会社の再編を実施し、収益力も高い事業体質への改善を進めてまいりました。
「タマステップ2018」では、「“面”の展開から、“層”の拡大による成長へ」を基本計画として掲げており、販売戦略の充実・収益性の改善など、一定の成果を上げられたものと自負しています。2019年5月期は、中期経営計画「タマステップ2021」が始動いたします。弊社は先月6月3日をもって創業から20周年を迎えており、今回の新中期経営計画は、その20年の歩みをもとに、新たな成長基盤を構築するためのものとして策定いたしました。
また、8月末に開催予定の定時株主総会、および同株主総会後の取締役会の決議をもちまして、社長職を交代する予定でございます。新社長は、現在、代表取締役副社長の玉木伸弥が就任する予定です。なお、私は代表取締役会長として、引き続き経営に携わってまいります。みなさまの変わらぬご理解・ご支援を、引き続きよろしくお願いします。
以上です。
タマステップ2021の基本方針
玉木伸弥氏(以下、玉木伸):みなさま、おはようございます。代表取締役副社長兼COOの玉木伸弥でございます。本日はお忙しい中、またお暑い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。中期経営計画などはご覧いただいていると思いますので、私の所感を一言述べたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、中期経営計画の基本方針は、「注文住宅着工棟数No.1を目指し、事業改革にて新たな事業の柱を構築する」です。一番重要なのは、注文住宅でシェアNo.1を取っていくことだと思っています。もうこれに覚悟を決めています。各都道府県でシェアNo.1を取っていくと確信しています。
去年の投資家説明会のときには、タマホームのシェアNo.1は長崎県1つだけでした。そして半年たった今、No.1は山梨県・高知県・長崎県・熊本県と4つに増えました。1が4になりましたので、4を10にして、10を20にして、20を47にして、47都道府県全部No.1と。全部No.1になった住宅会社は今までありません。圧倒的No.1を獲得していきたいと思います。
それと、新たな事業の柱ですが、私どもで一番力を入れたいと思っていますのは、オフィスビルの区分所有販売です。こちらが非常に成長性を感じている分野でございますので、オフィスビルの区分所有販売、ビルを買ってからワンフロアずつ売っていくところが、今期すでに60億円の売上を予想しています。3年後には、200億円から300億円程度の売上を作りたいと思っています。
最後になりましたが、私は8月の株主総会、そしてその後の取締役会で代表取締役社長になります。非常に長い、長期政権になると思いますが、一意専心に努力して、会社を2030年には1兆円、そしてその先にある2兆円、3兆円と、会社を大きくするためにがんばってまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
2018年5月期 業績概要 1. 発表のポイント
牛島毅氏(以下、牛島):牛島でございます。私からは2018年5月期の決算概要と、2019年5月期単年での事業計画について、お話をさせていただきます。よろしくお願いします。
それでは、3ページ、発表のポイントです。
当社のメインであります注文住宅請負の事業において、受注が好調に推移し、引渡棟数が前年同期比増で、まず受注が9,386棟でプラスの5.7パーセント。引渡が7,913棟でプラスの8.8パーセントと増加しています。それから、リフォームです。リフォーム事業を新たな事業として今やっていますが、これは引き続き好調に推移しているところでございます。
2018年5月期 業績概要 2. 受注 実績
4ページでございます。受注実績です。
注文住宅事業におきましては、地域限定商品を37都道府県に拡大して展開し、当期は6,317棟を受注というところでございます。ベーシックラインも「シフクノいえ」シリーズを展開し、当期1,100棟を受注というところで、新しい商品を出しています。
リフォーム事業におきましては、当社の既存のお客さまを中⼼に受注活動をして、引き続き好調に受注をしているところでございます。それから、築10年を迎える物件に対して、保証延長工事の契約が増加したところでございます。(スライド下部の表で)受注金額等を入れているところは、前期はすべて100パーセント超えでございます。
2018年5月期 業績概要 3. 売上高 実績
売上につきまして、5ページでございます。
これも先ほど申し上げましたように住宅事業においては、第20期が7,913棟、プラスの8.8パーセントでございます。
非住宅事業の不動産事業は、建売等を含めた戸建分譲事業の引渡数増加により、増収です。それと、金融事業・その他の事業に属する住宅周辺事業が、引渡棟数の増加に伴い増収です。エネルギー事業が微減で、あとはプラスでございます。
2018年5月期 業績概要 4. 営業利益 実績
営業利益につきまして、6ページです。
先ほどの売上と変わらないような内容でございます。
住宅事業につきましては引渡棟数は増加しましたが、価格と利益率を抑えた地域限定商品の比率が高くなったこと、販売増に向けて採用を強化したことにより人件費等の販管費等の増加した結果、利益が横ばいになったということでございます。
非住宅につきましては、不動産事業に属する戸建分譲事業の引渡増加により、増益です。それから、金融事業・その他事業に属する住宅周辺事業と。先ほどの売上の内容と変わっていません。その他の事業につきましては、連結子会社の不採算事業の縮小により、損失幅を大幅に縮小という状況です。子会社の戦略的な経営判断でやっています。
2018年5月期 業績概要 5. 住宅事業セグメント 実績
次はセグメント別でございます。
住宅事業のセグメントでは、売上額が1,418億4,700万円、営業利益は24億4,400万円と、どちらも増加しているところでございます。注文住宅の平均販売単価が、2018年5月期が1,711万円、2017年5月期が1,737万円と、これは下がっていますが。
決算短信の一番最後に受注販売の状況を入れていますが、そこでの受注単価は2018年5月期が1,702万円、2017年5月期が1,686万円で、受注単価は上がっていますので、今後2019年5月期に向けては、売上も販売単価も上がっていくのではないかと思っています。
2018年5月期 業績概要 6. 非住宅セグメント 実績
8ページの非住宅のセグメントにつきましては、売上高は260億6,800万円、営業利益は21億7,600万円と、これも前年同期プラスというところでございます。
下の不動産事業・金融事業・エネルギー事業・その他の事業については、お読みいただければと思っております。
2018年5月期 業績概要 7. 連結損益計算書
連結損益計算書です。
営業利益は46億5,300万円です。それから、経常利益が40億2,900万円。税引前当期純利益が30億3,600万円。親会社株主に帰属する当期純利益は20億4,700万円。(2018年)6月末に発表いたしました業績修正よりもまた増えている状況でございます。経常利益が30億円台から、39億円から40億円になったということでございます。
2018年5月期 業績概要 8. 連結貸借対照表
連結貸借対照表では、資産部分でたな卸資産、未成工事支出金が増加しているところでございます。それから、流動負債の負債部分は未成工事受入金も増加しており、この部分に関しましては受注残も増えていて、今期に貢献するだろうと確信しております。
2018年5月期 業績概要 9. 連結キャッシュ・フロー計算書
11ページの連結キャッシュ・フローでございます。
営業キャッシュ・フローがプラス、投資キャッシュ・フローがマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローがプラスで、税金等調整前の当期純利益が増えた状況で、営業で稼いだ金で投資活動が上がっている状況ということはあると思っております。
2019年5月期 計画 11. 連結損益計算書
引き続きまして、2019年5月期の計画でございます。
住宅事業におきましては、注文集宅事業の期首手持棟数増加による引渡棟数の増加による増収増益を見込むところで、1,828億円の売上を考えております。
不動産事業につきましては、戸建分譲事業の販売強化、オフィス区分所有権販売等の販売強化により、増収増益を見込んでおります。売上高が1,828億円、営業利益は53億円、経常利益は47億円、それから当期純利益24億円を考えております。
2019年5月期 計画 12. 配当計画
配当でございますが、2018年5月は記念配を含めて30円でございますが、2019年5月期の予定といたしましては45円を計画しています。11月の中間配当で15円、期末配当で30円として予定しているところでございます。
参考資料 13. 過年度実績
15ページの過年度実績は、ご覧いただければと思っております。
以上、ご説明申し上げます。ありがとうございました。
設立から20年間の軌跡
玉木克弥氏(以下、玉木克):専務取締役の玉木でございます。先ほど、副社長の玉木より説明がございましたが、こちらで詳しく中期経営計画「タマステップ2021」についてご説明をさせていただきたいと思っております。それでは、さっそくではございますが、資料をご確認いただきながらご説明をさせていただきます。
まず、(2018年)6月3日で、当社はおかげさまで20周年となっております。その20周年の軌跡につきまして、2ページに記載してございます。
1998年6月3日に設立をいたしまして、順次成長しておりましたが、2016年11月には累計棟数10万棟を突破いたしております。前期の中計「タマステップ2018」から、また成長の軌道へと乗って、「タマステップ2021」の新中期経営計画のもと、さらに成長を加速させていきたいと考えております。
1.「タマステップ2021」の位置づけ 外部環境の変化
まず「タマステップ2021」の位置づけでございます。
まず外部環境の変化につきまして、人口・世帯数の減少に伴い、⻑期的な新設住宅市場の縮⼩傾向は継続をしております。また、家族形態やライフスタイルの多様化によって、住宅に求める要素は変化をしており、空き家も増加をしてございます。
低⽔準に推移する⾦利と低下傾向にある世帯年収という状況のもと、新設住宅市場は縮小傾向でございますが、耐震性能・耐久性能に優れた低価格新築住宅への需要は依然として⾼いと認識をしてございます。
1.「タマステップ2021」の位置づけ 中期経営計画策定の背景 タマステップ2018総括
ここで、「タマステップ2018」の総括でございます。
注文住宅事業におきましては、地域特性を活かした地域限定商品の販売が好調に推移をいたしました。また、規格化により価格を抑えたベーシックライン商品の販売が好調に推移をいたしました。
不動産事業におきましては、資⾦回転率の⾼い10区画未満の分譲⽤地の仕⼊を強化したことで、販売棟数が伸⻑いたしました。
リフォーム事業におきましても、リフォーム事業の専属組織を整え、成⻑軌道へと乗っております。
ガバナンスにつきましては、事業審査体制を強化することで不採算事業を整理し、経営資源を主⼒の注⽂住宅事業へと集中しております。
1.「タマステップ2021」の位置づけ 中期経営計画策定の背景 課題認識
結果、課題認識といたしまして、注⽂住宅事業におきましては、各地域での販売シェアを今後もさらに⾼めていくこと。不動産事業におきましては、優良な分譲⽤地の仕⼊れの確保と強化。リフォーム事業におきましては、引渡後のお客さまへ幅広い提案をし、収益性を⾼めることとしております。
前回の中期経営計画「タマステップ2018」の基本⽅針である「⾯の展開から層の拡⼤」を踏襲しつつ、販売をより強化してまいりたいと考えております。
2.タマステップ2021の基本方針 基本方針
続きまして、「タマステップ2021」の基本方針でございます。
基本方針は、先ほど申し上げましたとおり、「注文住宅着工棟数No.1を目指し、事業改革にて新たな事業の柱を構築する」。事業拡大により、2030年までに売上高1兆円を目指すという基本方針を掲げております。
2.タマステップ2021の基本方針 基本戦略
それに基づく基本戦略でございますが、4つ挙げております。
1、注⽂住宅事業で各都道府県にてシェアNo.1を⽬指す。
2、⼾建分譲事業の販売棟数拡⼤による収益⼒向上。
3、リフォーム事業を新たな事業の柱として確⽴。
4、変化に柔軟に対応できる⼈財の早期育成・⼈財の確保の強化
と、4つ掲げております。
3. 重点事業領域及び主な施策 注文住宅事業①
続いて、重点事業領域および主な施策について、説明させていただきます。
12ページ目、注文住宅事業でございますが、各都道府県にて注⽂住宅着⼯棟数No.1を⽬指してまいります。地域特性に合わせた販売戦略を策定し、実施をしていきます。商品・価格、販路、プロモーションそれぞれの戦略に基づいて、各エリア・各都道府県において、シェアNo.1を取っていきたいと思っております。
3. 重点事業領域及び主な施策 注文住宅事業②
注文住宅事業におきましては、ベストセラー商品「⼤安⼼の家」をベースとした地域限定商品を中⼼に、付加価値を⾼めた商品を展開しております。販売ラインは、ベーシックライン・既存ライン・ハイラインと、多様な商品を展開してございます。
3. 重点事業領域及び主な施策 注文住宅事業③
続いて、注文住宅事業のことでございますが、⻑く安⼼して住めることを追求した商品といたしまして、昨年(2017年)、世界最大級の耐震実験施設「E-ディフェンス」において、連続加振実験を行いました。そこで、我々の住宅につきましては、震度7に対する耐震性能を持つことを実証いたしました。住まう⼈と家を守る頑丈な家づくりを、今後も続けてまいりたいと思っております。
3. 重点事業領域及び主な施策 戶建分譲事業
続いて、戸建分譲事業でございます。
納得価格の良質住宅を中⼼とした分譲開発を、今後も行ってまいります。資⾦回転率を重視し、10区画以下の⼩規模の分譲地を中⼼に仕⼊・販売を行います。都市部など、⼈⼝流⼊の多いエリアにおいて、分譲⽤地の仕⼊・販売の体制を構築してまいります。すでに⼿がけております⼤型分譲は、さらに販売促進・早期完売を⽬指してまいります。
3. 重点事業領域及び主な施策 リフォーム事業
続いてリフォーム事業でございます。
リフォーム事業におきましては、5年・10年・15年と、それぞれのお客さまに対して、それぞれ見合ったリフォーム商品を販売をしてまいります。スライド記載のグラフをご覧いただくとわかるとおり、5年・10年・15年経過するお客さまが年々増えてまいります。
5年経過のお客さまに対しては省エネ対応の商品、10年経過のお客さまに対しては保証の延⻑を⽬的とした保証延⻑の⼯事を提案いたします。15年以上のお客さまに対しては、⽔まわりを中⼼とした⼈気の商品パッケージを販売をして、また、それ以外にも耐震リフォーム、中・⼤規模⼯事に対応できる体制を構築、リノベーション・買取再販等の事業にも発展をしてまいりたいと思っております。
3. 重点事業領域及び主な施策 マンション事業
続いてマンション事業でございます。
マンションも引き続き行ってまいりたいと思っております。新築分譲マンション事業に加えて、中古のマンションのリノベ再販を強化をしてまいります。消費のニーズにあわせた1棟リノベの販売や、1⼾リノベの販売も拡充をしてまいりたいと思っております。
3. 重点事業領域及び主な施策 不動産事業
続いて不動産事業でございます。
不動産事業につきましては、今まで同様、オフィスサブリース事業を、東京主要5区から、主要7区をはじめとした関東都市部へ拡⼤をして、新規の受託案件を増やしてまいります。
また、オフィス区分所有権販売事業につきましては、スライドにビジネススキームを書かせていただいておりますが、通常の売買と区分所有権売買とございますが、まずは都心商業地の小中規模オフィスを買いまして、それにバリューアップ・リースアップをすることによって、ハイグレードのオフィスビルとして投資・需要向けに販売をしてまいりたいと思っております。まずは年間4棟のオフィスビルを仕⼊れて、早期完売可能な体制を構築してまいりたいと思っております。
3. 重点事業領域及び主な施策 その他事業
その他の事業でございますが、ホテル事業・金融事業・海外事業・エネルギー事業と、順次こちらについても、それぞれ行っていくと考えてございます。
4.2021年5月期 数値目標①
最後に、2021年の5月期数値目標でございます。数値目標といたしましては、注文住宅着工棟数No.1ということで、受注棟数1万3,000棟、販売棟数1万1,000棟。
4.2021年5月期 数値目標②
売上高2,400億円、営業利益120億円、営業利益率5パーセント、当期純利益70億円を数値目標として置いております。
次ページ以降のAppendixにおきましては、我々の国産材への取り組み、また、タマホームグループのCSRの取り組みでございますので、各自ご覧いただければ幸いでございます。
以上、ご説明申し上げました。