日本郵政グループ 決算の概要
鶴田信夫氏:みなさま、本日はご多忙のなか、また遅い時間にお集まりいただきましてありがとうございます。私、日本郵政のIR室長の鶴田と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、当グループの連結決算の概要ということでご説明いたします。まず、日本郵政グループの決算の概要でございます。
(資料の左から)日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命とございます。日本郵便とかんぽ生命は、連結の数字です。ゆうちょ銀行については、単体の数字でございます。左側の太い線で囲んだところが、グループの連結の数字ということでございます。
まず、日本郵便につきましては、増収増益になっております。詳細は、5ページでご説明いたします。
ゆうちょ銀行とかんぽ生命は、すでにご説明をお聞きになられていると思いますけれども、ゆうちょ銀行につきましては、金利が低位で推移するという厳しい環境の下で、国債の利息の減少などがございます。一方で、その他業務利益の増加がございました。
かんぽ生命につきましては、保険料等収入の減少ということで、収入は減少しておりますけれども、金銭の信託・運用益の増、それから契約者配当準備金繰入額の減少と有価証券売却損の減少ということで、増益となっております。
以上の通り、その3社については経常利益・当期純利益ともに増益となっております。
グループ全体の数字ですけども、経常収益が4,061億円の減収となったものの、経常利益は1,209億円の増益、当期純利益も4,896億円の増益となりました。
詳細については後ほど詳しく(ご説明が)ありますので、ご確認いただきたいと思います。
通期の業績予想との比較で申しますと、3社につきましては当初(2018年)5月に公表したものとの比較、それからグループにつきましては、3月に修正したものとの比較ですが、いずれも100パーセントを上回っている達成率ということでございます。
次のページから、主要な子会社とセグメント別の決算について、ご説明させていただきます。
郵便・物流事業 決算の概要
まず郵便・物流事業でございます。右上に、物数の推移がございます。郵便が2.9パーセントの減少ですけれども、ゆうメールが4.0パーセントの増加。それから、ゆうパック……これはゆうパケットも含む数字ですけれども、対前年度で25.6パーセントの増加でございます。
これを受けまして、左側の滝グラフにありますけども、収益について大幅な増収となっておりまして、前期よりも925億円の増収となっております。
一方、営業費用につきましては、物数の増加や社員の処遇改善による人件費の増加とがありまして、さらに物数増加による集配運送委託費の増加、またその他と減価償却費の増加等がありました。費用もある程度増加しておりますけども、収入の増加が大きくて、右下(当期の経営成績)にありますように、営業利益は(前期比)298億円増加と、419億円となっております。
金融窓口事業 決算の概要
続きまして、3ページの金融窓口事業をご覧ください。
右上のグラフ収益構造をご覧いただきたいのですけれども、銀行手数料・保険手数料の受託手数料につきましては、銀行手数料が送金決済振替等の件数の減少により、(前期比)143億円減少となりました。それからかんぽも、新契約の減少ということで、(前期比)205億円の減少となっております。
郵便の手数料は、内部取引として消去されるものですけども、セグメントとして計上しております。それから、その上のオレンジの(部分の)その他収益・物販・不動産・提携事業のところは、合計で69億円の増加ということでございます。
これは、左側の滝グラフでまたご覧いただければ(おわかりのように)、受託手数料の減収がありましたけども、その他収益で若干増加(しております)。それから、その他費用の増減がありますけども、結果として営業収益は276億円の減少です。費用につきましては、増減がありますけども、営業利益につきましては(前期比)235億円減少の397億円になっております。
国際物流事業 決算の概要
4ページの、国際物流事業をご覧ください。トール社についてです。右側に表がありますけれども、上の段の数字が豪ドルでの数字で、カッコ内が億円での数字でございます。
営業収益は、(前期比)598億円の増加。(営業)費用はこれに対して(前期比)552億円の増加ということで抑えられておりまして、営業利益が(前期比)46億円の増加の102億円ということでございます。
これを左側の棒グラフで(表したものが)、事業別の損益の推移でございます。ロジスティクス事業が収益を増やすともに、エクスプレス事業・フォワーディング事業の赤字幅の大幅な改善ということで、増益を達成しているというものでございます。
日本郵便(連結) 決算の概要(まとめ)
日本郵便としての連結でございます。5ページ目の左側に、前期との比較があります。ここでの特徴としましては、まず左側にあります、トール社(に係る)のれんの減損損失と昨年(2017年)ありました4,003億円(の損失)。これが、今年はありません。それに伴いまして、4つ右側ののれんの償却というのもなくなっております。
こういう要素もありまして、今期の当期純利益は584億円でございます。のれんの償却費等がなくなったことによる、218億円の改善となるのですけども、それ以上に営業利益の改善を達成しているということでございます。日本郵便の決算の説明は、以上でございます。
2019年3月期通期業績予想
12ページに飛んでいただきまして、2019年3月期通期の業績予想でございます。
これらは、すべて連結ベースの数字でございます。2019年3月期は、今日発表の中計の最初の年度でありますけども、今度の中計期間中は、低金利環境が継続するということで、非常に厳しい経営環境が継続すると考えられています。その初年度となる当期は、とりわけ厳しいというところでございます。
グループ連結では、親会社株主に帰属する当期純利益で、3,300億円を見込んでおります。
各社別に申しますと、日本郵便におきましては、郵便物の減少や人件費単価上昇ということで、当期よりも134億円減益の450億円を見込んでおります。
それから、ゆうちょ銀行につきましては、低金利環境の継続による資金収支の減少等によりまして、927億円減少の2,600億円を見込んでおります。
かんぽ生命におきましては、前期の一時的な要因が剥落する等によりまして、164億円減益の880億円を見込んでおります。それぞれ、利益の確保のためにさまざまな取り組みを進めてまいりますけれども、こういう予想でございます。
それから、右下に株主還元について記載しております。2018年3月期におきましては、日本郵政グループは業績も良かったということもありますし、民営化10周年というのも踏まえまして、7円の特別配当をいたします。中間配当と合わせまして、年間で57円の配当とすることとしております。
一方で、今期2019年3月期分の配当予想につきましては、先ほど説明しましたように減益を見込みますけれども、中間配当25円・期末配当25円をということで、50円の配当を確保したいと考えております。
以上、簡単でございますけれども、日本郵政グループの2018年3月期連結決算等の概要について、ご説明申し上げました。