連結損益計算書

岩崎博之氏(以下、岩崎):2017年12月期の決算概要です。

売上に関しましては122.5パーセント、経常利益に関しては136パーセント、純利益に関しましては119パーセントで着地をいたしました。四半期ごとで見ていきますと、下期偏重ということは毎年です。

売上高・営業利益の推移(四半期毎)

3年間を並べて、売上高・営業利益をグラフ化しています。昨年もやはり下期偏重ということでした。この2017年12月期の第3Qの利益は、ここだけ少し下がっているように見えますが、ここは子会社の会計処理、また「CADA-BOX」の一部回収、それと本社のオフィスが狭くなりまして、増床したりといった、ほぼ一過性のものとして少し利益を奪われたというところです。決して何かで利幅が減ったとか、そういうことではございません。

売上構成分析1

そしてデータネットワークサービス・データ利活用サービスで見ていきたいと思います。データネットワークサービス、パッケージソフトの販売に関しましては少し苦戦をしたんですけれども、それでも微増で増えていっているところでございます。データ利活用サービスは大きく伸び、アドホックに関しては147.1パーセントで着地することができました。

売上構成分析2

こちらが昨年・一昨年の売上増の内訳になります。やはりアドホックのところで大きく稼いでいます。データ利活用サービスの部分です。

売上構成分析表

こちらはデータネットワークサービス・データ利活用サービスの構成分析表です。今ご説明させていただいた内容です。

コスト分析

そしてコストを見ていきたいと思いますが、こちらも営業担当者および子会社に関係する人材の採用が金額として増えたところで、基本的に比率としては大きな変化はございません。

連結貸借対照表

そして連結貸借対照表です。

このパーセンテージが伸びたところとしましては、固定資産です。こちらは子会社化した株式会社Doctorbook、それと株式会社コスメックスののれんが増加しているというところで、数字が増えています。ちなみに株式会社Doctorbook社ののれんは、5年償却で9,800万円、月160万円ほどののれん代です。株式会社コスメックスは、10年償却で2億5,600万円、210万円ほどの月ののれん代というかたちになっています。

2025年までの事業計画イメージ

ここからは2018年12月期の業績の見通しと事業施策について、説明をさせていただきたいと思います。こちらは創業から2025年までのアウトラインです。創業から2014年までは第1・第2フェーズということで、パッケージで信頼を勝ち取って、そしてその信頼をもとにしてデータを提供していただいて、データ利活用サービスに第2フェーズで入っていくというところです。

今の我々の売上を出しているものは、この第1・第2フェーズになります。この第1・第2フェーズは創業のときに考えてスタートしたものですけれども、現状すべて実現され、そして右肩上がりで成長していっているという内容でございます。

第3フェーズはメディカル・データ・ビジョンという名前のごとく、データを利活用してビジネスをする会社でございますので、いちばん大事なのは、データをどう入れるのか、どういうデータを入れるのかというところです。患者が同意をしてくれているリアルタイムデータを取得するのが最高のデータ取得方法です。この第3フェーズで、患者同意を得て、リアルタイムで我々のデータベースにデータが飛んで来るサービスを、2年間で構築しようということで投資をしました。最初は電子カルテまで作ったんですけれども、結局最終的には「CADA-BOX」というかたちに帰着をしまして、そのサービスができあがりました。2年間かけました。

そして2017年、昨年から第4フェーズということで、投資を回収するというフェーズに入ってきています。2019年年末まで続きますが、二次医療圏344病院へ「CADA-BOX」を導入していき、そしてデータ基盤をさらに拡大していきます。

これは、今、DPC病院から毎月我々いただいているデータ、それと今般「CADA-BOX」でリアルタイム同意データ、その他に、健診・検診データなどが今年入っていきます。そういうデータ基盤を拡大して3年間に当てていきます。そしてそのデータを使えるようになったら、利活用して新しいビジネスを拡大していこうということです。

治験であったり、健診・検診の部分であったり、こういったところに拡大をしていきます。そして4つ目が他社との協業ですけれども、これは3番目のデータ利活用ビジネス拡大に関係する協業と、もう1つは第5フェーズが2025年までに医療データの一元化を図っていこうというところです。

我々が得意なのは、急性期病院だけです。それ以外のクリニックやリハ、慢性期、こういったところをユーザーに持っていません。そういったところと強い企業と連携をしていくという、2つ目の意味合いがあります。

そして第5フェーズでは、CADAカードを中心にして「カルテコ」で個人にデータを全部返していきます。今は急性期病院だけですが、これが健診・検診だったり、クリニックであったり、在宅であったり、こういうデータが「カルテコ」上、個人に全部返っていきます。そのトリガーとしてCADAカードのIDが非常に大事です。それをデータを収納する「カルテコ」という背景のデータベースが必要になってくるわけです。これを活用して、個人にデータを全部集約して返すことによって、個人がクリニックから急性期病院へ、またリハ、こういったところに行ったときに、全部自分がデータを持っていくデータの一元化は、データ連携の最たるものだと思います。

そしてこのデータ連携は、今、施設間を連携していくというデータ連携がほとんどですけれども、我々は個人にデータを全部返して、この個人が移動することによって連携させていくというかたちを、今進めようとしています。

そのために、この第4フェーズの他社との協業というものが必要になってくるというところです。そしてこのアウトラインに沿って、今年もそのビジネスを進めていくということになります。

こちらがデータ利活用の子会社の連携イメージになります。病院やクリニックや健診・検診センター、こういったところからデータが我々のデータベースに入って、集積していきます。このデータを活用して、昨年140数パーセント伸びたアドホックに関しましても、もっと新たな切り口のデータが出せるようになります。これをまた新たなビジネスとして治験に活用します。

または株式会社Doctorbookでれば医師のネットワークを活用していきます。「カルテコ」の決済、またMDVコンシューマー・ヘルスケア株式会社が、このデータを活用して商品開発をします。こういったところに活用していくというのが具体的なイメージで、この会社をどんどん作っていって、新しいところに入っていくことをイメージしています。

具体目標

そして今年は投資回収フェーズの第2期ということで、新医療データ活用の事業開始というところになってきます。具体的な目標です。データネットワークサービスに関しましては、期末までに「CADA-BOX」を最低24病院へ導入というのを進めていきます。今は5病院ですけれども、見込み病院がすでに20病院あって、これをどんどん今毎日増やしていっているというところでございます。

少なくてもこの24病院は、確実に動かそうというところを具体的な目標に据えています。そして「Medical Code」の拡大と。「EVE」は45パーセントで微増というところでしょうけれども、この「Medical Code」は、DPC病院は原価を見ていかなければいけませんから、まだまだ販売する余地はあるというところで、この「Medical Code」の販売は強く拡大をしていくというかたちで、目標に立てています。

データを活用した治験事業の本格的開始

データ利活用サービスに関しましては、データを活用した治験事業の本格開始、先ほども少し触れましたが、4月からは本格的な治験の作業のベースとして、このデータを活用していくということを進めていきます。このデータ活用したセカンドオピニオンサービスの開始をしていこうと思います。また、アドホック調査サービスのさらなる拡大を目指します。

新しいデータによって、今販売している切り口が大きく変わっていきますので、プラスされていきますので、そこに活用していこうというところです。今この星印があるところに関しては、少し説明をさせていただきたいと思います。

この24病院でございますけれども、営業方針を変えて、実際に入れた病院に関してヒアリングした、または映像化したものを活用して、営業展開を図っていくというところです。昨年の12月からその映像ができて、実際に営業に活用していく中で、営業の進捗も大きく伸びたというところが、実態としてあります。

この方針でとにかく今年1年間突き進みつつ、具体的に稼働していった病院のエビデンス、または利用されている患者のエビデンスを動画化して、それもさらに営業に展開していきたいなと思っています。僕自身が歯科にもCADAカードを今展開しています。その歯科に先日行ったんですけれども、CADAカードを利用しますので治療が終わってお金を払わずに、そのまま帰るんですが、サービスを考えた僕自身でも、すごく戸惑いました。

次の(診療の)予約をして、その金額が提示されるんですけれども、僕が「えっと、このまま帰ってよかったんでしたっけ?」と聞くぐらい、最初の体験のときには衝撃的です。このまま帰れちゃうんだというのが。それで数回、僕その病院に行っていますので、終わった患者は、その歯科医は、歯科の診療の中からお金を取り扱うということをやめていくということで、すべての患者にCADAカードの許可をもらっています。

ですから、隣に来ている患者もCADAカードで決済する患者なので、聞いてみたんですけれども、「すごい便利でいいよ」とみなさん言われるし、そこの職員が現金を取り扱わないということの便利さ、本当にすべての患者がCADAカードになって良かったと言っていました。患者としても本当に衝撃的だったんでした。この本来ある機能を、既存の5病院に実際に稼働させます。

そしてエビデンスを取っていくというところは、動かせば誰でも分かる内容だなというのを実感しました。それとともに、実際に入れた医院長先生等々の感想を動画にしていくというところで、突き進んでいきたいなと思っています。

そして具体的に使っていく治験でございますけれども、現状の治験というのはこの1から5のプロセスになっています。まずプロトコールが作成されて、2番目にリクルーティングです。施設と患者を特定していくということです。実際にこのプロトコールに作成された、被験者がいるのかいないのか、どこにいるんだというのを調査に入ります。そして調査して個別の被験者対象がわかったら、ドクターに口説いてもらうという3番目です。そして4番目は、具体的なお薬の投与に入っていきます。それをSMOの方がドクターの隣にいて、そのやり取りを治験用の端末のEDIに入力をしていくという作業があります。そしてCROが、カルテの内容とEDIの内容が合っているかどうかという整合をしにいくわけです。これが現状の治験です。

そしてこの最初のリクルーティングのところだけでも、ものすごい時間がかかります。ここもシステム化されていると言われているサービスがいくつかありますけれども、現実にはほぼ効率的な活用に耐え得るサービスはないと思います。例えばドクターから聞けばわかるのかというと、ドクターに聞いても「あ、うちにたくさんいるよ」と言われても、行ってみたらゼロです。治験をやっている人だったら、みなさんおっしゃる内容です。ところが具体的に本当にわかるデータがあるのかというと、ほぼないものですから。

僕らはこのPROというポジションで、リクルーティングのところ、どの病院にそのプロトコールに合った被験者がいるのかというのが、簡単に検索できます。ですから、ものすごい時間が短縮されるんですよね。人件費もです。まずここまでを第1として、4月からスタートさせようと思っています。

扱えるデータは、治験を始めますということで僕らのユーザーに対しての告知も済み、その病院にそのプロトコールの被験者がいるというところまでの検索対応ができます。実際に具体的なAさんがそうですというのは、その後病院の中に入って、院内での検索作業になってきます。人に関しましては、大きくここで削減できるというところで、これは株式会社コスメックスでもうスタートしてきます。

いくつかもうプロトで始めましたけれども、製薬メーカーにも喜んでもらえる、そういうものも実際につかんでいます。ですから、これは本格的に始めると、株式会社コスメックス1社ではできないだけの仕事量になってくると思います。具体的には、それを違う治験会社で、という準備ももう始めています。

ですから、大きく2,400億円あると言われている治験に関して、4月以降、一気に入っていくというところに使っていきたいなと思っています。そしてその後に、「CADA-BOX」のデータが十分に増えていったら、最後のCROのカルテとEDIとの突合ですが、もともと「CADA-BOX」のデータは、電子カルテのカルテデータそのものですから、この突合がほぼいらなくなってくるというところです。かなり激しい革新的な治験に入っていけると思いますが、残念ながら今はまだ「CADA-BOX」のデータが少ないですから、まずは今我々が保有するデータでスタートしていくというところになります。それでも十分他社と勝っていける環境が、すでに整っているというところでございます。

健診・検診データを活用したセカンドオピニオンサービスの開始

(スライドを指しながら)そしてこちらが健診・検診データを活用した、セカンドオピニオンサービスです。わかりやすくセカンドオピニオンサービスと言っています。こちらの右側の病院、または健診・検診センター、クリニックとこういったところからのデータを活用して、株式会社Doctorbookのドクターを集めている情報の中から、セカンドオピニオンに誘導していくと、こういったものを活用できます。

このベースは、個人がデータを保有しているからです。だからこの人が自分で次のセカンドオピニオンに行けます。それはデータを持っているからです。健診・検診で所見が出る率というのは、今は69.1パーセントです。全体の69.1パーセントは何らかの所見が入ります。たぶんこんなこと言うと怒られるんですけれども、みなさまも何か所見が入ったことはないでしょうか? 僕はあります。

それに伴って、具体的な病名で具体的なものがないものに関して、所見でこうこうこうで血圧がと、血糖値がとあっても、病院に行かない人がほとんどじゃないでしょうか。でも、この人たちがもし1,000円を払うだけでドクターに診てもらうかわりに、健診・検診の画像をを「使っていいよ」というクリックしてくれたら、そのクリックとともにこの健診・検診データは、画像も含めて我々のところに入ってきます。そしてこれは株式会社Doctorbookでまとまられているドクターが相談、こういうかたちにした方がいいですよというコメントが出せたら、クリック1,000円で安心感を買えます。

そして僕らのところには同意を得たデータが入ってくるというところで、データを活用した新たなビジネスと、またデータの広がりと両方があるわけです。これをもう今準備しているところでございます。そういった第4フェーズは新たなデータを拡張して、僕らのデータベースの中に同意をしたデータとして入れてくるとともに、そのデータを活用して新たなビジネスを生みます。

ここに進んでいっているところです。今年はその健診・検診も、1つ大きなターゲットとして進んでいくというふうに準備しています。

業績見通しサマリ

業績の見通しに関しましては6期連続の増収増益で、売上に関しましては145.7パーセント、経常利益に関しましては141.6パーセント、そして純利益に関しましては138.7パーセントで着地できるように進んでいきたいと考えています。今お話させてもらったものが業績の見通しというかたちになります。

今ご説明させていただいたとおりに、確実な成長と、国民に対して利益を与える企業として、新しいサービスもまた今年1年間でしっかり作っていきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。

以上でございます。