2017年12月期決算説明会

上原仁氏:みなさまおはようございます。

今から6年前の2012年、ゲーム事業にマイネットが参入する際に、打ち立てた目標がありました。年商100億円、従業員300人のグローバルベンチャーになることです。

当時、年商規模は約2.5億円。メンバーは約40人でした。100億円300人のグローバルベンチャーになると、周囲に話しても、なかなか誰も信じてくれなかったです。その中で、ゲームタイトルを1つ2つと自ら作り、その後、現在のゲームサービス事業、タイトルを仕入れて積み上げていくモデルというものを導き出して、これを皮切りにして、現在の姿を作ってきました。

そして、今回みなさまにお話しできる2017年の通期決算。ここをもって、1つの大きな区切りを迎えることができました。

年商100億円、300人のグローバルベンチャー。実際に今回その姿に到達することができ、同時に、先般、2017年の12月1日、東証1部上場に鞍替えを実現させていただくことができました。これもひとえにご支援をくださる、そしてこうして見守ってくださるみなさまのおかげであると、心より感謝しております。ありがとうございます。

そして、今すでに新たに次なる大きな目標を打ち立てて、事業に邁進しております。

年商500億円。領域ナンバーワンの成長事業を複数持つ、年商500億円のメガベンチャー。ここに向かって、現在、集まってくれている650名の仲間たちとともに、次のこの大きな目標に向かって、日夜邁進しておる毎日です。

本日の決算発表ではその年商500億円のメガベンチャーに向かっていく事業の戦略、経営の戦略についても、ご紹介させていただきたいと思っております。

まず最初に、この2017年1年間の総決算ということで、決算の概要についてご案内をさせていただきたいと思います。ではスタートします。

重点トピックス

まず2017年、大きなトピックスが1つ目。4期連続で大幅な増収増益を達成いたしました。売上規模としては、昨年が68億円、今回は119億円となっております。70パーセント強の事業成長を実現いたしました。

まず、これまでM&Aを中心に成長してまいりました。主に4つのゲームサービス事業会社で運営をし、持株会社に紐付けていく方式で成長をしてまいりましたが、この2018年4月1日をもって、現行ございます、4つのゲームサービス事業会社を1つの経営体に合併するというアクションを、今回意思決定いたしました。

ONE MYNETと当社の中で申しております。1つのマイネットという考え方をもって、ここから650名全員が一丸となって、年商500億円のメガベンチャーに向かっていきたいと考えております。

そしてもう1つ、新たなトピックスとして、AI・データ活用を推進する戦略子会社「株式会社mynet.ai」という事業会社を設立いたします。

これまでエンディングを迎えたタイトルを加えますと、50タイトルを超えるゲームサービスを当社の中で運営してまいりました。この数自体は国内にございます、他のあらゆるゲーム企業と比較しても、最大のタイトル数となっております。

この最大のタイトル数で日夜蓄積されていくゲーム社会内の、本当に濃いデータ。国内で最大のクラスタ数のゲーム社会データを蓄積してきた、当社のデータ蓄積の成果を、実際のゲームサービスに活用していくための戦略子会社、こちらがmynet.aiでございます。

今回大きなトピックスとして、この3つを発表させていただきました。

第4四半期ハイライト(経営)

ではここからは、まずこの第4四半期のハイライトをご案内いたします。

【業績】売上高は過去最高を更新いたしました。四半期売上が30億円を超える成果となっております。

また【財務】におきましては、フリーキャッシュフローベースで黒字化しております。現在、自己資本比率80パーセントを超える状態で、現金としても純現金22億円以上。当座貸越枠を足し合わせますと、30億円以上の現金を即座に動かすことができる体質を作らせていただいております。2018年度、さらなる大きなチャレンジを進めてまいる考えです。こちらに向けた潤沢な資金を、確保できた状態にございます。

続いて【組織】12月1日に東証1部に市場変更いたしました。この信用力の向上というものは、もちろん財務面でも大きな効果を発揮いたしますが、すでに現れている効果として、人材です。本当に優秀な人材が東証1部鞍替え前後に、当社に加わってきてくれております。

さらに、ここから、年商500億円のメガベンチャーを目指していく強固な組織体制を築くことができ始めております。

第4四半期ハイライト(事業)

続いて事業側、まず【仕入】当社の成長エンジンたる仕入。こちら第3四半期においては、一旦抑制をするというアクションをみなさまにご報告しておりました。その後第4四半期に再度、仕入れを再開いたしまして、新たに2タイトルの仕入を実行し、現在36タイトルを同時運営しておる状態にございます。

そして【サービス運営】。こちらを2017年の重点施策の1つとして、リスタートというアクションについてご報告し、進捗をみなさんにご案内しておりました。こちらにつきまして、リスタートタイトル1stのタイトル、こちらが海外ローンチというものを10月に実行し、こちらが大成功いたしました。

今回の第4四半期の決算の結果にも内包されているため、現在当社の海外売上高比率は、約20パーセント強となっております。現在、市場規模としては、凪になり始めている日本国内のゲーム市場でございますけれども、すでに海外での成果を上げ始めることができている当社の力をこの2018年、さらに現していきたいと考えております。

3つ目、【サービスエンジン】。パレード本部と当社の中で呼んでおります、60人の精鋭部隊。こちらに各タイトルで蓄積されたデータ・ノウハウ、そしてネットワークを1つの標準商品として作り上げて、サービスエンジンと当社の中で呼んでいる構造を作り上げていっております。

そのサービスエンジンの中のさまざまな機能モジュール、こちらを社内の36タイトルに向けて商品提供していくという構造をとって、現在の運営中の36タイトル、そしてこれから仕入れていくタイトルに対しても、より高い付加価値を提供できる状態を作っております。

ゲームサービス事業

では、決算概要。

まず、ゲームサービス事業のおさらいでございます。当社のゲームサービス事業とは、ゲームメーカーからタイトルを仕入れます。仕入れさせていただいて、その仕入れたタイトルを当社のリビルド能力で、利益体質に変化させ、その利益体質にしたタイトルを積み上げて、持続的に成長するモデルをとっております。

およそこれまでのところ、平均的に月1タイトルの仕入れを継続するということを実現しながら、仕入れて積み上げ、仕入れて積み上げ、というのを重ねて、現在の成長を作っている状態です。

タイトル毎の業績推移イメージ

なお、仕入れたタイトル1つ1つの収益の構造は、このようなかたちになっております。仕入れたタイトルの売上高は、まずもって逓減をぐっと緩やかにするノウハウ注入を行い、その後、コストは徐々に削減して、長期的に利益を創出していくという構図です。

基本的な減価償却期間は、1タイトルごとに24ヶ月となっておりますので、最初の24ヶ月間は減価償却費の負担がございますけれども、その後、長期に利益を創出していく構図になっております。今回第4四半期には、36のうちの3タイトルにおいて減価償却費の満了を迎えまして、そちらもこの第4四半期の営業利益に反映されておるという状態でございます。

売上高推移(四半期)

そして、売上高推移。今回2タイトルの仕入れを行いまして、過去最高の売上高を更新いたしました。ここまでのところ、15年第1四半期から見ますと、11期連続で増収ということを実現しております。

仕入時期別 売上高推移(四半期)

またミルフィーユ構造でとらえますと、このようになっております。半期ごと半期ごとにタイトルを積み重ねていって、成長を作ってきております。積み上げた過去のタイトルについても、しっかりと長期的な売上利益をつくれていることが、この図で見てとれるかと思います。

一昨年、2016年に買収をいたしましたクルーズ株式会社のゲーム事業が、相当ボリュームとして大きかったということもあって、ここでグーっと伸び上がったというのはありますが、その後も仕入れたタイトルを積み上げていくという構造を取れております。

この積み上げ構造であるゲーム事業は、他の企業体ではなかなか見られない姿でございますので、まだまだなかなか市場のみなさまにご理解・ご認識いただききれていないなというふうに感じるところはございますが、当社のこのゲーム産業ながらにして積み上げモデルであるというこの構造自体を、みなさまにこれからもお伝えし続けていきたい、証明し続けていきたいと考えております。

EBITDA・営業利益推移(四半期)

そして今回、1つ新たな経営指標を明示させていただこうとしております。それがEBITDAでございます。減価償却を除いたキャッシュ・イン、こちらの部分を明示させていただいております。償却負担を除くEBITDAを新たに経営指標にし、主力のサービス運営で着実にキャッシュフローを創出していることを、ご確認いただけるようにしております。

このEBITDAベースで見ますと、今回対前年全四半期比で24.7パーセント増。そして過去最高のEBITDAを実現しております。当社が大変キャッシュリッチなBS構造になっているのは、やはりこのEBITDAをどんどんどんどん積み重ねることができる状態になっていることによるものであります。

営業利益増減分析(四半期)

あと、営業利益の増減の分析です。先ほど申し上げました3タイトルの償却終了等がございまして、大幅なコスト減。そしてそれによる増益というのが実現しております。今回第4四半期単体で、2億8,300万円の営業利益を実現しております。

損益計算書(四半期)

そしてEBITDAはこの第4四半期、単四半期で6億1,500万円、月に2億円のキャッシュが積み上がるという構造を実現しております。またEBITDAベースで見ました時のEBITDAマージンも20パーセントですね、大変高い比率で推移している状態にございます。

費用推移(四半期)

こちらは費用の構造です。今回はそこまで大幅な内訳の変化はございませんが、1点ございますのは、外注費ですね。この外注費の圧縮が実現しているのが、見て取れると思います。

当社のこれまでも重ねてまいりましたリビルドのノウハウ、とくにワークフローを再整備して不要なタスクなどを排除したり、ないしはそのタスク順番を整理していく、ワークフローの標準化活動というものを徹底しております。それによって、不要な外注費が圧縮できる構造を再現しているというのが、今回見て取れるかと思っております。

あと、これはいつものご案内のことながら、広告宣伝費が2.1パーセント。他のゲーム事業者で多くありますのが、10パーセントから20パーセントでございますが、当社は2.1パーセントのこの広告費でもって、事業全体としてはしっかりと成長を作るという構造をつくれている、これが1つ大きな特徴でございます。

貸借対照表

BSですね。自己資本比率80.4パーセント。もう盤石という状態になっております。今現在も仕込みを進めておりますが、大きな当社アクションが取れる体質をつくれております。2018年度のチャレンジに向けて、現預金も潤沢になっている状態でございます。

キャッシュ・フロー計算書

続いてキャッシュフロー。営業キャッシュをさらに積み上げてフリーキャッシュフローベースでの黒字というのを実現したというのが今回、ひとつ見てとれるところでございます。キャッシュフローで10億円ですね。

これは取りも直さず、投資活動について、第3四半期・第4四半期においては少し縮減、抑制したというところが原因となっております。ここから再度積極投資を進めてまいりますので、フリーキャッシュフロー、今回は、大きくプラスになりましたというとらえ方をしていただければ、合ってくるかなと思います。

従業員数推移(四半期)

従業員の推移。現在618名という状態でございます。1月・2月にまた次なる新たな仲間が加わって、先ほど650名という表現をしておりますが、そのあたりを推移しておる状態でございます。

4期連続増収増益を達成

続いて通期決算。年間通して見たときにはこのような状態です。大型タイトルなど9タイトルを年間で仕入れまして、4期連続の増収増益を達成しております。上場前の直前期、2014年12月期におきましては、売上高は10億円未満でございました。

10億円のところから、綺麗にですね、ざっくり申しますと3倍・2倍・2倍というふうに、3年間で12倍の売上成長を実現しておる状態でございます。年間のEBITDAで20億円、つまり20億円のキャッシュが、新たに積み上がったという状態でございます。

スマートフォンゲームの市場環境

では続きまして、事業戦略の推移をお話しさせていただきます。

こちらでは、2017年に重点施策と置いていたものの進捗結果ですね。及び2018年の重点施策についてご案内したいと思います。

まず仕入の進捗。こちらが概況です。スマートフォンゲームの市場環境。マーケット全体としては、2015年頃から伸びが落ち着いてきているところでございますが、むしろ我々はここの中で12倍の成長してきているということを、ご覧いただけるかと思います。

国内のスマートフォンゲーム市場は、どんどんと寡占化しております。寡占化していく中で、メーカーさまはより次なる打席に、大規模な投資をせねばならない、そこに人員と資金をしっかり充てられるように、当社がタイトルを仕入れさせていただいてその後の長期運用を行う。

そこで生み出すキャッシュを、前渡しでしっかりとメーカーさんにお渡しすることで、メーカーさんはどんどんと次なる打席に立ち続けることができる。大きな役割分担を産業の中で作り上げているというのが、当社のあり様でございます。

タイトル仕入とエンディング

タイトルの仕入、抑制していた仕入を再開して、2タイトル仕入れいたしました。『サンリオ男子』というものが1つございまして、こちらは公表させていただいておりました。1月からアニメ放送が始まって、2月中に大きなリニューアルをかけたリリースを行いました。12月にもう1本、非公開のタイトルの仕入を行っております。

前回もご案内していたのですけれども、現在、当社はプロフィットシェア方式という商材仕入方式を積極的に進めております。これは、パブリッシャーを元のメーカーさまのままにしてですね、仕上がる利益の半分を当社がいただくと。もともとの半分見合いのものを、先にプリペイドしていくという方式。

すなわち、パブリッシャーはそのままという方式を多めにしているため、非公開の仕入タイトルは、今後も増えてくる予定でございます。なお、10月にエンディングを2つ迎えておりますので、タイトル数は36となっております。

投資回収の実績(タイトル買取)

あと前回からお示しております、投資回収の状況ですね。こちら2014年・2015年分は回収した上で、どんどんと次なるキャッシュを相当積み重ねる状態になっております。2016年も順調。2017年については、少しビハインドしておりますけれども、ここから回復させていく考えでおります。

投資回収の実績(企業買収)

また、企業買収方式で仕入れたものたちにつきましては、こちらも2016年6月に買収した株式会社ポケラボですね、こちらにつきましてはもうすでにこの1年半で回収をして、今でもキャッシュベースで2倍の回収の状態になろうとしており、IRRでいうと相当良い成果を出しております。

また、クルーズ株式会社ですね。クルーズのゲーム事業に関しましても、着々と回収が進んでいて、おおよそ半分回収できた状態にございます。

モデル別の実績

ここまでは仕入、投資にまつわる状況、ここからがサービスの進捗です。

当社が仕入れておりますタイトル群、これを大きくは改修・安定型、そして再設計型というふうに分類をしております。

改修型・安定型に関しましては、当社の従来からの得意技でございます。こちらについて、しっかりと利益を創出することを実現しております。

また再設計型に関しても、この決算説明会でもお話し続けておりました2つのタイトルを、年初3-4月ごろから再設計の投資を行った結果、大きな成果を上げることができているという状態にございます。先ほど申し上げました海外ローンチの成功というものが、かなり大きく響いております。

再設計型(リスタート)の総括

個別に見てまいりますと、再設計型は2つございました。

2つのうちの1つがまさに「◎」。国内版の大型アップデートで、国内版は国内版でしっかりと利益をつくれる状態にした上で、海外ローンチが大成功して、こちらの方でつくれている利益が、かなり全体の中でも牽引役になっておるというような状態でございます。

2つ目のタイトルについては、大変悔しいことに大型アップデート後、目標通りというふうにはいかなかったという状態でございます。外部環境がさまざまにあった中で、悔しい結果にはなってしまいましたが、現在も安定的な運営を続けてさほど大幅な損失を作るものには、なっていないというところでございます。

そして現在、『サンリオ男子』の大きなリスタートを計画して進めているという状態にございます。

こうして、2つ3つと、再設計型に関しての経験を蓄積していくことで、ここから先この再設計型方式による仕入の積み上げというものを、画策するところでございます。

パートナー移管の状況

また、パートナー移管ですね、長期に利益を作り続けていくということを実現するためのアクションを、2つご案内しておりました。

1つが、AI自動運転という活動、もう1つがパートナー移管という活動です。この長期的に利益を創出するための2つの取り組みのうち、まずパートナー移管に関しては、この10月時点で6タイトル。先日1つ、もう1つのパートナー移管を発表させていただきました。7タイトル、現在札幌の提携事業者株式会社INDETAILのもとで、運営を行っております。

このINDETAIL社自体は、札幌で採用したゲーム人材を一度青山の方に送り込んでもらって、青山で育て鍛え上げたゲーム人材が札幌に戻って運営をします。すなわち、ほぼ青山で運営しているのと変わらない品質を、比較的低コストで運営を続けることができる。それによって、長期の利益を生み出すことができる方式となっております。

またAI自動運転の側面につきましては、この後ご案内いたしますmynet.aiですね、こちらの方で引き続き進めていく考えでおります。

2018年 重点施策①:リノベーション

続きまして2018年の重点施策です。

大きく2つの重点施策がございます。言葉にいたしますと、リノベーション&グローバルという2つになります。

まず1つ目、リノベーション。当社が得意とする移管と再設計ですね。この移管・再設計時期のことを、当社の中でリノベーション期間というように定義いたしております。このリノベーションのノウハウ、これまでの経験で蓄積できた標準的な活動の仕方を、今後の再設計タイトルの仕入れの後に注入していきます。

高付加価値化の再現性を高めることに注力して、リノベーションタイトルを増やしていくということを、この上半期、とくに画策しておるところでございます。

再設計型の増加

このリノベーション型、これは、大きなチャレンジでございます。回復余地、ないしはポテンシャルですね、ポテンシャルが大きくあるにもかかわらず、メーカーさまの運営上はマイナスが出ているようなタイトルを、積極的に仕入れさせていただきます。

ですので、再設計期間6ヶ月程度の短期は、営業利益上のマイナスを記録したりなどもいたします。

しかし、その後に強めのリノベーション力で利益化を起こすことで、その後の長期利益化については、これまで同様の積み重ねを行っていくという動きでございます。

この再設計という領域ないしはこのリノベーションの領域に、当社におけるエース人材と呼べる人材を重点投下している状態のため、この部分がここから成否を大きく分けていくというところがございます。

2018年 重点施策②:グローバル

またもう1つグローバル。現在日本のマーケットの伸びが落ち着いてきています。より強いメーカーさんであればあるほど、海外に向けたローンチを画策したり、一定の成功を見られてる企業さんも多くなっております。

ただ、海外向けにプロダクトローンチをするということについてのノウハウ、開発のノウハウであったり、運営のノウハウですね、ここの部分についてはそのノウハウを持てる人材というのは、なかなか希少でございます。

そこにおいて当社は昨年6月に大きなM&Aで、シリコンスタジオ株式会社の海外向け事業を中心に行ってきた50名強の仲間を、当社マイネットグループの中に引き入れております。このメンバーと、従来から当社海外向けのタイトルは実は多く、現在5タイトルとなっております。

都合100人程度の海外向け運営を得意とするメンバーがいる。これを有する事業者というのは、ほかにさほど多く見られるものでありません。このリソース、海外ローンチリソースをしっかりと活用して、これから海外に攻めていこうとされるメーカーのみなさまと手を取り合って、この海外のマーケットをしっかりととらえていく。アクションをとっていく。

これが2018年、仕込んでいるものごとでございます。現時点で5タイトルを中心にして海外売上高20パーセントという状態にございますけれども、こちらを2018年さらに引き上げていくというアクションをとってまいります。

プロフィットシェア

なお、今2つ申し上げた部分、みなさまから見ても、少しリスクは高めにとらえられるものと見られると思います。この大きめのリスクになっているところを、しっかりとメーカーさまと協力してリスクをヘッジするプロフィットシェア方式というものを、現在積極的に進めております。

これは、大型のタイトルや再設計型ないしは海外ローンチ型のリスク大きめ、もちろんリスクが大きめである分リターンも大きめなんですけれども、このリスク・リターン大きめのタイトルの活動に関してはプロフィットシェア方式、先ほどもご案内いたしました将来利益の半分をプリペイドして、残る半分について当社の利益としていくという方式をとっております。

もちろんこれは、費用サイドも同じことになります。リスク・リターンの折半というものを積極的に進めて現在パブリッシャー・メーカーの方々と手を取り合って、大きなリスク・リターンを取りに行くアクションをとっております。

MYNET経営戦略

では、ここから今後2018年から始まる年商500億円のメガベンチャーに向かう戦略についてのお話をさせていただきます。

まず、構造図です。現在のマイネットの経営戦略、この通りになっております。

逆三角形の構造、まず一番根幹に、100年成長する会社として、これからも変わることなく、持ち続けるという理念とビジョンがございます。

「会いたいときに会いたい人に会える社会の実現」という経営理念、「オンラインサービスの100年企業」という経営ビジョンを実現していく。これはこれまでも変わらず、そしてこれからもちろん変わることがない根幹になる考え方、哲学です。

続いて企業戦略。こちらについては、当社の中でずっと持ち続けてきたものでございますが、今回初めてみなさまと共有をさせていただくものになります。

オンライン三原則。そして組織戦略、事業戦略、新規事業。こちらのレイヤーについてはとくに2018年からの中期、重点的なものとして行ってまいります。

理念・ビジョン

まず理念・ビジョン。「会いたいときに会いたい人に会える社会の実現」。この会うということはですね、社会がオンライン化していく中において、オンラインで会う、オフラインで会う。いずれも内包する概念でございます。

今この瞬間みなさまとは、オフラインでお会いさせていただいております。画面の向こうのみなさまとは、オンラインでお会いさせていただいております。いずれに向けても、私がみなさまとお会いして、このマイネットという会社がなんたる想いを持って、なんたる状態にあるのかというのをお話しするということをやっております。

この会うということによって生まれる共感とか、共鳴とか、刺激とか、感謝とかいった、人の中に生まれてくる感情ですね。この感情というのは、100年先においても人にとって最も大切なものであり続けるというのを、我々は信念として持っております。

この理念を実現する事業、サービスを提供し続けていく。そして100年成長する会社になるというのが当社の創業の時からの変わらぬ哲学です。そして経営ビジョン。オンラインサービスの100年企業。

我々が100年成長する会社であり続けるために、この21世紀の間ずっと変化・進化し続ける事業ドメインを選定する必要があります。我々はそれをインターネット、ここに定めてまいりました。21世紀の100年間、社会はオンライン化し続けます。

そして、その進化は決して戻ることのない不可逆な進化です。今現在みなさんは、スマートフォンを当たり前のようにお持ちで、ある種、常時接続で人とつながれる状態をすでに手にしていらっしゃいます。

ですが、10年前はどうでしたでしょうか。まったくそうでなかったです。今現在、みなさんは常時接続ですが、なにかかまぼこ板のような板を持ち歩きながらの状態ですね。10年後はどうでしょうか。そんなことをしている人がいるでしょうか、まずいないですね。

間違いなく、ここから数年後にARグラスによるみなさんの体験、リアルにおける体験自体が、デジタルで拡張されて、もちろんそれはオンラインでサービス提供されていく時代がすぐにまいります。

そして10年・20年という時間の中では、ブレインインプラントのネットワークというものが当たり前のものになること、これも間違いありません。こうしてどんどんと社会はオンライン化していくのです、人はオンライン化していくのです。

変化は不可逆で、変わりようのない止めようのないものなんです。その社会のオンライン化の先端で、人と人を結びつける事業を提供し続ける。これが、マイネットという企業体のずっと変わることないビジョンです。

企業戦略

オンラインサービスの100年企業たろうとする時に、当社がずっと変わらず持ち続けている事業組織の作り方、考え方、これをご紹介したいと思います。

3つございます。オンライン化社会の3原則。「Open Architecture」「Network Effect」「Data is King」この3つです。

これは、インターネット社会、オンライン社会において、この法則にのっとって物事を進めていったらば、社会オンライン化の成長にしっかりと乗っていくことができる考え方だと考えております。

1つ目のOpen Architecture。情報やシステムの設計仕様をオープンにすることです。公開することです。そうすることによって、誰もがオープンに繋がれる状態を担保するということなんですね。インターネットの中で情報をオープンにしていると、必ずプラスアルファの情報でポジティブなフィードバックが回ってまいります。

これは、インターネットの構造なのです。ネットワークの構造です。そして、情報をオープンにし続けられるように、しっかりと当社と繋がるための設計仕様というものを必ずオープンにし続けるということ。これを担保していく姿です。

例えば当社の場合はですね、当社の運営移管はあらゆるメーカーさんがさまざまな言語、さまざまなゲームタイトルを作っていらっしゃいます。このあらゆるゲームタイプや言語に対してすべて対応できる状態というのを、社内の標準化であったり、育成であったりによって担保しております。これが1つのOpen Architectureの示し方です。

2つ目、Network Effect。これはネットワーク効果というふうに日本語で申しますね。参加者が増えれば増えるほどネットワークの価値が高まっていく構造、これを担保することです。

「例えば」で申しましたら、LINEさんなんかはすごく典型的ですよね。LINE以外にも初期に似たツールはありました。でもみなさん当然のようにLINEを選びます。なぜでしょう。これは繋がれる相手が多いから、すごくシンプルな理由なんですよね。繋がれる相手が多いネットワークの方が価値が高い。この状態を担保し続けることなんですね。

例えば我々の事業の場合、当社のCroProというネットワークがございます。相互送客のネットワーク、現在96社のゲームメーカーさまと繋がっております。このCroProは参加企業が増えれば増えるほど、集客量が増えていくという構造になっております。

そのネットワーク構造、ネットワーク効果の構造の中に、当社は最大数36タイトルのゲームを投入しているわけですね。当然このCroProのネットワーク効果というものを最も享受できる状態に、自分たちを置くということを実践しております。

そして3つ目、Data is King。オンライン社会はデータの保有こそが競争力です。1つの領域の濃密なデータ、これを願わくば独占寡占の状態で、保持していること。その保有したデータを分析し、またそれをAIによってサービス化して、提供していくということですね。これがオンライン化社会において、勝利するための必須要件だと考えております。

当社のゲームサービス事業は、最大タイトル数のユーザー行動データを蓄積している、これは、幾度もご紹介している通りであります。このオンライン化社会の三原則、みなさんも薄々そうだなと、腹落ちしていただけるところあるかと思います。

ただ、今の世の中全体がすべてこの構造できているわけでもございません。ただ、これから100年進んでいく中で、どんどんどんどんこの原則の通りに物事は進んでまいります。そこに対して我々は明確にベットをして、事業を進めています。

我々のゲームサービス事業、タイトルをどんどん積み上げて、それをネットワークしていく、データを蓄積してそれをノウハウとして注入していく、この構造というのを最初の頃、認めてくださる方ほとんどいなかったです。

しかしこの事業が進んできて、だんだんと、なるほどこのオンラインの三原則にのっとった事業の場合は成長するのだなということを今のところ、徐々に証明をさせていただいております。ここから先も変わらず、この三原則にのっとった事業展開を進めてまいります。

ONE MYNET

そしてですね、今回、組織面で1つ大きなアクションとっております。

「ONE MYNET」、ゲームサービスの事業会社4社を合併いたしました。これは、対等の合併でございます。

もともとのマイネットからのゲームサービス運営をしていた、株式会社マイネットエンターテイメント、そしてクルーズのチームを中心にして築き上げた株式会社マイティゲームス。そして、シリコンスタジオさんからのメンバーを中心に作った株式会社S&Mゲームス。この3つに加え、メンバーはおりませんでしたが、株式会社マイネットゲームスという4社を対等に合併させることをいたしております。

方式としては吸収合併方式にしておりますけれども、構造上は対等のものとして、4社を合併させることで、都合550名規模のゲームサービス事業者を形成しております。経営資源を1つに集結させて、さらなる成長を目指します。

そして、現在いるメンバーについてはですね、全員をマイネット本体籍、今回東証1部上場企業となりましたマイネットの本体社員として、彼らに東1の社会的信用力をしっかりと享受してもらいながら、全員で一丸となって、ここからの年商500億円のメガベンチャーというビジョンに向けて、進んでまいりたいと考えております。

ゲームサービス事業戦略

さてここからは、事業戦略の部分でございます。ゲームサービスの事業戦略。

現在、このゲームサービス事業における事業目標というのがございます。これが「100タイトル100チームへ」というものです。

100タイトル100チーム。これまでにすでに証明している、タイトルを積み上げれば積み上げるほど、収益が成長するというわかりやすい財務面の側面ですね。同時に先ほど、オンライン化社会の三原則の中でお話しいたしました、タイトル数が増えれば増えるほどデータが蓄積されていくこと、そしてネットワークが拡大していくこと。

この資産アセットたるところを、100タイトル100チーム分積み上げていって、それを収益サイドにフィードバックしていくという構造を作っている。これが、100タイトル100チームの本質的な意味合いであります。

100タイトル100チームがもたらすもの

タイトルを積み上げる収益成長と同時に、業界最大規模のデータ蓄積と集客ネットワークによるサービスエンジンを構築していくというものです。このタイトルを積み上げてデータネットワークを作り上げていくことを、サービスエンジンと呼んでおります。ある種のプラットフォームととらえていただいてもいいと思います。

このサービスエンジンの中にございます、各種のモジュール商品群、これをこの100タイトル100チームに向けて、再度フィードバックしていく。ここである種の標準ノウハウがタイトルチームに対して提供されますので、当社のゲームサービスのプロジェクトに属するゲームクリエイターたちは、煩雑で共通化可能なものごとに時間や思考をとられることなく、本当にクリエイティブなところに、時間・思考をフォーカスして、事業に向き合うことができる。ユーザーさんのバリューに向き合うことができる。

これが、当社の作り上げていこうとしている姿であります。

データドリブンの飽くなき推進

これを進めていく中の要素分解いたしますと、まず1つがデータ、エンジンの中のデータの側面ですね、データドリブンの飽くなき推進。国内最大数のタイトルで蓄積したデータ・ノウハウを商品化してまいります。

先ほどのサービスエンジンの中の各商品群というのがありまして、こちらを社内で現在は活用しております。また、このデータドリブンのための技術開発や事業化機能として、AI・データ活用を推進するmynet.ai。当社社内では「ドットAI」というふうに呼称しております。

このドットAIを設立して、この現在20名ほどのデータサイエンティストやAIエンジニア、秀才集団です。彼らがここからの技術開発や事業化を推進していくということを、してまいります。

ネットワーク効果の拡大

次に、ネットワークですね。タイトルが増えれば増えるほど相互送客による集客の効果、現在広告宣伝費2パーセントというものを実現している集客効果というものが、もっともっと高まっていく。

これが100タイトル100チームになっていった時に、他社で運営している状態と、マイネットで運営してる状態のどちらの方が、1つのタイトルから上がる収益が大きくなるでしょうか。自明になっていくというのが、当社の考える姿です。

今はまだまだ積み上げ中で、これからもっともっと積み上げて証明をしていく考えであります。

ネクストマーケティングの新規事業

最後、新規事業の部分ですね。昨年設立いたしました、株式会社ネクストマーケティング、こちらも20数名の新規事業チーム、精鋭たちが新たな事業をどんどんと創り上げております。当社の中でハンマー調査とフォーカスというように切り分けて行っております。

ハンマー調査段階というのは、一定の投資額を明確にして、その新たな領域にしっかりと金脈があるかどうかを確認していくという作業を行います。その中でも、しっかりと数値に基づいて金脈がここにあるというように証明できたものにフォーカスして、その領域を全力で採掘しにいくという動き方をしております。

2017年の活動の中で、このActive Sonarというプロダクト、こちらに関してはかなり将来性が高いということを検証することができました。広告情報の一元管理をはじめとした、スマートフォンゲーム企業向けのマーケティングソリューションです。

こちらを2018年は、かなり集中的に採掘していくということを考えております。ただもちろんですね、次なる事業領域というのも新規事業部門の中で切り開きながら、進めていくという考えでおります。

中期経営ビジョン

では最後になります、中期の経営ビジョン。

こちらは、変わることはありません。「領域No.1の成長事業を複数持つ」。この言葉自体が、当社におけるメガベンチャーという言葉の定義です。

領域No.2がいっぱいあっても意味がないんです。領域No.1です。オンライン化社会においてNo.1以外は生き残りません。領域No.1、かつもちろん市場のみなさまから歓迎いただける成長事業ですね。領域No.1の成長事業を複数持つ事業体になること、これを我々は自らに課して、現在の事業成長を進めております。

そんなメガベンチャーとして成長して、現在の目標指標として年商500億円規模、これを中期の目標として進めてまいります。

2018年12月期 業績予想

最後にですね、2018年12月期の業績予想を示させていただいております。再設計型の仕入れが増加する分、少しコストが上半期に出ます。営業利益ではレンジになっておりますけれども、ここから先100タイトル100チームに向かっていくための、ある種の投資期間であるというように、今回の期間を位置付けております。

そんな中でも、もちろんしっかり、ねらった数字以上の値を出して、市場のみなさまに見守っていただける状態を、続けてまいりたいと思っております。

以上となります。本日はですね、四半期決算・通期決算、そして当社の中長期における企業の戦略についてご紹介する時間をいただきました。

当社ゲームサービスにおいては、まだまださらなる事業成長を進めてまいります。それに加えて領域No.1の成長事業を次なるものとして作り上げていく、メガベンチャーを目指す。年商500億円のメガベンチャーを目指します。

ただそれも、プロセスの1つです。本当の長期における経営ビジョンとして、この21世紀オンライン化し続けるこの社会の中で、そのオンライン化の先端で人と人を結びつける、これをやり続けます。

そこに全社一丸となって向かっていく企業体、マイネット。これからもぜひ暖かく、長い目で見守っていただけますと幸いでございます。

本日はご清聴いただきまして、ありがとうございました。