2018年3月期第3四半期決算説明会

樫本州一郎氏:本日はご多忙にも関わらず、多くのみなさまのご参加を賜りまして、誠にありがとうございます。栗田工業株式会社、経営企画本部の樫本州一郎と申します。それではただ今より、2018年3月期第3四半期決算についてご説明いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

業績ハイライト

最初に業績ハイライトです。

受注高は、水処理薬品事業において買収した米国子会社の新規連結や、水処理装置事業の大型案件の受注により、大幅な増加となりました。

売上高は、水処理薬品事業においては新規連結に加え、国内外で増収となり、水処理装置事業でも順調な工事進捗とメンテナンスの伸びにより、増収となりました。営業利益は増収と水処理装置事業の原価率改善により増益となりました。

営業外収支ですが、韓国の持分法適用会社の連結子会社化に伴う買収関連費用を計上したことにより、マイナスとなりました。

特別利益については、同じ韓国の持分法適用会社の株式の段階取得に係る差益24億円、ならびに政策保有株式の売却益16億円を合わせた、40億円を計上いたしました。これらの要因により親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比で33.5パーセント増加しました。

受注高・売上高・営業利益・営業利益率

セグメント別の実績はご覧のとおりです。

受注高・売上高は、水処理薬品事業・水処理装置事業ともに増加しました。

営業利益率は水処理薬品事業では、新規連結の影響と販管費の増加により低下しましたが、水処理装置事業では原価率の低下により改善しました。次に、これらにつきましてセグメント別にご説明いたします。

水処理薬品事業

水処理薬品事業の実績です。受注高と売上高につきましては、国内の前年同期に対する伸びは2.9パーセントでした。国内においては主力商品のボイラ薬品・冷却水薬品に加え、プロセス薬品も伸長しました。

海外売上高は15パーセントの伸びとなりました。新規連結を除く海外売上高の伸びは、日本円ベースで5パーセント増、現地通貨ベースでは3パーセント増となりました。

営業利益につきましては増収の効果があったものの、海外事業積極展開に伴う人件費の増加や、IT関連費用の増加により販管費が増加し、減益となりました。

水処理装置事業(電子産業向け)

水処理装置事業のうち、電子産業向けの実績です。

受注高につきましては、国内ハードが第1四半期に半導体向けの大型案件を受注したことや、中国・韓国のフラットパネルディスプレイや半導体向けで大型案件の受注が継続し、大幅な増加となりました。

超純水供給事業は国内の一部のお客さまとの契約変更の影響により減少しましたが、韓国における伸びにより、影響の一部を相殺しています。

売上高につきましては、超純水供給事業の契約変更に伴う減少の影響があった一方で、前期に受注した国内大型案件の工事進捗や、国内メンテナンスがお客さまの増産への対応で伸長したことにより、全体では増収となりました。

営業利益につきましては、国内の超純水供給事業の減収影響があったものの、その他の事業が総じて増収となったことや、海外ハードの原価率改善により増益となりました。

水処理装置事業(一般産業向け)

水処理装置事業のうち、一般産業向けの実績です。

受注高につきましては、電力向けハードと一般産業向けハードは減少しました。一般産業向けメンテナンスがお客さま設備の老朽化対応や、新設・増強需要により増加しました。

土壌浄化等、官公需メンテナンスの受注高は微減でした。売上高につきましては、電力向けハードと一般産業向けハードは増収となりました。

一般産業向けメンテナンスは受注高と同様、増加しました。土壌浄化は減収となりましたが、官公需メンテナンスは増収となり、全体でも増収となりました。

営業利益につきましては、前年同期に比べ増収となったことに加え、原価率が改善したことにより増益となりました。

サービス事業売上高

サービス事業売上高の実績です。超純水供給事業は減収となりましたが、精密洗浄や国内外メンテナンスの増収によりカバーし、水処理装置事業のサービス事業全体では増収となりました。

海外事業売上高

海外事業の実績です。

海外売上高は前年同期比13.6パーセントの増加となりました。セグメント別に見ますと、水処理薬品事業は米国フレモントインダストリーズ社の新規連結の影響が大きい北米地域のみならず、すべての地域で増収となりました。水処理装置事業は大型案件の工事進捗により、主に韓国において伸長しました。

設備投資・減価償却費・研究開発費

設備投資・減価償却費・研究開発費の実績です。

設備投資は期初の計画どおり、超純水供給事業における投資が進捗しています。有形固定資産に関わる減価償却費は微減。研究開発費は微増でした。

財政状態

財政状態です。流動資産では売掛金が増加した他、水処理装置事業の工事進捗により棚卸資産が増加しました。

固定資産では超純水供給事業の設備投資により、有形固定資産が増加しています。また、韓国の持分法適用会社の子会社化に伴い、のれんを計上したことにより、無形固定資産が増加しています。

また、保有する株式の時価上昇により、投資有価証券が増加しています。これらの要因により、手元流動性は減少しています。

ここまでが第3四半期のご報告になります。

概要

次に通期の計画についてご説明いたします。

2018年3月期の計画は、10ページのご覧のスライドのとおりです。1月31日の、昨日の第3四半期業績の発表と同時に、通期の計画も一部上方修正しています。

通期計画の前提となる外部環境に対する見方は、(2017年)10月の修正時から大きくは変えていません。ですので、今回は修正した部分を中心にご説明させていただきます。

受注高については、水処理薬品事業・水処理装置事業ともに海外における受注高の見通しを見直したことにより、大幅に上方修正しました。売上高も同様に上方修正しました。

営業利益は売上高の上方修正、ならびに第3四半期までの進捗を反映させ、上方修正しています。親会社株主に帰属する当期純利益は第3四半期までの実績を反映し、中間時点の見通しをこれも上方に修正しています。これらについてセグメントごとにご説明します。

2018年3月期通期計画

水処理薬品事業の通期計画です。11月末に韓国の持分法適用会社を子会社化したことにより、12月の1ヶ月分の受注高と売上高を見通しに加えています。その影響額はおよそ6億円です。

また、為替レートを見直したことにより、海外子会社の受注高と売上高を上方修正しています。為替レート見直しによる影響額はおよそ約7億円です。

営業利益につきましては、中間時点の見通しから変えていません。

水処理薬品事業(電子産業向け)

水処理装置事業のうち電子産業向けの計画です。

受注高につきましては、海外は中国と韓国における需要の動向と受注の進捗を反映させ、上方修正しています。売上高につきましては、海外ハードの好調な受注と工事進捗から上方修正しています。

営業利益につきましては、第3四半期までの進捗と増収の見通しを反映し、上方修正しています。

水処理薬品事業(一般産業向け)

水処理装置事業のうち一般産業向けの計画です。

受注高につきましては、電力向けハードと一般産業向けハードの見通しについて、第3四半期までの進捗を反映し、下方修正しました。

売上高につきましては、一般産業向けメンテナンスの見通しについて、第3四半期までの進捗を反映し下方修正していますが、前期実績に対しては増収の見込みです。

営業利益につきましては、第3四半期までの進捗と売上高見通しの修正を反映し、若干下方修正しています。

サービス事業売上高

サービス事業売上高と推移と計画です。中間時点の計画を一部上方修正しています。

海外事業売上高

海外事業売上高の推移です。水処理薬品事業・水処理装置事業ともに計画を上方修正しています。

水処理薬品事業は、韓国関連会社の子会社化と為替レート変更の影響です。水処理装置事業は、韓国と中国における売り上げの伸びが主な要因となっています。

設備投資・減価償却費・研究開発費

設備投資・減価償却費・研究開発費につきましては、第2四半期の決算説明会でお話した見通しを変更していません。

ここまでが通期計画のご説明になります。私からのご説明は以上です。ご清聴どうもありがとうございました。