2017年度第3四半期累計(4-12月) 連結業績概要(対前年)

荒井順一氏(以下、荒井):それではあらためまして、おはようございます。企画本部を担当している荒井です。

私から2017年度第3四半期累計の決算のご説明をします。2016年度3Qと2017年度3Q累計の比較です。

売上高は495億円増の6,012億円。為替換算が24億円で、実質的には435億円の増収となります。

営業利益はプラス117億円の224億円。経常損益は108億円増の218億円。純損益はプラス85億円増の134億円となります。

営業損益は、価格ダウンで113億円のマイナス、経費増で20億円のマイナス、コスト低減で111億円(のプラス)、為替で11億円(のプラスが)ありまして、プラスの117億円にまとめることができました。

営業外としては為替差損益で7億円のマイナスです。これを主要因として9億円が営業外でマイナスとなりました。特別損益は株式の売却益が15億円入り、トータルとして経常損益でプラス108億円です。

当期利益は先ほど申し上げた通り、プラス85億円で、営業損益、経常損益、四半期の純損益ともに、第3四半期ベースでは過去最高です。

ちなみに営業損益では、2015年の115億円が過去最高で、約倍増となりました。

経常損益は136億円、純損益は112億円で、いずれも過去最高を更新しています。

2017年度第3四半期累計 セグメント別売上高・営業損益(対前年)

セグメント別に16年と17年を比較してみますと、やはり牽引しているのは、パワエレシステムの中のインダストリーソリューションです。それから電子デバイス、食品流通といった部門が全体を大きく押し上げ、売上も営業損益も増収増益です。

2017年度第3四半期累計 セグメント別業績概況(対前年) ①

セグメント別に見ていきます。

まず、エネルギーソリューション部門は4部門です。

エネルギーマネジメントはスマートメータの物量が減少し、減収減益です。

変電システムにつきましては、前年同期に産業向けに大口案件があり、対前年ではマイナス、減収減益です。

電源システムについては、盤事業は海外ですけども、大口案件の影響および太陽光発電システムのパワーコンディショナの需要減少によって減収しました。しかし、原価低減等々進めまして、損益は若干のプラスになっています。

これらシステム系の部門などにプラント部門を合計すると9部門。工作機械を始めとする国内外の機械セットメーカーの需要が堅調に推移して増収増益になり、トータルすると売上がほぼ前年並み、営業損益が若干の増です。

パワエレ(パワーエレクトロニクス)のインダストリーソリューションです。ここが大きく売上、損益ともプラスになっています。とくにファクトリーオートメーション、インバータ・FAコンポーネントを中心として、国内と中国を主体に堅調に売上が推移して、増収増益でまとまっています。

プロセスオートメーションについても、国内の更新需要が非常に堅調に推移して、増収増益です。

環境・社会ソリューションについては、鉄道車両の電機品が需要増加により増収しましたが、案件差もあり、利益は若干のマイナスです。

設備工事については、前年同期に大口の案件があった関係上、減収減益というのが3Qです。

ITソリューションは文教向け、学校向けの案件が増加して増収増益となり、トータルの売上高で243億円、営業損益で36億円の増収増益となりました。

2017年度第3四半期累計 セグメント別業績概況(対前年) ②

発電部門です。売上は若干の増です。営業損益でマイナス13億円ですが、火力発電は国内大口案件を主因として増収です。

ただし、再生可能エネルギーは水力と地熱発電の大口案件の減少があった関係で減収です。営業損益は案件差により、マイナスの13億円です。

電子デバイスです。売上高で71億円、営業損益で52億円の増収増益です。

半導体部門は、中国・国内において、工作機械等の産業向けの需要増に加え自動車向けが堅調に推移し、大幅に増収増益です。

また、ディスク媒体も、対前年では需要減ですが、原価低減を推し進め、利益は増で、利益率も二桁に乗せている状況です。

最後に食品流通です。食品部門も牽引している部門の1つで、対前年売上で125億円、営業損益で27億円の増でまとまっています。

自販機は、国内需要が堅調に推移し、加えて四半期ごとに売上の見通しを落としていた中国市場が来期に向けて若干の増に転じる状況で、自販機部門で増収増益です。

店舗流通部門は、コンビニエンスストア向けが堅調に推移して増収増益で、(売上高は)プラスの125億円、(営業損益はプラスの)27億円で、増収増益になりました。

2017年度第3四半期累計 国内・海外売上高 海外地域別売上高(対前年)

第3四半期累計の国内・海外を分けた表です。トータルは459億円の増です。海外が122億円の増、国内が336億円の増です。

海外122億円増の内訳ですが、アジアは当社の海外事業のだいたい50パーセント。中国は35パーセント、その他欧州で7パーセント、8パーセントという比率になっていますが、アジアで45億円、中国で54億円と、大半が増収です。

エネルギーソリューション、インダストリーソリューション、半導体分野で増収を果たしています。

米州は1番少ない金額です。前回も申し上げましたが、ここの拡大が1つの海外の課題になると考えています。

2017年度第3四半期(10-12月) 連結業績概要(対前年)

第3四半期、10月から12月だけを対前年で比較した表です。売上高は、対前年同期24億円増です。ただし、65億円の為替差損があり、実質的には89億円の増となります。

営業損益は48億円、経常損益はプラス18億円、純損益は23億円で、累計と同様に増収増益です。

セグメント別についても、パワエレシステム・インダストリーソリューションが増収増益、電子デバイスが増益、食品流通が増収増益で、これらも累計と大きく変わらない構造になっています。

2017年度第3四半期末 連結貸借対照表

バランスシートです。

売上債権は堅調に回収をいたしまして、マイナスの229億円です。棚卸資産はパワエレをもとにしたプラント系を積み上げ、3月に一気に売上を伸ばすことで、順調に積みあげて325億円の増です。

それから、前年の富士通株式の売却に関する税金は1年後に払うのですが約200億円強です。その他負債は減少している状況です。

現金がマイナスになり金融債務で295億円を賄いました。ネット金融債務残高は3月末に比べて411億円の増で1,504億円です。

純資産は257億円を積み上げました。所有している株式の評価益プラス利益の剰余金、第3Qまでの利益の剰余金、それから86億円の配当を引いて48億円の増で、純資産が257億円増の3,495億円となりました。自己資本比率は1.5ポイントアップの34.3パーセントとなります。

ネットD/Eレシオは、0.1上がった0.5です。

なお、フリー・キャッシュ・フローは、年度末で約300億円程度を予定しています。

2017年度通期 連結業績予想(対前回予想)

10月に予想した数字と、今回の予想数値の比較です。

売上高に関しましては、8,500億円から8,700億円に前回増額しましたが、今回は50億円を増額して8,750億円です。

営業損益は、前回は480億円から520億円と、40億円増しましたが、今回は10億円を増して530億円です。

経常損益と当期純損益は、510億円と310億円で変えていません。

前提の為替は、USドルは105円、ユーロは115円、RMB(人民元)は15.7円です。

部門別でみると、第3Qからの経過とこれからの見通しも考慮して、パワエレシステムとインダストリーソリューションの売上が30億円、利益が5億円の増です。電子デバイスは20億円の売上増、営業損益は15億円の増です。食品流通は、売上で20億円、利益は価格競争が厳しくなることもふまえて、0(ゼロ)とおいています。

発電は、案件が第4期に延伸していることも考え、売上がマイナス20億円、営業損益でマイナス5億円とまとめていて、売上が50億円、営業損益が10億円の増です。

ちなみに為替が、110円あるいは109円というレベルですと、売上高では年間で100億円強、営業利益ベースでは10億円弱のプラスに効いてくると考えています。

2017年度通期 連結業績予想(対前年)

対前年で今回の予想を比較しています。売上高で372億円の8,750億円、営業損益で83億円増の530億円、経常損益で47億円増の510億円、当期純損益に関しては前年の410億円の中に130億円の富士通株式の売却益が入っていますので、マイナス100億円の310億円という内容です。

セグメント別でみても、やはり対前年でインダストリーソリューションがプラス229億円の売上高増、営業損益で46億円の増です。電子デバイスは39億円、48億円とそれぞれ増です。

食品流通も64億円、5億円の増です。発電に関しては売上の増なのですが、案件差によりマイナスの22億円で、対前年372億円の増、営業損益は83億円のプラスとなっています。

補足資料

今までご質問が多かった案件については、前回のご説明から第3Qに限って、対前年で、電子デバイスの売上の内訳、半導体分野の売上構成比、ディスク媒体の売上枚数、受注に関しての伸長率を、パワハンとインバータで記載していますので、ご参照いただければと思います。

なお、今回、530億円で予算をまとめています。前回もご説明した通り、業務を棚卸しして変革しており、第3Qだけでみても10億円強の削減につながったとみています。同じように第4Qも経費の削減等で、数億円の経費減を狙っていきたいと考えています。

また、為替も同じように推移していきますと、数億円のプラスになってきます。それをふまえると、やはり530億円にプラスして10億円レベルは積上げていきたいと考えています。

以上で説明を終わります。ありがとうございます。