2017年度第2四半期決算のポイント

梅田博和氏:本日はご多用のところお集まりいただき、誠にありがとうございます。2017年度第2四半期決算概要についてご説明いたします。

最初に、今回の決算のポイントです。2017年度は増収増益に転じる年と位置づけておりますが、車載事業や産業向けデバイス事業の成長により、第1四半期に引き続き、増収増益を達成することができました。

売上高については、オートモーティブや二次電池を含むエナジーなど、車載事業が大きく成長し、増収となりました。営業利益については、車載・産業分野へ転地を進めているインダストリアルの収益向上などにより、増益となりました。

2017年度2Q連結業績

第2四半期の連結業績はご覧のとおりです。売上高は、前年同期比113パーセントの増収となりました。為替や新規連結を除く実質ベースでも4四半期連続で増収となり、実質増収の基調が続いております。

営業利益は1,127億円と、前年から64億円の増益にとどまっておりますが、これは前年度にその他損益として計上した、引当金戻入益等の反動によるものです。

その他損益の前年からの減益額293億円を除くと、事業から創出される利益については前年から357億円の増益となっており、着実に収益力は向上しております。

税引前利益は63億円の増益、1,128億円となりました。純利益は701億円と、昨年度から342億円の減益となっておりますが、これは昨年度に繰延税金資産が計上されていた反動によるものです。

なお、第2四半期累計の実績については、プレゼンテーションの18ページ以降に記載しておりますので、ご参照ください。

事業別売上高増減

こちらは、売上の増減要因を売上開示事業単位ごとに示しております。

第2四半期も、車載事業が大きく増収となりました。とくにオートモーティブは、インフォテインメント事業が堅調に推移し、Ficosaの新規連結も増収に貢献しております。

また、パソコン等が好調なモバイルソリューションズ、実装の販売が伸びたプロセスオートメーション、車載・産業向けデバイスが堅調なインダストリアルが、着実に成長しております。

要素別営業利益増減

次に、営業利益の増減要因をご説明いたします。まず、売上の着実な成長により390億円の増益。銅などの原材料高騰の影響を受けたものの、合理化の取り組みで一部カバー。固定費は車載などの成長事業への投資により拡大しましたが、一部の投資の時期が後ろ倒しになったことにより、全体としては51億円の増加にとどまりました。

その他損益は、前年に引当金の戻入益や事業売却益などの一時利益を計上した反動により悪化。営業利益全体としては、増販益の貢献が大きく、64億円増益の1,127億円となりました。

事業別営業利益増減

こちらは、売上開示事業単位で営業利益の増減を示したものです。インダストリアルは、高成長事業と位置づけるメカトロニクスが堅調に推移したこと、液晶パネル事業やデバイスソリューションの収益改善が進んだことにより、大きく増益となりました。

メディアエンターテインメントは、高輝度プロジェクターの成長に伴い機種構成が良化。また、パソコン販売が好調なモバイルソリューションズも増益に貢献しております。エナジーは、車載電池の増販益はありましたが、新拠点立ち上げ費用の増加により、増益は小幅にとどまっています。

オートモーティブは、販売は伸びたものの、新製品の垂直立ち上げによるコスト増や合理化の遅れにより、前年並となりました。車載事業の本格的な利益貢献の時期は、2017年度後半から2018年度にかけてと見ております。

2017年度2Q営業利益・当期純利益

こちらは、営業利益から純利益までの損益の詳細です。法人所得税費用の前年差は、前年に繰延税金資産で益を計上した影響で増加をしております。

2017年度2Qセグメント別実績

セグメント別の実績はご覧のとおりです。詳細は次のページでご説明いたします。

セグメント別増減 売上高/営業利益

こちらは売上高と営業利益について、前年からの増減をセグメントごとに示したものです。売上高については、すべてのセグメントで増収となっています。営業利益については、ご覧のとおり、すべてのセグメントで、事業から創出される利益は増益となっており、収益力は着実に向上しております。

その他損益については、ソーラーの構造改革を行ったエコソリューションズと、前年に一時利益を計上したオートモーティブ&インダストリアルシステムズで、それぞれ減益となっております。なお、その他の増益は、本社収支の良化や特許収入などによるものです。

セグメント情報 アプライアンス(製販連結)

ここからは、各セグメント別の実績をご説明いたします。

最初にアプライアンス、製販連結ベースの実績です。売上高は、為替除く実質ベースで前年比103パーセントとなりました。

エアコンは、天候不順の影響を受けたアジアでの落ち込みを中国・欧州で挽回し増収。AVCは、アジアでテレビ販売が伸長したことに加え、欧米でミラーレス一眼カメラが引き続き好調に推移し、増収となりました。

営業利益は、エアコンやテレビを中心に、原材料や部品の価格高騰により厳しい経営環境が続いておりますが、白物家電やミラーレス一眼カメラの増販益、高付加価値商品へのシフト等により、全体では増益となりました。

セグメント情報 エコソリューションズ

次に、エコソリューションズです。売上高は、為替影響を除く実質ベースで前年比103パーセントとなりました。

エナジーシステムは、海外の住宅関連、国内のビル・施設向け需要が堅調に推移したことから、日本・アジアにおいて電設資材を中心に増収。ハウジングシステムは、国内リフォーム市場が堅調に推移する中、システムキッチン・バスの中高級品など、水まわり事業の販売が牽引し増収。

営業利益は、ソーラーの構造改革費用の影響により減益であったものの、事業から創出される利益は、価格下落や資材価格高騰の影響を増販効果や合理化の取り組み強化などでカバーし、増益となっております。

セグメント情報 コネクティッドソリューションズ

続いて、コネクティッドソリューションズです。売上高は、為替を除く実質ベースで前年比109パーセントとなりました。プロセスオートメーションは、1Qに引き続き、スマートフォン業界向けを中心に実装機が好調に推移し増収。

メディアエンターテインメントは、中国レンタル業界件名等、高輝度をはじめとしたプロジェクターの販売伸長により増収。

モバイルソリューションズは、Zetes社の新規連結効果に加え、日本のノートPC、決済端末の好調により増収。

営業利益は、メディアエンターテインメントの機種構成良化、モバイルソリューションズやプロセスオートメーション等の増販益が寄与し、増益となりました。

セグメント情報 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ

最後は、オートモーティブ&インダストリアルシステムズです。第2四半期の自動車市場は、米英が低調ながら、中国など他の主要国では前年を上回り、好調を維持。産業分野も、半導体製造装置や工作機械等の需要拡大が続きました。

このような中、売上高は為替を除く実質ベースで前年比109パーセントとなりました。オートモーティブは、インフォテインメントシステムの伸長に加え、Ficosa社の新規連結があり大きく増収。エナジーは、車載電池が円筒形・角形ともに拡大。インダストリアルは、車載向け・産業向けのデバイスが増収となりました。

営業利益は、前年の引当金戻入益や事業譲渡益の影響で減益となりましたが、事業から創出される利益については、メカトロニクスなどのデバイス事業や車載電池の増販益、液晶パネル事業の収益改善などにより増益となっております。

2017年度2Q 大規模6事業部・テレビ事業部

こちらは、大規模6事業部とテレビ事業部の実績です。二次電池の営業利益は減益となっておりますが、これは前年の一時利益の影響であり、事業から創出される利益は24億円の増益となっております。

大規模6事業部・テレビ事業部の見通し修正

足下の状況を踏まえ、一部の事業部の年間見通しを修正いたします。エアコンは、減販や原材料高騰により修正。パナホームは、新築請負戸建ての販売苦戦により修正。テレビは、販売の伸長により売上高を上方修正。単価下落や部品価格の上昇を反映し、営業利益は下方修正。

インフォテインメントシステムは、上期の販売好調や下期の大型件名等を踏まえ、売上高を上方修正。一方、上期に新製品の垂直立ち上げによるコスト増や合理化遅れがあったため、営業利益は据え置いております。

下期は、大型件名の売上や上期に発生した一時要因が改善していく見通しであり、年間では前年からの増益を見込んでおります。なお、見通し修正の影響は各セグメントで吸収するため、全社およびセグメント見通しへの影響はございません。

2017年度 年間業績見通し

最後に、連結の年間業績見通しは、5月11日に公表した見通しからの変更はございません。売上高については、下期は為替による前年からの影響が縮小するものの、上期同様成長が継続すると見込んでおります。

営業利益についても、下期は将来に向けた投資や原材料高騰の影響があるものの、事業からの増販益が貢献し、上期に引き続き前年から増益となる見通しです。

ご説明は以上となります。上期は、事業からの利益ではすべてのカンパニーで増収増益を達成しました。今年度の残り5ヶ月、公表値は当然のことながら、さらなる持続的成長に向けて、グループ一丸となって取り組んでまいります。引き続き、当社への一層のご理解とご支援をお願いいたします。