2017年度 第1四半期決算のポイント
梅田博和氏:本日はご多用のところ、また大変暑い中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。2017年度第1四半期決算概要についてご説明申し上げます。
まずはじめに今回の決算発表のポイントです。2017年度は増収増益に転じる年と位置付けておりますが、第1四半期からこれを達成し、順調なスタートを切ることができました。
売上高についてはアビオニクス事業が減収となりましたが、二次電池などの車載事業が大きく成長し、全体では増収となりました。
営業利益については、アビオニクス事業の減販損や、原材料高騰の影響を受けたものの、車載・産業分野へ転地が進んでいるインダストリアル事業において収益が向上するなど、全体では増益となりました。純利益は前年から196億円の増益となりました。
2017年度 第1四半期 連結業績
第1四半期の連結業績はご覧のとおりです。売上高は車載事業の成長により、前年同期比105パーセント増収となりました。
為替や新規連結を除く実質ベースでも、3四半期連続で増収となり、実質増収の基調が続いております。営業利益はインダストリアル事業やモバイルソリューションズ事業が堅調に推移し、121億円増益の839億円となりました。
その結果、税引前利益は74億円増益の820億円、純利益は196億円増益の488億円となりました。
事業別 売上高増減
こちらは、売上の増減要因を売上開示事業単位ごとに示しております。アビオニクスは、航空メーカーの生産抑制に伴う需要の落ち込みにより、減収となりました。
一方フィコサの新規連結や車載エレクトロニクス事業が堅調に推移したオートモーティブ、車載電池を含むエナジーなど、車載事業が大きく増収となりました。
これに加え、スマートフォンの増産向けに実装機の販売が伸びたプロセスオートメーション、日本や中国におけるエアコンの増販、テレビ等のAVCが増収に貢献しております。
要素別 営業利益増減
次に営業利益の増減要因を説明いたします。ご覧のとおり、売上高の成長による増販益効果がありましたが、一方で足元の原材料高騰の影響を大きく受けました。この影響を最小化するため、合理化の取り組みを強化するとともに、固定費については随時見直しをかけながら、管理しております。
固定費増の主な内訳は、車載等の成長事業に対する投資であります。その他、資材収入等によるその他損益の回復があり、全体としては121億円増益の839億円となりました。
事業別 営業利益増減
こちらは売上開示事業単位で営業利益の増減要因を示したものです。収益性の高いアビオニクスの減販が大きく影響しました。
一方、インダストリアルは厚生事業と位置付けるメカトロニクス事業が堅調に推移し、液晶パネル事業やデバイスソリューション事業等の収益改善が進んだことにより、大きく増益に貢献しました。
これに加え、決済システムの販売が好調なモバイルソリューションズ、ハイエンドシフトなどによるAVC事業により、全体としては増益となりました。
なお、車載事業については、営業利益は前年からわずかな増益にとどまっておりますが、本格的に利益貢献してくる時期は、当初の想定どおり2017年度後半から2018年ごろと見通しております。
セグメント別実績
こちらはセグメント別の実績です。アプライアンス、エコソリューションズ、オートモーティブ&インダストリアルシステムズでは、増収増益。
コネクティッドソリューションズでは減収減益となりました。その他のセグメントについては、知財収入などにより増益。消去・調整については、主に前年に事業売却損を計上した反動により、増益となっております。
アプライアンス(製版連結)
ここからは、各セグメント別の実績をご説明いたします。
最初にアプライアンス、製販連結ベースの実績です。売上高は、為替を除く実質ベースで、前年比101パーセントとなりました。
食品流通は、北米においてショーケース等の需要が落ち込んだことにより減収。一方、日本や中国で堅調に推移したエアコン、日本やアジアで好調なメジャー、テレビなどAVCの貢献により、アプライアンス全体では増益となりました。
営業利益は、原材料や主要部品価格高騰の影響を大きく受けましたが、家電の高付加価値商品へのシフト等により、全体では増益となりました。次にエコソリューションズです。
売上高は、為替を除く実質ベースで、前年比103パーセントとなりました。エナジーシステムはソーラーの減販はあったものの、日本や住宅関連市場が成長するアジアにおいて、電材事業が堅調に推移し、全体では増収。
エコソリューションズ
ハウジングシステムは前期から取り組んできた販売戦略が功を奏し、システムキッチンなどの水回り品が堅調に推移し、増収。営業利益は、前年のその他損益に土地売却益が含まれていたため、前年並みとなったものの、ハウジングシステムの増販効果等により、事業からの利益は改善しております。
コネクティッドソリューションズ
続いて、コネクティッドソリューションズ社です。売上高は、為替を除く実質ベースで、前年比98パーセントの減収となりました。
これは主に、航空機需要減少による機体メーカーの生産抑制影響を受けた、アビオニクスの減収によるものです。一方、プロセスオートメーションは、スマートフォン業界向け実装機の販売が好調。
モバイルソリューションズはゼテス社の新規連結に加え、日本でのノートPCや決済端末の売上が成長するなど、アビオニクス以外の事業では、すべて増収となりました。
営業利益は、プロセスオートメーションやモバイルソリューションズ等の増販益があったものの、アビオニクスの販売減の影響が大きく、全体では減益となりました。
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
最後は、オートモーティブ&インダストリアルシステムズです。売上高は、為替を除く実質ベースで、前年比111パーセントとなりました。
オートモーティブは、主にフィコサの新規連結影響と既存商材の伸長が寄与。エナジーは円筒形、角形ともに、車載電池が大きく成長しました。
インダストリアルは、テレビ向け液晶パネルからの撤退に伴う減収があったものの、車載、産業向けのデバイスが拡大し、全体では増収となりました。
営業利益は前年に含まれていた引当金戻入益の反動で、その他損益は悪化したものの、高成長事業のメカトロニクスが堅調に推移したことや、液晶パネル事業の収益改善など、インダストリアルの収益向上などにより、全体では増益となりました。
2017年度 連結業績見通し(2017年5月11日公表)
最後に資本市場のみなさまに、事業の実力をより正しくご理解いただくことを目的に、本年5月11日に公表した2017年度業績見通しの追加情報として、このたびその他損益の見通しを開示いたします。
ご覧の連結業績見通しに向けて、第1四半期は増収増益を達成し、順調なスタートを切ることができました。足元では原材料価格の高騰が、想定以上に進んでおりますが、合理化や固定費管理を通じて、その影響を最小限に抑えてまいります。
第2四半期以降については、1Qでは前年差が大きかったアビオニクスは、前年からの減収減益幅が縮小。
さらに下半期以降においては、車載事業の利益貢献が本格化する見通しでありますので、業績見通し達成に向けて、全社一丸となって取り組んでまいります。
ご説明は以上となります。引き続き、当社への一層のご理解とご支援をお願いいたします。